あさが来た 27話 感想あらすじ 新政府なんてクソくらえだす!

惣兵衛が斬りつけた菊。
それを庇って斬られたはつですが、幸い傷は軽い様子です。

はつは家がなくなったのは誰のせいでもない、悪いのは新政府だと言います。
そして、自分に出来るのは前を歩くだけと健気にも言います。

腰が抜けた菊を惣兵衛が背負い、栄達が大八車を引き、山王寺屋はどこかへ歩いてゆくのでした。

金もねえくせに国作りとかなんなんだよ!

加野屋では、五代友厚が勝手に失望して、あさを罵ります。

おしとやかにお茶を出したことを責め、かなり理不尽です。
しかもとどめは、この店なんて勝手に潰れたらええ、とまで言います。

ここであさ、キレて反撃開始。

「あぁ? テメエこそムカつく新政府役員になっているとかナメてんの?(意訳)」

周囲はハラハラします。
ムカつくと言われ、店を去り掛けた五代が戻って来ます。

あさは止める周囲を無視し、さらに続けます。

「ムカつくに決まってんだろーがよ。こっちが商売困っているのはテメエら新政府が金もねえくせに国作りとかやって、金ぶんどったからじゃねえか。大金せびっておいて勝手に潰れたらいいとか馬鹿じゃねーの。どの口が言ってんだコラァ! うちが苦しいのも山王寺屋潰れたのも借金を返さない大名や新政府のせいだろうがぁ!?」(意訳)

あさの暴言に新次郎もヘルプを求めます。

「こんな明治の世にしてくれなんて誰も頼んでねーだろ!」(意訳)

さらにとどめ。

「新政府なんてクソくらえだすーーーー!!」(ママ)

すっご……クソくらえとか朝から叫んじゃったよ。
品行方正清純派が多い朝ドラヒロインがクソくらえだよ。
どこのラッパー抗争だよってくらい罵りあってとどめがコレだよ。

パニックになって、うめがひたすら謝ると、五代は、

「ワンダフォー……!」(ママ)

なぜか恍惚とし、「これが聞きたかった!」と大興奮。

マゾなのか?五代さんはマゾなのか?
それとも少年漫画的な師匠の「それがおまえの力か!?」系挑発なのか。

大阪商人の寄り合いに呼ばれるあさ

重要人物、特に歴史モノでは有名な人物がヒロインを褒めることでヒロインを持ち上げる手法はよくあります。
これもその一種ですが、あさはクソくらえだし、何よりも五代にドM疑惑が持ち上がるほどクレイジーなので、嫌味がありません。

大阪再生の偉人である五代さんをNHK大阪はどうするつもりなのでしょうか。

目が離せません。
どんなにマッドな五代像を確立したとしても、どこぞの群馬県令と違って水増し不要の功績持ちなので、問題はないかもしれません。

マッサンも駄目ニートにしましたし、NHK大阪は関西の偉人をただ褒めるだけではなく、茶化さないとあかんのでしょうか。

五代は、あさを大阪商人の寄り合いに出すよう要請。
正吉と新次郎の許可も得て、あさは気が進まないまま寄り合いに参加することになります。

紅一点のあさは酒のお酌をさせられ、セクハラまがいのことを言われます。

『カーネーション』の糸子を思わせるシチュエーションですし、現代でも重役会議だとこういう男女比の会合はあるでしょう。
『花燃ゆ』スタッフは間抜けなことに、ヒロインが女性ということで遭遇するノイズをバッサリカットすることこそ女性に受けると勘違いしているようです。

しかし、こういう紅一点苦労あるあるの方が、リアリティがあってよいのではないでしょうか。

女にも知識が必要だ

あさは居場所のない気分ではありました。
が、造幣局や鉄道の話を聞いているうちに持ち前の好奇心が湧いてきます。

もっと早く世の中の動きをわかっていれば!
その情報を姉とわかちあっていれば!

事態は違っていたかもしれない。
女にも知識が必要だ、と語るあさ。

正吉はそれを聞いて、知識を身につけることが姉のためになるのではないかと助言します。

こうした痛恨の思いが、あさをのちに女子教育に向かわせるのでしょう。動機付けバッチリですね。

それからあさは、寄り合いで積極的に学ぶことを心がけ、活発に振る舞います。
そして家では熱心に帳簿の確認。

いいですね、この熱心に勉強している場面。こういう裏付けが大事です。
ラストまでガチャガチャ乱暴に泡立て器を動かすしか能の無いパティシェヒロインとか、全然進歩も努力もしていないのにはうんざりさせられますからね。

あさに内緒で姉のはつを捜していた

あさが寄り合いに出かける一方、新次郎はフラフラしております。

一部では振り回すことで動力を得ていると言われているトレードマークの巾着。
それを手にした新次郎がどこを歩くかと言いますと、なんと山道です。

以前、山道は苦手やと本人も言っておりましたし、似合いません。

なのになぜ進むのか?
なんと新次郎、あさには内緒ではつ捜索をしていたのでした。

なんだかんだで優しい奴です。

山道で新次郎がすれ違ったのは、野菜を積んだ車を押す農婦。
と、その顔を見るとなんとはつではありませんか!

着物もさらに粗末なものになって、すっかり薄汚れてしまったはつ。
新次郎、そしてはつはどうするのでしょうか?

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文:武者震之助
絵:小久ヒロ

※レビューの過去記事は『あさが来た感想』からお選びください

あさが来たモデル広岡浅子と、五代友厚についてもリンク先に伝記がございます

【参考】
連続テレビ小説 あさが来た 完全版 ブルーレイBOX1 [Blu-ray]

 

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