スカーレット48話あらすじ感想(11/23)適当ができないヒロインの相手役

喜美子の記事が新聞に掲載されました。

「綺麗な写真や。狸が化けたんとちゃうか」

フカ先生もニッコリ。

社長室にはお花もお酒も届く。ホクホクや!

敏春の宣伝戦略成功です。

 

ジョー、帰宅、そして泥酔

そしてジョーは東京から戻ります。
北村一輝さんの汗を拭う仕草ひとつとっても、見ているだけで臭そうで絶品です。なんとも暑苦しい。

百合子がジッと見つめる中、日が高いうちから酒を飲むジョー。

直子のことは語らず、こう繰り返すのです。

「蒲田いうのはな……」

「蒲田がけったいでな!」

何を言うてんねん。周囲すら理解できない。
蒲田は人名ではなく、直子の寮がある地名でした。京浜工業地帯の寝床になっている住宅地かつ歓楽街ですね。

食卓には、奮発したメニューが並ぶのに、ジョーは酒瓶を抱いてゴロ寝してしまう。
そして寝言はこうだ。

「直子ぉ……」

全体的に見てマイナスだらけなのに、チラッと見せる娘への情愛でかろうじてプラスへ持っていく。
そんな本作はすごい。

 

八郎は怒っているのか?

翌日、約束通り八郎がやってきました。用件はあのシャツの修理です。

あのシャツひとつとっても、彼の性格が見えてきてはいます。

・喜美子どころか信作も気づくほど雑な縫い目
→他人からの目線に割と無頓着なのでしょう。

・不器用なのかな?
→陶芸はするけれども、どうにも不器用なようです。

・不器用なのに自分でやってみた
→誰かに頼まず、自力でなんとかしようとは思うようですが。

マイペースさが見えてきました。
不器用といえば、初登場でカチンコを落としていた『なつぞら』のイッキュウさんもそうですね。

その八郎は、喜美子の横で黙って座っているだけです。これが他の人、普通の人ならば、新聞記事の話くらい振ってもよさそうですが……彼は雑談ができないようです。

信作とも見つめ合いになってしまった。
あの時、喜美子と盛り上がれたのは陶芸の話題だったから。それ以外の雑談だと、天気の話すらできないのでしょう。それで信作もああなったのではないかなと。

「すいません、ありがとうございました」

縫い物が終わって渡すと、一応、お礼は言う八郎。

喜美子は、何で怒っているのか?と聞きます。前会うた時と感じが違うって。
八郎は怒っているつもりはないと返します。

もともとそういう感じなのか? もともとそういう感じならそういう感じでいきます――と喜美子がまとめようとすると……。

「そちらも前に会うた時と違います! マスコットガールやとは知りませんでした」

八郎がそう言い出すので、喜美子は動揺して椅子からガタッと立ち上がってしまう。

八郎は喋りだす。
いきなりガーッと喋りだす。

ホットケーキを食べとうて絵付け師になりはったんですか?

お名前も川原喜美子。カワちゃんかせいぜいキーちゃん。
ミッコーって何ですねん。

喜美子はあの新聞記事で怒っているのかと悟ります。

八郎は止まらない。
丸熊陶業いうたらミッコー? そうなのかと問い詰めてくるのです。

喜美子は否定します。
フカ先生だと。深野心仙先生だと。

八郎はそれを知っていた。
日本画で芸術賞も取った有名な方。それなのに、記事では一言も触れていなくて失礼やないですか。そう言い出すのです。

ミッコーやホットケーキの方が大事ですか?

そうまで言われ、喜美子は否定します。
そんなことあるわけない。
けれども、新聞を読むとそう思えてしまう。八郎はそう言う。

喜美子は辛くなってきた。
適当に書かれた。アッキーでもミッコーでもええ、適当に書かれただけ。

そして後悔の念を口にします。こんなに騒がれるし、怒る人は出てくるし。

八郎はこう説明します。

怒っているつもりはない。新聞記事を読んだら腹立った。
喜美子はそれが怒っていることちゃうかととらえる。

確かに、そうですわな。

八郎はここで頭を下げます。

「せっかく直してもろうたのに何やかんやいうてすみませんでした。ありがたく着させてもらいます。すみません、失礼します」

こうして出て行くのでした。

 

ミッコー時代の到来や

喜美子は社員食堂掲示板に貼ってある「本日のシンデレラ」記事を剥がそうとします。

適当なことが書いてあると言うわけですが、フカ先生は受け流します。
信楽初の女性絵付け師はほんまのこと。細いことは気にせず、堂々としてたらええ。

これが普通なんでしょうね。

この社員食堂の場面は、八郎と周囲の差異がわかるので重要です。

お花もお酒もジャンジャン届き、八重子は喜美子を褒める。緑のご近所でも大騒ぎだって。
そして入ってきた加山はこうだ。

ミッコー絵付け火鉢の注文殺到中!
お茶を事務所に持ってきてくれって。

注文も来客もバッチリ入っているようですね。

「時代は深野心仙からミッコーですわ!」

そう大はしゃぎです。
自分が、喜美子のデザインに塩対応したことは完全に忘れているかの様子。

新入り三人衆のうち、八郎以外は苦い顔をしています。

「本人の前で言わんでも……」

「悪気ないんやろ……」

八郎だけが、我関せずといったように食事を黙々と取っています。

これもイッキュウさんに似たような場面があった。
自分の父が考古学トークをなつにしているとき、全く聞かず、ひたすらすき焼きを食べていました。

彼らは興味のスイッチが入らないと、話も聞かないタイプ。
むしろ味わうことに集中しているのかもしれない。

これって奇妙ですよね。
どうして八郎は、ここで深野先生を侮る意見に怒られないのか?

彼なりの切り分けをしているのです。
※続きは次ページへ

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