おはようございます。
再放送中の第31作『おしん』から、満を持して朝ドラアベンジャーズ枠が乗り込んできます。
◆【なつぞら】田中裕子、4作目の朝ドラ出演 産婦人科院の医師役 | ORICON NEWS
田中は、『マー姉ちゃん』(1979年前期)、『わかば』(2004年後期)、『まれ』(2015年前期)にも出演。まさに“キング・オブ・朝ドラ女優”だ。
こういう指摘は気が進まないんですが……。
それを言うなら
“クィーン・オブ・朝ドラ”
ではありませんか。
もしかして、レースクィーンあたりのイメージがあって、クィーンは若い美女だけが名乗るものだと思っているとか?
そうではないっしょ。
※クィーンはいくつになってもクィーンです
はい、そんな女王陛下を待ち望みつつ、今朝もいきましょうか。
女王陛下降臨す
アニメの新天地を目指さないか――。
マコ・プロダクションという新天地を遠くに見ながらも、なつとイッキュウさんは出産を目指しています。
なつは、産婦人科の椅子で別の妊婦さんと、そのお嬢さんを見ています。
お母さんのお腹にいる下の子が動かないと、少女はこう言います。
「キラキラバンバン、キラキラアニー!」
すると、胎内で赤ちゃんが動き始める。
姉の誇りに瞳をキラキラと輝かせる少女。
それを見守る母。
こういう場面を見せられると、母になったからとなつを追い出そうとする社会は、いかに欺瞞的かわかるというものです。
そして診察室には、産婦人科医・高橋秀子がおります。
演じるのは田中裕子さん、女王陛下降臨ッ!
再放送の『おしん』とあわせてみますと、その女優としてのキャリアが窺えます。
朝ドラアベンジャーズ枠には、そういう意味もあると。
ここでの秀子のセリフも、なかなかしっかりしている。
尿検査の結果、血尿でもなければ、タンパク尿でもない。問題ないと言う。
美人女優の尿検査にドキドキする――そういうなんちゃらの水的な話はいらんのよ。興奮する側がフザけているだけだから。
そんなフザけたお話ではなく、医療考証しているってことでもある。
していないと、赤ちゃんが動いているところを確認して、広瀬すずさんの笑顔を写して、ハイ終了でしょ。
妊婦のリアルに、本作はきっちりと向き合っているわけです。
それから、なつはこう切り出します。
産後6週間での仕事復帰は可能であるか?と。
「生まれてみないと何とも言えない」
秀子はそうキッパリと言い切ります。
母は赤ちゃんがかわいいはずだとか、そういう目線はない。励ますわけでもない。
プロだ。結果重視のプロだ。
産婦人科でなつの担当医となった高橋秀子役は、連続テレビ小説第31作『おしん』でヒロインを演じた田中裕子さん。ドラマで共演したことのある田中さんと広瀬さん。待ち時間も楽しそうにお話ししていましたよ♪#朝ドラ #なつぞら #広瀬すず #田中裕子 #おしんhttps://t.co/LYElfYkXyX pic.twitter.com/xezUEAt688
— 【公式】連続テレビ小説「なつぞら」 (@asadora_nhk) August 20, 2019
特に女医ともなりますと、男性医師には要求されない情緒ケアだの、心理的な寄り添いをジャッジされるものですが。
医者は医者です。
ケアは家族なり、友人なり、カウンセラーなりにお願いしましょうね。
そして、続けてこうです。
「何とかするしかない、坂場さんの場合」
そして自分の体験を語ります。
彼女自身は、産後一週間で仕事に復帰したと。
当時はまだ産婆。産めよ増やせよの時代だから、仕事が途切れない。
まさしく産婆に暇なし。復帰するしかなかったのです。
パール・バック『大地』には、出産直後農作業に復帰する妊婦も登場します。
あれは中国だけの話ではなく、日本もそうでした。
そうした実体験を踏まえて、不敵にこの女医は笑うのです。
「共働きが当たり前にならないと。医者としては無理するなと言いたいところだけど、働く母としては頑張れだ」
本音と建前が凝縮された、この笑み。
これぞ女王陛下の貫禄ではありませんか。
この女王陛下は、欺瞞を暴いてきました。
大河ドラマにせよ、朝ドラにせよ。基本的には上流階級の出産が多いものです。
『わろてんか』のおてんちゃんモデルである、吉本せい。
