スカーレット149話あらすじ感想(3/27)その一人だけは絶対に味方や!

その朝、喜美子は味噌汁を作っています。

何気ない後ろ姿ではありますが、こうもずっと家事をこなすヒロインを写すドラマも珍しいと思います。

この日は「みんなの陶芸展」初日なのです。

八郎は名古屋から土産持参で来るものの、何人来るのかわかっているのかと喜美子に突っ込まれています。昔からこういうところがマイペースで、とぼけていたものでした。

そして武志が起きてきます。調子は、10段階のうち昨日が4なら、今日は7か8だそうです。

作品が百個ある自分のコーナーがあると言い、突っ込まれる。そんな武志なのでした。

みんなの陶芸展」開幕

「みんなの陶芸展」が開幕しました。看板まで陶器を使っていて、かつ手作り感があふれています。

この展示会場にあるちょっとしたポスターやインテリアまで、昭和田舎地方の自治体感があってすごいものがあります。

一般の部は素朴で味のある作品が並んでいるのでした。ひとつひとつに、味がありますね。

陶芸がテーマというだけで、地味だの、ジジババしか興味がないだの、そんな意見もあったわけです。

『なつぞら』のアニメと比較する意見もありました。

以下は作品批判ではなく、テーマをなぞった意見に対する私の見解だと思ってもらって結構です。かつ、嫌味です。すまんな。

・アニメの視聴者層は、高齢化が著しいんやで。『なつぞら』の元ネタで一喜一憂するとか。あるいは大河タイトルと特撮を絡めて盛り上がっている風潮は、典型的な【精神的成長が停止し若者と自認している元若者あるある】やで……

 

・陶芸ってほんまに高年齢者層だけのものやろか? ただ単に、発言者に陶芸知識がないだけちゃうか? 陶芸ええやん。それに、陶器なしで生活できんやろ。

そんな嫌味はこのへんにしまして。100個はないにせよ、武志コーナーもちゃんとあります。

会場へは、草間宗一郎もやってきました。庵堂ちや子センセイも続けて登場。役場の岩崎が、そんな来場者を出迎えています。

草間もちや子も、喜美子の作品を見ています。

大きくて立派な花瓶だけではなく、小さくて飴を入れたものもあります。このあたりが喜美子自身と作品のおもしろいところではある。彼女は自分でも驚くほど大きなことを成し遂げた一方で、飴ちゃんをコロコロと入れるような、地に足のついた、日常で使いたいものも作り上げられるのです。

ここで芽ぐみが、米だけでなく手軽で安いもんを売る野心を語りつつ、学とやって来ます。

宝田さんのお米屋さんも順調やな。なんや将来、芽ぐみがお米を使ったお菓子でも売り出しそうな気ィするで。こういう会話に、生々しい世界がある。

二人は、武志の皿を見て感心しています。

「綺麗やなぁ」

「ええなぁ」

「これか、すごっ……」

改めて、親友の才能におどろいているようです。

ここで付かず離れずにいた草間とちや子は、どうやら初対面ではないよね……と気づいたようです。堀中ヤスエ先生の出版記念パーティで会ったってよ。

草間は台湾版の翻訳者、ちや子は市議会議員として会場にいたのです。出版社社長の挨拶がえらい長くて、あくびをしたちや子が、草間と目を合わせたそうです。それが信楽で会うなんて、と驚く二人です。

草間は柔道だけではなく、中国語のスキルも重要な役割を果たしております。

戦前戦中は満洲にいたのもその語学力ゆえ。戦後は、香港美術商の通訳をしてジョージ富士川のサイン会にいた。そして今も、そのスキルを活かしているとわかります。草間の偶然の背景には、理由がある。

そらそうよ。人口が多い阪神で、そうホイホイと偶然だけで出会えるかっ!

そしてまたも、草間には再会があります。かつての教え子の照子です。

「草間さん! 来はったんですか、ご無沙汰しております!」

照子は照ちゃんでもええと言う。おう、照ちゃんやったな。

敏春は「あかまつ」で会って以来ご無沙汰しておりますと挨拶する。そういえばそんなんあったなぁ。赤いトレーナーにプリン頭の竜也は、ポケットに手を突っ込んでおりまして。

「ちゃんと挨拶せえ!」

と、照子に言われるわけです。

それでも両親とここへ来る程度には、仲が近くなって来ました。このやりとりを見て、ちや子は「草間流柔道の人や!」と気づいた顔になるのです。

迷ったら自分に聞いたらええ

そのころ川原家では真奈が一人で待っていました。

奥から八郎が「ごめんなぁ、もう大丈夫やで」と出て来ます。奥の部屋では、喜美子が枕カバーを取り替えながら、武志と話しています。家事をしながら語ることが多い、そんな喜美子です。

「ゆうべな、夢見てん……」

武志は語り始めます。

「みんなの陶芸展」で、自分のコーナーに誰も来ぃひん夢。川原武志の前は素通りや。そう語る武志に、喜美子はこう言います。

「きっつい夢やな」

そう飄々と語る喜美子に、武志はこう言います。

「夢やのうても思ったりせえへんの? 作品作っても、誰も相手にしてくれへん。誰一人として、認めてくれへん」

「一人もおらんいうことはないからな」

戸惑う武志に喜美子が続けます。

「一人はずっといる。自分や。迷ったら自分に聞いたらええ。その一人だけは、絶対に味方や」

最終週のこの日。

本作のテーマ深淵に迫る一言が語られました。

喜美子はぼっちだの。孤独だの。地味だの。狂気だの。

もっと時系列で盛り上がったはずのあのイベントを取り上げないだの、普通は盛り上がる冠婚葬祭出産育児だの、セレブ扱いだの、そういうものを飛ばしておかしいと言われて来ました。

何がおかしいん?

