思い込んだら一直線だっけ?
「思い込んだら一直線! 何も見えなくなるノォ~」
という、お決まりのセリフ。福子の言葉も虚しいばかりです。
それがあてはまるのは『いだてん』の嘉納治五郎さんみたいなタイプね。
オリンピックに熱中しすぎて、手続きが遅れたことが災いして、政治家に頼ってもうまくいかない。
私腹を肥やすどころか、スポーツのために借金まみれでもあります。
ああいう不器用な人を指して「思い込んだら一直線」ならわかります。
『マッサン』モデルの竹鶴政孝氏も、あてはまりますね。
『半分、青い。』の鈴愛は、女でありながらこのタイプゆえに、本作信徒からサンドバッグにされました。
萬平は?
全く違いますよ。福子さん、よく見てくださいな。
公開してナンボ、申請すればそれが当然の特許なのに、
「特許を公開した我が教団を崇めよ! お布施をしなさい!」
と熱くシャウトする。
んでもって、政治家の前にでたら無料公開にシフトチェンジして、自分がトップの協会を立上げる。
そんなことを言い張った人間って、ちゃんと周囲を見ていますよ。
金勘定する気満々ですから。
世良という金にゲスい男と長年付き合えるのがその証拠かもしれません。
思えば片岡愛之助さん演じる加地谷圭介も、物資の横流しを萬平の責任にしようとしてましたね。
類は友を呼ぶ――という言葉を贈っておきましょう。
こんな総大将はダメだ!
周囲が見えないわけがない萬平。
それなのに、発明家ということを言い訳して、いろいろと雑な手抜きをしています。
容器開発が遅れていると報告した部下を、一方的にしかり飛ばすだけ。
あんなのアリ?
見ていて本当に辛かった。自分ならできるんですか?
そもそも若い社員を集めて、「とにかく斬新なものを作るんだ」って平気で言うのも、アホ上司・バカ経営者の決まり文句じゃないですか。
スープだけではラーメンが成立しない。
そんなことは経験済みです。それなのに、未経験の新人もいるチームを、険しい顔で怒るだけ。
こんな無能総大将で天下統一はできるものでしょうか?
劉禅の父だから劉備?
うーーーん、どうかな?
せいぜい袁術あたりじゃね? はちみつ水でも飲んでいれば?
紙媒体でもやって来た
チキンラーメンがオリジナルの発明じゃなかったり。
日本での発売も最初じゃなかったり。
色々と疑義の噴出しているチキンラーメンの開発話も、NHK『歴史秘話ヒストリア』、『ザ・プロファイラー』等で取り上げられたからには、
「フィクションだから問題ない」
は通じなくなってきました。
そしてそれはいよいよ紙媒体&WEBにも波及してきております。
◆『まんぷく』安藤百福の即席麺「発明は嘘」と異論噴出(SmartFLASH) – Yahoo!ニュース
ようやく、ってところでしょうか。
フィクションだろうが、売り上げには貢献しており、日清側もそのあたりを認めている。
しかも原資は公共放送の受信料ですよ。
半年もかけて宣伝ドラマってアリなんですか?
「みなさまのNHKです!」
という建前すら放棄したかのような印象です。
大河の捏造とはわけがちがいます。
現存する発売中の、特定企業の宣伝をし、かつ競合他社のネガティブキャンペーンもした。
それだけではない。
台湾ルーツも消し去りました。
大坂なおみ選手のルーツ削除による炎上よりも、悪質なやり方です。
これがもし、海外ドラマで「寿司は中国人が発明しました」というものだったらどうでしょうか。
「フィクションだ」
「発明なんてそういうものだ」
「ドラマは別だ」
「買い取って普及させたんだ、発明したことにしてもいいんだ!」
それこそ怒髪天を衝くでしょ?