彼女は産めよ増やせよの時代に生きて、大勢産んだ子供が夭折してしまった悲劇の人でもあります。
それをドラマではスッポ抜かしましたね。
成長した男子一名以外は削除。仏壇前セーブポイントで夫の幽霊とヘラヘラするとか。実業家とイチャイチャするとか。
そういう時間はあっても、当時の女性が置かれた環境を描く時間はなかったようです。
昭和在宅ワーカーのイッキュウさん
そのころイッキュウさんは翻訳の仕事を頑張っております。
なつが出産直前まで安心して働けるよう、彼は彼なりに頑張っているのです。
イッキュウさんは、オールタイムあるべき夫であり父になりつつある。
在宅ワークだとやる気を失う夫とか。
妻の方が収入面で上でも、家事をやらない夫とか。
そういう令和の困った配偶者あるある話を聞くこともあるので、イッキュウさんが輝いて見えます。
でも、ファンタジーってわけでもないのです。
2014年上半期『花子とアン』のヒロイン夫にせよ。
2014年下半期『マッサン』のヒロイン夫にせよ。
史実では妻のために、いろいろ気遣っていたんですよ。
家の改装をしたり、家事負担を減らすべく彼らの年代なりに歩み寄っていました。
朝ドラだとナゼかそこが吹っ飛ばされただけ。
どうしてかな?
まぁ、イッキュウさんは性格的にも在宅ワークがあっているとみた。
むしろ飲み会でいろいろやらかしかねない性格でしょう。
グラスを落として割ったり、綺麗なお姉さんに一方的なアニメ談義をふっかけたり。無断帰宅したり。
やりかねない。そういうタイプだからさ。
臨月の奥村作画監督
なつは、大きなお腹できっちり仕事をしています。
アニーの表情をめくりながら、担当した中島を呼び出します。
「表情が足りない。泣いている時は、目を閉じているだけでなく、何か工夫しないと」
ここでそれを聞いている堀内が、指示通りではいけないと言い出すのがいい味を出しています。ガッツリと身に覚えがあるもんね。
中島はムッとしながら、子供はそこまで見ていないと反論。
時間がないのに、無駄なことはしたくない……と。
背後で、このやり取りを荒井も聞いています。
「だったら、アニメなんてやめなさい」
なつはきっぱりと、そう言い切ります。
子供はそこまで見ない。
そう言うけれど、私たちは子供の想像力と戦っている。
超えてこそ、夢を見せられる。
「子供をバカにするなら、アニメ作りの資格なんてないんです」
なつはそう断言しました。
これは、本作の根幹だと思います。
なつも、イッキュウさんも、子供時代に空襲を体験しました。
子供ならば、怖いはず。恐ろしかったはず。
そこで止まると思いますか?
イッキュウさんの言葉を思い出してみましょう。
なつぞら92話 感想あらすじ視聴率(7/16)その考えは古い問題焼け跡で家族を探し、幸いに見つかったものの、餓死をするのではないか、そんな絶望ばかりを感じたものでした。
それを忘れられない。
大人の冷たさ、子供の卑しさ。
でも、見知らぬ人から受けた愛も知った。
飢えと不安――。
そんな生存への欲求がおさまった瞬間、まだ幼い彼は、人間の冷たさと卑しさ、愛まで感じ取ってしまった。
そういう子供はいる。実際にいる。
多くはないかもしれないけれど、いるんです。
子供のころの想像力が何かを作る。
それは『半分、青い。』にせよ、次作『エール』にせよ、通じるテーマではないかと思うのです。
岐阜にいた創造力豊かな子供である鈴愛と律が、発明を成し遂げたように。
なつとイッキュウさんもそうする。
来年の主人公たちも、きっとそうするのでしょう。
ショックを受けた様子の中島を、なつはなだめます。
このあたりは、相手にパンチを入れたまま情緒ケアできない、かつてのイッキュウさん、それに神っちとは違うのです。
今の夕見子は、この点、大丈夫かな?
「ごめんね、私、産休に入るからけど、しっかりお願いね。中島くんが見せたいと思うもの、しっかり見せてね」
なつの言葉をしっかりと受け止める、そんな中島。
ここで堀内が来ました。
「直したら俺にもってこい!」
いい上司になったなぁ。
彼もマコに同じダメ出しをさんざんされていたわけです。
だからこそ、気持ちがわかるのでした。
最後のカットを仕上げて、なつは荒井に渡します。
「おそくなってかんにんやで」
よそもの関西弁を頑張って使ってる!
