スカーレット29話 感想あらすじ視聴率(11/1)戦争が引き裂く人と愛

スカーレット29話 感想あらすじ~視聴率は20.0%でした

 

スカーレット感想
スカーレット視聴率リスト

本日より『スカーレット』の主題歌であるSuperfly『フレア』が配信開始です。

本作の余韻に浸りたいならやっぱり聞かんとな!

あっ、『なつぞら紀行 ~柴田牧場はこうして生まれた~』、『なつぞらSP 秋の大収穫祭』も見なくちゃね。
※11月2日(土)BSプレミアム午後6:15~7:00、午後7:00~8:59

『なつぞら』関連番組やスピンオフも楽しみですが、本作も見逃せません。

「自由は不自由やで!」

パリ帰りの芸術家。
ジョージ富士川のサイン会です。

作品集を手にして、喜美子もサインの順番を並んでおりました。

名前を聞かれた喜美子は、中淀の美術研究所絵画科に通うことも伝えます。

「ああ、そこ、僕が特別講師頼まれたとこや!」

基本を学ぶことは大事なこと。土台がしっかりしてはじめて自由に描ける。
そう語るジョージ(※ええ方)です。

『なつぞら』でも、倉田はじめ登場人物が熱い創作論を語っていた。ここは注目したい。

熱い何かがあるということは、よい作品になる。
このジョージの芸術論も熱い。本作は、関西弁や関西関連の知識がキッチリしている。

濃い展開ばかりだとか、いけないことだとか、エロエロだとか、下着ショーとか。

大胆な展開も、基礎の土台しっかりあるからこそ、できている感は確かにある。ジョージはこれから大きな存在となりそうです。

と、ここで広東語を話す男性が、香港での個展開催を依頼して来ます。

「ちょっと! 割り込むのはやめてください!」

喜美子がカッと怒りを見せると、広東語を話せる男性がたしなめます。

「割り込むのはやめましょう」

するとこの男性が、喜美子のことに気づきます。

「喜美子……川原喜美子さん。きみちゃん!」

「草間さんや!」

草間宗一郎さん!!
視聴者も気になって仕方なかった――草間さんがついに来ました。

ここも、基礎的なことがしっかりしている場面だと思う。

・ここはサイン会やでぇ〜

→ジョージ富士川の講演会あるいは個展では、喜美子の方から名前を言う場面を作るのはちょっと不自然

・喜美子は割り込みに怒る、そういう女や

→ホウキで悪ガキを撃退した頃から、喜美子は反射的に言い返せる強気な設定があります。ええアルト関西弁の持ち主・戸田恵梨香さんならではの迫力がある

・英語? フランス語? いいえ、広東語です

→外国語を話せばいい? すんなりと着地できないところが難しい。中国本土の普通語ですと、国交正常化の問題でちょっと厳しい。イギリス領香港からの広東語ならばあり

→満洲にいた宗一郎は、どうして広東語が話せるのか? 彼は学歴を買われて満州にいた。中国語が数種類使える設定なのでしょう

サイン会である

 

+喜美子は黙っていない性格

 

+広東語を話す男が割り込む

という三条件揃わないと、こうはいきません。大阪は広いからね。

奇跡的な偶然であり、かつ自然な再会。
本当になにげないような場面でも、土台を重ねないと歪んでしまうところです。

明確なモデルをそのままなぞってはいない、そのぶん自由度は高い本作ですが、だから「楽なのか?」というとそれは違う。

まさしく、自由は不自由やで!

関西人以外はようわからん【シュッとしてる!】

二人はさえずりへ。
宗一郎は、雄太郎にさえずりコーヒーを頼みます。

どんなコーヒーですかね。普通のもんだとは思いますが。

そしてこう来た。

「草間流柔道さん、さえずりコーヒーひとつ!」

名前が草間流柔道になってる。
そこを突っ込みたい余裕はもはやない。そらお前……。

「草間流柔道来たてほんま? おたくが草間流柔道さん?」

さだまで入ってきて、そう呼ぶからもう訂正の余裕なし。
困惑しつつ、草間宗一郎はこう名乗るのでした。

「草間流柔道です」

「荒木さださんです」

「喜美子が小さい時お世話になったそうで。何か言うと草間流柔道!」

さだはすっかり、喜美子にとっては大阪の母状態です。
そして雄太郎と二人でこう来た。

「どんな人かと思ってたけど……思うてたよりシュッとしてる! シュッとしてる!」

でた、関西弁の万能褒め言葉。
「シュッとしてる」です。

翻訳できない。
道産子の「なんも」よりも難しいかも。

例:今年の秋は、シュッとしたコート買お思てんねん。

(今年の秋は、スタイリッシュで見た目が素敵なコートを買おうと思っています)

 

例:マラソン始めたんやて? この間会うたときより、シュッとしてはる。
(マラソン始めたんですってね? この前お会いした時よりも体型が引き締まっていますね)

 

例:なんやろな……シュッとしとる絵ェにしたいんやけど、うまくいかへんな。

(なんでだろう。もっとクールでカッコいい絵を描きたいけど、うまくできません)

