スカーレット24話 感想あらすじ視聴率(10/26)いけないこと

このあと、雄太郎は歌いながら去ります。

さえずりがどうなるか気になりますが、それは来週以降。雄太郎って、メインプロットにあまり絡んでいない気がする。それなのに、グイグイ引っ張っていく。

これはレベルが高いと思う。

朝ドラは、メインとサブで引っ張っていく構成はあります。
でもパターンはわりとありきたり。

サブキャラ恋愛が定番です。
女性視聴者は恋愛が好きという偏見なのか、楽をしたいのか。わからんけど、よほどうまくないと時間稼ぎがバレバレになる。

本作は雄太郎やさえずりオーナー、デイリー大阪紙面改革あたりかな。
どれも濃いし、おもろい。

これができるのは、芸達者でいるだけでおもろい、そういう人を揃えた成果だと思います。
自分たちの得意分野を把握している。そういう自信がありますね。

いけないこと、て……

さて、あの三毛猫がゴロンとした後の夜です。

さだは喜美子に手のクリームをもってきます。
「まだある」と遠慮する喜美子のものもちのよさを褒めつつ、「手がつるつるなるで〜」とご機嫌です。

きみちゃんのことですから、瓶に残ったクリームを爪楊枝でかき出して使っていそうではある。

さだは、安い給金でよくやる喜美子に満足しています。
安いどころか赤字かと心配してもいます。

そこで喜美子は、赤字の元凶である雄太郎がさえずりに就職を決めたと報告します。さだは喜びます。

「しんどいようやったら言うてや〜。これ使てな〜」

頼れるのか、そうでないのかわからないまま、去ろうとするさだ。
そこで残ったままの夕食に気がつきます。

食欲不振となった圭介のものです。

心配したさだが「持ってってあげたら。ちゃんと食べな勉強頭入らへんで」と言います。

そこで喜美子は圭介の部屋へ。
しかし圭介は、部屋で勉強どころではありません。ベランダから声を掛けて来ます。

「こっちやで。ほらええ月や」

「ああほんまや、きれいやあ」
と、月を見る二人。いや、いや、いや、こんなん笑うわ! ベタすぎてなんかおかしいやろ。

圭介は食事に気付いて「置いといて」とそっけない。
とはいえ、そこはしゃべりたい関西の男ですからね。きみちゃんと話して整理したいんです。背中では語らんのよ。

圭介は、おもむろに『大阪ここにあり』の話を始めます。喜美子は「雄太郎のセリフはうわぁ〜しかない。出番は一瞬だった」と返します。

ええから、それはおいとけ。関西の脱線地獄よ……おおもう。

あの話では、主人公・勘助が千景という女性に一目惚れをするのです。
ズキーンいうて、あんなアホなことないわと笑った。そう思い返しているのですが。

「あってん、あんなアホなことあってん。胸疼いてたまらん……あの時の……ゴン……ああ……」

圭介さん。
省略しすぎて、ゴンに惚れてもうたみたいなように思えるのは、わざとやろか? ボケやろか?

ここでまた、スローモーションの回想が入ります。

メイクもヘアスタイルも衣装も、バッチリ昭和やで。
『なつぞら』の時も思いました。メイクひとつで、平成生まれを昭和顔にできるものだと。NHK大阪も本気を出しています。

喜美子は、あの人に恋をしたとわかるのです。
ゴンやないで、ゴンの飼い主な。

「もうええ。こんな話わからんやろ。きみちゃんに恋なんてそんなわかるかいな」

「うちかてわかります、恋のひとつくらい」

「え、ええ?」

圭介、意外な展開に動揺しています。喜美子がちょっとしおらしくなって、俯いて口元を抑える仕草に、完全に動揺してしまい、自分も口元を抑えています。

「ええ〜! け、経験あるん? ええ? そやけどきみちゃん、荒木荘来たの15やで?」

「ほやからその前に」

「ええ〜!」

「ほんなびっくりして、うちかてもう18ですよ。いけないことしたくなる気持ちくらい、わかります」

はい、作中設定二十歳そこそこの圭介。医学生として勉強だけをしてきたと推察できる、そんな圭介。

あかん、18手前のお嬢さんが、同じ屋根の下にいるきみちゃんが、いけないことなんて言うたらあかん!

「いけないこと!」

衝撃のあまり、突然おむすびをつかんで食べだす。
動揺しすぎや。鼻息が荒い。あかん、もう、誰か止めたって~!

「もう寝る!」

「圭介さん……」

「おやすみ!」

「圭介さん、うち協力しましょか?」

喜美子はついにこう言い出します。

犬のゴンを連れていたマドンナに話しかけてみるんやて。話しかけてどうするのか。ここで圭介は尋ねます。

「きみちゃんはどうやっとその、どういうふうにあれして、その先に進んだん?」

関西の万能【あれ用法】を用いつつ、こうきた。

「うちの場合はその……とにかくまずはお近づきにならんと始まりません! うじうじしてても始まりません!」

「そやけど、そやけど……」

喜美子は、一肌脱ぐ決意を固めております。恋路応援に立候補です。圭介だけだと迷走しそうですし。

「ありがとう」

かくして月を見る二人。喜美子は決意を固めます。

「うちは圭介さんの妹やさかい、放っておけません」

これ……ええ話なん?BGMしっとりしてるけど。せやろか?

疑問が回りつつ、新人物と草間先生まで出てくる来週予告へ。

本作は予告編詐欺もあるから気が抜けません。
先週の時点では、てっきり照子は信作に恋をするのかと思っておりました。

それはそれで、信作には災難でしょうけれども。

そんなん、恋をまともに盛り上げるわけないやん

今週後半は一応、恋愛がテーマ……なんですかね。

照子様の恋、全然いい話じゃない。巻き込まれる信作も、むしろ受難だった。

そして荒木荘は、もうあかん。
乳首、助平、エロ、いけないこと連呼と、ほぼ罰ゲーム状態の圭介。

ヒロインの初恋相手に何を言わせるのか。
何がしたいのか?

いや、わかります。溝端淳平さんを唯一無二の存在にする気合は理解できました。

「ジュノン・スーパー・ボーイグランプリってそんなん……毎年出とるやろ。ここで唯一無二、秘めたるフォースの関西面を出したる!」

みたいな気合いがあるかどうか。確認しておりませんが、そう感じさせます。

今日のいけないことのあと、おむすびを無言で食べ出す場面は絶品でした。爆笑しました。
動きの間が完璧な芸人になっていて、飯食うだけで笑えてしまって、とてつもないセンスを感じました。

『なつぞら』では、ヒロインの初恋の相手は、天陽だったんですよ。

正面切っては勝てへんからって、照子からのいけないことにまで巻き込んで、そんなん……。
笑いが止まりまへん。

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
スカーレット/公式サイト

 

1 Comment

匿名

今日の土スタもチェックしました。主役(座長)が年行った人の安定感という面でも、スカーレットは過去作芋たこなんきんのちょいちょい出てきたくすぐりのようなBKならではの笑いを見せてくれているのて、ドラマ空間として居心地がよいのですよね。
ひょっとしたらBKの作風はギャグでつなぐ吉本より人情劇で見せる松竹のほうが相性いいのかも、と思います。関西人でないので詳しいことは知りませんが。
吉本のほうに針を振ったためちょっとした失敗があったのかな、とも。

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