「おっ、なんもなんも」
荒井も、よそもの北海道弁で返す!
調子こいてペラペラ話されるなんちゃって関西弁は蛇蝎の如く嫌う方。
関西には多いものですが、こういう話し方ならばむしろ歩みよりですもんね。
歩み寄りは、なつだけじゃなくて。
茜に対しての荒井の対応は、雑なものがどうしてもありました。
でも、彼は変わった。
なつたちが、彼らを変えていったのです。
彼はこう送り出します。
「ええ子、産んでや。あとは任せろ」
真田昌幸「これはいい謀反の気配!」
そしてなつは、仲と井戸原にも産休の報告へと向かいます。
丈夫な子を産んで、また猛烈に働けるように――そう願われるなつ。
それが彼女の実力なのでしょう。
下山だけは、にっこりしてこう来ました。
戻ってくる頃には、ここにはいないって。
なつは、マコさんにもよろしくと微笑みます。
「裏切り者〜」
そう井戸原が茶化します。
確かに、こんなに明るく堂々と移籍話をするなってことでもある。
井戸原は茶化して、仲はここで頑張ると言い切るからよいものの。
そうでなければ揉めてもおかしくありませんよね。
「イッキュウさんも行くなら俺も!」
ここで、神っちがやる気を見せつつ、堂々とそう言います。
おいっ、職場のエース、おいっ!
仲は残留を強く言い、なつもそうだと言い切るものの……ちょっと考えたいのが、移籍の理由なのです。
イッキュウさんは、東洋動画にはない高い自由度と芸術性の追求を目指したい。
下山は、実力がないと自虐的になるほどで、そういうことではない。
実力はさておき、仕事にはさして不満はなかったはず。
茜のことが、当然あるのでしょう。
育児関連での時間の使い方、働き方への理解がマコにはある。
神っちはどうかな?
彼のモデルの妻は、結婚後に引退しています。しかし、本作はちょっとひねりがある。
茜やなつのとき、激怒していたのも神っち。
なつぞら119話 感想あらすじ視聴率(8/16)良妻賢母とは何ぞや?芸術への理解は、生きることそのものへの理解でもある。
そのくらい理論を飛躍させて、堂々たる謀反をしそうではありませんか!
ここでも、真田昌幸も応援しそうなほど、激しく堂々と、心理的な突っかかりもなく謀反宣言をしおったー!
それにも、彼なりの理由なり美学があるのでしょう。
神っちは、まだ爆発が不足している。
移籍の際に、契約をふりかざした本社を炎上させ、何かを置き土産にしながら、マコのもとに馳せ参じる可能性はある。
討ち取った首を手土産にして、参戦する系の【魔王】だからさ……。
※続きは次ページへ
坂場くん初め色々とキャラが変わったのに叩かれないのは
「もう世の中はAI化が進みヒューマンテクノロジーが発展し、武器は軽くて取り扱いの簡単なものがメジャーになって、かつては『女の仕事』『男の仕事』とされていたものが消え、自然、男女の垣根の消失が進んで行く。ITによるグローバル化や人権意識の高まりによって『国籍』も溶けて行くだろう。それにあわせて男女共に変わらなきゃ!!」
という世界的な潮流にマッチしているからでしょう。(凄い所は童話にさえ手を入れる程だし。)
まんぷくが叩かれたのは「あー昔は良かったわ。男はありのままにワガママ放題できて。ありのままにセクハラも許されて。自分達がナンバーワンで、ありのままに下を見下せて。外国を競争相手(自分達を負かす相手)として意識せずにすんで。あの頃をもう一度!!」という願望を垂れ流していたからでしょう。
「そのままじゃヤバい!!(インセルになってしまう!!)」からではないでしょうか。
ノンフィクションのドキュメンタリー作品で創作を入れて改変してしまったら、それは批判されて当然だけれども、『なつぞら』はあくまで「モデルが存在するドラマ」に過ぎない。
だから、別にモデルの人物を忠実に再現する必要などない。それは筋違いというもの。
NHKのせいなのか、
オトナの事情なのか、
脚本家の発想なのか、
アニメーション考証やってる
ヒロインモデルの旦那さん
たっての望みなのか、
著作権問題なのか、
わからないけど。
ここまで人間関係や史実を変えた朝ドラはあったっけ?とは思います。
