「なつ! どしたの?」
北海道弁で助けに来た、頼りになる富士子。
「産まれそう……」
苦しむなつの腹をさすります。
続けて、剛男と泰樹もやってくるのです。
げえっ、じいちゃん!
なつはこう呟きます。
「じいちゃん見たら、ますます母牛気分……」
母牛が一瞬映り、もお〜っと鳴き声が入るのでした。
なつぞら6話 感想あらすじ視聴率(4/6)想像力とその欠如のもたらす悲劇本当の陣痛はこんなもんでないべさ
富士子は、なつの痛みをこう判断します。
「おなかが張っているだけ。赤ちゃんは何ともない。体をよ〜くあたためればいい。本当の陣痛じゃない。兆しみたいに痛くなることがある。体がお産に向けて準備しているって。本当の陣痛はこんなものじゃない」
「よかった」
なつはほっとします。痛みは治まったようです。
お産の準備をしている、いわば予行練習的な痛みだと。
「助かりました。何が起きているかわからない」
イッキュウさんもホッとしています。
彼なりに本を読み、茜から聞いてはいるのでしょう。それでもわからない時はそうなる。
剛男はこう慰めます。
「男はこういうとき、慌てるばかりで何もできない」
なつがここで、むっとしてこう言うのです。
「女もそう。経験してないと慌てるばかり」
そして泰樹はこう来た。
「子牛を産ませているだろ。学校で習わんかったか?」
「牛にもそったらことあるのかい?」
「知らん」
「知らんのかい!」
なんとも、マイペースな泰樹ではあります。
ここにも世代や男女差があります。
剛男が冷たいように思えますが、これが普通。『カーネーション』では、お産の時にヒロインの父と夫が酒を飲んでいたものでした。
イッキュウさんがかなり勉強熱心な方で。
彼がもし、東大卒だと威張り、付け焼き刃の知識で我がもの顔で振舞ったら、それはそれで台無しでしょう。
ちょっと違うのが、なつ。
女だってそれは同じだと反論しています。
現代も事情は同じ。
妊娠すれば、子供を産めば、母親はOSが自動アップデートされて母親になる。
そんな母性神話はもう捨てましょう。経験がなければ、わからないものはわかりません。
泰樹は例外中の例外です。
このじいちゃんがこういう人だと、もうわかっていますよね。
じいちゃんのいいもん
「いいもん持ってきた……」
その泰樹は、そういい始めます。
取り出したのは、母牛の初乳から作った牛乳豆腐です。
牧場のみで食べられる、特別な味わい。
しかも栄養抜群!
「どうしても自分で持ってくるっていうから」
「そんなことは言ってねえべ」
「言ったしょや!」
どうやら、これを届けたくて来たそうです。
お前らだけでお産に立ち会うのかと、じっとプレッシャーを与えていたらしい。高齢だからと富士子たちは気遣ったのに、このジジイは……。
そんな泰樹ですが、実は飛行機が怖かったと富士子にバラされます。
「そったらことねえ」
彼なりに理由はあるのでしょう。
高所恐怖かな。絶叫マシン系もダメなんじゃないかな。
年代云々ではなくて、彼個人に問題でしょう。観覧車の類は、明治生まれなら乗れないものでないし。
実はじいちゃんには、ある思いがありました。
もう80過ぎだからこれが最後になるかもしれない。そういう気持ちです。
明治生まれですから、そんな年代ではありますよね。寂しくなってきちゃったぞ。
「もう! そったらこと言わんでよ。でもじいちゃん、私もじいちゃんに会えてうれしい」
なつが、視聴者を代弁してくれます。
会いたかった。じいちゃんに会いたかった〜!
