なつぞら80話 感想あらすじ視聴率(7/2)喜びよりも恐怖が上回る過酷な感情

昭和34年(1959年)、なつのもとへ富士子から電話がかかってきます。

千遥は会いたくないから連絡しないで欲しいと言ったのに、電話してしまったと断りながら、こう言うのです。

「千遥、会いたくないって言ってんの?」

「とにかく、何か事情があるんだわ」

富士子はそう言いつつ、できる限り引き止めておくと言います。

冷静で現実的、それでいてあたたかい。
そんな富士子ならではの電話でした。

北海道へ戻らなきゃ!

「母さんから見て千遥はどう? どんな風にみえる?」

「とても素敵なお嬢さんに見えてる」

本当のことはわからないけれど、幸せそうには見えるているらしい。
富士子たちの前でリラックスできたのかな? 緊張感はまだあるように見えますが。

「帰れるなら、急いで帰って来な!」

なつは一言断りを入れてから、また電話を借り、今度は風車へ。

亜矢美は人が寝てんのに図々しいと愚痴りながらも受話器を手に取ります。

すかさず千遥が見つかったと告げるなつ。
仕事部屋に戻って、下山にこう告げておりました。

「休みをいただきます!」

そう告げるなつを、下山は励まします。
マコにも謝りつつ、こう言うのです。

「しばらく北海道に帰りたいんです、妹が来たんです!」

なつから千遥のことを聞いた下山は、驚き、喜びます。
マコも、ぶっきらぼうに許可を出すのです。

「よくわからないけど、短編はどこでも考えられんでしょ」

下山の人情味はいつでも素晴らしいのですが、マコの突き放し方もこれはこれで味だと思います。
それに、昭和の会社はこういう人情がありました。

「モーレツ社員」という言葉もあったとはいえ、睡眠時間も労働時間も、現在よりも余裕がありました。
営業社員が喫茶店で新聞を読んでいても、バレない。GPSもない。そういう時代です。一方的なモーレツ昭和賛美には、気をつけましょうね。

亜矢美となつが話していると、風車に咲太郎も帰宅します。

「千遥はまだ北海道の家にいんのか!」

大興奮の咲太郎です。

よく来てくれた、ありがとう!

そのころ、千遥は砂良の搾乳を見ていました。
泰樹がそうさせたがったのでしょう。
照男も、なつの方が自分より得意だったと説明します。

泰樹は千遥にやってみるかと誘うのですが、ワンピースを見てこう言います。

「あー、その格好じゃ無理だ」

これは着替えるってことですかね。なつの服もまだあるでしょうし。

そのころ剛男が自転車で急ぎ農協から帰ってきます。
自転車で帰るだけで絵になる、それが十勝の大自然ですね。

千遥は、遠慮がちに、それでいてきっぱりとこう言います。

「突然お邪魔してすみません、そろそろ失礼します、ごめんなさい!」

そう帰ろうとするところで、剛男が到着しました。
よいタイミングです。

「よく来たなー、よく来てくれた、ありがとう!」

歓迎して、感謝する。それが剛男のよいところです。
時々すっとぼけたことを言うし、頼りないけれども、こういう優しさがいいんですよね。

来てくれてありがたいって、良い言葉です。
特に千遥のような立場の人には、とても安堵を与えるでしょう。

新宿では、なつと咲太郎が話しています。

会いに来たのに、会いたくない。そんな妹の気持ちは?
迷うなつを、咲太郎はこう急かします。

「とりあえず電話してみろ!」

「お兄ちゃん、私、なんだか怖い」

「向こうも怖がってる!」

戸惑う慎重ななつと、思い切りの良い咲太郎。
鉄火肌で突っ込みすぎて、たしなめられ、混乱の元にもなる。そこをマダムにたしなめられることもありますが、こういう決断力が役立つこともあります。

相手の背中を押す、粋な江戸っ子だね。

これが咲太郎の魅力であり、魔性なのでしょう。
雪次郎だって、役者を目指した時点でなつしか周囲にいなければ、踏みとどまっていたかもしれません。

咲太郎が励ましたからこそ、踏み切れました。
妙子はそこを見抜いて感謝していたのかもしれません。

やっぱり支える、応援する、背中を押すという能力にかけては、彼は作中随一なのでしょう。

千遥は、剛男をはじめ、柴田家に謝っておりました。

「今日は、許してください。こちらからまた連絡します、私から……」

ここで、電話が鳴り始めました。
富士子は謝りながら説明します。

「なつかも。ごめんね、知らせないわけいかんかった」

ここで謝るのもやさしくて心が助かりますね。
まかり間違っても私が気を利かせて知らせてやったとはならない。

泰樹が電話を取ります。
こういうとき、決断が素早いのじゃあああ!

