半分、青い。109話 感想あらすじ視聴率(8/6)ワイは信者や!プロ信者武者や!

映画監督の夢を諦めきれず、鈴愛と花野を置いて家を飛び出した涼次。

夫婦修復の願いは叶わず、岐阜に戻った2人は、実家・つくし食堂前の行列を見て驚きます。草太のカツ丼で大流行しているのでした。

突如帰ってきた娘の姿を見て、ジイジ、宇太郎、晴さん、草太は呆然としております。

いったい鈴愛は、故郷で次の人生をどう過ごすのでしょうか?

【109話の視聴率は8/7に発表です】

 

「モカとキララはどうした!」

戻ってきたばかりの鈴愛。
早速、喫茶「ともしび」で、ナオちゃんとビールジョッキを飲み干します。

役者さんもセットも同じながら、飲むのがジュースではなくビールに代わっていて、年齢を感じさせますね。
たしかこの店では、サンバランド開設のために来ていた女性営業マン(佐藤江梨子さん)と、父親連中で飲んだ場所でもありました。お酒も飲める店ってのが効いてます。

ナオにだけは事前にこっそり告げていて、突如出戻った鈴愛は、「つくし食堂」でカツ丼を食べていた律にドキドキが止まりません。

それは草太のカツ丼のせいだとナオがあっさり。名古屋にも支店を出すかも、だって。

この設定、ええなあ。
あの草太が、大卒でそのままブラックぽいチェーン店に就職し、過労気味だったとき、平成の苦しさを思い悔しがったのです。
でも、草太は強い子です。自分なりのアレンジレシピで実家をもり立てた! 流石や!!

鈴愛は、そんなナオの答えに疑念を抱きます。
律も離婚したのでは、とソワソワ。

「モカとキララはどうした!」
そこに、愛児のことを気にしたブッチャーと、律まで来店するのでした。すごくブッチャーらしいキラキラしたネーミングセンスですな。

って、梟会、久々に揃った!

 

花野に離婚の真実問うてみる

「女ができたわけやないんやな」

そのころ実家で晴さんは、花野ちゃん相手に生々しい訊問を繰り広げておりました。

宇太郎は、鈴愛と涼次の決裂は一時的なもんだと思っているようですが、晴は甘くないのです。

花野から映画への夢ゆえに捨てられたと聞き出します。

晴が森山家に電話で確認をすると、三オバは受話器の前で頭を下げ、花野ちゃんの声を聞いてデレデレします。

ここで「ともしび」に場面が戻ります。

「私は未亡人になった」
と、夫を殺したことにする自己紹介をする鈴愛。いや、夫は死んでないぞ、と突っ込まれます。

ここで鈴愛、夏虫駅でプロポーズを断った理由を説明しようとします。
ずっと引っかかってたんでしょうね。

しかし、ここで!
律は離婚していない、単身赴任中で大阪に妻子ありという説明が入ります。

うん……律の子・翼の出方からしてそうだろうとは。それでもちょっとショック。
その状況から、鈴愛がアタックするとも思えません。

鈴愛と律、この関係性。
恋愛ではない関係性を持ち出されても、それはそれで好きだけども。うーん、どうする?

「あんたら、高校生じゃなくておじさんとおばさんだよ!」
と喫茶店主からも突っ込まれます。
恋心は死ぬのかどうか、そのことを我々は試されているのか!?

 

地方出身出戻り女に、イージーライフはない

『ふるさと』を口ずさみながら、帰宅する四人の梟会組。
自宅では、花野が仙吉と寝ています。

鈴愛の部屋は散らかっているので、下で寝るようにと晴。
鈴愛は花野の横に寝転がり、天井の魚の絵を見つめます。

晴は、鈴愛は漫画を愛しているのかと思った、でも花野を愛しているんやな、と語ります。
我が子を自分のように愛する娘に、ホッとしているみたい。

鈴愛も、漫画には夢中だったけど、我が子を愛していると。晴は、そんな鈴愛に、花野用のぬいぐるみを渡します。

「梟町には友がいるから帰って来たんや」
そう語る鈴愛。友だけ? 愛もあるからでは? そう言いたくなります。

でも、全てがそうスッキリできるほど、ことはそう単純じゃなさそう。
律は離婚していません。

本作だから、男女の結びつかない「愛情」や、高次元の「友情」を描いて、その煌めきを教えてくれるのかも。

なんにしても鈴愛のお気楽ライフはそろそろ終わりのはず。
地方出身出戻り女に、イージーライフはないはず。

そんな鈴愛も、律や花野、祖父と父母と弟、ブッチャーやナオへの思いを煌めかせながら、きっと乗り越えるはず。
期待しています!!

