半分、青い。36話あらすじ感想(5/12)目的は五平餅だったのか!?

バブル崩壊前夜の平成2年、1990年。

大人気少女漫画家・秋風羽織のアシスタントとして、岐阜県の田舎町から大都会・東京に飛び込んだ楡野鈴愛。
彼女は「描くものがすべて」という想像の世界に魅力を感じています。

一方で、鈴愛の幼なじみ・萩尾律も東京に大学生として進学します。二人は近所に住むようになるのでした。

 

どこの羊の骨かわからない女に!

20年近く育てた息子が、ワンレンボディコンの、どこの羊の骨かわからない女に引っかかってたまるか!
和子はそう考えていました。律にツッコまれた「羊じゃないよ(馬)」というのは華麗にスルー。

「お母さんはこの日が来るのが怖かった」
そう本音を打ち明けます。

入学式では我が子を誇らしく思う一方で、不安もあるわけです。

「元気でね」
「見送らなくていい?」
「泣いちゃうから。泣きたくないんで」
そう言って玄関から立ち去る和子。

律はベランダから和子に、
「お母さん、ありがとう!」
と叫びます。

「がんばるのよ!」
我が子を励まし、立ち去る和子。

律は鈴愛に電話番号を教えたくありませんでした。マグマ大使の笛を東京まで鳴らされたら困るわけです。

ナゼって?
ワンレンボディコンのお姉さんといいこともしたいわけですよ。

 

モテモテのまあくんは律と同じ西北大学1年生

律がベッドで寝転がっていると、アメリカンショートヘアーのかわいい仔猫がお腹に乗ってきました。

猫を抱いて外に出る律。
と、真っ赤なワンレンボディコン姉さんが……。

「まあくんといた時間楽しかったよ!」

ミキ、くるみ、キョーコ、ミレーヌと比べられてもなんとか、云々。
どうやら本気で相手にしてもらっていない男性のところへやってきているようです。

ガチャっとドアが開くと、モテモテのまあくんが出てきました。

そこまでカッコ良くもないと思ってしまう、美少年の律。
ミレーヌとはフランス人の彼女ではなく、猫のことでした。

「私、ミレーヌ以下なんだ!」
ボディコンのお姉さんはまあくんにそういうと立ち去ってゆきます。

「別れるときはよく切れるナイフでズバッとね」

そんな半分寝ているような顔でカッコいいこと言われても、と内心突っ込む美少年の律。
まあくんの部屋に入ると、そこはインテリアにこだわりのあるトレンディーな部屋でした。

 

同じ西北大学の1年生だった

まあくんの名前は朝井正人。律と同じく西北大学一年生なのだそうです。

部屋の中には羽の扇が。いわゆるジュリ扇です。
裏には電話番号が書いてあるそうです。

電子メールもLINEもない時代、連絡先といえば電話番号でした。
磁石に砂鉄がくっつくように、ともかくモテモテなんだそうです。

 

そうなんですよね。
今ならば、鈴愛と律が笛や電話で連絡することはなく、LINEでやり取りしていますよね。

「きみ、東京の人?」
あまりのトレンディーっぷりにそう聞いてしまう律。

「ううん、北海道。そうだべや〜、とかいうんだよ」
平昌五輪の女子カーリングチーム奮戦により、
「そだねー!」
という北海道弁に注目が集まりましたね。

明治以降、移民が集った北海道は、東北弁に近いようで独特の方言がありました。
あの北海道弁がもてはやされるというのも2018年だからであって、バブル時代ならばなるべく隠したいものだったのでしょう。

「それをいうなら俺も岐阜の人だよ。何やっとりゃ〜す、とか言うよ」
「だからね、ぼくは一文節づつしか話さないんだ、訛りがバレないから」

そう一文節相槌の実践をする正人。
なんだか生々しい男子大学生トークになってくるのでしょうか。

 

きつい、汚い、危険な職場って、どういうこと?

そのころ、鈴愛はクレンザーを使って台所を掃除中。
銀座の吉兆堂で売られている個数限定の特製大福を、羽織のお茶菓子に出しました。並んで買っているそうです。

「おい、岐阜の猿。五平餅はいつ作るんだ。もったいぶらずに作ってくれ」
菱本から名前を覚えるようにたしなめられる羽織ですが、気にする様子もありません。

しかし、あの五平餅は仙吉の特製レシピです。

鈴愛は電話でレシピを聞きますが、慌てて切ってしまいます。仙吉がいうような手紙では間に合わないし、FAXは楡野家にはない。
ピンチっ!

