鈴愛のため、花野のため。
映画の夢を諦めて、大納言で働き始めた涼次。
燻り続けていた【監督への情念】はついに消し去ることができず、家族を捨てて、もう一度、映画の世界へ戻ると言うのです。
「死んでくれ」と吐き捨てた鈴愛に対し、涼次は家を飛び出します。
2008年(平成20年)。
この凸凹夫婦の行方はどうなるのでしょう?
【106話の視聴率は21.9%でした】
もくじ
評判のカツ丼で幸せ最高潮の草太
今日の場面は岐阜の梟町から。
草太は、息子の大地と幸せそうに過ごしています。
時は2008年。モータリゼーションで一時不穏だった「つくし食堂」も、新店主・草太の工夫で盛り返しました。
メレンゲクリーム、ふわとろロース、中濃ソース、タマネギはなし。
そんなこだわりのカツ丼が、もしかしたらネットの口コミで拡散したのでしょうか。
かなり美味しそうで、作ってみたくなります。
五平餅にかわる半分青いグルメになるかも。
草太は食堂から徒歩十分のところに住んでおりました。
看板などもちょうどいい感じのデザインで、チェーン店での店長経験が生きていますね。
ここで和子さんが登場。
ん? どうやら病院帰りのようで、晴が話しかけると、その表情には翳りが見えます。
再び萩尾家の話題が登場しそうです。
創作のギリギリを知ってる鈴愛だからこそ
一方で鈴愛は、花野相手におままごと。
人参で貧乏だとネガティブ発言をする鈴愛に対し、娘の方が明るい表情で切り替えします。
強いな、この子。なんだか子供のころの鈴愛を見ているようですね。
パパは帰ってくるのか?と不安そうな鈴愛。
キツイ言い回しが批判される彼女ですが、それもそのはず漫画家時代に【創作のギリギリ】を経験しているのです。
そんな世界へ再び飛び込んでいく涼次を見れば、とても明るい気持ちなど抱けないでしょう。
一方、三オバも、涼次を心配中です。
絶対に元住吉祥平のもとにいる!と当たりをつけてはおりますが、果たしてどうするのか。
登場した直後は「面倒でうるさい小姑」かと思ったら、彼女たちは愛情に溢れ、鈴愛にも花野にも優しい。
特に光江からは、関西オバハン特有の底知れぬうるささ、それに比例した愛を感じるから見ていて心が暖かくなってしまいます。って、実際は関西人じゃないんだけどね。
男二人のダラダラ正月へオバ1号&2号が襲撃
涼次は、思ったとおり祥平の家におりました。
割った鏡餅を油で揚げてオカキにする。
だらだらとした男二人の正月。
このシーンを見て、編集人の五十嵐も「週1でいいから、ここに居たい><;」とダメ人間発言をしておりました。
確かに、子供は可愛いけれど、可愛いだけじゃない。
一緒にいれば底知れない愛情の喜びがある分、肉体的な疲労も相当なものになります。
その点、野郎だけで過ごすダラダラLIFEは、そりゃ楽しいでしょうよ。
祥平もオカキをつまんで「美味い!」なんて満喫していたところへ、三オバ一号と二号が襲撃します。
やっちまいな!!
テーブルを挟んで、張り詰めた空気の中で顔を合わせる
【祥平&涼次】
【麦&光江】
です。
祥平は「一度チャンスを涼次から奪った罪悪感から、恩返しをしたい」と説明しました。
美談にも聞こえるかもしれませんが、実は勝手な理屈であります。
そして、夢見がちな野郎コンビは、互いの憧れをウダウダと語る。
イケメンが語る夢を、ここまで愚かしく、身勝手なものとする。
脚本家のパワー!!
容赦なしです。こんなキラキラトーク、悩む鈴愛に届く?って、いやいや、無理でっしゃろ。
そこを残酷に描くパワーに私は惚れています。
花野の父親が映画監督だったらカッコええやん
しかし、です。
三おば一号・光江には、その夢の話がナゼか響く。
監督ええやん、と。
ただ、それはあくまで条件付きで、花野の父親が映画監督だったらカッコええやん、という話。
別に家庭を守りながらだって監督はできる。光江は、大納言の売り上げすら提供するとの支援まで申し出ました。
それでも夢見モードの涼次は家庭を顧みないと語ります。
って、おい! 貴様、どういうつもりだ!!
クズ涼次曰く「家庭が大事すぎて、映画に全てを賭けられなくなる」とか。
何万人もの人が憧れ、その中で1人ぐらいしかなれない映画監督。
自分みたいな人間は、家庭との幸せを両立して続けていけない――そんな風に涼次は語ります。
いい加減にしろ、このクズ野郎!!
