半分、青い。【日曜特別マトメ】第15週の感想あらすじwith皆様のコメント

日曜日にも『半分、青い。』。

担当編集の五十嵐利休が、一週間を振り返るというコーナーながら、先週は多忙のあまり勝手にお休みしてしまいました。申し訳ありません。

今週は85話から!

 

第85話 ところで恩田川って?

普段は閑散としている100均『大納言』も運動会前で店内は大盛況。

客に「どこに目をつけてるんだ」と怒鳴られた鈴愛は「どこに耳をつけとるんや」の間違いだと指摘しています。
優しく気遣う涼次に対し、鈴愛も「涼ちゃんは、いい声です」と二人の距離が近づくのがわかります。

一方、三姉妹宅では、オーナー光江が店長の田辺を電話で叱咤激励しております。

妹の麦は「恩田川に野鳥を見に行く」とのこと。

突然出てきた【恩田川】って?
と思いませんでした?

実は私は聞き慣れた言葉でした。
というのも大学生のときまでその近辺で育ったからです。

恩田川は横浜市緑区(今は一部青葉区?)を流れ、確かに野鳥のいそうな緑の多いところで、当時は間違って【鶴見川】と認識してました。

恩田川すぐ近くのダイクマ田奈店(の裏のソフトクリーム屋)でバイトもしてまして。高校生で時給は550円スタート(1986年)。すごい時代です。

それから10年ほど経過して、都内のコンビニが800~900円ぐらいだったかな。
鈴愛の750円は、やっぱり割安な気もします。

って、サーセン、懐かしくて脱線が長くなりました。

85話のクライマックスは、なんと言っても涼ちゃんが漫画家・楡野スズメのファンだったことでしょう。
「楡野」なんて珍しい苗字からして、涼ちゃんも『もしかして、もしかしたら?』なんて気持ちが少しはあったかもしれませんが、にしても本物が目の前にいたらビビリますね。

独特センスの映画監督・祥平についている涼次ですから、彼の好きな作品も独特って感じがしました。

◆本日のコメント
※今週から1話につき1つとさせていただきます。

【ビーチボーイさん】

一気に進展しましたね、涼ちゃん、なんと楡野鈴愛の漫画の熱烈ファンだったとは。(そんな偶然の出会いなんかあるわけないじゃんフッ、とか冷笑的にdisるのは簡単だけど、管理人さんの言うとおりそれは野暮というもの。人情味のカケラも無いそんな人は、TVドラマも漫画も映画もフィクションは一切見なきゃいいと思いますね。)
二人が100均のレジに立ったまま「握手してください」と涙流し合うこのシーン、もちろん通常のラブロマンスには程遠く、なんとも奇妙で滑稽。なんだけれども、笑って見ているうちにいつしかこちらももらい泣きして来る。脚本、演じる役者、演出、全て本当にうまい‼
「笑わせまっせ~!」と押しつけがましい割にはさっぱり笑えず、ならば涙こぼれるかといえばそれもちっとも無かったあのワロテンカは、6ヶ月間、あっちの方でなんかバタバタ派手に芝居してるみたいね、でもこちとらはシラーッ、で終わってしまった。
半青は、次どうなるの、次は?と画面しっかり見つめてます。否応なしに。

「握手してください」という台詞、心に沁みましたね~!

 

第86話 田辺さん、モテ男説を提唱します!

涼次が、三姉妹の甥っ子だということが判明。

これは鈴愛にとってはマイナス要因ですよね、やっぱり。
姑さんというより小姑って感じでしょうか。三姉妹だけに、実の母一人より厄介で、もしも鈴愛と涼次がうまく行っても三姉妹と絡むとなると、どう考えてもキツい。

案外、ぶっ飛んでる三人ですから意外と気が合ったり?
そりゃないか。

鈴愛にPOPのイラストを頼むと、マンガから離れて今はペンを握りたくない気持ちを察して、涼ちゃんが拙い絵を描きます。
今日も徐々に心の近づく2人。
一日15分の中で、丁寧に心の動きが描かれている。そんな印象を受けます。

つか、田辺店長が気になりますわ~。
美女の正体は?
最初はキャバ嬢かと思いましたが、田辺さんみたいに冴えないフリして実際はモテるという人、結構おりますしね。

私は、意外とモテる説に一票です。
彼の妄想略歴は、【かつて売れない役者で、俳優を目指してたけどダメで、同級生の光江に拾って貰った】という感じで……こっちもメチャメチャ気になるわ~。