 

今日のマトメ「ワイは信者や!プロ信者武者や!」

好き嫌いの感情が絡んだ議論とは、実は議論にあらず、言い争って終わりのないもの。
ハタから見ていても気持ちの良いものではないですし、不毛なヤリトリに時間を奪われるだけで、本サイトは極力スルーするスタンスなのですが、今回だけはその律を破らせていただきます。

というのも脚本家氏が本レビューを引用したツイートに、くだらない誹謗中傷があったからです。

曰く、このレビューはただの感想だと。

ええと、そうなんですよ、最初っからただの感想なんですよ。

そんなただの感想でしかないところに、自分の思いの丈や、作品から勇気づけられたこと、ワクワクさせられたこと、あるいは他のドラマと比較しての共感部分や反対部分など、あらゆる要素を混ぜてから改めて抽出し、それを一本の記事にまとめる――それが面白い作業ですし、同時に、シンドくもあるのです。

ツマンネ(´・ω・`)
と思われれば誰にも読まれないで終了ですからね。

それで Tha’ts all! なワケです。

されど、ただの感想でも、もしも凝縮した何かに興味深い一滴があれば、多くの方に読んでいただいたり、今回のように脚本家氏が取り上げてくれることもある。

ですからね。
何か言いたいことがあって、誰かにリアクションして欲しいなら、ツイッターでしょーもない一文を飛ばすより、ご自身で熱量のある感想ブログを書かれるのが一番ですよ。

他人にかまってる暇があったら、自分の人生を生きろ、ってやつですね。

志を同じくする方に支持を得られるかもしれません。
面白ければ、どこかで連載が始まるかもしれません。

そうすれば自然と、書く作業に喜びという大きな報酬が与えられます。

もうひとつ。
楡野鈴愛が甘えん坊かどうか。真面目に検証してみます。

比較対象は、現在、再放送中で、私も大好きな『マッサン』の男性主人公です。

残念ながら本国は「女が甘えている」と言いながら、実際に甘やかされているのは男性だと証明される一面が露になりました。

東京医科大学の前で女性ら100人が抗議活動。女子受験生の点数を一律減点していたことに怒りの声

朝ドラも、この一例です。

ドラマ『マッサン』の亀山政春は、モデルの竹鶴政孝と比較して、ズブズブの甘さを発揮されたキャラクターです。
魅力はありますし、玉山鉄二さんは何とも愛嬌のある方ですが。

実際の竹鶴氏という男は、どういう人物か?

明治から昭和にかけてのスーパーエリートであり、度胸と教養溢れる人材でした。

この手の戦前スーパーエリートらしさよりも、愛嬌が重んじられた結果、ドラマでは相当に甘やかされています。例えば、失業中は、ウダウダしているだけでした。

実際には、エリートとしての教養を生かし、教師として就職しています。そして、妻への態度も、とにかく優しかった。

また、本物の竹鶴リタは、当時の流行に沿ったボブカットと眼鏡の似合う、茶髪の知的美女です。
しかし、ドラマでは、金髪に眼鏡なし、スコットランド人というよりはカリフォルニアガール的な、明るく幼い容姿に変更されました。

ドラマ初期の前髪が長く、後ろ髪を垂らしたヘアスタイルは、当時のスコットランドでは少女のものです。

※時代背景がほぼ同じBBCのドラマと比較すると、エリーの幼さは露骨なほど

そんなスコットランド出身妻を、史実の竹鶴は非常に気遣い、生活習慣を西洋とほぼ同じものとし、ドラマのように姑と接触させることもほぼありません。

要するに、竹鶴は妻に対して気遣っていました。
ドラマのように、投げっぱなしの幼稚な態度は取っていません。

そういうエリートの気遣い、ドラマでは出ていませんよね?
幼稚で、不器用な日本男児にされ、その割を妻が食っている。
カリフォルニアンガールが広島の姑に気遣うような、陳腐な設定なんですよ。

それでも、私は『マッサン』を甘いと斬り捨てない。
視聴者向けのサービスでしょう。
正直に言えば、原典忠実なマッサンとリタが見たかったけれども、妥協は必要です。

ちゅーことをね。
楡野鈴愛が甘いと言い続ける人にも言いたいんです。

今後は、再就職失敗で厳しくなるみたい。って、そりゃそうよ。
子持ちバツイチの女に甘い地方なんざ、日本にゃあない。

とかなんとか言うと、私が本作の信者だからだ――とか指摘されるかもしれませんけど、えぇと、それのドコが悪いのかわからないんですよね。人は、自分の好きな何かを信じたり、ときにはイヤなものを拒絶したりして生きているんでは?

私は本記事を執筆していて1ミリたりとも悔やんでいません。

だって、こんな幸せな朝ドラ時間、今までないですもん。
だから、これは信者の感想と捉えてもいいのです。

ついてきたい人だけ、ついてきてくれ!

