半分、青い。59話 感想あらすじ視聴率(6/8)すみれ色の爪

カラオケではリンドバーグが歌われていた、1990年(平成2年)の東京。

岐阜県から上京した楡野鈴愛は、朝井正人相手に失恋するものの、かけがえのない幼なじみの萩尾律、親友のボクテとユーコのおかげで立ち直りました。

一方、律の彼女である伊藤清は、鈴愛が気になるもよう。
鈴愛がボクテとユーコと喫茶「おもかげ」で食事をしていると、そこへ二人がやって来てしまうのでした。

【59話の視聴率は19.4%でした】

 

のっけから口元ケチャップを指摘しよった!

「はじめまして!」
にこやかに挨拶する清です。

鈴愛は弓道の試合で見ましたと挨拶。
そこで清、笑っているようで目だけ殺意の波動を出しながら、口元にケチャップついているよ、と言い出します。

うわっ、マウント取りに来た!!

「弓、射るところ、かっこよかったです!」
「絵まで描いてくれたわよね」
「あんまりうまく描けなくて」
「上手だったわよ」

ここでカチーンとなったのが、鈴愛ではなくユーコでした。
律にわざわざスープ美味しかったです、鈴愛に作りに来たあのスープ、と爆弾発言。

「スープ? 料理するんだ」
清がもうこの時点で怖いぃいいいいい!

「しないよ、きまぐれ」
事を荒立てないよう、律はサラッと流そうとしながら、奥の席へ進むのでした。

ボクテは、ユーコにわざと荒れるようなことしなくてもいいじゃないと突っ込みます。

上から目線にイラッとしたのが我慢ならなかったようで。
いいぞ、いいぞ、ユーコ!

しかし、ボクテも
「女としてのランクが上ってこと」
と、また、そんなことを言うわけですが……。

清は律にギラギラと「私にもスープを作ってよ」アピール開始。
いやぁ、重たいです。
まだ十代の女の子ですから、仕方ない面もありますかね。あの美形でも、かなりきつい感じですが。

 

まさに生きた経験じゃないか

オフィスティンカーベルでは、プランソレイユのプチシュークリームを前にしてアシスタントたちが構想を出しています。

ユーコは、シチュエーションコメディを描きたいとのこと。

秋風オフィスでは、感じたことや経験したことを発表させているんだとか。
オリジナリティやリアリティを求めて、心に刺さったことを引き出したい――羽織のいいところでもありますかね。

鈴愛は、心に刺さったこととして、律の左手薬指のすみれ色ネイルについて語り出します。
清も同じ色、という……。

そこで、羽織、大喜び!

そうそう、そういうことこそ生きた話につながる!
実際そうなんですよね。

ボクテは、「その指を折りたいと思ったの?」と聞きます。
いよっ、可愛い顔して、アンタもエグいね!

鈴愛は大人になってマニュキアつけるにしても、すみれ色は塗らないと言います。
ユーコは、鈴愛はもう大人だよと突っ込みますが……よほど心に鈍痛のように残ったんでしょうね。スパッと切れて、また忘れられるようなものではない傷。

 

魂を削るように創作論が滲み出て

鈴愛は、スープを作りに来た律が、一人だけ恋愛が順調だと申し訳ないからと爪を絆創膏で隠していたことも語ります。

マアくんよりも爪の色が気になっていたという鈴愛。
自分の心がわからないから、余計心に残るのだそうです。

「自分の心を見つめ続けるのが創作ならば、それは苦しいことではありませんか?」

創作の業を語る鈴愛。
ほんっっっっっっとに、本作の創作論、業が深いといいますか、脚本家さんが心配になってくるくらい、魂を削っている感じがします。

見つめ直す過程は辛くても、それを昇華して美しい作品にして、それで読者が喜べば心癒されるんだ、と語る羽織。
いいなぁ。染みますね。著名な作品を残される先生だけでなく、アイデア、体験を昇華させたいクリエイターたちは、誰もが経験する道――というか、だからこそ人の心を打つこともできるんですね。

 

鈴愛の顔に爪をたて、ガリガリガリ……

画面に現るすみれ色の爪。
律の部屋に一人でいる清は、その爪を「梟会」の写真、そうです、鈴愛の顔にたてて、バッテンをつけています。

うわぁ、やばっ……。
この人、めっちゃ美人だけど、危険だわ!

編集さんは、スチュワーデス物語の片平なぎささんを思い出したそうです……って、さすがに古ッ!(と、思ったけど世代的にはドンピシャですね)。

そこへ律が帰ってきます。

『恋人たちの予感』はレンタル中だったから、『レインマン』を借りてきたそうです。

 

『この頃すでにTSUTAYAはあったかなぁ』なんて私が青いレンタル袋を眺めていたら、清が気づいてしまいました。

律の爪に絆創膏……。
あーああーああーあ!!
もう清が怖くてホラーみたいだよお〜!

