昭和28年(1953年)春。
荒木荘へ働きにやってきた川原喜美子。
十五歳の喜美子は、どんな仕事をするのでしょうか
ええからもう10分寝よ
喜美子が倒した襖の下敷きになった、メガネの女。
彼女はここで思う。
新しい子?
若いなぁ、どうせ長続きはせん。
鼻の下にあるのは鼻くそちゃう? ん、蝿か。どうでもええわ。あと10分寝よう。
なんでや……鼻くそ関係ないやろ!
まぁ、いっか。あとで突っ込みます。
喜美子はそうっと襖を立てます。
それを苦笑しつつ見つめる大久保。そんな喜美子を、さだが呼び出します。
「ここ座って」
さだと大久保のぶ子が、改めて喜美子に仕事の説明をします。
荒木荘は賄いと家事洗濯つきで高い家賃をもらっている、そんな下宿です。
今はかなり減りましたが、こういう下宿がこの時代は多かったものです。昭和舞台のフィクションでは多いですね。
さだを含めて四人分、朝から晩までお世話する。
それが喜美子にできるか?
「無理や」
のぶ子はそう断言します。
もうちょっと年上でないと無理。父ができると言い切ったのは親の欲目だというわけです。
そこで喜美子は、信楽で家事洗濯をしていたと言い切り反論します。
「うち、一生懸命働きます!」
大久保のぶ子の皿問答
ここでのぶ子は、三枚の皿を出してきます。そしてこう問いかけてきた。
一枚目は家族のため。
二枚目は仕事だから。
最後の一枚は、家族や仕事なしでやる。
そうして磨いて、どの皿が一番綺麗になるのか?
喜美子は三枚目を選びました。
正解は……皆同じ。
皿なんて磨けば綺麗になる、とのことです。
そう来ましたか。高度な問答です。
さだはここで、のぶ子の剣幕をフォローし始めます。若い頃から荒井家で女中をしてきて、四児の母で、姑を看取った。
そんな人生の大先輩からすると、人から見れば動機なんてどうでもいいと言うのです。
「一生懸命でも、割り切っても変わらん。なんでか? 誰にでもできる仕事と思われてるさかいな」
さだのように乳あて(ここでブラジャーだと、すかさず訂正するさだ)のデザインをするわけじゃない。
信楽のように褒める母もいない。
ここは家族でも親戚でもない、赤の他人の寄り集まり。仕事も暮らしぶりもいろいろ。若い子にはできない。
のぶ子は、早速あんな失態をしたと指摘します。
襖を倒したことでした。
倒れた襖の部屋にいたちや子は、女の新聞記者です。不規則な生活で、空いた時間に仮眠を取っているのです。
「断言します。あんたには無理や。信楽帰り」
こう言われてしまうのでした。
ごはんはおいしく、しかし悲しく
喜美子は、廊下で新聞記者のちや子に謝ります。
「自己紹介やったら明日にして」
そう忙しそうに言われるのですが、喜美子は明日帰れと言われたことを伝えます。
「ほな元気で」
「元気なわけないやん」
思わずそう言ってしまい、聞かれたと悟った喜美子は謝ります。
「すみません、いってらっしゃいませ」
喜美子は自室に戻り、膝を抱えたあと、戸を直そうとします。
のぶ子はその様子を見てから、干してある長靴を中に入れるのでした。
こういう何気ないシーンでも、凝っていると思います。
当時のガラス再現だけで、どんだけ手間がかかっているかという話。
公式サイトでのセット公開、楽しみにしとるで!
その夜――喜美子は、最後にごはんをご馳走になりました。
でも、食欲なんてありません。
ここであのイケメン大学生のお名前が紹介されます。
酒田圭介です。
スッとおかずを一品、喜美子にくれて微笑むというええ男っぷり。
魔性の江戸っ子・奥原咲太郎に対抗する、西のええ男・酒田圭介ですね。覚えとかな。
ここでさだも、おかずを一品くれるのです。
関西の親切ですね。
『なつぞら』の道産子「なんもないんだわ〜」(と言いつつ、大量に出てくる)ラッシュとはまた違う、人情があります。
喜美子も、味がだんだんとわかってくる。人情味かもしれんね。
ごはんはおいしく、しかし、悲しく……。
とうとう最後には、美味しいという気持ちが勝り、さくさくといただいたのでした。
そんな喜美子を見て、やっと圭介とさだも笑います。
三毛猫がニャーンと鳴く夜。
のぶ子からはお詫びの手紙と金の入った封筒を受け取り、喜美子は荷造りをします。
すると、荷物の中に、入れた覚えのないものが入っていました。
※続きは次ページへ
統括の内田ゆきさんって、カーネーションやごちそうさんにも携わっていますね。東京、大阪というより担当人の属性によるのかも。人事異動もあるでしょうしね。
ヒロイン交代で、
夜BSドラから、朝BSドラに戻しました。
朝からさわやかです。
楽しみです。
主題歌がまたいい。
家事育児なんて誰にでもできる!なんて、やったこともないくせに言う人間は、未だに山のように居ますからね。
大阪には拍手喝采です。