スカーレット126話あらすじ感想(2/29)実は記憶に……ございます!

「有馬温泉? ええなあ」

「信作くん夫婦に任せて有馬温泉。陽子さん、ええなあ〜」

そう語る合唱団の皆様。微妙にバラバラなデザインの、白ブラウスと黒系のスカートがええですね。こう、なんとなく揃えるコーラスメンバーあるあるな。

ミックスジュースを作れるんか?

「ホット5つ!」

ここで信作が確認しますが、誰もそんなもん頼んでおりません。

「おかあさん合唱団」オーダー入りまーす!

 

・カフェオレ

・ミックスジュース

・ミルクセーキ

・オレンジジュース

・メロンソーダ

・バタジャムトースト2つ

おっ?  ミックスジュースにNHK大阪の誇りを感じるで。

何それ? 今時、特に関西以外の方はようわからんかもしれません。昭和関西の喫茶店といえばコレやで。

※どて焼きといい、ミックスジュースといい……ほんまにええドラマや

それはさておき、ミックスジュースをカスマスター信作が、どうやって作るのか。ここが問題です!

案の定バレ、不信感を抱かれております。パンがないという言い訳も、即座に目ざとくバレるこの地獄よ……。

「僕のホット飲んでみて!」

「ゆりちゃん帰ってきはるまで待つわぁ」

そのうえで、ラジカセを貸してと言われる。

合唱ハーモニーの確認したいん。他のお客さんが来るまで、陽子は許可しているってよ。

「ハモろうな! せーの! ラー!」

そして歌われる『バラが咲いた』。信作は「バタジャムってなんやねん!」とパンすらまともに切れそうにない。

ここで、次のお客さんが来ます。

「兄ちゃん、三人やけどいけるか」

「好きなとこどうぞ、好きなとこ!」

信作はコーラスを「もう終わり!」と止めつつ、なんとか注文を取ります。

さらに外国人観光客も来たで! ツー、2名や!

なんやこの、昭和の感覚ちゅうか、そういうのな。記憶がまた刺激されるわ。万博でハンカチ落としただけで、金髪(だったか?)美女がサンキューと抱きついて来る。そういう昨年のアレみたいな、都合のええ外国人はファンタジーやから。

『なつぞら』の北海道観光と「雪月」も好きでした。本作には、関西昭和の喫茶店があってこれまたええもん見せてもらってますわ。

昭和関西の空気感を切り取ることに、本作はえらい情熱を注いどって。

おかあさんコーラスの雰囲気も。三人組で来る客の感じも。名もない役まで、当時の雰囲気を再現しようとがんばっていて、たまらないものがあります。こういう普通の感覚も大事にしたい。ええと思う!

まぁ、信作はアレやけどな。受難の流れが定番。

レイコーを注文され、アベックにドキッ!

さて、そんな「サニー」に百合子が戻ってきます。

ただいま「休中」ではなく「休“憩”中」。正しく書き損ねたぞんざいな貼り紙がそこにはある。信作、大丈夫かな?

信楽焼狸の前を通って、百合子が店に入ります。

と、洗ってないグラス、カップ、鍋、食器ィ! 見ているだけでこみあげてくる不快感。むしろ割っていないだけ、信作にしてはえらいと思う。あの信作なのに、ほんまにようやっとるわ。

ここで、ラジカセの録音が止まる音がします。

昔はスマートフォンも、ボイスレコーダーもない。こういうカセットテープです。時々からまってグチャグチャになる。

百合子が再生すると、悪戦苦闘する信作の声、コーラス、様々な音が聞こえて来ます。

ここで、「レイコーまだ?」という男性客の声が入るのもええね。

◆昭和関西の言葉:レイコー

アイスコーヒーのこと。

アイスコーヒー→冷たいコーヒー→冷コーヒー→冷コー

 

‪「冷コー」は死語? 2割知らず7割使わない

 

「レスカ」は「レモンスカッシュ」、「クリソ」は「クリームソーダ」のことやで。

 

‪大阪・新世界にある喫茶店のレスカ推しがハンパない! 「レスカあります」「冷コーあります」

信作は頑張っております。外国人の客には、

「ウェルカムトゥ信楽ィ、アイアムマスター、エンジョイ!」

と、たどたどしく喋る。ええな。こういうがんばってます感がええよぉ。

そんなコテコテの客ですが、アベック(※死語)もなかなか濃い。サンドイッチ、ピザを注文されそうになって、信作は必死でなんとか止めようとする。

「カレー、どうですか」

「辛いぃ〜」

そう甘える女性客に、辛くないと誘導し、隠し味のコーヒーをアピール。アベックは二人で半分こすると言う。

そしてやっと一息ついたのか、信作の本音が録音されています。

「はぁ〜疲れた〜疲れた……百合子のアホ! ちゃうな……俺のアホ〜! はぁ……百合子〜ごめんな〜」

こっちこそ。
録音を聞く百合子はカウンターに肘をついていて、左手の薬指には指輪が光っています。

こう、二人の結婚生活がギュッと凝縮されている気がしました。

こういう何でもない一日に、きらめきが詰まっていると思えるのです。

実は記憶に、ございます!

そこへドアベルを鳴らして、牛乳を買ってきた信作が戻りました。

百合子は深々と頭を下げます。

「ごめんなさい。お店ほったらかしにしてしもて」

「かまへんかまへん。俺一人で余裕やったし」

「むちゃくちゃ大変やったやろ。合唱団の人も来はったみたいやし」

そう百合子に言われ、見ていたのかと信作は驚きます。見たのではなく、聴いた。録音機が回っていたと百合子は明かします。

「俺が悪かったー帰ってきて百合子ぉー!」

そんな叫びが再生されてしまうと。もう信作はカッコつけられません。

「ただいま」

「お帰り」

百合子は片付けを手伝うといい出します。そのうえで「どこに行ったか聞かへんの?」と言います。

「ともちゃんとこやろ」

そう当てられ、百合子が戸惑っていると信作は言います。おとといの夜、風邪をこじらせたから見舞いに行きたいと言っていたと。

「覚えてたん?」

「記憶に、ございます!」

ここから、信作怒濤の記憶タイム。

おとといの晩はカレイの煮付け!

マフラーは真っ白!

結婚して13年目やな!

「全部記憶にございます!」

百合子のこと、百合子としゃべったことはぜーんぶや。そう打ち明ける信作。ちょっと怖いと返す百合子。

「もう言わん、もう言わへん」

「うそや! 聞きたい聞きたい」

「よっしゃ、二人の時だけやからな」

ここで夫婦はカウンターに座り、夫婦だけの会話をします。

思い出すのは、あの電話をして会いたい、たまらんと言い合っていた日のこと。

百合子

うちもたまらん、会いたい。

信作

おれも会いたい。

百合子

うちも会いたい。

そう思い出してから、夫婦は確認しあいます。

「ありがとう。これからもよろしゅう頼みます」

百合子はもうひとつ、確認したいことがあります。

「それでうちは何番目の女なん? 20番目?」
※続きは【次のページへ】をclick!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA