お笑い興業元「北村笑店」。
女社長の北村てんが売りだそうとしている漫才コンビは、元女優のリリコとアコーディオン奏者の四郎でした。
漫才大会優勝を目指すと息巻くリリコですが、果たして……。
もくじ
啄子は西海岸じゃなかったの?
女たちがしょうもない打ち合わせをしていると、突然、隼也がアメリカから帰国します。
「おかあちゃん!」
「隼也~」
と、走り寄って抱き合ったのがリリコという……。おいおいおい!
まさか、
「こんな親子ありえへん!って突っ込んで、わろてんか!」
とか、さすがに思ってませんよね?
単にリリコが厚かましい方に見えてしまいまして(´・ω・`)
隼也は仏壇に手を合わせて、藤吉にご挨拶。
啄子とロックフェラーセンターやブロードウェイを見てきたそうです。
と、ここで素朴な疑問が。啄子さんのお住まいはどのへんでしょう。
地理的な影響もあってか、戦前の日系人が多いのはアメリカ西海岸です。
ロックフェラーセンターやブロードウェイは東海岸。ハリウッドならまだしも、啄子とNYへ旅行に行ったということですかね。
帰国したばかりの隼也が随分と偉そうで……
風太は、トキと夫婦漫才っぽい駆け引きを始めます。
「ほらほら、おもろい夫婦やろwww」と言われている気がするのですが、容姿イジりとドツキだとなんだかなぁ。
たしかに濱田岳さんの演技、表情で、持って行かれる方はいると思います。結局、脚本ではなく役者さん次第なんすよね。
風太のモデル・林正之助は「ライオン」というあだ名でしたが、風太はまるで小型犬。
ご年配の視聴者に、可愛く見せる作戦かもしれません。
一息ついて、リリコと四郎のコンビ名を決めることに。
隼也がアメリカのミスコンの話題を持ち出して、「ミス・リリコ」にするとドヤ顔で言い出します。
脚本が変わらない限り、突然変異的に素敵キャラになるとは期待していませんでしたが、やっぱり隼也もドヤ顔でしょうもないことを言いそうだなぁ。
ここでリリコの着せ替えタイムです。
ご令嬢風、女学生風、男装風……いつまでたっても歳をとらない本作ですが、劇中のリリコはアラフォーのはず。
広瀬アリスさんですから、そりゃあ何を着たって綺麗です。
ただ、アラフォーなのに女学生風を着せられたのかと思うとちょっと……。
てんは脳天気に
「女優さんやから何着ても似合うわ~」
って、そりゃそうや、今までが酷すぎだわ!
ドラクエ竜王にはじまり、ホグワーツの教師風、温泉旅館の売店にある謎のジャージとか、どうにも恐ろしい衣装ばかりでした。
髪型もそうです。ちびまる子ちゃん風オカッパ、ボサボサパーマですからね。
娘義太夫の頃の奇抜な格好が一番マトモだったのでは?
「名前はバタ臭くて、中身は大和撫子や」
ここで隼也がスカしたドヤ顔で「着物」という正解を出します。
「名前はバタ臭くて、中身は大和撫子や」
ごめんなさい、正直、うっとうしいです><;
社長の息子だからって芸人にもため口だし、わざとらしく一発で正解を出すし、なれなれしいし、偉そうだし。
藤吉とは別のベクトルで嫌キャラになりそう。
てんも、なぜ放置しておくのでしょう。
親子が会社社長をやるのは必ずしも悪ではない。ただしそれは、しっかりと修行をさせれば、の話です。
アメリカ帰りで芸能の知識があっても、周囲の従業員に敬意すら見せず、ドヤ顔をしている息子なんてダメダメでは?
例えば、てんが隼也を物陰に引っ張り、
「なんやねん、あんた、その口の利き方は。あんたがアメリカで何勉強してきたかよう知らんけど、相手はうちで何年も働いてきた人さんなんやで。うちら、あの人たちにに食わせてもらっとんやないの。ペーペーのくせにでかい口叩くなんて百年早いわ!」
ぐらいピシッと言ってこその女興行師でしょ!
ダメ出しした台本がダメ出しされて涙目万丈目
そのころ文芸部では、万丈目が楓の脚本にダメ出ししてました。
具体的に何が駄目なのか?
それを指定するのではなく、藤井隆さんが必死のアドリブで埋めている様子がうかがえます。
たしかに普通の文章を書くのと、漫才の台本では、コツに大きな差があるでしょう。だからこそ楓に書かせる必要性が感じられないんですよね。
万々亭で、再度ネタの打ち合わせをするご一行。
リリコが四郎を「ドシロー」としつこくいじるのが、見ていて辛いです(´・ω・`)
リリコは偉そうに脚を組んで、四郎にネタを読めと言います。
そして読み方が悪いとキレ、さらにはネタもつまらないとダメ出し。
楓が斬新なネタを出したのに、定番にこだわる万丈目が手を入れすぎて、かえってつまらなくなったようです。
この辺、文書の世界でも同じようなことはありますね。
普段、ライターさんの原稿を手直しする編集さんが、万丈目と同じ気持ちになってビクビクしながら見ていたようでw
やっぱりプロ根性の欠片も感じられない
にしてもリリコ……さすがに態度がデカすぎですって><;
そこまでお笑いに詳しかったでしょうか。
リリコが相当なお笑いファンで、過去に北村笑店のネタを批評したり、あるいはネタ出しするぐらいの伏線がないと、今のシーンが全く生きてきません。
そして彼女は「アラビヤの唄」を歌いだすのでした。
四郎は、外で、鬼軍曹風の歌子から、発音発声の指導を受けています。
歌子も本当に素敵な役者さんだと思うんですけどね。この鬼軍曹っぷりが、どうにも唐突で笑えなくなっちゃって。
更にはリリコ、四郎がせっかく書いてくれた楽譜を読めずに文句タラタラ。
昨日、アコーディオンの調律にはケチをつけたくせに、正しく歌わせようとする四郎の努力を、逆ギレで全否定するとは、それこそ矛盾ではないでしょうか。
しかも興奮して、四郎の商売道具であるアコーディオンの鍵盤を乱暴にさわり、突き飛ばされてしまいます。
なんだこりゃ?
やっぱり、彼女にプロ根性はなかった?
他人には厳しくて、自分には甘い。そんな性格にしか思えません。
てんや他の連中も最低です。
リリコが四郎を一方的に怒鳴りつける様を見聞きしていたはずなのに、リリコが突き飛ばされた時点で四郎を追い詰めるように騒ぎ出す。
そりゃあ、四郎も怒るでしょうに。
自分は音楽家だ、やってられへんと怒鳴るのも当然の流れではないでしょうか。
それをリリコは「尻尾巻いて逃げたらええ!」と怒鳴り散らすのですから、もうね。
四郎は稽古が嫌なのではなく、アナタの態度がおかしいからでしょ。尻尾巻いて逃げるというより、単に見限ったんだろう、と。
なぜ気づかない?(´・ω・`)
やっぱり今日も文化祭だった
「あ~やってしもた~」
リリコ、やっと反省します。ただただ、遅いよ。
「なんで人を傷つけることばっかしてしまうんやろ。堪忍な、解散な」
え? なになに、なにこれ? 私は一体何を見てるんだ……。
さすがに脚本家さんに問いたいです。
まさかこれ、ツンデレとか素直になれない可愛い女の子ではないですよね?
こんな性格では、女優はおろか、日常生活だってマトモに成り立たないのではないでしょうか。
周囲もおかしいです。
叱り飛ばすべき相手はリリコでしょうに。
彼女は、女優業を辞めてまでやると言い出したのです。ここでこそ、散々、ご自身が語ってきたプロ根性を見せ、四郎とのコンビを成立させるべく努力の場面でしょ。
風太はてんに「女社長の道楽なんかやめたらどうや?」と言い出します。
これまた男尊女卑の嫌な奴――そんな誘導にしたいのかもしれません。
単純に社会人としておかしいでしょう。それが専務の態度? 他にもっと言い方、考え方があるじゃないですか。
たとえば二人の間では
「社長。女の漫才ちゅうアイデアは悪うないと思いますわ。ただ、リリコはあかん。ここはひとつ、こっちでええ子探しますわ」
「風太、おおきに。せやけど、うちはリリコしかおらんと決めたんや。伊能さんにも啖呵切ったからには、ここで退くわけにはいかんのどす」
ぐらいのヤリトリがあってもいいのでは?
毎日、ここで「文化祭」「文化祭」と書いてて嫌になりますが、本当に毎日文化祭のパレードが回り続けている!!
「ひゃー、おめえ、つええな!」
一騒動終えたてんは、栞にコトの顛末を。
栞は、もはや職人芸と化したスカした台詞を並べます。
てんは自宅に帰ると、藤吉の形見の鈴を振りました。
はいはい、『反魂香』ネタの回収ね……(わろてんか98話あらすじ感想(1/29))。
って、まだ週すらまたいでおらんやないか!
ここで鈴を拾おうとしたてんの手に、藤吉の手が重なります。
「ひゃー!」
てん、お得意のビックリ声。
この声で驚くのは『ドラゴンボール』の孫悟空以来の気がします。
「ひゃー、おめえ、つええな! オラ、わくわくすっぞ!」的な。
朝ドラの幽霊ネタはあるあるですが、こんなに早く出してしまうとは。
藤吉が退場してホッとしていた層をザワザワさせないで(´・ω・`)
今日のマトメ「男女平等とはオラオラ系にあらず」
今週、突然ぶっこまれた男女の対立軸。
どうも本作の制作者は、「男女平等」を全力ではき違えてますね。
女性が男性をしばくとか。
女性が男性をしつこくからかい、いじるとか。
女性が男性を馬鹿にするとか。
女性が男性のものを雑に扱うとか。
女性が男性の苦境を見て見ぬ振りをするとか。
男女平等とは、女性が男性を踏んづけることじゃないですよね?
女性が、自分のことを踏んづけている相手の足をよけることですよね?
女性が、自分のされたことを男性に仕返ししてスッキリでは意味がないのです。
「男が女を雑に扱うのは差別だけど、女が男を雑に扱うのはスカッとするネタ!」
そう思っているとしか思えない、登場人物たちのおかしな行動の数々。
オラついて喧嘩を売る楓。
鬼軍曹風に凄んで四郎を脅す歌子。
風太を人前でしばくトキ。
四郎に対してパワハラ全開のリリコ。
一体何がしたいのかわかりません。
もしも、
「女に雑に扱われている男って笑えるでしょ! わろてんか!」
なんて思っていたら、そりゃまぁ、こうなるわなぁ……というところで。
金で行動を縛られた挙げ句、女たちからしばきあげにされる四郎が、ひたすら気の毒でしかありません。
しかも「ええ男やわ~」と皆が口を揃える隼也には、デレデレです。
なんだこの世界は。呆れてモノも言えない……orz
著:武者震之助
絵:小久ヒロ
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【参考】
NHK公式サイト
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