白娘はあんなに綺麗に描いてたのに、他のアニメはちょっと・・・。
マコさんは虫プロに行った、
三つ目がとおるの和登さんのモデルになった方のはずなのに。
結婚相手を変えたのも、すごく残念。茜さんも、モデルになった方は、仕事を続けたかった方だったような。
ちょっとモヤモヤします。
なつに対する福祉事務所のこの上なく冷たい対応。
昭和の時代の民生行政あるあるで、同じような話はよく耳にします。昭和どころか平成の頃まであったと思う。
でも行政がこういう態度に出る背景には、住民の意向が色濃く反映しています。やっかみ・無理解。単に「知らない」のではなく、「やっかみ」の殻に頑固に籠り、まるで理解しようとせず攻撃ばかり。
生活保護を必要としている人に対し、心無い決めつけをして受給させまいとする。
公務員の育休制度を充実させようとすると、やっかみからそれをさせまいとしたり、制度ができても利用させまいとしたり。
『半分、青い。』の鈴愛を叩いていた者のうち、少なくない数が同じ女性だったという実例とも重なり合います。
出る杭叩き、足の引っ張り合い。
もうこんなことは繰り返してほしくない。
最初の匿名さんに賛成です。
私は
半分青いの時から武者さんを知りました。
前回の朝ドラは見なかったので
半分青いの感想となつぞらですが、毎日
武者さんの感想を楽しみに読んでいます。
感想を読んだ後もう一度ドラマを見て楽しんでいます。
武者さんの感想を読み、自分では気づかない事知らなかった事を知り勉強になります。
無料で楽しませて頂き感謝しています。
武者さんが昼前に感想をアップするはやさに驚くと同時に、有り難く思っています。
確かに脱字や間違い時々ありますが
私には大した問題はなくまた
それは早くアップする為に見直す時間がないのだと推察しています。
私としては間違いがあっても少しでも早く武者さんの感想が読みたいです。
こういう人間もいるのを知って欲しくコメントしました。
ご無理のない範囲でこれからも感想よろしくお願い致します。
コメント長くなり申し訳ありません。
なつと中島君のやりとり。
「子供はそこまで見てません」
「だったら、テレビ漫画つくるのやめなさい」
いい加減な考証・手抜きだらけの朝ドラ過去作にもぴったり当てはまります。
「視聴者はそこまで見てません」
「だったら、朝ドラつくるのやめなさい」
視聴者は、細かく、しっかり見ています!「どうせそこまで見てない」など慢心の最たるもの。
だからね、新宿編の屋外ロ…ゲフン、ゲフン、いや何でもありません。
武者さんの責任ではないのかもしれませんが、小見出しの「臨月の奥村作画監督」って何ですか?
主人公の姓は「奥原」だとかなり以前に指摘され修正していたはず。同じ間違いを繰り返すんですね。そしてそれを指摘したコメントは削除するんですか?
あと、私の認識が誤っているのかもしれませんが、主人公は現在の作品(魔法少女アニー)ではまだ作画監督にはなっていなかったのでは?
作画監督になるのは、産休明けの次回作品だと思いますよ。妊娠を告げられた山川社長も「君には、次の作品で作画監督になってもらうつもりだったんだよ」と言ってましたけど(某サイトで台詞確認済)。
もう一つ、今日は録画してなかったので私の記憶違いなら申し訳ないのですが、神地の台詞は「仲さんが行くなら僕も行きます」だったように思います。「イッキュウさん」ではなかったような・・・
他にもツッコミたいところはあるのですが、この辺りで失礼します。
今日の、役所の女性となつのやりとり…見ている最中から涙が止まらなくなりました。こんな辛さを周囲から無言で押し付けられながら、仕事と子育てを両立させてきたのが平成の母です。
女性の育児休暇が長期取得可能になり、男性の育児休暇取得が叫ばれる中、子育ては仕事より大切という考えが広まっています。なつぞらの今の展開は、あるいはその流れに逆行していると思われる向きもあるかもしれません。
けれど大切なのは、母親と父親が、どの道を選ぼうとも、それを誰からも責められる世の中であってはならないということだと思うのです。
そんな社会になって欲しい。今日の回を見てそう思わずにはいられませんでした。