なつぞら53話 感想あらすじ視聴率(5/31)兄の部屋

【第53話の視聴率は20.1%でした】

 

なつぞら感想視聴率

兄と父が描いた、二枚の絵を見つめるなつ。

意を決したように、父の絵を封筒に詰め、鞄を手にして出かけます。

向かった先は、風車でした。

昼の咲太郎

日中に畳でゴロ寝。
団扇で仰ぐ咲太郎の姿勢から漂う、駄目男っぽさ。

夜は輝き、昼はぼんやりしているという。夜の男になっちゃってますねえ。

そこでなつが来て、ガバリと起きるわけです。

なつは謝ります。

「ゆうべはごめんなさい。ひどいことを言って」

「いいんだよ、ちっともひどくないよ。まぁ入れ」

そう妹を招き入れつつ、この部屋が臭くないか確認する咲太郎。
なつは大丈夫と言うのですが。

何の臭いですかね。
お酒? 酒のせいでしちゃった何か?
まさか、おクスリじゃないよね?

まぁ、一般的な男臭さみたいなところかもしれませんが、 咲太郎だと何かとツッコミたくなりますね。

なつは、そんな室内を見て、色々勉強していると言います。
額縁に様々な絵、雑誌の切り抜きがあり、彼なりの趣味が見て取れます。

アートに関心があるのでしょう。
下の母ちゃんこと亜矢美が買ってくれるのだとか。

こういうのも、なんだかちょっと悲しくなって来ます。
咲太郎といい、このきょうだいの父といい。
環境さえあれば、山田兄弟のような芸術の道に進めたのかもしれません。

今度は咲太郎が謝る番です。
東洋映画の不合格は、自分が社長に直談判したからだと言い切るのです。

キッパリと、なつは答えます。

「そんなことない、そんなことないから。あれは自分の実力。そうでなきゃ、見返せないでしょ」

9月には受かってしてみせる。
必ずそこから、漫画映画に進む!

「それだけはあきらめたくない!そう決めたんだわ」

よっしゃああああ!
それでこそ、あの泰樹の孫じゃああああ!
順調に育っているではないですか。

誰のせいにもしない。
してもいいのに、そうしない。だからこそ、見返せる。

なつは強い女性になりました。

兄への思いやりじゃない。
気遣いじゃない。
自分を奮い立たせるために、そう言い切っているのです。カッコいいなぁ!

何があっても周囲のせいだとウダウダしていた、前作****の**さぁんとは真逆のスタンスですね。

ありがとう、お兄ちゃん

しかし、咲太郎は複雑な顔を見せます。

「俺にはそうはっきり言えるものがない、ってことだよな……」

なつの言う通り、自分のために生きていない。
そう悟る咲太郎は悲しげに言葉を続けます。

「誰も助けられない。誰の力にもなれないよ」

なつはここでも否定します。

「お兄ちゃんはそこにいるだけで、私の力だよ!」

なつはそう言うと、父の手紙を差し出しました。
亡き父の手紙を見て来たからこそ、頑張ることができたのだと。

「今度はお兄ちゃんが持ってて。今度はお兄ちゃんの番」

なつは絵について語ります。
ずっと子供の頃、この絵を動かして、家族の皆に、命を吹き込もうとしてきたのだと。
そうして、頭の中で楽しんできたのだと。

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そのとき脳裏には、兄の歌とタップダンスがありました。

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「ありがとう、お兄ちゃん。その手紙と一緒に、お兄ちゃんが私を励まし続けたんだよ」

ここで咲太郎は微笑みつつも、素直になれません。

「バカ、俺の踊りと歌じゃ飯は食えねえぞ」

「それはわかってるよ」

咲太郎は、絵を受け取りません。
なつが持っていてもらう方がいい。ずっと命を吹き込んでくれと告げるのです。

「わかった」

なつは兄の思いを受け取りました。

このあと、自室でなつがサンドイッチマンに扮する兄の絵を描き、彩色しています。
仕上げですので、彩色が重要なのです。

「頑張れ、お兄ちゃん……」

象徴的な場面です。
なつが兄の絵を描くことで、命を吹き込む。和解と激励です。

噛み合わなかったきょうだいは、お互いに励まし合い、固い絆で繋がれたのです。

素直になれないじいちゃん

一方、十勝では――。

なつからやっと手紙が来たと、柴田家は大喜びをしています。

「やっぱりダメだったって」

「そうか……」

富士子が告げると、泰樹はそう言います。
明美は、北海道に帰ってくるのかと気にしています。

落ちたものの、次の試験を目指す。元気そうだと富士子は言います。
手紙でなぜ元気だとわかるのか?と言われても、わかると自信満々。

泰樹は作業をしながらこう言うわけです。

「なんだ、帰ってこんか。帰ってきてほしいわけじゃねぇ」

素直に帰ってきて欲しいと滲ませる、明美とは違うのでした。
これが明治生まれ、開拓者一世、素直になれない悲しさってやつよ。

泰樹ジジイがこのあと、「雪月」でとよババアとクリームソーダに慰められる場面を脳内補完しておきますね。

今度こそ合格です!

そして9月。試験に再挑戦です!

実技試験で、なつは猫のキャラクターに彩色しています。
面接で、大杉社長はおりませんでした。仲と陽平の説得工作の成否はわかりません。

なつは、面接官に志望動機、どうしても入社したいのかと聞かれています。

「どうしても、漫画映画を作ってみたいです!」

そうきっぱり言い切ります。

そして結果は後日、今度こそ……。
続きは次ページへ

3 Comments

904型

なつと咲太郎の間の10年の隔たり。これからようやくそれを埋める日々が始まるのでしょうか。

東洋動画の社屋前の様子にしても、雰囲気はよく出ているし、夕見子が電話をしている札幌の町は、鐘の音の響きでそれを象徴させている感じ。
いずれも、簡潔にして適切。

やっぱりあの「『明治の幽霊電車』を含む新宿の街角」シーンだけが、本作中では際立って異質な存在。
前にも書きましたが、あんなシーンなど全く無しで新宿の雰囲気を出すのはいくらでも可能。かえって「昭和30年の新宿」に見えない意味不明なものになっています。
おそらくまとめて撮影してしまっている関係で、NHKとしては使いたくなってしまうのでしょうが、もはや邪魔でしかありませんし、もう使用は潔く全廃してもらいたいです。

それに対して
「風車」の近辺のような町並みは、最近の実際の新宿でも、表通りから少し入り込んだところには随所に残っています。リアリティは十分。巧みな表現と思います。

高橋

ここまで落ち着いた?ところで千遥の件知りたいと思うのはまだ早いでしょうか

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