どんだけ恥知らずな連中だ! と騒ぎ立てるでしょ。
では、少し立場を置き換えて考えてみましょう。
この手の事象が起きると、得てしてこういうリアクションがありがちです。
Before
「今日のランチは、チキンラーメン♪ 萬平さんと福ちゃんの愛が生み出したと思うと美味しい~」
After
「チキンラーメンを開発していなくてもいいんです。偉大なのは、売り出したことなんです」
「チキンラーメン発明はどうでもいい。カップラーメン! そこが大事なんです」
「こういうことはよくある話。問題ない。チキンラーメン発明なんてどうでもいいって思っていたので」
「大河でもよくあること!」
そして極めつけがコレ。
「こっちはドラマを面白いと思って楽しんでいるんだ! 余計なことをして邪魔をするな!」
もうね。
完全に暗君思考で、諫言など1ミリも耳に入れたくないんですよ。だから失敗を繰り返す。
「こんなことで目くじらをたてるな!」
という言葉もそうです。
言っている側は気づいていないかもしれませんが、もう「目くじら」という言葉そのものに死語臭が漂っています。
そんな時代じゃないんですよ。
大坂なおみ選手、週間SPA!、西武そごう、LOFT、女子ハンドボール。
こういう炎上案件だって、かつてならば声をあげた方がおかしいとシャットアウトされたはずです。
そうじゃないんだってば。
次の炎上仲間はこちら
ここで炎上仲間紹介のお時間です。
◆女性ドライバーに「やっぱり運転は苦手?」トヨタが行ったアンケート不快ですか? – FNNプライムオンライン
これを「気にしすぎぃ!」というあなたに。
Amazon Primeオリジナル番組『グランド・ツアー』を見てみたらどないでっか? と、ご案内させていただきます。
この番組の司会者は、三バカトリオということで親しまれているおっさんです。
そしてこの番組専属ドライバーが、その司会者の娘世代のアビー・イートンです。
司会者は、モータージャーナリストですから平均的男性より運転技術は上でしょう。
それでもプロには勝てない。
ちなみにカーレーシングというのは、乗馬と同じく、男女別ではない数少ない競技です。
イートンもプロレーサーです。
◆Amazonで配信中“グランド・ツアー”出演のアビー・イートン、豪州スーパーカーのサポート戦出場 | 2019/3/1 – AUTOSPORT web
乗馬はともかく、圧力がかかるカーレーシングでは体力面での男女差の影響があるのではないか、という議論の真っ只中。
ただし!
問題はあくまで生来的な筋肉の量です。
脳みその構造が女は運転に向いていないから、という理屈は俎上にすら登りません。
国と会社によっては、自動車保険料に男女差が生じるそうです。
「この性別は事故をよく起こすから、もう一方の性別よりも高くなります。差別? いいえ、統計上の結果です。10代だって他の年齢層より高いでしょ」
となる。
Q:さて、どちらが高くなるか?
A:男性
ご想像どおり男性でした。
10代男性が最も事故を起こしやすいとみなされ、結果的に高くなる。
保険会社の統計というデータが証明した結果ですからね。
どこぞの医学部みたいな偏見じゃありません。
これを踏まえますと、
【トヨタは偏見があるうえに、データや統計すらすっ飛ばすどちゃくそマヌケ】
という結果にもなってしまいます。ものづくりメーカーにあるべき失態でしょう。
ついでに言うと、イギリスだと海軍人が2018年秋、こんな渾身の反論をしています。
「女の運転が下手くそですって? 我が妻である海軍人の、素晴らしい操艦技術を見てもそんなことを言えるんですか?」
◆Royal Navy officer posts video of his wife berthing warship
これが世界のジェンダー感です。
「気にしすぎぃ!」
「目くじら立てるな!」
じゃない。そういう側が、ダサすぎて話にならないんだ。
「サーキットにいる女っていうのは、ハイレグのレースクィーンでしょ!」
っていう時代はもう終わりです。
◆F1 これからはレースクイーンじゃなく「グリッド・キッズ」だ 次世代の子どもたちも胸アツ?
これについても、
「レースクィーンになりたい女の子の夢を奪うのかぁ!」
というよくわからない話があったんですけど。違うんですよ。今時の女の子は、レースクィーンでなくてレーサーになりたいんだってば。
はい、ここでもう一問。
Q:世界最速のタクシードライバーと呼ばれている人物は、男性? それとも女性?
答えはわかりましたね。
A:女性
ドイツ人のサビーネ・シュミッツです。
そこは「スポーツカーの聖地」。
世界最高ともされる難易度から、各社がいかに自車を速く走らせるか、頭を悩ませる。
そんな伝説のサーキット「ニュルブルクリンク」の近所で生まれ育ったシュミッツは、庭を散歩する感覚で、サーキットを回り続けました。
サーキット公式タクシー運転手となった彼女は、前述の名と「ニュルブルクリンクの女王」と敬意を込めて呼ばれるようになったのです。
1997年「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」王者でもあります。
つまり、トヨタはマヌケにもほどがあるんです。
「自動車メーカーなのに、聖地に君臨しているサビーネ陛下の性別すらわからんとは!」
※女王陛下の妙技にひれ伏すがいい!
このニュース、海外まで拡散したら本気で不買につながりかねんから、せいぜい火消しを頑張ってくれよな!
運転が上手い女性なんて、大勢いるんです。
あなたが気づいていないか、彼女があなたを怒らせないために黙っているか。
それだけのことなんですよ。
誰が深読みに困るのかな?