そう言い切るような境地がそこにあります。

どれだけ困難にぶつかっても。

父や夫という、隣にいるはずの味方が敵になっても。

喜美子は負けずに立ち上がって来ました。

喜美子の味方は喜美子や。

喜美子を評価するのは、喜美子や。

喜美子を理解するのは、喜美子や。

喜美子には喜美子がついている。だから、大丈夫やで!

喜美子が引き寄せる恩人二人

ちや子と草間が会場の外で話しております。

ちや子はそろそろ帰らなければならない様子。センセイのスケジュールはギッチギチやねん。政治家は忙しいで。

本来、やたらとうまいもん食ったり、芸能人と遊んだりしとるもんやない。好きなタレントと政治家がインスタグラムで写真撮って投稿しとったら、そこは浮かれるべきやないんやで。

ちゃっちゃとここで、お互いの現状確認をしています。

草間は頼まれて翻訳や通訳をする程度だそうです。お住まいは神戸。ちや子はここで、神戸みたいにシュッとしてはると言います。おう、京阪神でもあのへんはシュッとしてはるわな。

「すみません、昔から知っとるような気がして」

「僕もそう思いました」

きみちゃんを挟んでいるからかな。二人はそう言い合います。喜美子は自分自身を味方にして、これでええと思ったもので周囲を励まそうとしました。

草間は紙芝居を褒め、ちや子はペン立てをもらった。

きみちゃんにはまた連絡する、お会いできてよかったと言い、ちや子は去ろうとします。

「そや! これ、ちや子さんからや言うて、武志君に力あげといてもらえます」

ここで立ち止まり、ちや子は草間の手を握り締めます。

「ほなまた」

「是非また」

こうしてちや子は、忙しい議員の生活に戻って行くのでした。

武志が“彼女”と聞く桜と桃との約束

「今のは庵堂さんから。今度は僕から」

「ああっ痛っ!」

草間は、ちや子の力と自分を武志に渡す。まだ握力はあるようで、つい力が入り過ぎたようです。

草間はこうしみじみと言います。

「作品、心惹かれるとてもいい作品ですね」

「ほんまにありがとうございます」

喜美子と八郎も草間に会いに来ます。元気そうで変わりはないと挨拶して、草間から「二人は?」と聞かれるのです。

「あっ、助けてもろてます。時々名古屋から来てもろて支えてもらてます」

「僕の方が支えてもらうこともあるけど」

ここでサラリと流せるのが、本作の力かもしれん。というのも「内助の功」を完全破壊しているわけです。

喜美子は、草間とちや子の偶然に驚いています。これも喜美子の力ですが、彼女自身は割とそういうところに無頓着なのでしょう。

ここで大野忠信と陽子もやって来ます。

ジョーとマツの退場が早かった穴を埋めるような夫妻。忠信は「まだ柔道やってますか」と聞いて来ます。孫である桜と桃、そして百合子もついて来ました。

桜と桃は、作品も出品しるんですね。なかなか可愛らしいものです。

それを真奈が見て「こういうの作ってや」と武志にあっけらかんと言います。

「自分で作りぃや」

武志が言い返す。確かに真奈は、あの不器用さからして、この二人に近いものになりそう。

真奈は芸術に疎いというか、不器用でして。こういうものを作れと言っても失礼だとすら思わないし、自分のへたっぴぃさもそういうもんやと割り切っています。

天然とか初々しいとか、いろいろ言えるのでしょうけれども。クリエイターだから武志が好きというよりも、人間として、彼のことが好きなんだと思えて微笑ましいものがあります。

武志の何もかもが好き。だからこそ、そばにいる。そんな真奈が今朝も眩しい……。

桜と桃に、武志はこう声をかけます。

「おう、二人とも上手にできとるやん」

「たけにぃのも見たでぇ! 上手にできてるやん、綺麗やった!」

桜と桃ははしゃぎます。

ほんまにええな。かつて、父・ジョーから紙芝居を「こんなもん金にならん」と投げられた喜美子。

その喜美子が指導した子どもたちが、こうしてのびのびと才能を伸ばそうとしているのです。

プロの陶芸家になれないから無意味というわけはない。寛大な大人に褒められて、心まで育ってゆくのでしょう。喜美子は、信楽にきっちり恩返しをしています。

桜と桃は、ピアノの発表会を見に来て欲しいとお願いします。

「彼女も来てください!」

そう言われて、照れてしまう武志と真奈。

「約束ぅ! 約束約束約束ぅ!」

そう言い、グイグイと武志二人を押してくる姉妹。戸惑いつつも、笑っています。

どうしたって、その約束を武志が守れるか考えてしまいます。

でも、だからといってこの瞬間は無駄ではありません。

何も知らずに約束したことを、武志の命とともに、桃と桜はいつか思い出すのでしょう。

ジョージ富士川、降臨

ここで大野課長こと信作が、いそいそと会場までやって来ます。

「喜美子ぉ!」

鳥居が案内して来ます。

「こちらでございます」

「ご無沙汰しております、川原喜美子さん、お招きいただきありがとうございます」

ハレルヤとともに、ジョージ富士川登場やで!!
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