なつぞら111話 感想あらすじ視聴率(8/6)反対派を動かした菊介の言葉に坂場の魂

昭和41年(1966年)、なつが結婚報告に出向いた実家で起きた十勝の乱。
農協組合長・田辺念願の十勝酪農王国が建設なるか?

遅くとも、この土曜午前11時までには決議書提出をせねばなりません。

田辺は、これがかえって十勝酪農家を団結させるまたとない機会と思い始めます――。

はい、ここまで『真田丸』有働由美子アナのナレーションがあっても違和感なし!

それにしても、ここで出てくる剛男の良さ。
彼がしっかりとしてきたことは、ものすごくよくわかりますね。

『信長の野望』なら、それなりの城を任せたいクラスに成長してきました。

知略は高いし、野心は低い。
内政に強いタイプだな。

エイエイオーーー! 十勝農協から狼煙があがる

そこへ、軍師・夕見子が援軍を連れてやって来ます。
なつを連れて、組合長室に入ってくるのです。

「おおっ、なつ殿ではござらんか! よく帰ってきてくださった。これは天命ぞ……」

いや、本当に軍師と殿の会話状態ですが、どういうことなの。
別にコーエーテクモさんのゲームムービーごっこをしているわけでなくてですね。

「なつ殿のおかげで【共同販売】が実現した!」

【共同販売】とは?
かつて泰樹が猛反対していた、農協主導による【乳製品メーカーを経由しない制度】です。

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思えば田辺の構想には、遠大な一貫性がありました。
田辺は、あのときこそ覇業もとい王道の一歩であったと振り返り、なつに感謝を見せます。

「なまら感謝してる!!」
という言葉には、万感の思いが詰まっている。
乳製品メーカーの裁量による中間搾取を排除し、酪農家のための農協のあり方を目指していたと、わかるのです。

田辺がいかに偉大であったか。
あのころは、上の指示で動いているだけと見られても、それはそれでありえる解釈でした。

そのことを、ざっくりと説明される。
視聴者はそこをふまえて理解できるわけですが、坂場は何か掴んじゃった顔になっています。知略が高ぁあああい!!

でも、坂場は別に知略を見せびらかすことはしないんですよね。いちいちそんなことはしません。

彼は、自分から東大卒であることを自慢しない。
情報提供として家族構成を明かすことはあっても、マウンティング材料にはしないのです。

その田辺の夢がどうなるか?

「今日、潰れるかどうか……いわば天下分け目よのぅ……」

「実現させましょうぞ!!」

そう深刻な場で、興奮気味なのが坂場です。

「おおっ、なつ殿の許嫁殿は頼もしいなぁ」

「かような組合が好きでして……」

なつがそうフォローします。
たしなめるわけでもなく、フォローに回る。なつにも軍師スキルが試される時が近づいているようです。

組合が好きなんじゃああああ! エイエイオーーー!!

って、どういう朝ドラなんだよぉぉ!!

※なにこの反董卓連合感……

武将集結、いざ出陣!