さて、今日は断末魔が聞こえてくる理由もちょっと探りましょうか。
◆『いだてん』『まんぷく』…視聴者の“伏線ウラ読み”に制作者側も困惑!?(週刊SPA!) – Yahoo!ニュース
ダサい。ダサすぎる。
ついでに言うと『いだてん』のクドカン氏は別に深読みに困っていないと思いますけどね。
むしろそういうファンとのやりとりを楽しむタイプでしょ。
じゃあ誰が困るって?
そりゃ、いろいろ真っ黒い麺が出てくる『まんぷく』でしょう。
『いだてん』をお仲間にしようとしても無駄だ。
NHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』でも、主人公・萬平(長谷川博己)が様々な事業をやった末にラーメン開発に至ることを、裏読みする人がいました。「根菜切断機はラーメン開発の際に麺を延ばす機械を使うきっかけになるのでは?」「塩づくりの際に習ったかん水が、ラーメン開発の際に出てくるかん水につながるのでは?」という考察をSNSでみましたが、それらには一切触れられず、ラーメン開発は進んでいます。
この段落は、もう話になりません。
「かん水」が中華麺必須の材料であることは、中華麺について調べればすぐ出てきます。
むしろ出さなかった本作が異常なんです。
萬平が中華麺を作る際に訪れたのは、うどん屋でした。
しかし、うどん屋に「かん水」があることはまず考えられない。
不自然な中国ルーツを消す作為を感じました。
つまり、これは「かん水」について考慮に入れていた視聴者が正しい。
本作がおかしいのです。
【かん水に一切触れずに進むラーメン開発】
とは、
【タイヤをはめずに進んでゆく自動車】
ぐらい異常性のあるフレーズです。
むしろ簡単に想像できる伏線すら回収できない、必須要素すらわかっちゃいない、本作チームがダメなんです。
だから、ボロが出る。
それが、こんな記事まで出てきて一体何事でしょうか。
「視聴者さァ~ん、これ以上殴らないでくださぁ~い!」とでも言いたいのかなぁ。
そんなものに動かされるファンがいるとすれば極めて幼稚というほかない。
海外とは真逆すぎて哀しくなってきます。
例えば、いよいよあと一ヶ月を切った話題作『ゲーム・オブ・スローンズ』。
シーズンごとの区切りにファンが夢中になってるのは、こんなところです。
・次のシーズンで生き残ることの出来る人物は誰なのか?
・不自然なところがあるあの人物には、出生の秘密があるのでは?
・隠されている要素が読み取れる場面があるはずだ、見直さなくちゃ!
要するに、視聴者の深読みまで計算に入れて制作。
関連書籍、ファンサイト、考察記事が大量に出てきます。
賞味期限切れ「愚民化の箱」
かつて、テレビは「愚民化の箱」と呼ばれました。
テレビで流したことに視聴者が疑いを持たず、信じてしまう、だからいくらでも愚かに洗脳できるとされました。
【ファイナルテレビファンタジー】ヘビーユーザーは、『テレビを見ていてバカになった若者』と言われた世代。
そんな魔法の箱を手に入れて、いくらでも世論を操作できるとウハウハであったのでしょう。
しかし、そんな箱はもう年々衰退の一途を辿っています。
『スマホをいじっているバカな若者』
『ゆとり世代』
そう小馬鹿にしていた世代が、テレビを捨てて、深読み考察をして、そのまま信じなくなった。
本作信徒は、それが辛くてたまらないのでしょう。
いいからアップデートしてくださいね。
自身がしっかり勉強すれば、視聴者の深読みだって怖くない。むしろ楽しくなるハズ。
少し前のことですが……。
2/22に公開された映画『サムライマラソン』を試写させていただきました。
映画のPR担当から、本サイトの担当編集に連絡があったんですね。
そこで編集はいったんは断りました。
「作品がツマらなかった場合の武者のレビューは容赦がないので、ヨソ様を当たってください」
と伝えたそうです。
しかし、それでも相手は
「構いませんので見てください」
とおっしゃられて、
「んでは、好き勝手書かせて貰います(編)」
つーことで私のところに来た話でした。
結果は以下のレビューをご覧ください。
結論だけ申しますと「大好物」でした。
これでもか!ときっちり時代を勉強しながらも、映像化するときはバカもやりつつエンタメを徹底する――。
そんな気構えで作られた作品には血が通うものです。
史実ガーとか、時代考証ガーとか、そういうことじゃない。
狂気じみるほど本気で作ったのかどうか?
ってことが視聴者の心に刺さるのです。
『まんぷく』は、心から本気で作られておりますか?
