西郷どん13話ネタバレ&あらすじ 原作や関連書籍を元にツッコミ

前回(西郷どん12話ネタバレ&あらすじ)までの西郷どんは……。

14代将軍に徳川家慶(徳川家茂)を推そうとする井伊直弼らの南紀派が邪魔をして、なかなか進まない篤姫の輿入れ。
すでに御台所修行を終え、教育係の幾島も島津斉彬に相談する。

「本寿院様に働きかけてはどうか」

本寿院とは現将軍・徳川家定の生母のことである。
泉ピン子さんが演じており、大奥を取り仕切る重要な存在である。

本寿院(泉ピン子さん)

彼女を籠絡するため、薩摩藩は千両・万両のカネを用意して、贈答品も準備。
西郷らも、幕臣を始めとするほうぼうのツテをたどり、ようやく本寿院に接近することができた。

本寿院や徳川家定が望む妻は、とにかく丈夫なことである。
というのも家定はこれまで正妻2人に先立たれており、跡継ぎを作ることも出来ていない。

もっとも跡継ぎがいないのは、家定本人に原因があると周囲でも認識されており、よって篤姫には彼女自身の子供をもうけることができない――そんな過酷な状況である。

それでも輿入れを進める島津斉彬。

幾島と本寿院が中心となって
【徳川家定に篤姫を選ばせる策】
を施し、井伊直弼と阿部正弘の同席の上で、首尾よく篤姫が選ばれることになった。

幾島(南野陽子さん)

いよいよ耐えきれないのが西郷吉之助(西郷隆盛)である。
子供をもうけることができない、そのことを知らぬまま嫁ぐのはあまりに不憫である、と斉彬に訴えると、事の次第は篤姫に告げられる。

国のため、島津のため、そんな運命を受け入れる篤姫。
気丈な決断をしたその夜、江戸をM7の直下型地震が襲った。

安政の大地震(安政江戸地震)である。

首都を襲ったこの大地震は西郷らのいる薩摩藩邸も容赦なく襲い、篤姫の身にも家が崩れようとしていた。

それを間一髪で助けた西郷。
一気に距離の近づいた篤姫は
「一緒に逃げておくれ」
と懇願する。

篤姫(北川景子さん)

が、直後に幾島が駆け寄ってくると、篤姫は立ち上がり、気丈に言った。

「西郷、改めて礼を申すぞ。御台所となるべきこの体を、傷ひとつなく、よう守ってくれました」

西郷は彼女の篤姫を見送るだけだった。

 

集成館事業

安政の大地震で輿入れは延期。
されど地震でだめになった婚礼道具を用意するには時間がなさすぎる。

1年以内にすべて調えよ――。

と、斉彬から無理な命令を仰せつかった西郷は、その日から、東奔西走の日々を送り、なんとかこれに間に合わせる。

そして輿入れ当日。
美しい着物姿の篤姫が、駕籠に乗るのを、遠く離れた場所から吉之助が見やる。

無事に儀式は済み、庭に控えていると、斉彬から声がかかった。
美しい【薩摩切子】に酒が注がれる。

西郷は本来下戸であるが、本ドラマでは飲める設定。
薩摩切子は集成館事業の一環でもあり、そこでは軍艦や大砲だけでなく、紡績やガス、エレキテル、そして芋焼酎造りなどが進められていると教えられる。

薩摩切子

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薩摩では、古くから庶民がたちが焼酎をつくり嗜んでいたが、本格的な商品としての芋焼酎を作ったのは斉彬の命による。
こうした産業の一つ一つが、後の薩摩藩躍進の糧になっていく。

ただし、産業の土台ができたのも、すべては調所広郷と、彼を重用した島津斉興のお陰である。
ドラマではあまり触れられないが、膨大な借金をほぼチャラにして、薩摩の財政健全化は進められていた。

 