「あっ、100円玉はお釣りが出ない!」
電話を切ってからそう気づく鈴愛。

その背後を、ユウコが通り過ぎます。

「あの、ユーコさんやボクテさんもメシアシだったんですか?」
ユーコは即座に否定します。
これまでは専門の人が来ていたそうで。ただし、長続きしないんだとか。

「どんどんやめちゃった」
うっ、これは嫌な予感が……。

「ここは3K(きつい・汚い・危険)よ。秋風羽織は危険な香りよ」
そう警告するユーコです。どういうことでしょうか。

 

「どちゃくそまずい! これは本物じゃない、偽物だ!」

結局、鈴愛は中途半端な状態で五平餅を作り、羽織の前に差し出します。

「どちゃくそまずい! これは本物じゃない、偽物だ!」

鈴愛が仙吉しか作れないというと、羽織は文句をぶちまけます。

じいさんだって老い先短いだろうから後継者探せとか。
急にクソな発言が連発してきます。

「五平餅が作れないなら意味がない。お前は五平餅要員なんだ」
「五平餅要員? いつになったらペンを持たせてもらえるんですか?」
「あなたは永遠のメシアシ、【炭水化物要員】だ!」
「話が違う!」

極悪非道な本性を見せつける羽織。

しかし鈴愛も負けてはいません。
原稿をつかみ、窓の外に突き出します。

「私を騙しましたね。原稿をバラ撒きます!」

 

今日のマトメ「ボンボン私大生と売れっ子作家が実にゲスい」

前半も後半も、今日はゲスかったです。

先週のさわやかな青春は何だったのか。
鈴愛が投げ捨てようとしたマグマ大使の笛を、捨てないでと言った律はどうなったのか。

前半は、見ていていらつくバブル期末期のボンボン私立大学生劇場。

なんなんだよこいつら!
和子さん懸念のど真ん中にフラフラと呼び寄せられる律。
ダメだ、戻ってこい、戻ってくるんだ!

正人はクズっぽく、同時に面白そうなキャラではあるんですが……。

そんな前半部のイラつきも、秋風羽織のクズ所業を前にして霞んでしまいました。

昨日まで褒めたのを全部撤回したい勢いですが、色々引っかかります。
鈴愛の発言からするに、彼女のクリエイティビティに一応理解を示しているようにも思えます。それも騙しの一つかもしれませんけど。

ただのクズではなかったと信じたいのですが、どちらにも解釈できそうでなかなか難しいところ。
浮き沈みの激しい話に振り回されております。

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
NHK公式サイト

 

3 Comments

ビーチボーイ

私は、武者さんの朝ドラは基本的にどうあるべきかの理念を一応理解してるつもりでいますので、今回の「浮き沈みが激しいので振り回される」というシメの言葉も、決して本作の脚本をけなしているのではなくむしろ好意的な表現と受け止めています。いい意味で「こりゃ、脚本さんに一杯食わされたあ」と振り回されるぐらいの楽しみ方が視聴者には提供されて当然だと私は思うので。いつも繰り返して恐縮だけど、3月までのあの「なめてんか」でしたっけ(笑)あの吉本社史ドラマみたいに、浮く時は空まで昇り、沈む時は谷底にいきなりまっ逆さま、そのくせ次の展開は全部ミエミエで、どうなっちゃうんだろうと息をのんで見つめるドキドキワクワク感なんか微塵もない--ああなったらジ・エンドですからね。ほんわかのどかなフクロウ商店街の黄金青春時代の甘美な夢をぶち破る、極悪秋風羽織の暴れっぷりに、大いに期待します‼

匿名

今回は律や羽織の影・ブラックの面、あるいは本音・本性の面が出たところでしょう。

律は、昭和末期~平成初期に思春期真っ最中となった少年です。おそらく「コッソリ部屋で和子に隠れてエ○本…」なんてことがあっても全然不思議ではありません。密かに抱いていた大学生活への夢想・「本音」が今回出たと感じました。

羽織は、そもそも「性根は腐っている」のに、今までは逆に「意外にいい面あるじゃん」という姿をちらほら見せてきたところ、ここで「やっぱり腐った性根の持ち主だった!」と改めて示した形です。

光と影の面がそれぞれ示されたところ。来週以降、こういう彼等の「本音」と主人公はどう対していくのか、という話になるのでは。

匿名

羽織は要するに、その場その場の気分、思いつきでしか動かないんでしょうねえ。
だから鈴愛の才に気づきもするけど、最大の欲求は「五平餅」。鈴愛の存在はこれを中心にしか考えられない。

第22話のナレーション「その性根は、腐っておりました」はここで効いてきましたね。

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