◆本日のコメント

【同年代(*^^*)さん】

漫画の話は終わっちゃうんか…と視聴意欲が落ちかけていたところへ、スズメちゃんワールド炸裂で、やっぱり目が離せません。三姉妹の芝居も、小劇場の濃密な時空間をテレビで再現しているみたいで素晴らしいと思います。新婚リツくんの住む住宅街を思い浮かべると、やっぱりスズメの居場所じゃありませんでしたよね。
スズメワールドに寄り添いながらも、所々に差し込まれる世間の現実。嫁は流しの下からか…( ̄▽ ̄)そんな空気を知り尽くした上で、しかも生殖年齢の限界を考えれば男女は同質の時間を生きてはいないのですから、晴さんの発言も、どうか大目に見てはいただけないでしょうか?
その一方で、三姉妹やキミカ先生のような規格外の人物を魅力的に描いている本作に、スカッとしている方も多いと思います。

普通の市井の人たちを描いているようで、いや、普通って何ナノ?という疑問を挙げつつ、思うがままに生きようとしている人たちを尊重しつつ描いている印象がありますね。

 

第87話 偶然が助ける恋でいいじゃない

やっぱり今日もサボった田辺。
おいおい、美女とはどういう関係なのよ?

なんて気になるポイントを残しつつ、今回87話はかなり大きなターニングポイントとなりました。

田辺不在の店で、短期アルバイト最終日の涼次と打ち上げをする鈴愛。二人は店内の田辺酒を飲みながら、ギターで音楽を楽しみます。

そして軽く酔ったところでお開きとなり、外へ。
かなり強い雨が降っておりました。

左耳の聞こえない鈴愛は「傘に落ちる雨の音が半分だ」というと、突然、涼ちゃんが雨の中へ飛び出し、「全部濡れたら右も左もないよ!」と大声を挙げます。

うわぉ!
すごいな涼ちゃん。なかなか出来ないよ。

武田鉄矢さんの
『僕は死にましぇ~ん』
を思い出された方もいますかね?

怒られるかもしれませんが、私はそれを思い出しました。
いや、もちろん、武田鉄矢さんのようにトラックの前に飛び出すのはあまりにありえない話で比べるのも失礼かもしれませんが、雨の中に飛び出していくのだって、かなり勇気のある行動だと思うんです。たとえ酔っていても。

ただ、トラックの前に飛び出るほど困難な行動でもない。頑張れば私にだってデキそうな気がする。

まさにギリギリ――。
雨中飛び出しというのは、境界線上にあるリアルなんすね。

そして涼ちゃんが鈴愛を抱きしめ「好きです」と告白。
かぁああああああああああああああああああああああ!

良かったね、スズメ!!!

◆本日のコメント

【匿名さん】

ちょっといいなぁ、とお互いに思い合っている男女が、たまたまの悪天候も手伝って二人きりで数時間を過ごして急速に近づくのは、派手でドラマチックではないかもしれませんが、唐突かというとそうではないと思いました
鈴愛の心にスキマが出来て、涼ちゃんがそこにハマる子なのは月曜から描かれてますし、そういう意味では普通のドラマ1話分くらいは時間を割いてますしね

そうそう、そうなんです。

男女の仲って、偶然に作用される一面も大きいですよね。
バイト先で出会った2人が、短期間ながら距離を縮め、本質的には「イイ!」と思っていたら、後はキッカケ一つで結ばれるもの。

たとえ偶然だとしても、その偶然が運命と置き換えられたりするわけですし。
付き合う当初ってのは、そんなもんでしょう。

 

第88話 結婚かーーーい!

鈴愛と涼ちゃんの結婚話は後述するとして……88話は【クズセクシーオーラ】をまとう斎藤工さんにスポットが当たりましたね。

難しい役だと思います。
二枚目じゃないとダメ。
かと言ってカッコイイだけでもダメ。

そこにファニーな愛され要素がないと成立しない役であり、レビュワー武者の言う通り、斎藤工さんがバッチリだと思いました。

他に候補者を考えると、山田孝之さん、竹野内豊さん、要潤さんとかですかねー。
東幹久さんだとオモシロが強すぎて、少し年齢も厳しい感じ。

ともかく結婚ですよ。

武者の指摘どおり、鈴愛と涼次の結婚が唐突で、常識人からすれば中々受け容れにくい内容だったのかもしれません。

涼次なんて、単に籍入れればそれでOKと思ってますもんね。
鈴愛も、果たしてどこまで結婚に関わる周囲のことを考えているかわかったもんじゃありません。

いい歳こいてガキかよっ!
というツッコミは、その通りなんでしょう。

しかし、こうも思います。
それで失敗しようと二人の人生じゃないですか。
別に誰かに責任をとらせるわけじゃないですし、仮に、誰かに迷惑をかけたとしても、迷惑をかけられた方がどう思うか、どう感じるかなんて、第三者にはわからないことです。

