なつぞら118話 感想あらすじ視聴率(8/15)ルパンから奪って去るのが峰不二子

亜矢美は、咲太郎にも行き先を告げずに消えてしまった……。

ハートと宝を盗んでいくルパンから、まんまと両方を盗む女・峰不二子。
本当にそういう逃げ方をしおったーッ!

なつぞら116話 感想あらすじ視聴率(8/13)ルパンで全てが繋がった!!

カスミが奥から出てきました。
彼女にも、どこに行ったのかわからないとのこと。

「勝手すぎる、ひどすぎるだろ!」

何もできない。そう項垂うなだれる咲太郎。
本作随一の問題児がそう言うと、かえって刺さりますよね。

ここでカスミがしみじみと言います。
心の底から光子との結婚を祝いたいからこそ、こういうことをするんだって。光子さんに嫉妬する姿を見られたくないって。

亜矢美は咲太郎への気持ちを、押し殺して母親を演じてきた。
雪次郎の推察をカスミが裏付けています。

なつぞら101話 感想あらすじ視聴率(7/26)背中で語る女の覚悟

「なっちゃん。俺、気がついたんだけど。なっちゃんも気がついているかもしれないけど。亜矢美さんは咲太郎が好きなんじゃないかな?」

「亜矢美ちゃんだって、弱い女なんだから……ずっと前から、亜矢美はそう思っていた」

そうしみじみと語ります。

『弱き者よ汝の名は女なり』
なんて名言がありますが、あの弱さとは本来、頭でも筋力でも意思でもなく、恋愛の前では弱みが出るって意味ですね。
んで、言うシチュエーションにせよ、こじらせ息子が、再婚した母親を愚痴っているわけです。

あれだけタフな亜矢美でも、愛には弱いってことよ……かぶき者でも、そこは弱いのよ。

カスミは続けます。

「なっちゃんが来て、亜矢美は救われた。本当の家族になれたと思って……だから楽しかった。その気持ちは嘘じゃない」

そうだ。血縁関係は偽りだろうと、気持ちは本物なんだ。

「咲ちゃん、あんたは本当に、亜矢美ちゃんと親子なんだ。純粋でいたいから、亜矢美は去った……」

ここで、亜矢美が最後に聞いていたレコードをかけられます。

『鐘の鳴る丘』でした。

鐘の鳴る丘

正式名称は『とんがり帽子』。

咲太郎と亜矢美にとって、本物の親子になった思い出の曲です。

「母ちゃん……」

「なんだい、咲太郎」

そう抱き合う親子の背後で、流れていたあの曲。

なつぞら117話 感想あらすじ視聴率(8/14)笑って母になったんだ!

咲太郎はすすり泣きます。

ここでなつが、置き去りにされた封筒に気がつきます。
中には、咲太郎の描いた家族の絵。

なつぞら53話 感想あらすじ視聴率(5/31)兄の部屋

そして短い手紙でした。

「頑張れよ、咲太郎!」

そのころ、亜矢美はどこかへ向かう電車の中で、満足そうな顔を見せているのでした。

ナレーションの父がこう締めくくります。

なつよ、咲太郎よ。
亜矢美さんはまだまだこれからだ。

ありがとう、亜矢美さん。またいつの日か、亜矢美さん――。

亜矢美よ、永遠に……

亜矢美さん。
本当に峰不二子みたいな去り方をしおった!

オシャレして、バッチリ決めて、泣かずに手紙を残して、颯爽と去りおった。

カッコよすぎるだろ〜!!

余韻をぶち壊して申し訳ありませんけど、戻ってくるフラグはいっぱいありますよね。

・茂木社長を捕まえれば、あいつは簡単に白状しますよ……ええ

・朝ドラアベンジャーズ枠だし、マコさんともども戻ってくる。アベンジャーズ・アッセンブル!

・それが生身とは言っていないんですけどね。アニメがテーマだし、OPだってアニメと現実繋がっているわけだし

・峰不二子は立ち去るけれど、永久退場はしない

そのときを楽しみにしていますんで!

愛って何? 純粋さって? 邪悪さとは?

