スカーレット19話 感想あらすじ視聴率(10/21)「どつくぞ~!」「待てやおら~!」

ちや子は、苦労していない圭介にはわからないと前置きしつつ、喜美子の家庭事情を伝えます。
エリート男子大学生と中卒女子では、そりゃ違う。そこを踏まえた本作って、本当に優しいと思う。

お金にこだわること。
精神的なことだけでなくて、生きていく上で大事ですもんね。

本作は金のことばっかりだと思うかもしれない。
それはそうです。近年朝ドラにおいて、喜美子は経済的最下層出身者なのだから。

喜美子もきっぱりと言い切ります。

「お金は大事やし、欲しいし、大好きです!」

人間の真理やね。
こう言われて、圭介も反論はできない。

ここで雄太郎がおにぎりを頬張りつつ、何か言い出します。
おいっ、雄太郎、おいっ!

圭介がつっこみます。

「それ、きみちゃんのやで!」

ちや子は記者魂で突っ込む。

「なに? 今、何か言いかけたやろ?」

「条件ええに越したことはないんやで〜」

雄太郎は、彼の人生をちょっとだけ語ります。
条件がええから市役所勤めをしたものの……。

「僕のことはおいとこ」

「おいとく?」

雄太郎、謎の職業はいつ明かされるんやろか。気になります。

本人はこう語ります。職場には、あうあわんがある。
適性こそ大事だと言いたいらしい。

だいたい、こいつは蝶ネクタイにサスペンダーという時点で何かがおかしい。めっちゃ気になる。
それなのに、本筋には多分そこまで関係なさそうではある。

今週も混沌……。

今日もデイリー大阪編集局は戦場や

大久保は洗濯物を干しています。
ここで洗濯物を伸ばす仕草が素晴らしい。三林京子さんは毎朝眼福です。

「ああ、お天気持ちそうやな」

そこへ雄太郎が駆け込んできました。

「痛い痛い痛い痛い痛い! お腹が痛いねん! あかん、病院やこれ! 痛い、痛い〜!」

テンションが高い。

これも、関西あるあるかもしれない。
関西の人は、痛い時、苦しい時、我慢せずキッパリと口にする傾向があるとか。個人差はあるでしょうけれどね。
その方が悪化や深刻化を防げてええこともある、と。

「難儀やな、大丈夫か?」

大久保に抱きつかんばかりのハイテンション雄太郎。
ここで喜美子はこうきました。病院に連れて行くとして、荒木荘を抜け出すのです。

「しっかりしてください! 雄太郎さん、しっかりしてくだ〜い!」

そうわざとらしく怒鳴りつつ、あの歌声喫茶「さえずり」前で芝居終了。

「ほな3時ごろに、この辺りで待っとるわ」

雄太郎の発案で、数時間試しにデイリー大阪で働くことにしたのでした。そのため、仮病で連れ出されたのです。

ビシッと敬礼して、ここでほなさいならっ!
そう別れる二人でした。

はい、日曜でも人が多い。
そんなブレないデイリー大阪編集局です。

「しゃあないやろ。新聞は台所で売れっちゅう時代や」

そんな電話の会話もある。
こういうセリフが抜群にええ本作。これにも時代背景や何かがあってのことでしょう。

婦人参政権はじめとして、戦後の日本は女性の権利が強くなったのです。
ストッキングといい、そういうことだとこのあとの流れでわかります。

喜美子はちや子からこう言われます。

「ほな適当にかたして」

適当って何?
まぁ、それどころではないんやな。

『なつぞら』にもあった【指示が大雑把問題】は、芸術性や創造性ゆえのこと。
こっちはただ純粋に混沌としているんや……。

ちや子は、同僚に記事の確認をされてキレます。

「婦人欄でなんで新劇女優の離婚取り上げなあかんねん!」

そんなことより帝銀事件や!
裁判の行方が見逃せない話題なのです。

赤痢拡大の消毒だと偽り、青酸カリを銀行員に飲ませた。そのうえで、金と小切手を盗んだ。逮捕された犯人は誤認とされている。
衝撃的であり、多くの作家も題材に選んでいる戦後屈指の怪事件です。

ゴシップいらんやろ――そういうことらしい。
新劇女優といえば、『なつぞら』の亀山蘭子さんですね。

ここでちや子は、頭を捻っております。

「町ネタ二本かあ……」

ちや子はいろいろな分野をやる。
できることはなんでもやる、オールラウンドの才能を持っているのです。

さらにこんな悲痛な叫びも。

「新産業新聞来たでぇ! 抜かれたでぇ!」

「与党議員3名辞職、収賄の疑い?」

スクープ先取りや!
他社に抜かれるということは、記者にとっては屈辱的なこと。負けてられへん。ネタの裏を取ってくる。

でも、どこへ?
手当たり次第や!

