あさが来た 38話 感想あらすじ 天然が一番怖い!よのワールド炸裂

今週はあさが坑夫全員の前で、意識が高いスピーチをするところから始まります。

ハキハキと正論を語ると、亀助が「陽気な人柄が裏目に出ている」とつぶやく通り、逆効果。
大河では、ヒロインが熱血スピーチをすると、一番偉い人が「気に入った!」と言い全て丸く収まるのですが、現実も本作もそんなに甘くはありません。

正吉や新次郎まで、坑夫に馬鹿にされたあさは怒り、乱闘寸前になります。

自分が馬鹿にされても堪えられますが、家族や親しい人を馬鹿にされると怒る性格なんですね。
ちなみに当時の坑夫は刺青をびっしり入れている人が多かったのですが、そこは再現しないようです。

まるでマリー・アントワネット

そのころ大阪では、はつが住む納屋によのとかのがやって来ました。
お目当ては藍之助のようです。

納屋では、菊が孫の子守なんかする気はないとぶつくさ言い、子ども相手にいけずを並べ立てております。
しかし、ちょっと前にはニコッと笑ってあやすような仕草をしているわけで、このいけずは仮面を被っているのだな、と視聴者には示してあります。

菊は来客を察すると大慌てで物陰に隠れました。

ここからは傍若無人の、よのさん無双……横にいるはつが、一瞬だけ見せる呆れ顔がお見事です。

マイペースで藍之助を抱っこしては「新之助」と名前を間違います。
女中の名前も間違えるよののことですから単純なミスの気もしますが、新次郎から一字取っていて、なんだかもう実の孫とわざと混同しているんじゃないかと、ちょっと怖いものがあります。

ここからはさらによのさん、無敵です。

住まいが酷い、人間が暮らすなんて信じられない、藁で寝るなんて鶏やうさぎみたい、とまで言います。

まるでフィクションのマリー・アントワネットみたいな人だなぁ。

※あくまでフィクションであって、実際のマリー・アントワネットは必ずしも「民の苦しみに鈍感ではなかった」とフランスやオーストリアの歴史家さんたちが日々研究しております

【参考記事】マリー・アントワネット

マリー・アントワネットは何故嫌われる? フェイク・ニュースで燃え上がった炎上セレブ

はつがうちの嫁のように思える

よのの言いたい放題を聞いている菊の顔がまた絶妙。もう止まりません。

トレード話がなければ本当ははつがうちの嫁だった。
だから今でもはつがうちの嫁のように思える。
はつさんも私を母親と思って欲しい。

と、ここでかのがいかによのが素晴らしいお姑さんかフォローします。

うん、いいお姑さんなんですよね。ただ、天然なんですよね……。
作り込まれたいけずより、こういう天然&悪意ゼロの方が怖いことってあります。しかも、脚本家さんの身近にモデルがいるんじゃないか、と思うほどのリアルさがあります。

実家で蝶よ花よと育てられ、嫁いでからも正吉に何も咎められず、お付きのかのもただよのに憧れるだけで、ありのまま少女のまま育ってしまったんでしょう。本作は資産家のお嬢様がたくさん出てきておりますが、その中でも最もお嬢様らしい性格がよのではないでしょうか。

そしてよのはついに、
「藍之助と一緒に加野屋で暮らしてはどうか」
と持ちかけます。

流石にそれはちょっと、と普段から主人を止めることの無いかのも引き気味です。

養子へのハードルが今より格段に低かった時代だから

よのを擁護しますと、当時は実の親以外が子どもを育てること、養子にすることに対するハードルが、現在より格段に低かったことは確かなのです。

上流階級のように跡継ぎのいない家に養子に入ることもありましたし、貧しい家庭ではやむなく手放すこともありました。
特にはつのように働き手として家を支えねばならないのであれば、これも選択肢のひとつです。

母親が子育てをするのが大半の日本人にとって常識となったのは、戦後の高度成長期あたりでしょう。

せっかくおもしろい本作を見ているのに思い出すのも嫌なのですが、大河では引き取った子を、教育環境があまりよくなさそうな実母に返す話を人情もの美談のように描いていました。
スタッフの頭は完全に現代人の価値観だな、としらけましたね。

その点、本作では現代人と当時の価値観を取り入れつつ最適解を模索しているので、なかなか見所になりそうな気がします。

ここではつが困った顔になっていると、チュウチュウとネズミの鳴き声が。

驚きキャーッと退散するよのとかよ。
はつはとりあえず、よのの話を断ります。

よのがさらに何か言おうとすると、かのが引っ張って、慌てて帰ります。

長期戦も覚悟!米をくれ、米を送ってくれーい!

二人が去ったあと、ネズミの鳴き真似をしていた菊が出てきました。
こんな米の無い所にネズミがいるか、と勝ち誇ったような顔をしています。

菊は、よのの持って来た土産を真っ先にほおばり、その様子を、藍之助を膝に載せたはつが見守ります。

まず孫にお菓子をあげたらよいのに……とは思いますが、そうしないところが菊の「いけずな仮面」なのかも。
菊も零落を経て、よい方向に変わってきたのではないかと、今回初めて思えました。

九州では、あさが長期滞在する腹づもりで米を送って欲しいと手紙を書いています。

カズがおにぎりを差し入れして、夫らが仕事をしないのは困るから頑張って欲しいとソッと言われます。

おにぎり……大丈夫、これはデスおにぎりじゃない。
あさはカズに頼み、炭鉱の中に入ってみることにします。

提灯片手に進んで行くと、治郎作が怒りの形相で追いかけて来て、あさを引きずり出します。

そして、あろうことか頰を打ちました!

なぜ治郎作は怒っているのか?
気になる幕引きです!

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文:武者震之助
絵:小久ヒロ

※レビューの過去記事は『あさが来た感想』からお選びください

あさが来たモデル広岡浅子と、五代友厚についてもリンク先に伝記がございます

【参考】
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1 Comment

匿名

懐かしく思い出しつつ読ませていただいてます。

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