ってなもんで、今後も同じようなペースで続けていきます。

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

◆著者の連載が一冊の電子書籍となりました。
ご覧いただければ幸いです。

この歴史映画が熱い!正統派からトンデモ作品まで歴史マニアの徹底レビュー

【参考】
NHK公式サイト

 

10 Comments

Susuka

楽しく拝見しておりますが…
論理的に破綻していなくて、説得力があれば「信者」でも構わないと思いますが、
このブログ、映画監督のコンビに対してかなり点が厳しいのが少し気になるなあ、と思いました。
丁度休載していた期間、二人の芸術家としての葛藤が結構濃密に描かれていたのですが、武者氏はどう解釈されたのでしょうか。

けむさん

初めまして。あまり真面目には見ていないので、菱もっちゃんの過去を検索したら、ここに辿り着き、武者様のブログに我が意を得たりっ!と嬉しくなり読み続けております。
本日は『他人に構っている暇があったら、自分の人生を生きろっ』という言葉に感激しまして、初めてコメントを書き込むことにした次第です。
素晴らしいです。
これからも寄らせていただきます。

roko

みなさんお気づきでしょうが、失礼します。

ラスト
>ってなもんで、今後も同じようペースで続けていきます。

いつもありがとうございます。
武者様、よかったです。
こうして、コメントが書けることも嬉しいです。
昨日、また、使わせていただいたので…いつも事後報告ばかりですがお許しください。

昨日の岐阜も記録的な暑さだったようで、これからもまだまだアツそうです。
病み上がりはお大事に。
皆様もご自愛くださいませ。

ビーチボーイ

私は信者とまでは自覚してませんが、いわゆる《ちゃんと観てるとは思えない者達の付けるいちゃもん》を見ると腹が立ち、本作とスズメをかばいたくなるサポーターの一人です。楡野鈴愛の人間像が気に食わないという主張の多くは、私から見ればああやっぱり直虎の時と同じだねって感じ。つまり結局《惚れた男に従順でない、男にとって都合の良い生き方をしない女はダメ》というオッサン的男女観がベースなんだよね~。
平成もゴール目前の今、まさかそんな考え方がもう世の主流ではないだろと思ってたんですが、最近世間をお騒がせの某大学理事長とかレスリングのコーチとかボクシング協会の会長とかを見て、残念だけど私の見方変わりました。まだまだ日本は昭和をそのまま引きずるオヤジ達が支配し続けてるんだなあ、と。
私はスズメスピリットで、この支配に立ち向かい、打ち破りたい。来年からの新時代こそは、ね‼

ヒグタツ

「自分の人生、生きろ」はこのドラマのセリフでしたっけ?
このドラマ、凄く刺さるセリフが突如あるんですよね

かかいと

毎日ドラマと合わせて楽しく読ませてもらっています。
復活して下さり嬉しいです。
このドラマの否定的な意見は何なんでしょうね?私は過去にない内容がとても気に入っています

らの

はじめまして。
鈴愛と同い年のブロガーさんが絶賛されていて、7月から遅れて見始めた者です。
見る者の予想を上回る急展開、スパッとした潔い鈴愛の口調、3オバ演者皆さまの深みある演技、隅から隅まで毎回魅力されております。総集編で追いつきましたが、もっと前から見ているべきでした!
律と鈴愛の昔をリアルで見ていないのですが、ここで元のサヤに戻るならひと時代前のトレンディードラマ。しかしそこで地位を築いた脚本家が同じことを繰り返すとは思えず、今日も「忘れてくれ」と律離婚への妄想を捨てた鈴愛が素敵でした。
見始めてから批判も多いと知り、Twitterのアンチの意見を眺めましたが、わかりやすい予定調和を求めている人って、こんなにも多いのかと驚いています。
どうぞお体にお気をつけて、批判をお気になさらずご無理のない更新を。思わず頷いてしまう感想、楽しみにしております。

みかん

武者さん、お帰りなさい♪
とにかく、千人居れば千人の意見があっていいと思うんです。共感出来るだけの人が納得してみていたら良いと思います。
なんで、それにイチャモンつけるんでしょうね。イチャモンつけたい人は、意見が合わないのだから、自分でそれを堂々と発表すれば、同じような意見の人がまた、寄ってくると思うんです。それで良いんじゃないか?と、思うんですけどね…武者さんの意見、私は好きです。着いていきますよ~(^-^)/

上京組

初めまして、武者さんのレビューは大河のレビュー~の1ファンです。女城主直虎で胸熱なレビューに毎週とても楽しみに拝読させて頂いておりました。この度の入院、大変心配でしたが敢えてじっと待っていて良かった❗
そうです❗待っているんです❗レビューがアップされるのを。拙い文章力しかない54のオバサンは、武者さんのレビューにそうそう、そうなのよ、あーそういう解釈、なるほどといちいち頷いて夢中で読んでいます。ある方のブログも最初の頃読んでいましたが、余りにトンチンカン余りに頭固すぎ、で、読むの止めました。そんなもんですよね。自分の感性にあった文章、それを読みたい❗それだけです。因みに今まで朝ドラなど見たことなかった次女、目下うつ病で自宅療養中ですが、半青見るためにしっかり朝起きて来てくれます。そして、感情なかった娘が泣いたり、笑ったり…自分にとってすずめのセリフがとても刺さっているようで、母はそれだけでも一緒に見よう❗と誘って良かったと思っています。武者さん、私も信者ですよ。これからも応援しています。

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