西郷どん9話ネタバレ&あらすじ 原作や関連書籍を元にツッコミ

前回(第8話)までの『西郷どん』は……。

御前相撲における西郷吉之助(西郷隆盛)の勇姿を目にした薩摩藩の伊集院直五郎。
西郷家の家格は下ながら、娘の伊集院須賀を嫁に出した。

伊集院須賀(橋本愛さん)

その直後、西郷家は度重なる不幸に襲われる。

吉之助の父・吉兵衛が亡くなり、続いて母・満佐も他界してしまったのだ。須賀との結婚直前には祖父・龍右衛門も喪っており、わずか1年の間に3人目。
須賀は「不吉な嫁」との噂まで囁かれるようになってしまった。

迎えた1853年。
大久保正助(大久保利通)がお由羅騒動での謹慎処分を解かれ、記録所書役助に戻ることができ、更には吉之助にも「江戸行き」が下知される。
浦賀にペリーが来航し、混乱をきたしている幕府へ島津斉彬も出府することになったのだ。

吉之助が夢にまで見た斉彬の江戸随行。
これに一人反対の姿勢をとったのが伊集院須賀だった。

江戸へ行くには30両もの大金が新たに必要となる。
西郷家ではすでに200両もの借金をしており、しかも返済は一度も行われていない。

西郷隆盛(鈴木亮平さん)

西郷は思い悩み、江戸行き断念まで考えるが、大久保の働きなどもあって金がかき集められ、さらには伊集院須賀も離縁を申し出て、父の直五郎は手切れ金代わりの餞別をもたせるのであった。

貧乏には耐えられない――という姿勢の須賀。
しかし、内心では、西郷の江戸行きを邪魔してはならないという思いがあったことは吉之助に十分伝わっていた。

これにて後顧の憂いは完全に拭い去った西郷。
そして決心する。
江戸へ――。

西郷どん9話ネタバレ、始まり!

 

いよいよ始まる江戸奉公

1854年3月、江戸生活が始まった。

広さ約22,000坪という広大な薩摩藩邸は、江戸の芝にあり、1,000人以上もの藩士が常勤。
吉之助は中御小姓定御供江戸詰という役職が与えられた。
藩邸で主君の雑用をこなすシゴトである。

史実でも、西郷を呼ぶときは斉彬がキセルを叩く音が普段と違う――なんてエピソードがあるように相思相愛の主従であったが、ドラマでは、そうイキナリ大きな役割を与えられはしない。

上役である中御小姓組の組頭・迫田友之進からは、
「おまえなんぞ、お目通りもかなわない」
とイキナリ頭ごなしに注意され、とにかく薩摩と斉彬の名を汚さないよう平素からマジメに勤めることだけを求められた。

なんでも、当時の江戸・品川宿などでは、
「薩摩藩士は金払いが悪いくせに女郎を寝かさない」
という戯れ歌(ざれうた・滑稽で卑猥な様をからかう歌)が流行っていて、彼らは酒癖・女癖の悪い連中という烙印を押されていたのだった。

そこで迫田は、とにかく品行方正にしてろ、ということで門限や生活の規律はやたらと厳しかった。

そもそも、郷里でかき集められた金で江戸行きの夢が叶えられた西郷も遊ぶ気などないが、吉之助は、そこで大山格之助(大山綱良)と有村俊斎(海江田信義)と再会を果たし……。

有村俊斎・海江田信義(高橋光臣さん)

 

篤姫の輿入れ 焦る斉彬

江戸に着くなり島津斉彬は、老中首座の阿部正弘と話し合いの場を持った。

すでに幕府は、アメリカと日米和親条約を締結。
下田と函館の開港が決まり、食料や水、燃料の提供が決められた。

阿部正弘(藤木直人さん)

これに対し、過激な攘夷派の水戸藩・徳川斉昭は打払いを主張していた。

真っ向から反対し、条約を締結したのは彦根藩の井伊直弼である。
直弼は、勝てる保証もないのに戦うのは愚の骨頂だとして、開国へと傾いたという。

しかし今後は、貿易にはまだ早すぎる、ヘタをすれば清の二の舞いになる(アヘン戦争 1839-1842年)――と考えていた斉彬は、早急に次代の将軍を決めなければならないと決意を新たにする。

篤姫を第13代将軍・徳川家定に嫁がせるのである。
そしてその次の第14代将軍に英邁な将軍を付けようという腹づもりだった。

篤姫(北川景子さん)

更に先のネタバレになるが、英邁な将軍候補とは一橋慶喜(後の徳川慶喜)である。
当時はまだ御三卿の一つ・一橋家にいた若者(松田翔太さん)で、水戸藩主・徳川斉昭の実子。阿部正弘も含め、斉彬と斉昭の3人が中心になって慶喜を第14代将軍にすべく動く。
いわゆる一橋派である。

これに対抗することになったのが南紀派の井伊直弼ら。
彼らは紀州藩主・徳川慶福(後の徳川家茂)を推挙していた。

薩摩藩邸で、斉彬の嫡男・虎寿丸に薙刀や相撲の稽古をする篤姫。
斉彬は、楽しげにその様子を眺めながら、篤姫の輿入れに焦り始める。

 

大山と俊斎に誘われ品川へ繰り出したら

夜になり、大山と俊斎、吉之助の3名は、江戸入りを祝うために、品川宿の「磯田屋」へ繰りだしていた。
女と酒――要は、夜の歓楽街である。

大山格之助(大山綱良・北村有起哉さん)

