スカーレット68話あらすじ感想(12/17)作り手の気持ちは伝わるで

パーマネントであの女優を目指す

直子は、ここでええことを言う。

仕事をする時、お父ちゃん、お母ちゃん、百合子のことを考える。
そしてずーっと前には喜美子の顔もあるって。

必死でやってたら出来た。休み明けには副班長や。昇給もある。
だからこそ、やりたいことがあった。

パーマやで!

百合子はここで、多数決するかと言い出します。ほんまにこの子は、民主主義的な手続きが好きやなぁ。
直子はそんな百合子進学のお金も出すと張り切っています。

脚が、父親みたいなポーズになっちゃって、のぞいているのです。

「脚戻せ、お前は!」

ジョーは苦言を呈する。
まぁ、お父ちゃんとしては言いたいことあるわな。いつも姿勢が悪いジョーが言うても説得力ないけどな。あっ、そこは男と女は違うといういつものアレですね。

直子はずっと、わざと姿勢を悪くしております。
性格もある。マツはいつも身のこなしが綺麗だし、百合子もそう。喜美子は本人の精神状態の影響が見て取れる。ほんまに設定が細かい作風やで。

「ほういうわけでパーマ! パーマネント当ててもいいですか!」

「……不細工になんなよ」

「ならへん! マリリン・モンローみたいになったる!」

おっ? パーマネント。信作に迫るよし子もパーマですね。

そうそう。黒髪ストレートよりも、ああいうパーマネントがええなぁ〜という流行がありました。荒木さだなら、この流れをきっと理解する。

そして百合子は、まだあの大女優を知らないのです。

「誰、それ?」

「子どもは知らんでええ」

「子どもやないいうてんやん!」

おう、健全やな。

※この場面があまりに有名ですが

そういうセクシーな女優という意識が直子の中にある。

ジョーの気持ちもわかる。
どこの鼻の下伸ばしたアホんだらに、パーマネント見せたいんや。そうイライラしますわな。

『なつぞら』の夕見子駆け落ち事件のようなことがあったら? ジョーはどうないなってまうやろ。これは来年を楽しみにせな(アカン)!

そういえば、この大女優でパンチラネタを嬉しそうに話す、そういう昨年の放送事故があったな。

あれは本当にパンチらが好きで、子どもの前でもしていた。どんだけパンチラが好きやねん。
あれが作り手の心だったらもう、絶望感しかない。朝ドラでパンチラ連呼が心の声て、どんだけ虚しい人生や……。

ここでパーマは決着しまして、マツは差し入れを準備しています。
ジョーが気づくと「帰ってきいひんねん」と返す。

ジョーは心休まらんよなぁ。
夜中にこんな二人きりでそんなお前! オロオロしつつ、こう指令を出します。

「様子見て来いっ! ええか、ええか? こっそり、こっそり見るんやぞ!」

「えぇ……」

マツは従います。まぁ、ジョー本人が行かないだけええんちゃうか。

北村一輝さんはもう演技を超えたというか、ジョーになりきっていて、あたふた暑苦しくて、毎朝楽しませてもらってます。

真剣な喜美子の姿を見る母

マツはそっと、丸熊陶業の商品開発室を覗きます。

「失礼しますぅ」

八郎は床に寝ています。遊び疲れた子供みたい。

一方で喜美子は「はあ……」と言いつつ真剣にろくろへ向き合う。

八郎に何もかけない。食事の形跡もない。
二人とも集中しているんでしょう。

マツはそんな娘の姿を見守り、そっと差し入れを置きます。

「あっ!」

ここでやっと喜美子は気がつきます。マツと二人で寝ている八郎を見て、笑い合うのです。

「すごいなあ……」

そして朝。
喜美子は最後の一個に向き合い、そっと置きます。

バイオリンが響く中、朝日の中、彼女は作品をみ見つめます。

夜に一室で二人きりにドキッ! そう思た?

今日はわかりにくいようで、本作の個性がバリバリに出ていた。
すごい回だと思う。

作品論を誠実に出す前後は、作り手も気合が入るのでしょう。

ジョーはとてもわかりやすい人物です。彼は世間の反応を見せてきていますよね。
ジョーみたいなお父ちゃんにとっては、娘が色気付いてきているという認識になる。直子のパーマでもストレスがたまるのに、喜美子はこうですからね。

こんなんお前……どないなってもおかしくないやろ。それが「ゲスやな!」と舌打ちしたくなるのは、喜美子と八郎を見ているからなのです。

今日の撮り方は、色気というか艶っぽさを削いでいるとは思った。

八郎はむっつりしたまま電話をかけるために消えるし。
喜美子も甘えて抱きつくようなことはしないし、食事のことも毛布をかけることも放棄した。

女性としてケアスキルが高い、マツが登場することでわかりやすくなります。

喜美子にせよ、八郎にせよ。
相手を見る目は昭和スポーツ新聞的な死語感「ムフフ❤︎」の前に、真剣勝負なのです。

ものづくりをどうするか? そういう凄みを感じる。どうしてこの二人はこの役者なのか。そういうことも伝わってきます。

もう、陶芸が地味だなんて言わせへんで!

喜美子はものづくりの真剣勝負と喜び、達成感。
そして大変さをしみじみと噛み締めている。

八郎とラブラブ〜❤︎
と、その前に、陶芸、ものをつくる喜びを味わう。それが喜美子なのです。

フカ先生の「ニコニコ」との違いも気になるところです。

本作第一回――窯に薪を投げ込む喜美子は、ニコニコしていなかった。

さぁ、喜美子の陶芸はどうなるのでしょうか?
と、気になるところですが。

飴と鞭の使い分けが抜群にうまく、それゆえ沼の民を鎮め尽くす本作の職人芸がありますからね。

明日は、甘い展開あるで!

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
スカーレット/公式サイト

 

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