愛を純粋にしたいから。だから立ち去る。嫉妬はいらない。
これもなかなか深いっちゃそうですよね。

亜矢美と咲太郎にせよ。
泰樹となつにせよ。

どうしたって、あまりに深くて複雑で、いろんなニュアンスの愛を感じてしまう。

別れ方にしても、去った対象がどちらかによるのですけれども、泰樹とのことを思い出すんです。

なつぞら36話 感想あらすじ視聴率(5/11)世界一残酷な武器に刺されて

泰樹は、純粋さからはみ出してしまった。
どうしてもなつを奪われたくなくて、照男の淡い好意となつの自分への恩愛を利用して、策を練った。

照男の気持ちが淡いことは、砂良への熱い気持ちと比べるとハッキリしていますよね。

結果、ノックアウトされた。
亜矢美はそうなる前に、クールに去った。

これが大事なんですけど、保護者の愛は絶対に踏み越えちゃいけない一線ってありますよね。

はい、『ジョジョの奇妙な冒険』第5部から、ブチャラティさんどうぞ。

吐き気をもよおす『邪悪』とはッ!
なにも知らぬ無知なる者を利用する事だ……!!
自分の利益だけのために利用する事だ…
父親がなにも知らぬ『娘』を!!
てめーだけの都合でッ!
ゆるさねえッ! あんたは今 再び オレの心を『裏切った』ッ!

****では、自分の性的関心をむんむんさせた武士の娘が、娘と義理の息子の性的な要素まで知りたがるわ。
ネトゲ廃人画伯だの、**さぁんも娘にはそういう態度だわ。画伯は、モデル、義理の息子、弟子までセクハラしていましたから、ひどすぎた……。

考えスギだのなんだの言われましたが、そういう吐き気を催す邪悪まみれでキツかった。

新婚夫妻と同居って、そういう意味でも無粋で、亜矢美は嫌だったんだと思いますよ。

鐘の鳴る丘からのエール

で、ちょっとおもしろいことに気がついちゃったんですけど。

ヒロイン誕生日、そして終戦記念日に、『鐘の鳴る丘』に重要な役割を持たせて流してきた。

これは『エール』ですね?

古関裕而氏のヒットソングだ。
なるほど。福島県立商業高校の応援歌でもある。

『半分、青い。』と本作には、共通点があるとは感じていました。

これで終わりじゃない。二作では不十分ではありませんか。

奥原家も、柴田家も、男一人で女二人の三きょうだいだ。なつは真ん中の女の子

あなたたちの描きたい世界は、一や二では終わらないんですね。
来年を、楽しみにしています!

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】なつぞら公式HP

 

4 Comments

あしもと

なるほど〜確かにその前にハイジがありますね。
よく考えたらあとたった1ヶ月半。今回の朝ドラはあっという間だなあ…

匿名

おそらく蛍の墓では無いと思います。

この作品は戦後に重きをおいておらず、むしろ戦後の混乱期でも幸せに暮らせた北海道の牧畜と自然に重きを置いています。

つまり、自分達の子供に幸せを見せるには、戦後を見せるより北海道を見せると言う話になると思います。
そして、ジブリ系で高畑勲監督で大自然を見せた作品と言えばそう「アルプスの少女ハイジ」。

おそらく、「アルプス少女ハイジ」を北海道に置き換えた「北海道のみなしごソラ」みたいな感じになると思います。
そして、ラストはop映像そっくりな格好をしたなつが、opアニメを描きそれが飛び出して終了という予想をしています。
これだと年代も合います。

おそらく蛍の墓は最近よく作られる続編でしょうね。
さらに人気が出てかぐや姫まで行ってほしいです。

904型

今週の亜矢美さんの咲太郎への接し方は、完全に「母」としてのもの。「恋心」は完全に昇華したのかな?と思っていたら、「やっぱり…」という展開でした。

これから亜矢美さんはどうするのか? 新しい店を開く前に、旅に出たのかなとも思えますが、ラストで乗っていた列車の感じは北海道の客車のような気も。「ふらりと柴田家を訪ねる」という展開もあるのかも。

あしもと

亜矢美さん、光子さん、咲太郎エピでは、本サイトの考察、楽しませてもらいました!それにしても亜矢美さん格好いいです。本作は女性の姿に惚れ惚れします。

昨日なつが坂場さんに語った、私たちの子どもは…の台詞に、やはり火垂るの墓まで描いてくれるかなと感じました。
ナウシカは、私はまだ見つけられず。幼い頃にナウシカのアニメと漫画の洗礼を受けたナウシカチルドレンなので、もし登場したら嬉しいですね。

本作の企画を最初に知った時は、アニメ人気にあやかった企画のようで、あまり好感ありませんでした。

始まってみると、思ったより現場は描かれず、所謂お仕事ドラマとしては物足りないようにも思います。でも本作の魅力はそこが焦点ではないのですね。単純なお仕事ドラマでないことに安堵しています。(お仕事ドラマに名作は多くあり、そこを否定しているのでは全くありません)

時代の価値観を切り拓いてきたアニメを通じて今の社会を切り拓いているのかと、武者さんのレビューを見て感じています。

高度成長期、「もはや戦後ではない」という言葉があったようですが、むしろずっと戦後であってほしいものですね。今が戦前ではありませんように。

いつもレビュー、ありがとうございます!
終戦の夏と、なつのお誕生日に寄せて。

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