前回(西郷どん13話ネタバレ&あらすじ)までの西郷どんは……。
安政の大地震でオシャカになった婚礼道具を急務で整え、篤姫の輿入れを見送った西郷隆盛。
島津斉彬が主導していた集成館事業も順調に進んでおり、更には一時帰国が決まるなど、喜ばしいことが続く。
※史実では、斉彬が独自に始めた事業ではなく、先代・島津斉興の時代から取り組んでいて、その前に、斉興の腹心である調所広郷の財政健全化が功を奏していた
帰国の途中には京都に立ち寄り、そこで出会ったのが月照だった。
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月照(尾上菊之助さん)
清水寺の住職だった月照を見た西郷は、その美しさに息を呑む。
原作ではBL的関係を持つことになるが、ドラマでは描かれない模様(そりゃそーか)。
月照は、孝明天皇の信頼も篤く、一橋慶喜を14代将軍にしたい一橋派としては是非とも味方に引き入れておきたい人物でもあった。
京都を出て、3年4ヶ月ぶりに故郷の地を踏む吉之助。
再会した正助(大久保利通)の結婚も決まり、斉彬に新たな男児も生まれて大いに盛り上がるが、そこで思わぬ悲報が届けられる。
老中・阿部正弘の急死である。
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阿部正弘(藤木直人さん)
島津斉彬の盟友とも言える阿部正弘。
史実では勝海舟や堀田正睦を取り立てていた阿部は、自身が広く世の中を見れる能力だけでなく幕府きっての調整役でもあり、彼の死は表立って見えない部分に大きな影響を及ぼしていくことになる。
斉彬もまた落ち込み、吉之助が必死に励ます。
再び江戸へ出向くことを決意した斉彬に、吉之助は大久保正助の同行を願いでると、熊本までの許可を得ることができた。
この西郷の申し出に対し意外な反応をしたのが大久保である。
自分の道は自分で切り開くとばかりに「余計なことをするな!」と一蹴するのだった。
が、最終的には妻の後押しもあって西郷と共に歩んでいくのであった。
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大久保利通(瑛太さん)
大統領の書簡を携えたハリス
日米和親条約から3年。
1857年にアメリカ総領事のタウンゼント・ハリスが大統領の書簡を持って現れた。
事前に、篤姫と何度も対応を練習した徳川家定は、滞りなくハリスとの対面を終え、二人の仲睦まじいことをしのばせる。
しかし、幕政は混乱の様相を呈していた。
阿部正弘の後、老中首座となった堀田正睦は頼りなく(しかし史実では有能です【関連記事】堀田正睦)、徳川斉昭の強硬な姿勢が周囲から疎まれるように。
「幕末の四賢侯」、その一人である松平慶永(松平春嶽)も困り果てており、西郷と橋本左内、力を合わせての一橋慶喜・擁立工作を進めるよう命じられる。
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松平慶永(松平春嶽)(津田寛治さん)
「将軍職には興味がない」
そう断言する一橋慶喜をとにかく説き伏せねばならない。
後日、左内と吉之助は、品川宿の磯田屋へ出向くことにした。
井伊直弼「スパイになれ」
一橋慶喜を将軍にするため、左内は一冊の書物を取り出した。
『橋公行状記』と題して、慶喜の英邁さを記したものである。左内が周囲の人々に聞いてまとめたのであった。
しかし慶喜は……
「すべて大嘘だ。あのおやじの作り話ばっかりだよ」
とまるで取り合わないばかりか、火鉢の中に、その書を投げ捨ててしまう。
絶対に将軍にはならない――あらためて固い決意を示す慶喜であるが、左内も吉之助も諦めない。焼き捨てられた書物は、別に写しを持っていた。
磯田屋を出た吉之助。
左内と別れたところで井伊直弼の部下に囲まれ、彦根藩邸へ連れて行かれる。
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井伊直弼(佐野史郎さん)
そこで直弼から「スパイになれ」と凄まれた。
どうやら家族関係のことまですべて調べられている始末。
明らかに脅しだが、これを一刀両断に
「こげな腐った連中に守られちょっ将軍家も、危なかでごわんどなあ」
と啖呵を切って、その場を去る。
井伊直弼は、笑いながら吉之助の立ち去る姿を見やるのであった。
次の将軍は慶喜 家定、アッサリ認める
阿部正弘が亡くなり、ハリスとの交渉で、差し迫る幕府。
そこで斉彬はあらためて「異国に対して言いなりにならず、国を強くして難局を乗り切るためには一橋慶喜の将軍就任が必要」だとする建白書を出す。
むろん井伊直弼は認めない。
かくして一橋派と南紀派との対立は激化し、その矛先は大奥にも波及。
徳川家定の母・本寿院は「これが最初から狙いだったのか?」と、その怒りが篤姫と斉彬に向けられる。
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本寿院(泉ピン子さん)
すると、篤姫の前に家定がやってきて、ここぞとばかりに次代の将軍を慶喜にすべき、慶喜なら国を守ることができる――と訴えると、家定はあっさりと認めたのであった。
井伊から刺客が放たれた
かくして次代の将軍候補筆頭となった一橋慶喜は、相変わらず遊びまくっていた。
吉之助と左内が必死に口説こうにも耳を貸す素振りはない。
それでも二人が諦めずに、『橋公行状記』の写しを作っていると……。
「人殺し!」
と、慶喜の叫び声が聞こえてきた。
見れば、慶喜が刺客に襲われているではないか。
西郷が無我夢中で刺客に飛びつき、短刀を突き刺す。
と、相手は見覚えのある顔。
彦根藩の者だった。
初めて人を殺した西郷。
その死体を川に蹴落とすと、慶喜はそのまま井伊の屋敷へ向かう。
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徳川慶喜(一橋慶喜)(松田翔太さん)
「そっちが討っ手(うって)を差し向けてきたからには、俺によっぽどの用があると思って来てやったのよ」
井伊に向かって啖呵を切る慶喜。
さらには「俺が将軍になる」と続ける。
そして左内と吉之助の二人を連れてその場を去ると、そこには怒りの形相で見送る直弼がいた。
第15話へ続く
【参考】
井伊直弼
長野主膳
本寿院
徳川斉昭
徳川慶喜(一橋慶喜)
松平慶永(松平春嶽)
橋本左内
島津斉興
島津斉彬
篤姫
徳川家定
大久保利通(正助・一蔵)
西郷隆盛(西郷吉之助)
『西郷どん(前編)』
『西郷どん(後編)』
『西郷どん完全読本』
『西郷どん ガイドブック
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