※スマホで『いだてん』や『八重の桜』
U-NEXTならスグ見れる!
↓
文:武者震之助
絵:小久ヒロ
※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください
※まんぷくモデルである安藤百福の記事、ならびにラーメンの歴史もリンク先からどうぞ!
※コメントにつきましては、
・まんぷくここが好き!
・まんぷくここがアカン!
という意図でご自由に記述してください。
作品に関するものについては全て掲載しております。
攻撃的な書き込み等については、こちらの判断で削除させていただきますので、あらかじめご承知おきください。
即席麺関連の特許文書に関してこんなブログを見つけました。
http://oukajinsugawa.hatenadiary.jp/entry/2015/06/18/060000
http://oukajinsugawa.hatenadiary.jp/entry/2019/02/28/093000
最初の記事が2015年、まんぷく企画がまだなかったであろう時期なのも興味深いです。
>904型さん
『テレビ局をやめた僕が全く後悔していない理由』
ttps://toyokeizai.net/articles/-/268286
こちらの記事ですね、情報提供ありがとうございます!
非常に興味深い、実際の現場を感じられる記事でした^^
り、劉禅だって『国力の無さと己の才知の低さを悟って、これ以上民に負担をかけないためゲームから降りた』説があるというのに…。源はやっぱりジョフリー王やでえ。
外戚が幅を利かせている所も、ちょうどゲースロや中国史に被ってるし。
東洋経済オンラインに、元フジテレビ社員の福原伸治さんという方が、「テレビ局をやめた僕が全く後悔していない理由」という記事を寄稿されています。常々このレビューで筆者の武者さんが主張されていることとほぼ同じ問題意識であり、番組制作に深く関わっていた方の文章だけに、とても重みがあります。
チキンラーメン売り上げ過去最高って、あれ、なにを持って言ってるんでしょうね?
メーカー出荷でしょうか、店舗販売数でしょうか。
メーカー出荷ならやり方はいくらでもありますよね。
単月目標達成の為に、大メーカーが販売店に引き取りゴリ押しするのはよくありますから。
引き取り数に応じたマージン調整をエサに、店舗に過剰在庫をさせる。
で、後は頑張って売ってねぇ~、で終了。
展示の為の仮出荷と違い引き取りなので、メーカーには売上金も入り実績が残る。
しわ寄せは末端の販売店に。
私の周りだけかもしれませんが、棚から姿が消えるような事は無かったです。
販売スペースが拡がる事もありません。
本が大ヒットした時などは、重版ニュースと共に売り場の拡大などみられますけど、食品は違うのかな。
鯉登少尉は可愛げもありつつ並外れた体術なども披露してますが、源ぼっちゃまは、、、
大元は大阪の現代ものに限界があったところに、水戸黄門終了で太秦に仕事を作る目的で近現代ものにシフト、大阪政財界ものはドラマ性もあるし放送後にも残るものもあるしで全方位的に受け入れられた。
そこにチキンラーメンの周年祭の日清がそこに入れないかと画策した結果、グダグダ。
視聴率もビデオリサーチは電通の子会社、電通の大得意の日清のために全部ねつ造という結末でも驚かない。
籠池夫妻のニュースを見て萬平福子はこれだと思いました。
特に夫を神のようにうっとりと眺めながら、いちゃいちゃねちょねちょしている妻の姿が。
鈴さんは、当初の予定だと先週の最後で退場のつもりだったけど、人気キャラということで延命させたと思いましたが、ただ話が作れないのかなと思えてしまう。
私の深読みは、NHK大阪と企業との癒着です。東京制作にも「とと姉ちゃん(暮らしの手帖)」がありましたが、大阪は「マッサン(ニッカウィスキー)」「べっぴんさん(ファミリア)」「まんぷく(日清食品)」など、直接企業の売上げに繋がる朝ドラが多すぎるような気がします。毎日15分(再放送も入れると1時間)のCMって企業にすれば大助かりですよね。
本気で考えてほしいんだけど、近代食文化研究会さんと共著でまんぷくで書かれなかったものっていう趣旨で本当の歴史とドラマとしても問題点をまとめて出版してほしい。このままだとこのドラマは成功例として扱われてしまう。。そのことがどうしようもない禍根を後世に残す。
前作、スズメの離婚は夫の涼ちゃんが映画監督を目指すにあたって別れてほしいといわれたもの、スズメは別れないでほしいとまで懇願したけどそれでも夫の意思は変わらず
身をひくかんじでむすめも連れて養育費も不明で別れた、ある意味彼らの求める究極の賢夫人ともおもうのだけど。