近衛や月照との出会い

1857年1月、吉之助と大山格之助は、斉彬に同行して、薩摩へ帰ることとなった。

途中、京都の公家・近衛忠煕(国広富之さん)に会い、そして月照(尾上菊之助)と知り合う。
後に井伊直弼による「安政の大獄」で追われ、西郷と錦江湾に入水する清水寺の住職だが、この時点でその過酷な運命を知る由もない。

月照(尾上菊之助さん)

西郷はその美しさに息を呑む――とのことで、原作で2人がBLな関係になることを匂わせる出会いとなる。

ともかく月照は、帝(天皇)の信任も篤く、一橋慶喜を将軍にするための工作を共に進めていた。

同年3月、吉之助は3年4ヶ月ぶりに郷土へ戻った。

弟妹が満面の笑みで出迎えてくれるものの、生活の困窮っぷりは相変わらず。
弟の吉二郎が「心配ない」とのことで、たくましく成長しているのがわかる。

夜は、郷中仲間も集まって大山らと語り合った。
そこで斉彬のことを尋ねられ、酒を飲みながらなんか語れないとキレる吉之助。

しかし、大久保正助の結婚が決まると知ると大いに喜び、酒宴は盛り上がる。

 

斉彬に再び男児誕生!しかし……

西郷にとっては良いことが続くもので、鹿児島に戻ったその年の9月、斉彬にまた子供が生まれた。

今度も男児であり、弟・島津久光も喜び「生まれた男児や薩摩を守っていく」と斉彬の前で誓う。
要は、自身は後を継ぐ気がないという表明であろう。

が、斉彬は

「いつまで些末なことを言うておる。この国がなくなるかもしれぬ大事を前に、家など守っていてもしかたあるまい」

と取り合わない。

ご存知のように1858年にはハリスが来日して、日本とアメリカは日米修好通商条約を結ぶことになる。
それを知ってか知らずか、斉彬は軍艦や大砲を揃え、列強と対等に交渉するための準備を急いでいるのであった。

そんな折である。
斉彬らにとってあまりに手痛い一報が届けられる。

老中首座・阿部正弘の死であった。

阿部正弘(藤木直人さん)

ドラマではあまりその有能さは見て取れないが、事実上、混乱する幕府を動かしてきた偉大な政治家である。

阿部は斉彬との仲だけでなく、堀田正睦や勝海舟を取り上げるなど、人を見る目も兼ね備え、そして人心の調整もバツグンに優れていた。
そんな重要人物が亡くなったのである。

思わず肩を落とす斉彬。
必死に励ます吉之助。

再び江戸へ行くことを決意した斉彬に対し、西郷は「大久保正助を連れて行って欲しい」と願い出る。

 

「誰がんなこと頼んだよ!」「まだ間に合うわ」

西郷の願いは半分ほど叶えられ、熊本までの正助同行が許された。

意外だったのは正助の返答である。

「おいがいつ、そげなこつを頼んだ!」

大久保利通(瑛太さん)

大久保とて自分で頑張ってきたという自負があり、また出世は自分で掴むという気概があった。
意地と意地がぶつかってしまい、喧嘩別れをしてしまう両者。

しかし、そんな大久保の意地を見抜いていたのが妻の大久保満寿である。

「今なら、まだ吉之助さぁに追いつけもす」

と、西郷の出発日になっても立ち上がらない大久保の背中を押し、荷物とお金を渡す。
熊本への道を全力で走っていく大久保。

すると道の先から大久保へ向かって走ってくる男がいる。
西郷であった。

「正助どん。行っど!」

かくして維新三傑の二人は、それぞれに大志を抱きながら薩摩を離れるのであった。

第14話へ続く

集成館事業とは? 薩摩切子と芋焼酎を楽しめるのは島津斉彬さんのお陰です

【参考】
井伊直弼
長野主膳
徳川斉昭
徳川慶喜(一橋慶喜)
松平慶永(松平春嶽)
橋本左内
島津斉興
島津斉彬
篤姫
徳川家定
大久保利通(正助・一蔵)
西郷隆盛(西郷吉之助)
西郷どん(前編)
西郷どん(後編)
西郷どん完全読本
西郷どん ガイドブック

 

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