光江もそんな風に育てた覚えはないとガチギレ。
感情爆発させて涼次に掴みかかろうとします。
登場当初は、モンスター小姑かと思っていた光江の、心から温かくて強くて、更には甥っ子・涼次に対するどうにもならないもどかしさ、虚しさ、情けなさ――と複雑に色々が混ざった感情に、ドラマを見ていて貰い泣きしそうになった方も多いのでは……。
そして光江は崩れ落ちました。
一方、そのころ捨てられた鈴愛は、万華鏡片手に呆然としておりました。
指先で覚えている、萩尾家の電話番号を押してしまうのでした。
今日のまとめ「夢見がちなイケメンクリエイターズ」
今日は、まずご挨拶から。
本作の批判ニュースが出る中、私は病室から毎日、心の応援旗をバタバタと振っておりました。
報告が遅くなって申し訳ありませんが、7/16に入院して昨日8/1に退院することができ、ようやくPC前に座ることができました。
その間、温かいお言葉をくださった皆様、本当にありがとうございます。
おそらくや皆様も、本作や鈴愛に対して、声援を送り続けていたでしょう。
もちろん批判をされていた方も、おられるかもしれませんし、それはそれで個々人の自由です。
武将ジャパンからの読者様はご存知かもしれませんが、私は前作『わろてんか』だけでなく『西郷どん』についても、これでもかと批判しております。
そんな、自由に好き嫌いを言える環境をあらためて実感しております。
もちろん本作については、今なお全力で楽しませていただいており、今日のイケメンクリエイターたちのクズ論理を描き出すのはお見事としか言いようがありませんでした。
テメエラの美学に酔いしれた、イケメン有罪、イケメン地獄へ墜ちろ感。
酔いました。
こういうのって、他のドラマだと美化しちゃうんですよね。
それを真正面から叩き斬って、お見事としか言いようがないのです。
鈴愛が平成30年においつくまであと十年。
期待しかありません。楽しみにしています!!
◆著者の連載が一冊の電子書籍となりました。
ご覧いただければ幸いです。
この歴史映画が熱い!正統派からトンデモ作品まで歴史マニアの徹底レビュー
文:武者震之助
絵:小久ヒロ
【参考】
NHK公式サイト
おかえりなさい。待っておりました!
でもくれぐれもご無理なさらぬように、
お体ご自愛下さい。
それにしても、キムラ緑子さん。いいですねえ。
さすがにうまいなあと。
発狂とも言えるような怒りの爆発っぷりに
こちらも号泣してしまいました。
いろいろ批判のあるドラマですが、なにはともあれ
前作より100倍面白いので全然楽しく見ています。
レビューも楽しみにしています!
初めてコメントします。
感想、楽しみにしていました!!!
おかえりなさい!!!
でも、どうかお身体お大事にしてくださいね。
ドラマは最後まで、目が離せない展開。
こうして感想まで楽しめるのが幸せです。
終わったら、絶対ロスになります(>_<)
キムラ緑子いいねえ
おかえりなさい
おかえりなさい&復帰おめでとうございます。
でも、まだまだ本調子ではないと思いますので
くれぐれも無理はなさいませんよう。
本作を見ながらフッと頭の中を流れた歌詞
「夢を削りながら 年老いてゆくことに気がついた時 はじめて気付く 空の青さに」(谷村新司:陽はまた昇る)
夢を惰性で生きないためのパワーに変えるか
夢を棚ぼた待の言い訳に利用するか
鈴愛は前者、涼次は後者ですね。
武者さま、おかえりなさいませ〜
レビュー再開、楽しみにお待ちしておりました
本作は鈴愛を始め、登場人物の「夢」に対する様々なスタンスが示されていて、今日のお話も非常に興味深かったです
光江さんは三月うさぎという夢を、妹たち家族との生活もあり(と光江さんは思っている)勝負せず諦め、涼ちゃんは家族を捨てて勝負に出ようとしている
夢に挑む事自体を否定しなかったのは、敗北を知らない同士だから、という面もあるのかな
家族を持たない成功者は確かに本作にはチラホラいて(秋風、ボクテ、元住吉、佐野弓子?)涼ちゃんの申し出はタイミング最悪だけど、北川先生の一面の主張は担っているのかなとも思います
あー!おかえりなさい!
嬉しいです、とても(*´∀`)
お帰りなさい、待っていました!
また楽しめることがうれしくてたまりません!武者さんおだいじに。
武者様、お帰りなさい。
あまり無理なさらないで、
楽しんで書いて下さいね。
退院されてすぐのお仕事
ありがとうございます。
また楽しみに読ませていただきます。
今日のまとめ、を拝読して、あぁ武者さまがお帰りになられたー、と感慨深いです。無事に生還、おめでとうございます。でも、こんな週の途中から復帰、退院して直ぐとは予想がつきませんてした。無理されてないでしょうか?武者さまの、朝ドラ愛に満ちた熱いレビューを楽しみにしている読者はかなり多そうですが、心配もしていますよ。どうか、休み休みされてください。
前半のキャラクター、ストーリーが素晴らし過ぎたために、ダメ男と結ばれる後半の滑り出しは、少し我慢の時間でした。しかし今週になって、キラキラしたセリフのやり取りに魅了されております。さあ、誰もが期待するロマンティックな感動のラストへ向かって、鈴愛らしさが爆発していくのでしょうか。とっても楽しみです。