晴や宇太郎が怒るならわかるんすけどね。
それ以外の周囲は見守るしかない。

展開がありえないとかじゃない。

余裕でありえる展開かと。
他ならぬ私もそうでした……。

ほんと、個人的な話で恐縮ですが、40才までフラフラしていた私は(仕事はしてましたけど)、約6年前、知り合ったばかりの現・妻と結婚しています。

東日本大震災の翌年は結婚が増えた(震災婚)――なんて話を聞いたことがありますが、まさしくその一人。
遊んで暮らしていたため40才にもなってほぼ貯金はなく、涼次と全く同じ考えでした。

さすがに出会って6日後ではないっすけど、本質的には似たようなもので。だから鈴愛と涼次の結婚が唐突すぎてバカだとか視聴者に指摘されると、思わず背中がビクッ!としています。

しかし、正しい結婚って何なんですかね。
社会制度が家に重きの置かれていた時代や、今も格式高い家なら、お見合いもありかもしれませんが、一般人の結婚に正解とかないような気がします。

一つの見方として
・離婚しない
というのが結婚の正解だとすれば、離婚率が上昇している日本では結婚そのものが制度的疲弊を起こしている気もしてきます。

気になる関連記事をピックアップしておきましたのでよろしければどうぞ~。

【関連記事】「離婚率」から読み解く日本の結婚事情

◆本日のコメント

【さみーさん】

すずめが、プロポーズされるの4年に一度、子ども生むなら、、と計算を披露したとき、二人は別れるかも?と思ってしまいました。

ボクテは、すずめが案外計算高いと言ったけど、計算高いのではなく、足し算ができるだけです。四年たったら32歳、そんなのはわかる。それに向けて無意識と見せかけた綿密な囲い込みができる女と、したくない女がいるんです。

確かに【計算高い】というほどではないかもしれませんね。
敢えてズレた会話をさせて、やっぱりこの人たち計算できない人たちだな……と思わせるというか。

 

第89話

田辺が不倫にハマっていたことが判明!

そこだけで十分に面白いんですが、他にも
・鈴愛が元住吉祥平と対峙
・草太がバツイチ子持ちと結婚
という濃ゆ~い展開でした。

んで、本日注目したいのは、著者がレビューの中で記していた【ノイズ】につきまして。
私も激しく賛同させられました。

【該当記事】半分、青い。89話 感想あらすじ視聴率

というのも、私も何かの取材で誰かに話をジックリ聞く時、話の本筋は当然押さえるとして、それ以外の【ノイズ部分】の聞き出しに全力を傾けているからです。

記事というのは、実は些細な【気付き】や【しょーもない感情】などが面白さを左右したりします。

1→2→3と整数で話が進んでいくより、1の次に1.2があって1.8も来て、2、3、4の次に4.15とか4.778なんかが来てもいい。というか、来ないとダメ。その部分が甘いと、現実的に【ボツ】とされたりしますので必死です(記事の種類にも依りますが)。

そんなワケで【ノイズ】という言葉にいたく心を動かされていたら、多くの読者さんたちもそうだったようで。
本日は関連コメントをすべて掲載したく存じます。

【匿名さん】

>本作には、
【そこは別にいらないのではないか】
と感じるほどノイズが入っていて、生々しい魅力を視聴者の五感に染み渡らせているんではないでしょうか<
そうそう、ノイズとか揺らぎ、ブレ、です。人間にはそういう所が沢山あります。
良い解釈だと思います。

 

【校正委員さん】※修正しました、ご指摘ありがとうございます!

ノイズのお話、その通りですね。
「動き」だけではありません。

例えば声
名優による朗読劇
音声読み上げ機能に読ませる朗読劇

例えば音楽
名演奏家が奏でる音楽
MIDIに打ち込んだ音楽の再生

機械は完璧です。句読点における間の取り方すら数値でプログラミングされていてブレません。噛んだり、つっかかったりもしません。
でも聴いている方は疲れはしても感動はできません。
「ブレ」が私達に呼吸する間を与え
過去の記憶とシンクロさせる余裕を持たせてくれるのだと思います。

デジタルには無い、アナログの味わい、といったところでしょうか?

デジタル<アナログというのは端的でわかりやすいですね!

