ここでマコさん登場!
ここへ、あの人がやってきます。
マコさんだ!
優ちゃんが見たかったと笑顔のマコに、なつはこう言います。
「マコおばさんですよ〜」
「……おばはいらない」
ドスのきいたハスキーボイスになるマコ。
預け先のことを電話でイッキュウさんから聞いていたそうです。
マコも預け先を考えると言いながら、ドヤァとした笑顔でこう来ました。
「私のためでもある!」
恩着せがましさも、親切心アピールもない。
入社を待つにせよ、『三代目カポネ』にとってイッキュウさんは垂涎ものの人材ではありますからね。
マコは、人材入手の大切さを知る、根っからの経営者にしてクリエイターなのでしょう。
カッコいい!
そのうえで、なつに肩身を狭くするなと言い切ります。
それが優ちゃんのためにもなるって。そして感極まったなつが涙を見せると、とどめの一撃です。
「バカ、泣いてんじゃないよ!」
カッコいい!
あ、ここでこれは禁句です。
「マコさんってば男前〜」
「マコは漢だなぁ〜」
「マコは兄貴!」
いや、姉貴のまんまで十分素敵かつ強いからさ。
フュリオサみたいなもんだよ。
母親というのは、どうにもまず、ペコペコしていろという圧力がかかりがち。
ベビーカーはもっと申し訳なさそうにしろだの。
席を譲ったなら、笑顔になれだの。
一体なんなのか。
マコさんみたいな人が増えれば、社会はもっとよくなるはず。
行政は頼れない。
そうなればどうすべきか?
無認可か、個人か?
そのためのビラ作りに、マコは手伝いに乗り出します。
これを電柱や掲示板に貼るのだ。
「あと何枚? ビラ作り手伝う。ペンと紙をください」
本作って、割と政府や公的なことに疑念を抱いてますよね。
山田正治には、そういうセリフが結構あるし。
十勝農業王国だって、国の横槍に大反発あってのことだし。
なつぞら110話 感想あらすじ視聴率(8/5)十勝農協軍vs政府・乳製品メーカー受信料のNHKでこれを作るって、なかなかおもしろい話だとは思います。
マコは一方で、リサーチにも余念がありません。
どんな新作の作監か、聞き出してきます。
「マコさん好みではないと思いますが……」
そうそう、『白雪姫』が大好きだったもんね。ところが……。
なつぞら70話 感想あらすじ視聴率(6/20)天才なんだと褒めたいけれど……ダブル真空蹴り! トーヤー!
「『キックジャガー』! 知ってる、読んでる! 東洋動画で決まったのか、ちくしょー!」
ハイテンションで解説を始める、意外性の人・マコでした。
朝ドラアベンジャーズに「ちくしょー!」と叫ばせる本作はぬかりがない。
さて、そんな熱いマコさんによる解説です。
『ちりとてちん』では落語家でしたが、こういう長い解説セリフを、淡々とクリアに語るのは彼女ならでは!
沢村忠のような、キックボクシング界のスター選手がいた。
彼への刺客が、本場・タイからやってくる。
その名もキックジャガー!
悪徳プロモーターのよる八百長であったはずが、キックジャガーは勝利をおさめてしまうのだ。
キックジャガーを倒すべく、刺客が次から次へと送られる!
ジャガーの覆面の下には、日本人としての素顔があった……。
ここでマコ、こう突っ込まれます。
「格闘技が好きなんですか?」
好きというより勉強のためだとゴニョゴニョするマコですが、苦しい言い訳なんだよなぁ。
「ダブル真空蹴り! トーヤー!」
と、こう来たからね。
家具に当たらないように気をつけてね。イッキュウさんが目標になっているのが気の毒です。
このトーヤーがカッコいいし、めんこいし。どうしたらしいいんだ。
マコさん、あのね。
普通、そんなに好きじゃないなら、真似しないから!
そういえば、バレーボールでイッキュウさんをしごいていた過去がありましたっけ。
スポ根の女なの?
竹刀が似合いそうといえばそうですが。
ここで、ゴングじゃない、チャイムが鳴ります。
現れたのは下山一家でした。
「茜ちゃん、久しぶりぃ!」
マコは嬉しそうです。明ちゃんを可愛がります。
「マコおばさんですよ〜」
「……おばはいらないから」
そこは譲らない、ハスキーボイスになる。
それがマコさんです。
父も思わずこう言います。
なつよ、今日はやけに戦友が集まる日だな――。
伝説の格闘兄弟が揃ったぞ!
『キックジャガー』をふまえて、橋本じゅんさんが出てきたと思うと、感慨深いものがあります。
以前指摘しましたが、彼はSNSプレイモア格闘ゲームの声優でもあります。
橋本さとしさんと橋本じゅんさん。
ボガード兄弟が揃ったじゃないか!
ボガード兄弟と並ぶ枠が、ムエタイのジョー東なんですよね。
狙ってませんか?
なんか狙ってないですかね?
声優枠であの人出てくるかな、と思ってしまいますってば。
ついでに言えば、こうなったら生瀬勝久さんと山西惇さん。ギースとビリー・カーンも欲しかった。
NHK大阪でなくて、こっちにも来られないかな。
どんな連中向けのアピールかって話ではありますが。
本作は、虻田の名前が大御所声優と同じ“登志夫”だったり、ネタを探し出すと時間が奪われていきます。
……すごい作品だ。
エンタメの男女分けとは何だろう?