 

とっさの嘘はよくない嘘

律はとっさに答えます。

「スープを作った時、取れるかと思ってつけたんだ」

いやぁ、この嘘、どうなんでしょう。通用しませんよね。
嵐の予感。廉子さんも、とっさの嘘はよくないって言っています。

指を数えて、私の11本目の指は律くんの左手薬指と言い出す清。
重たいっす。朝からヘビー級パンチです。

「こういうの、うっとなる?」

はい、正直かな~り、うっときています。

しかし律はそうではなく、湿度の高いアプローチこそ恋愛の醍醐味だからと余裕ぶっこいています。
「もっと子供だと思っていた?」と余裕すらあります。

さすがアタマの良い律やで。
正人と知り合って女性に対するメンタル経験値も引き上げてもらってたかな? 律の潜在能力を引き出す正人、ナメック星の長老みたいだな。

鈴愛は置いてけぼりで、どんどん大人になる律でした。

 

ケーキを買って、律を呼ぶため笛を吹いたら……

そして1990年7月7日。

七夕祭りを迎えたオフィスティンカーベルでは、みんなが短冊の用意をしています。
短冊にたくさん願いを書くというのも、若さですね。

テーブルの上には、散英社からのお中元である高級松坂牛がずらり。
俺の印税で儲けているんだから牛丸ごと一頭くらいでもいいくらいだと威張る羽織です。

この日は鈴愛の誕生日でもあります。
七夕が誕生日とは、ラブストーリーを描くために生まれてきたようなものだな、と羽織。

ものすごくよいBGMも流れているのですが、ここで羽織が、
「律と正人くんも呼んだらどうだ」
と爆弾発言しちゃいました、あーあー。

凍りつき、目を泳がすメンバーたち。
正人は吉祥寺に引っ越してバイト先の「おもかげ」でも寂しがっていますと言うツッコミが入ります。

「律だけでも呼んでこい。ついでにケーキ買ってきていいぞ。バースデーケーキだ!」

無理に展開を進めた羽織。
喜んだ鈴愛はケーキを買って、律のアパート下で笛を吹き始めます。

そこで鈴愛とユーコが見たのは、ベランダから顔を見せた清の姿でした。

ヒィ、やってまった!

 

今日のマトメ「躊躇なく刃物を出しそうだ」

今日は湿度が高くてともかく重たい清の嫉妬が怖かったです。

かわいいなあ〜と思っていた古畑星夏さん。
あの綺麗なロングヘアーといい、目力といい、今はもうそれが全部「怖い」。

別れ話を出したら躊躇なく刃物出しそうっていうか、それは言い過ぎかもしれないんですけど、怖い女感がバリバリ出ていてもうね。

ドラマってすごいな。
あんなに可愛かったのに、今はもう怖くてたまりません。

すみれ色のマニュキアだって、もう呪いのアイテムですよ。
ドラクエで言えば、毒の色ですもんね。竜王の城の周りにありそうな。

しかも、あの爪で鈴愛の写真をカリカリ……って。
ゾッとしました、朝ドラで……けど、面白い。

こういう子にはやっぱり気をつけないとダメだったんですかね。
警戒センサーが弱くてすみませんでした。

編集さんに聞いたところでは、当初から清の怖さを指摘されていた読者様もいたそうで。恐れ入りますm(_ _)m

それにしても本作、色の使い方がいいですね。

すみれ色のマニュキアは、ちょっと怖い嫉妬の色になってしまいましたが。
こういう使いかた、本当に巧みです。

世代からして岩崎宏美さんの『すみれ色の涙』も連想してしまいました……歌詞が重ッ!
→歌詞はコチラ

 

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
NHK公式サイト

 

3 Comments

roko

>事を荒立てないよう、律はサラッと流そうしながら、奥の席へ進むのでした。

>秋風オフィスでは、感じたことや経験を発表させて、それを発表させているんだとか。

>しかも、あの爪て鈴愛の写真をカリカリ……って。


ここを読むだけで私も岩崎宏美さんの『すみれ色の涙』を思い出して、すぐに歌詞検索してしまいました(笑)。
最後にYouTubeまであり、全部読んでからにしたらよかった、と…。御親切にありがとうございます。読者は助かっていると思います。

しおしお改め、七歳上

こわかったですね〜。
服も変えちゃって。

たか

気づかれました?
NHK朝ドラとしての限界と挑戦!
清が、鈴愛ちゃんの写真をガリッした時
ベッドは綺麗なんですが、その後
呪いの指の数え歌では、ベッドが乱れて
清の服は下に置かれ、清は律の服を
着て水の回し飲み。
……そういう事の後ですよ。
NHK朝ドラ、最大のチャレンジ!
お子様は見ちゃダメなシーンです。
あぁ、なんて重い女。。ホラーですよ。
もし律くんが別れを言い出したら、
刺されるやつですね。

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