組合長室を出ると、武将が次々と集まっております。

そこには、番長&よっちゃん!
そして天陽と、我が子を背負った靖枝もやってきました。

番長がちょっとここで焦り、なっちゃんも結婚するだのなんだのアタフタ。
と、よっちゃんがナイスカットインでたしなめています。

こういうちょっとした仕草に、夫婦の間柄が出ていていいですねぇ。

ただ……まぁ、当事者たちは、全くそういうことを気にしていないんだな。

「なっちゃん、おめでとう!」

天陽は本当に嬉しそうですし、坂場も「あの絵を描く人に出会えた」と満足そうです。

山田家からは、正治も参陣じゃ!
正治はそこまで出番が多いわけではありませんが、セリフが鋭く、かつ政治的なスタンスが見える人物です。作劇上、重要なんですよ。

鬼畜米英と言っていた国が一転して、アメリカ礼賛になっていったこと。

その国の政策を信じて入植した結果、困窮の極みにあったこと。

なつぞら12話 感想あらすじ視聴率(4/13)怒るあなたを応援している

政府が言うことだから、信じるわけではない。
そういう姿勢が、彼にはあります。

ちょっと懐かしい同窓会状態になりかけたところを、この正治登場でひっくり返されます。

「工場設置決議のため、全組合長集合とな!」

「こうしてはおられまい!」

ドヤドヤと、それこそ武将のように、酪農家たちはその会場を目指すのでした。

はい、ここでちょっとどうでもいいネタでも。
古いネタで恐縮ですが、つい……。

しょうもないので、飛ばしたい方はさっくりと先に進みましょう。

地上最強の酪農家を見たいかーーッ

オーーーーーーッ‼︎‼︎

ワシもじゃ ワシもじゃみんな‼︎

酪農家入場‼︎

全酪農家入場です!!!!(※酪農家以外もいることは、ツッコミ不要です)

 

ヒグマ殺しは生きていた!! 更なる研鑚を積みあの最強番長が甦った!!!

FFJ!FFJ! 門倉だァ――――!!!

 

その夫対策は完璧だ!! 演劇部衣装で細やかさを証明済 よっちゃん!!!!

 

十勝最高の画家こそが地上最強の代名詞だ!!

まさかこの男がきてくれるとはッッ 山田天陽!!!

 

山田家から炎の妻が上陸だ!! 天陽の絵と心を守る靖枝!!!

 

酪農は生活に密着してナンボのモン!!! 生活密着酪農!!

山田家から正治の登場だ!!!

 

父と妹には絶対に敗けん!!

柴田家の闘志見せるべ 柴田牧場の照男だ!!!

 

自分を試しに組合へきたッ!!

柴田牧場次世代を変える 戸村菊介!!!

 

酪農の本場は今や十勝にある!! わしを驚かせる奴はいねえべか!!

戸村悠吉だ!!!

 

酪農はわしのもの 邪魔するやつは思いきり殴り思いきり抹殺するだけ!!

十勝酪農家統一王者 柴田泰樹

 

特に理由はないッ ヒロインが強いのは当たりまえ!!

めんこいぞ!!! なっちゃん!

あのなっちゃんががきてくれた―――!!!

 

軍師だったらこの人を外せない!! 超A級イジワル軍師 夕見子だ!!!

 

夕見子の前でならオレはいつでも全盛期だ!!

燃える闘魂 剛男 専務として登場だ!!!

 

アニメで見せている謎の哲学が今ベールを脱ぐ!! なっちゃん婚約者 イッキュウさんだ!!!

 

あの王者が帰ってきたッ

どこへ行っていたンだッ チャンピオンッッ

俺達は君を待っていたッッッ田辺組合長の登場だ――――――――ッ

しょうもないコピペネタはさておき。

田辺組合長の演説だぞ! エイエイオーーー!!

酪農家の未来を作れ!

「十勝協同乳業が実現するためには、工場設置許可届を早急に全会一致で出さねばならぬ。さもなくば潰される! 皆の者、一致団結してくれぇい!」

田辺組合長が懇親の言葉を投げかけます。
しかし、その思いに賛同する挙手が、思いのほか少ない。

反対意見もあり、その一人がこう来おった。

「国が無謀と言うからには、失敗は必定でござる……失敗して、これ以上の苦境に立たされたらば、如何する!」

「失敗なぞせんッ! 乳製品メーカーを締め出すつもりも毛頭ないわ。共存共栄、めざすところはそこなのでござる!」

ここで軍師・夕見子がこう進言します。

「酪農家の未来。酪農家の誇りのためではござらんか」

「左様! 乳製品のみが栄え、酪農が滅びてはならぬ。これぞ、十勝の使命じゃ!」

しかし、一堂に会する彼らの心を動かしたのは、菊介でした。

「うまいバターを作れるんだべ?
オレらが、オレらの手で、おいしいバターを作る。迷うことあっか?
オレらの手で、人に喜んでもらえることをすんのに、なして迷うことあるんだ?