十勝の総大将は、泰樹&とよの男女体制だと思っていましたが。
東京ではオタク女総大将・マコになりつつありませんか?
ハマっている作品のこととなると、一気に熱く喋り出す。
「ちくしょー!」と思わず叫ぶ。
男性向けとされる漫画だろうと、無関係でハマる。
少年漫画を好む女性云々――これも古典的な話なんですよね。
先程あげた明治の小説ですが、ああいう伝統は現代まで続くものでして。
◆明治〜大正期:
チャンバラ、探偵もの、犯罪もの……B級小説とメディアミックスブーム
◆昭和以降:
少年、少女雑誌向け小説(ジュブナイル)
漫画
アニメ
とまぁ、ざっとこんなところ。
男女分けは、少年少女雑誌が生まれた頃からの伝統でしょう。
ただ、案外と男女間の垣根は低いっちゃそうです。
作家にせよ、原稿料が欲しいわけでして、男性作家が女性作家のペンネームで、少女小説を書くこともありました。
漫画もそうです。
これは『半分、青い。』もそうでしたっけ。
秋風羽織が男性なのに少女漫画作家ということで、
「男による女の功績簒奪だ!」
という声もありましたが、そういう単純なものでもないんですよ。
「少年誌は女性読者のせいで媚びてダメになった!」
という論調すらありますが、もう曽祖父母世代かそれ以上さかのぼらないといけません。言うだけ野暮ってことでもある。
昔の少年誌単行本には、読者の投稿欄がありました。
少年漫画にハマる女性の一例として、
「あーん!スト様が死んだ!」
があるじゃないですか。
そもそも同人誌販売だって、女性が多かったという歴史もあるわけです。
エンタメ総大将・マコ様降臨
マコさんが、まさしく人間は男女に分けられないと、雄弁に主張しているじゃないですか!
『白雪姫』も好きだし、お煮しめはおいしく作る。
働く女にもやさしい。
その一方で、ダブル真空蹴りをかます。
マコさん、あなたはまさしく、そういう女の総大将感が出てきましたってば!
マコさんにしたって、設定は女性だし、演じる貫地谷しほりさんも当然女性なのです。
けれども脚本家の大森寿美男氏は男性です。
男女双方が、マコという稀有なキャラクターを生み出している。
そういうものなんですよ!
『風林火山』で、貫地谷さんの魅力を引き出した大森氏だけに、朝ドラアベンジャーズ枠でも気合を入れているんでしょうねえ。
そういう男女あってこそだということ。
そこを、私たちはきちんとわかっているのか?
女の声を取り入れると、漫画やアニメがダメになるだの。
表現の自由を阻害する女どもだの。
いろいろ言われますが、漫画もアニメも、男女ともに築き上げて楽しんできたものでしょう。
本作は、そこを突きつけて、挑んできます!
文:武者震之助
絵:小久ヒロ
付記しますと、
ガラスビンとプラスチック容器の決定的な違いは、環境中に放置された場合の悪影響の大小があります。
ガラスビンは、無機物ですし、回収されず環境中に放置されたとしても、変質しにくい。物理的に壊れても、ガラス質の小石、砂のようになり、原料のケイ砂のようなものになるだけ。もともと自然界に存在した物質なので、悪影響は少ない。
プラスチック容器は、放置されて紫外線等にさらされると急速に劣化し、砕けていく。もともと自然界には存在しない物質なので、それが生物の体内に吸収されて様々な悪影響を。というのが、昨今問題化しているわけです。
もっとも、プラスチックボトルが普及し始めた頃、既にこのことは指摘されており、にもかかわらず対策がとられなかった結果がこの有り様ということでもあります。
ただ、ガラス製品についても、混合されている物質によっては環境に悪影響を及ぼすこともありますので、この違いは絶対的なものではなく相対的なものということになります。
ガラス瓶のコーラ。冷えやすくて、炭酸も抜けにくく、味もしっかり砂糖使っててコクがあって美味しいんですよね。
ただ、重く、割れて、かさばり、王冠の出るガラス瓶は、子供には危険という事で早いうちに排除されてきた歴史があります。さらに自動販売機だと瓶だけリサイクル率が異常に下がるから、環境にも良くないんですよね。あれは酒屋に行って10円返却されるデポジット料ありきで成立してたシステムだったと思います。
今でも、気の利いたビレバンなんかでは、昔懐かしい栓抜き付きの自販機で売ってたりします。
なつと神っちが話しているシーン。二人がコーラを買ってきたのは、ビン入り飲料の自動販売機から。
昭和50年代頃まで、駄菓子屋にもよくあったアイテムです。
プラスチックによる環境汚染が深刻化した昨今、こういうガラスビンでの飲料販売はもっと見直されてほしいですね。
子どもの時、タイガーマスクのエンディングテーマが大好きでした。
温かい人の情けと胸を打つ熱い涙を
知らないで育った僕はみなしごさ
内容も学年が進んで再放送を観ると、なかなか重い内容でした。主人公のみなしご設定が、色々生かされるのかもしれませんが、子どもの頃のなつと今の夏にはけっこうギャップを感じます。
朝ドラはテレビ小説なので、色々なキャラの主人公があったほうがいいと思いますので、このドラマも悪くはないと思いますが、性格的には、なつより鈴芽のほうが好きかな。