「なつか!」

「千遥はそこにいるの?」

「うん、今替わる」

ここでも引き伸ばさず、威張らず、叱らず、さっさと電話を譲るところが、総大将の決断力です。
細かいことですが、彼は威張りちらすことが本当に少ないんですよ。

自分の力を理解しているからこそ、敢えてそれを見せる必要すらないと思っている。
泰樹ととよは、そこまで到達していますね。
※続きは次ページへ

4 Comments

ひろぶ

いししのしし様、ご賛同ありがとうございます。
管理人様、早速のご対応に感謝です。
元々BUSHOOサイト愛読者で、「半分、青い」のリンクを踏んでからこちらにもお邪魔するようになりました。
ですから、多少の誤字や誤植等は、前後の文脈からの脳内変換に慣れてしまってますので、本当に気にしてません。

あれ?、フォローのつもりが、物凄く失礼に、、、(笑
あれだけの量の記事やデータを無料で開示して頂いてるんで、多少の事はご愛嬌と考えてます。
お城野郎さんや馬渕センセの記事も好きです!

本日の放送は、感動しかありませんでしたね。
泰樹じぃの「電話は好かん!」も、千遥の為になんか言わんと!感が満載でした。
休みの相談を受けた下山が、「他人の話」としてしか聞いて無いはずの妹の話を察してのリアクション。
その後のマコの、一見そっけないリアクション。
全部に、感情が見えるんですよね。
と言うか、そうこちらに考えさせてくれる演技なんですよね。
だから、面白い。

あと、風車のカウンターに立つ山口智子さん。
「居酒屋ゆうれい」思い出します。(笑

管理人

>ひろぶ様
誤字のご指摘ありがとうございます!
修正させていただきました。
有料化はないです^^
今後もご愛顧よろしくっす!

いししのしし

 ひろぶさんのご意見に賛同させていただきます。当作では、ストーリー展開がやや出来過ぎ、「半分、青い。」のようなキラキラとしたセリフ回しは無い、などありますが、ブレないキャラクター設定や細かな状況補填には目を見張るものがあります。例えば昨日出た「姉に会いたくないのに何故来たのか」という疑問には、本日しっかりと答えています。それも想像以上の表現で。途中で電話を切ってしまったことに対しても、その後の説明が合理的で自然と入ってきます。武者さまのお書きのように、ガチガチで隙の無い脚本ですね。
 清原果耶さんの演技は、「三月のライオン」や「透明なゆりかご」で拝見し、とても注目していました。今回、前発表無しの登場で、大きな期待が感じられます。今後の展開も楽しみです。

ひろぶ

レビュー及びコメント欄を閲覧だけにして、自分発信はせずに置こうと決めていたのですが、本日の清原果耶さんの電話での素晴らしい演技に思わず投稿してしまいました。(笑

広瀬すずさんは言うに及ばず、周りを固める泰樹じぃや富士子かーちゃんに明美、亜矢美さんと咲兄ぃ、なにより千遥の、それぞれの反応にやられました。
いちいち自然です。
そうなるだろうな~、そうであってほしいな~って反応です。(自分的には)
なつが電話で語りかける表情からすでにやられ気味でしたが、千遥からの返信時の涙が落ちるタイミングで、晴れてアウトの号泣でした。(笑
清原果耶さんのモデルプレスのインタビュー記事をたまたま見つけたんですが、現場では、あえて広瀬さんや岡田さんとは会わないようにしていたそうです。
その上、なつぞらのオンエアチェックもして無かったんだとか。
すべては、兄姉の事を知るよしも無かった千遥に合わせる為だったとか。
だからこその、あの演技だったんですね。
咲太郎との会話もろくにせずに電話を切ったシーンにはちょっと笑いかけましたが、それもあっての感動です。
やはり、演技指導もあるんでしょうが、総じて良いストーリー展開、脚本だと、役者さんも乗ってくるんでしょうね。

私としては、このように観たままのうわべだけの感想を述べる事しか出来ません。
他の方のように、背景の細かな部分(建物や乗り物、景色等)を年代に照らし合わせて、合否を論ずる知識が無い為です。
地域差もあるんでしょうが、この年代ならこんな感じだろうと思って観ています。
でも、そう思えるのも、このドラマを共感を持って楽しく観ているからでしょうね。
前作のような場合は、反感からついつい細かなとこまでツッコミたくも、、、

すみません、なつぞらには関係無いですね。

ともかく本作品は、今の所自分的には、背景は気にならない程面白く視聴出来てます。

大河には腹に一物あるんですが、コメント欄は恐ろしすぎて、閲覧のみです。
ハンドルネームなしの「匿名」の方々の自由さと恐ろしさときたら、もう、、、(笑
意見を遡って探されないから恐い物無しなんでしょうかね?

ちなみに、千遥役の名前の漢字を間違われてるようですが、ブショー歴史サイト共々、誤字は脳内で変換してるので気にしてません。
修正の為に人を雇っちゃえば、有料化されちゃうかも。
その方が恐ろしいですから。(笑
一言、「なるべく減らして下さい」だけです。

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