問題は、部屋があまりに狭いこと。
宿を探すという柴田家に、イッキュウさんはお義母さんだけでも泊まって欲しいというのです。
メンツよりも、男同士云々よりも、妻のことを気遣ってのこのセリフ。
この年代だったら、富士子に全部押し付けて、男同士で飲み歩いても不思議はないと思いますよ。
台所を綺麗に使ってね
しかも、イッキュウさんはこのあと朝食を作り始めます。
富士子が驚くと、普段はなつと交代で仕事がないぶん自分が多くなると素直に答えます。
女房の尻に敷かれていると自虐的にならない。それがイッキュウさんです。
ここで、大事なセリフが富士子の口から出ます。
「台所を綺麗に使っているのね〜」
そうそう。これだ!
カッコいい男のお洒落な口説き方として、自家製テールスープ云々を語る方はおられましたが。
女のコスパ重視料理にはない、男ならではの味とか。そういうやつ。そりゃ家計無視して、たまに贅沢な食材を使えばそうなるでしょうよ。
そうじゃなくて、大事なことは、そこじゃなくて。後片付けをしながら作れるか。そこなんです。
どんな美味しい料理を作ろうと、シンクに調理器具や食器を置きっ放し丸投げでは、ただの迷惑行為です。
比較材料としてまた出しますが、前作****の**さぁん――彼は後片付けを度外視して、こだわりで台所を引っ掻き回していましたっけ。
義母に猛毒のガマガエルエキス爆発後始末を押し付けて面白がる様子には、背筋が凍りつきました。
イッキュウさんは、その点合格です。
富士子は、イッキュウさんが大事にレシピノートを使っていることにも感心しています。
「適当な料理でしょ」
「はい!」
ここで、適当が理解できないイッキュウさんは力強くそう言い、富士子が「ん?」となったところで慌ててごまかしています。
いいぞ、いいぞ、人間的に成長した。
適当という言葉の意味を、わかり始めています。
【適当】って、意味が複数あって文脈で理解しなければいけません。
イッキュウさんはそういうのが苦手。いろいろ苦労や誤解もあるでしょうが、そこを乗り越えれば美味しいご飯を綺麗な台所で作れるので。見守りましょう。
覚悟して結婚したんだべ
剛男は、子供が一歳になれば働くというなつの決意に戸惑っています。
三歳児神話なんて言葉もありますし、それはそうでしょう。
「今さら弱音を吐いている場合でねえ。それを覚悟して結婚したんだべ」
泰樹はそう言います。
これも開拓一世の言葉だと思うと、重いべな。
※続きは次ページへ
「安藤サクラさんが『いだてん』出演へ」というニュース。
トンデモ某作に出演させ、キャリアに傷をつけてしまったことへのNHKの罪滅ぼしなのでしょうか。
しばらく見ることができなくて、録りためておいたのを見て今日追いつきました!まとめ見はなかなか大変でした。改めて思います、天洋っていったい何だったのか。。。全然うまく処理されていないので、プロポーズの週はもやもやしすぎて、続けて視聴したい気持ちが最低まで落ちました。しかし、結婚式の週では、北海道の人たちにうまくイッキュウさんがかみ合って面白く、また視聴するモチベーションが上がりました。やはり北海道は素晴らしいです。リアルタイムでこちらのレビューも見たかったです!朝ドラは長いスパンで起伏があるので、やはり毎日見ないとついていけなくなりますね。出産とその後の仕事復帰もどうなるか楽しみです!
この役員さん、なんか聞き覚えのある声がするな。演技も凄く上手いし…。
「上流階級は乳母が育ててた。農民は共同保育。」という知識さえあれば、なつに理解を示してくれそうな所も絶妙!
と思っていたら、田中真弓さんでしたか!!
これは嬉しいサプライズです。
田中真弓さん!
待ってました。ありがとうございます。
以前、朝ドラに思い入れはない、とのレビューにガックリしましたが、最近は、
楽しく読んでいます。
誤字も人物取り違えも気になりません。
ドラマと合わせて楽しんでいます。
コメントのドラマ背景の細かい指摘も、楽しんでいます。鉄道に詳しい方、注目して見直してます。