オレらは開拓二世、三世だ。
大地を切り拓く喜びはねえ。
んだけど開拓できることはまだあっぺな。

オレは学もねえただの牛飼いだ。
その牛乳が人に誇りを与えるならば、そったらうれしいことはねえ!

工場で、牛飼いの喜びを作らせてください!」

これが変わる契機になります。
その場に集まった皆の心がひとつになるのです。

「賛成!」

「工場を作れ!」

「そうだそうだ!」

わーっと盛り上がる中、剛男がその場をまとめます。

「わかった、わかりました、全員の決を取ります!」

酪農家全員賛成、組合長も賛成!

「ありがとうございます!」

かくして決まった工場設置届を、田辺組合長以下、連合軍が提出へ向かいます。
抗議、意思を見せつけるために、全員で向かうのです。

柴田家の面々は、スピーチに感動したと菊介に伝えようとします。
ところが彼自身が一番困惑していた。

「なしてしゃべったかわかんねえ」

そして、坂場の牛舎での話を思い出しながら、こう言うのです。

「お前のせいだ!」

このやり取りを経て、こう皆決意をかためました。

「最後まで行くべか!」

「よーし、全員で殴り込みだ!」

ここで夕見子が訂正します。

「ちがう、百姓一揆だ!」

細かい指摘をしおって。軍師め……。
こういう細かいことが気になって仕方ないのだな、なつが【鵯越の逆落とし】をわからなかった場にいたら?

高笑いしながら「バカめが!」連呼をしたかもしれん。
そういうイジワル軍師に耐えてこそ、今のなつがあるのじゃあああ!!

なつぞら72話 感想あらすじ視聴率(6/22)雪次郎の乱!

一ノ谷の戦い(鵯越の逆落とし) 源平合戦の趨勢を決め、源義経はヒーローに!

「よしいくぞ!」

かくして皆進軍するわけですが、二人の老将が残っております。

「もうわしらの出る幕はないですね」

「うん……」

悠吉にそう語りかけられて、泰樹は感無量の表情を浮かべております。
二人は、軽く叩き合って労うのでした。

後継者を見つけた老将の喜びでもあるのよ……。
※続きは次ページへ

7 Comments

ガブレンツ奮戦

前の匿名さんの仰るように、機構改革により、現在の北海道庁の地方機関は変わっていますので、正確には、「支庁制がとられていた」ということになります。

十勝編の頃、農水省公式サイトの『なつぞら』応援特設ページが話題になっていましたが、先月、この特設ページが久しぶりに更新されていました。泰樹が牧場を離れて上京したことに関連して、現在はこのようなときには「酪農ヘルパー」が利用できることを紹介していました。

農水省の生産局畜産部主体で運営されているこの特設ページですが、生乳共同販売や、今週の工場設立など、経営局協同組織課からの解説もあると、より理解に資するものとなるでしょう。

ガブレンツ奮戦

田辺組合長と菊介さんの言葉で、もう全て言い尽くされた感じです。胸のすくような。これ以上のことはないくらい。

大清水氏の職名は「市庁舎長」ではなく「支庁長」ですね。農水省の行政の実務を担うのは都道府県。北海道は地域別の支庁制がとられているので、現場の行政機関は支庁ということになります。

匿名

× 市庁舎長
○支庁長

十勝支庁(当時)です。

匿名

正しくはこうです。

番長「よーし、全員で殴り込みだ!」
よっちゃん「違うべさ、百姓一揆だべっ!」
夕見子「よし、行くぞ!」

思い込みが強すぎて、正確性に欠ける記述が多過ぎます。

高橋

市庁舎長、、支庁長。
私の出身は空知でした。

すずめっこ

大清水洋と言う市長舎長のお名前から、大泉洋さんを連想しました。ここでそのお名前を使うって事は、ご本人は出てこないって事なのかあと思いました。残念ですが。それにしても、ここまで組合の事を描ける本作のスタッフには拍手喝采です!

Miho☆

百姓一揆って言ったのはよっちゃんのような気がします…ご確認を。

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