そんな無駄金を使う気はない――。
と、怒って席を立とうとした吉之助の前に懐かしい顔が現れた。

かつて借金取りに売り払われて薩摩を出て行った娘・フキである。
彼女は苦労を重ねながらタフになり、品川宿で働いていた。

そのとき彼女に「ヒー様」という得意客からお呼び出しがかかる。

一見したところ町人風情のヒー様は、実は一橋慶喜(後の徳川慶喜)だった。

そんなこと露とも知らぬフキは、ヒー様に吉之助の絵を描いてもらうようにせがむ。

と、出来上がった絵は
「顔が吉之助で身体が牛」
という、彼をからかったものだった。

続けてヒー様は「この男は一生貧乏だからやめとけ」と西郷を指し示してフキに言う。
真っ直ぐな目をしているゆえに金儲けとは縁がない、そんな見立てであった。

そこへ、酔って暴れる別の酔客が室内へなだれ込んできた。

吉之助と大山、俊斎は乱闘に巻きこまれ、ヒー様はいつの間にかその場から退散。
3人はボロボロになった着物をまとい、大幅に門限の時刻を過ぎた状態で薩摩屋敷へ戻る。

何度も同様の経験をしていたのであろう。
忍び足で自室へ帰る大山と俊斎に対し、ドン臭く、迫田に見つかってしまう吉之助。

門限破りの罰として、庭掃除内の役目を与えられた。

 

「わしの手足となれ」

自らの愚で、閑職を与えられたと思い、落ち込む吉之助。
掃除や雑草取りに打ち込んでいると、いつしか斉彬の御座所(部屋)担当に配置換えされ、薩摩の西郷家へも現状が伝えられる。

単なる雑用――と思い、落ち込む西郷家の面々を正助(瑛太さん・大久保利通)が声をかける。

殿の警護役も兼ねているはずで、立派な役職である、と。

しかし、それは意外な場面で重要となるシゴトであった。

吉之助がいつもの通り掃除をしていたある日、斉彬が突如現れ、小石川の水戸藩上屋敷に書状を届けるよう命じられたのだ。

島津斉彬(渡辺謙さん)

「剣は(薬丸)自顕流なのか?」
と問う斉彬に対し、吉之助がケガで「刀を握れなくなった」と伝えると、下賜されたのが短刀。

斉彬は吉之助に対し「わしの手足となれ」と命じ、同時に「秘密を厳守する」ように命じる。
その短刀は、身を守るものではなく、いざというときに自らの命を絶たねばならない――そんな厳しい役割だった。

なお、林真理子氏の原作では、最初に斉彬からの命令で会った水戸藩の重要人物は藤田東湖である(そこでジョン万次郎の話も出てくる)。

過激な攘夷思想を水戸に根付かせた人物であり、徳川斉昭にも影響を与えた思想家。
1855年に起きた安政の大地震で母を助けようとして亡くなってしまう。

しかし、幕末の志士に与えた思想的影響は計り知れない。
残念ながらドラマでは登場しない可能性が高そうだが(2/20時点でキャスト未発表)、それを念頭に入れておくと、後の水戸藩の過激な行動も理解しやすくなる。

 

斉彬からの書状を読むなり破り捨てる斉昭

斉彬から下賜された短刀を携え、水戸藩邸へ向かう西郷。

そこで、藩主の座を引退しながらも、依然としてチカラを持つ徳川斉昭との対面を果たす。
と、斉昭は書状を読むなり、破り捨ててしまった。

驚く西郷。
なぜか? と斉昭に問い詰めると、書状の中には日米和親条約を結んだ幕府への批判が記されており、その内容を斉昭が呑み込んだという趣旨であった。

西郷隆盛(鈴木亮平さん)

それでも西郷の頭に疑問が残る。

なぜ水戸藩は御三家(紀伊藩・水戸藩・尾張藩)の一つなのに、反幕府のような姿勢なのか、と。
※ちなみに御三卿は田安家・清水家・一橋家(慶喜が養子入り)

斉昭は「紀尾井坂」に喩えて表現する。
なぜ「紀尾井坂」であって「紀尾水坂」でないのか、と。
それは【紀=紀州、尾=尾張、井=井伊】の三家が中心であり、水戸藩がそこに入っていない。

要は彦根藩の井伊家=井伊直弼が権勢を強めていることに懸念を示しているのであった。
ちなみに、この井伊家とは、昨年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』で、菅田将暉さんが演じた井伊直政から続いた譜代大名である。

そこへ入ってきたのが一橋慶喜。
紀尾井坂は、それぞれの屋敷が近くにあったため名付けられており、江戸城の裏手にある水戸藩は重要視されてないと語る。

そんな状況で水戸藩と斉彬が仲良くしていると、
「討幕でも企んでいるのではないか」となるので、
徳川斉昭の言うことをそのまま受け取ってはならんよ、と慶喜はいたずらっぽく笑う。

その笑い方を見て、吉之助は突然思い出した。

『あのときのヒー様だ!』

吉之助は、以前に描いてもらった絵を取り出すが、慶喜は知らん顔でその場を去ってしまうのだった。

文:編集部

【参考】
伊集院須賀
徳川慶喜(一橋慶喜)
徳川斉昭
西郷隆盛
有村俊斎(海江田信義)
大山格之助(大山綱良)
御三家と御三卿
西郷どん(前編)
西郷どん(後編)
西郷どん完全読本
西郷どん ガイドブック

 

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