これを踏まえますと、さだや雄太郎の想像よりも、イケメンでカッコいい! そういう紛れもない褒め言葉なのです。

普及し定着したのはここ二十年から三十年とされています。
厳密に言うとちょっと新しすぎるかも。まぁ、彼らはそれ以前から知っていたという解釈もできるかな。

あるいは「ユニークな関西弁の使い方を見せな(アカン)」という使命感かもしれない。

さだは大興奮しております。
雄太郎に呼ばれて、仕事の合間に来たそうです。

今日はゆっくりしてって、晩ご飯も食べておいでと喜美子に言います。

戸惑う喜美子に対してこうです。

「会いたかったんちゃうのん! よかったなあ」

「よかった、よかった!」

雄太郎も喜んでいます。
ちや子は仕事が忙しくて来られないって。ここでさだも仕事を思い出します。

「草間流柔道さん、ごゆっくり〜。マスター、ごめんな〜」

ここでマスターもうなずきます。
公式サイトでも名前がなく、ただのマスター。それでも存在感がある。貴重な存在です。

目立つたないようで、味があって、見守る――こういうマスターが見たかったんだ。

アホみたいに「オッケー」を連呼し、カレーを自分が作った言い張る暑苦しいマスターは、もう二度と出てこんでええから……。

恋を知り、人の美を知る喜美子

嵐のようなさだが去り、喜美子は切り出します。

どこまで話しましたっけ?
荒木荘で働き出して父が来たところ。三年帰らないで、ずっと働き続けていること。仕事も慣れたこと。

喜美子がそう振り返ると、宗一郎は優しく微笑みます。

「聞かなくても十分、今の感じでわかったよ。よくしてもらったんだね。がんばったんだね、よかった」

そう言われて認め、照れる喜美子です。

ジョーから一方的に信楽を去るように決めつけられ、不安げな顔で大阪に来てから、ここまで来ました。
うん、短いようで長い、濃厚な一ヶ月だった。

喜美子は、草間さんはどんな感じかと聞きます。

「ええ感じ? あんまりええ感じでない? ぼちぼちな感じ? 最悪な感じ?」

相手が返事を返す前に、こう来る。
関西人以外は困惑するかもしれませんが、悪意でもないのでそこはそういうものかと。

答えを待たずに、ここで喜美子は離れ離れになった奥さんのことを聞きます。

写真を見せてもらったと思い出す喜美子。

ここで雄太郎がさえずりコーヒーと、さくらんぼをサービスしたジュースを運んできます。
喜美子はマスターにお礼を言います。

「ありがとうございます!」

可愛らしなぁ。
喜美子は元気で、お礼をきっちり言うところがいいですね。マスターもうなずく。

宗一郎はここで、その妻との写真を差し出します。

「これやこれこれ! きれいな人やん」

宗一郎はここで、前に見せた時は「まあまあやな」と言った、と言い出すのです。喜美子は戸惑います。

「ええ……そんなこと……言うたか。今見たらきれいな人や」

ちょっと気まずそうな喜美子。
宗一郎はにっこりと優しく笑います。

「お世辞言うこと、覚えたんだね」

「やめてください。ほんまにきれいな人です。優しそうやん」

喜美子はそう言い切ります。
お世辞ではない。成長でしょうね。
美的感覚が磨かれたと言えますし、これも恋を味わったからかもしれない。

その恋のお相手だった圭介は溝端淳平さんですから、言うまでもなく美形ではある。

けれども、それだけじゃない。おいしそうにおはぎを食べる顔や、優しい笑顔の持つ、内側から輝き出す魅力を喜美子は知った。
恋があれば、もっと美しく見えるものがあることを、喜美子は学んだのです。

宗一郎はこう語り出します。

最近思い出す。
お店をやろうと妻は言っていた。お客さんが6〜7人でいっぱいになるような、小さなお店。とりあえず飯屋。

当時は一緒になったものの、二人で過ごす時間はなかった。
満州から帰国したら、お店でもやる。それで一緒にいられる。

ここで宗一郎は、焼飯(やきめし)も作れないと自嘲するのです。

喜美子はここで、焼飯もできへんのかと笑います。

焼飯は炒飯のことですね。
これもややこしいのですが、【焼飯=日本人が炒飯をアレンジしたもの】と言うことでもある。厳密に【焼飯と炒飯は別】とする考え方もあります。

このセリフにも、草間夫妻が満州にいたという要素があるのでしょう。
満州で中華料理を学び帰国後、店を開く。そういう方は多かったものです。

ラーメンはじめ中華料理の普及には、そういう戦争を含めた歴史は必須。
そこをぶっこぬいて、日本人独自の発明にした何かがあった気ィがするけど、放送事故やろなぁ。本作でそこを修正しているのかもしれへんけど。

宗一郎は微笑みながら、こう返します。

「作れないよ、今も昔も」

「あかんやん、奥さんの夢叶えてあげられへんやん」

「うん、そう。叶えてやれなかった。その夢を、向こうは叶えてた。この近くの商店街の外れで店をやってる」

「生きてたん? 奥さん生きてたん? よかった。生きてたんや。よかったですね!」

喜美子は喜びます。よかったねえ。
でも、宗一郎は寂しそうな笑みではある。

「別の人と……」

「別の人?」
※続きは次ページへ

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