 

【いししのししさん】

そうそう、鈴愛がりょうちゃんのアパートに持ってきた紙袋を落とすシーン、自分は偶然起きたことをそのまま残した、
と考えたのですが、武者さまの解説を拝読し、ああこれもリアル感を出すための意図的なものかもと。恐ろしい。突拍子もない展開なのに、それぞれのセリフに違和感が無い。これから斎藤工さんが、どのように存在感を増していくのか、今日の鈴愛との絡みで楽しみになりました。

紙袋を落とすシーンも確かに!

演出だったんですかね。それとも単に手元が狂ったのか。
いずれにしても、いい臨場感になりますね。

しかし、よく気付きましたね……。

 

第90話 涼次とひかりは大丈夫?

涼次と祥平はデキているんじゃないか?

そんなゲイ疑惑を鈴愛が抱いたところから始まった90話。
斎藤工さんとのヤリトリが最高に面白い展開でした。

ぶっきらぼうな態度ではあるんですが、そうかと思ったら突如「弟を取られたような気分になって、感じ悪かった」と素直に謝る可愛らしいリアクションになる。

と、そんなヤリトリの中で判明したのが、涼ちゃんの【盗作疑惑】でした。
手帳に挟んでいた詩は、祥平の作品『追憶のかたつむり2』の冒頭ナレーションだったんですね。作品を見たときあまりにステキだったから、思わず書き写していたのをたまたま落とし、鈴愛には自作の詩だと勘違いされて真実を話しづらくなっていた、と。

性格は良い。
しかし、だめんずっぷりが発露し始めましたね。

鈴愛は、涼次のことを「将来の大監督や」とか、草太との電話で話していましたが、その才能の片鱗は示されておりません。

おまけに鈴愛実家へのご挨拶でも、
「娘さんと結婚させてください」
の場面で、突如、笑い始めてしまいますし。さすがに、それだけはマズイぞ!

……と胸が痛くなりました。

なお、同じく結婚を決意した草太。
お相手は、柳ケ瀬バーのママだそうです。

てか、スナック?
子持ちシングルで40近い――BARで働いてるって考えにくい。いや、実際に、妙齢の美女が経営しているバーを見たことありますが、そういう女性ってレストラン勤務の草太と付き合う姿が思い描きにくい。

だから、祖父の仙吉さんも『孫が騙されているんじゃないか?』と心配なんですね。

色々と前途多難。明日からも楽しくなりそうです!

◆本日のコメント

【ビーチボーイさん】

生まれた時からずっと一緒だった律とはほんの一瞬の心のすれ違い、「ごめんムリだ」のたった一言で別れてしまう。かと思えば出会って1週間足らず、人となりもよく分からない(正直、かなり怪しげな)涼ちゃんさんとノリでいきなり結婚の合意してしまう。
そんなハチャメチャな話あるもんか、と批判派がまたブーイング飛ばして来るでしょうね。でも私は別に奇異な感じしませんけど。現実に男女の間って案外そんなふうにアクロバティック(?)な経過をたどりがちなものでしょ、人生は決して機械的合理的にはいかないですよ。
ただ、引っかかるのはたとえばスズメと涼ちゃんの大納言での初対面の時の寝言みたいなやり取り。「ソケットありますか?」「ソケット…ロケット?」…そりゃもちろんロケットとロボットじゃ1字でも大違いだけど、科学の門外漢から見るとイメージが重なり合う面もあります。このところ表面的には律のリの字もほぼ口にしないスズメですが、深層の所ではやっぱり律を引きずる人生が続いてる、それが不意にのぞく場面がだまし絵のように隠されてる。このドラマの展開、本当に巧妙で、油断も隙もならん。

緻密に色んなことがあるから、何気ない一言でも『どうなってるんだ?』と考えてしまう。
そんな気持ち、めっちゃわかります。

すごい細かなコトで言えば、以前、大学生・草太の部屋にあった【◯万円貯まる貯金箱】が、90話で仙吉さんと会話してたときには無くなってたんすよね。社会人になって成長したからでしょうか。あるいは、ひかりさんのバー通いでお金なくなってたんだとしたら、いよいよ怖い……とか、さすがに考え過ぎだなぁとか思いながら、でも、考えると楽しいという。

来週は三叔母との対面ですね。
怖い><;

文:五十嵐利休
絵:小久ヒロ

【参考】
NHK公式サイト

 

1 Comment

ばかちんのはは

いつもありがとうございます。
楽しく拝見しております。

>しかし、トラックの前に飛び出るほど困難は行動でもない。

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