今回から始まる『大阪の大恩人』で何がびっくりポンって「開拓使官有物払下げ事件」が取り扱われることです。
教科書に掲載される五代友厚の事件といえば、これ。
五代=ダーティな政商というイメージが定着しており、それを取り上げるわけですから、すごいチャレンジですよね。
でも正しい道でもあります。
駄作ドラマでは、主人公やその周辺に都合の悪いことはトコトン排除して結果、整合性が取れなくなり、つまらなくなってしまうもの。
問題となる事件を取り上げて再解釈するほうが真摯ですからね。
さて、そんな今週はどうなるのでしょうか。
よの=大奥様 あさ=奥さん さち=若奥さん
加野屋では、榮三郎の嫁・さちを迎えてますます盛り上がっています。
やっと普通のお嫁さんが来たとこれにはよのも大喜び。
さちの嫁入りを受け、呼称変更となります。
よの=大奥様
あさ=奥さん
さち=若奥さん
あさは全然奥に引っ込んでいない「奥さん」です。
明治時代は法律で妻の権利は徹底的に抑えられ、「無能力者」とされていました。
現在の未成年のようなもので、契約や商売に必要な決定は一切できなかったのです。
あさの決定は、実際にはあさが決めたことでも文書などには新次郎の名前がある、ということです。
【主人公が正しくて、反対するヤツがアホ】にはしない
千代もすっかり大きくなって、六歳のかわいらしいお嬢様に成長。
母とは違い、おしとやかな娘に成長しているようです。
そしてそろそろ、母親が炭坑に行ってしまう普通の人ではないことに気づき始めているようです。
炭坑は亀助夫妻の尽力もあり、やっと利益がぼちぼちあがる程度にまでなんとか復興してきました。
そこであさは、いよいよ銀行を始めようと雁助に相談しますが、この話になるといつも大反対されます。
こういうとき駄作ドラマだと
【主人公が正しくて、反対するヤツがアホ】
という単純な描写になりがちです。
それが本作では、雁助の言い分の方が納得できるところが面白いですね。
互いに加野屋のことを考えているからこそ対立する。
ここでぴしりと判断するべきなのが榮三郎。
雁助の肩を持ち、「志」という曖昧なもので金を貸す銀行は反対だと言います。
あさは今日のところは反論できないと引き下がります。
五代は北海道で新しい商売の話があるようで
あさは五代の大阪商業講習所を見に出かけて行きます。
五代が作った商業を学ぶ学校で、あさは授業風景を見学し感心します。
同時に
『なぜ女子がいないのか?』
と、五代側近・三坂に不満をぶつけます。ここでもあさの教育者フラグが立っていますね。
その頃、飲み友達になった新次郎と五代は美和のレストランで、薩摩の焼酎を飲み話しています。
どうやら五代は北海道で新しい商売の話があるようです。
あとになってみると、五代のこの話がなんとなくこの時点で胡散臭かったと思えます。
五代は新次郎に商売の話をしたことがないと切り出します。
しかも五代は英語で似たような女が好きだし、とトンデモナイことを言うのですが、新次郎はしれっと切り返すのでした。
五代はあさと美和のように、友ちゃん、新ちゃんと呼び合いたいと提案。
うぉい、ちゃん付けかーい!
と思っていたら、新次郎の困った顔を見るための冗談でした。
冗談と言うわりに、新ちゃんと呼びかけ顔を新次郎にぐいぐい近づける五代が相変わらずで面白いですね。
成長してすっかり台詞が増えた千代は、なぜ他のお母さんとは違うのかと「なんでどす?」攻撃。
元祖「なんでどす娘」も、これには戸惑うばかりなのでした。
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文:武者震之助
絵:小久ヒロ
※レビューの過去記事は『あさが来た感想』からお選びください
※あさが来たモデルの広岡浅子と、五代友厚についてもリンク先に伝記がございます
【参考】
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