ちや子はたまらず駆け出します。

止める相手にはこうだ。

「どつくぞ〜!」

「待てやおら〜!」

ちや子さんの働きぶりに、ただただ驚くばかりの喜美子です。
ナレーションがそう丸めますが、こっちもびっくりです。

どつく。
待てやおら〜。
こんな関西弁を朝ドラで聞けるんか。

デイリー大阪、ええんちゃうか

世間のスポーツ紙は、ラグビーW杯が一面でしょう。
それでもブレないデイリースポーツは、阪神一面だと信じております。

さて、そんなデイリーですが。
猛虎魂の持ち主と、こんなやりとりをしました。

「『スカーレット』のちや子の会社。よりにもよってデイリーという名前。夕刊紙なら他にもあるだろうに……?」

「ええんちゃうか。最高ちゃう。これは大変なことやと思うよ」

「やはり猛虎魂?」

「そらそうよ。これは教育やろなぁ(※阪神地域で生まれ育つと、自然と猛虎魂を持持ってしまう英才教育のこと)」

うん、やっぱりデイリーにはピンとくる。
大阪や阪神ファン以外はどうでもええんかというツッコミもあるかもしれません。

いや、でも!
NHK大阪なのに阪神への愛がまるで感じられない、そんな今までがどうかしていたのです。原点回帰――今年はきっと本気なのでしょう。

私自身は、これまで繰り返してきたNHK大阪の朝ドラレビュー酷評から解放される喜びを感じられます。

今朝も濃厚だった。
新聞は台所で売る。婦人欄。帝銀事件に新劇女優。
当時の知識がないとちょっと追いつけないほど、情報量の多いセリフを、ハイペースの関西弁でガーッと流す。

濃厚です。
狙いに狙って、やりたいことをしている喜びを感じます。

ついていけない人も、多いとは思うけど。

このまま驀進や

本作の特徴といえば、メディアコントロールをしていなさそうなこともあるかも。
というのも、揚げ足取り記事が多いのです。昨年と比べると確実に増えている気がします。

中には、セーラー服の戸田さんが15歳に見えないという意見がありますが……なめとんの?

子役が包帯とったら西田敏行になっているとか。
『平清盛』で玉木宏さんが12歳を演じたとか。
どう考えても、人間五十年どころじゃない織田信長とか。

そんなんお約束やろ!
その程度で見る気失せるなら、もう大河と朝ドラ鑑賞の適性がないで終わりでしょうよ。

まぁ、そこを取り上げるということは、本作にプロットホールがないということでしょう。

それにこれを言うのは若干気が引けるけど……嘘です、今日もドヤ顔で書くけど。

一昨年と昨年のNHK大阪は、加齢表現が無茶苦茶でしたよね。

初登場時に18歳設定で擁護されていたヒロイン。
髪の毛をやたらと触るわ、口の中を開けたまま咀嚼するわ、奇声を発するわ。

おまけに50歳を超えてもズベベベと汚い仕草でカップ麺を歩きながら食べるわ。
むしろ、この方は人類なのかレベルのキテレツさでした。方言も演技指導も崩壊していたものです。

その点で本作には隙がないからこそ、難癖じみた叩き記事がでてくるのでしょう。

本作は、演じる関西人たちが『脚本家さんは関西の人なんやろな』と思い込んでおり、実は石川出身だったと聞くと驚くそうです。
水橋先生がそれだけうまいということでしょう。むろん内田CPらのバックアップも優れているのでしょう。

よっしゃ、このチームで大河ロード驀進や!
『ごちそうさん』を経て『おんな城主 直虎』まで驀進した森下佳子先生並に、メークレジェンドもいけるんちゃう?

関西の誇る西軍あたりをテーマにするとか。
幕末の知られざる関西とか。

もっと遡って「応仁の乱」とか。

このチームならいける気がする。そう思ってしまうのです。
大河枠がいつまで残るかそのものに疑念はあるものの、そこは期待してしまう。

地域性と史実考証の取り込みセンスがそれほどよいのです。

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
スカーレット/公式サイト

 

1 Comment

大阪のおばちゃん

いつも楽しく拝読しています。今日の放送は見ていないのですが、レビューの夏に「呼ばれ」というのが「話し相手として呼ばれたのかな」と書いておられます。これは、ひょっとしたら「食菜祭」という意味ではないでしょうか?「あんたもこっち来て一緒に呼ばれ」とか、「ありがとう。呼ばれるわ」とかいうふうに、使います。
「おおきに」という言葉は最近はあまり使いませんが、「呼ばれ」を「食べなさい」という意味には、地域差、年代差はありますが、関西では、まだまだ耳にします。

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