わろてんか13話あらすじ感想(10/16)娘義太夫の占いは?

明治43年(1910年)、京都。
日本一の「ゲラ(笑い上戸)」娘ことヒロインの藤岡てん。

すっかりお年頃のお嬢様に成長したてんは、そろそろ立派な入り婿を持ち、家を継がなければなりません。そんなてんの目の前に現れたのは、幼い日に出会った芸人の藤吉でした。

一体てんはどうなっちゃうの~? というところから今週はスタート。

 

なぜ今京都? てんの質問にシドロモドロな藤吉

藤吉はてんの成長に驚き「べっぴんさんになったなあ」と言います。

藤吉は何故京都の「くすり祭り」にいるのかとてんに問われ、しどろもどろになって言い訳を考えます。八年間、売れっ子芸人と騙し続けた始末は果たしてどうなるのでしょうか。

てんも藤吉が改めてイケメンであると気づいたのかドキドキしています。

そこへ風太が現れて、「この泥棒芸人め!」と凄み、てんを連れ去ります。藤吉の手の中には、てんの鈴が残されたのでした。

今週も芸能からアクションから占い考証までテンコ盛りのOPクレジットを挟んで、本編へ。

 

風太はドイツ語の勉強まで始めて露骨にアピール

亡き新一の論文と伊能栞の融資のおかげで、藤岡屋は閉店の危機から一転。洋薬専門店としてリニューアルオープンしました。
あとは立派な婿が来てくれれば、と儀兵衛も張り切っています。

風太はドイツ語の勉強まで始めて、露骨に婿になることを狙い始めたのでした。

息子の出来というのはわからないものですが、婿というのは優秀な者を選ぶ余地があるわけで、ある意味、御家安泰のためにはむしろ総領娘に入り婿というのが最善の選択となりえます。

そのてんは、藤吉に出会ってから所謂「恋煩い」になってしまったようで。
儀兵衛が張り切って集めてくる縁談にもどこか上の空です。儀兵衛はいい婿を取ることこそ娘のためと気合いを入れています。

しかし、りんの方が何故か縁談が先に来たりします。

りんは器量よしとも言われていますが、実のところ藤岡姉妹の優劣ではありません。
家つきの長女より二女の方が、身が軽いという事情がありまして。

今後の恋愛展開も、てんが長女ということがネックになってくるはずです。

 

女主人公の恋愛を橋渡しするトキは重要

日に日に強まる婿取りのプレッシャー。
でも藤吉と再会しちゃったの、と、りんとトキに打ち明けるてん。

「これは運命~~~!?」

そうはしゃぐ二人。コイバナが大好きな二人でした。

トキは結構重要なキャラクターですね。
女主人の恋愛を邪魔せずに、忠誠を誓っていろいろな橋渡しをするのが、物語における女中の役目です。これからもいろいろ頑張って欲しいところ。

一方で藤吉も、チョコレートのあの子が美人に成長したことにドギマギ。すっかり恋煩いです。

これも運命かとうっとりしていると、芸人一座のリリコが口を出してきます。
そんなに気になるなら八卦占いにみてもらえ、紹介してやると言い出します。

 

美人のリリコは女義太夫 芸能史もきちんと辿っている

リリコは「娘義太夫」でした。
この娘義太夫はナレーションでも「現在のアイドル」と紹介されましたが、確かに似ています。

まだ二十歳前ですから、芸としては未熟です。
しかし、そこが初々しくて可愛らしくて、もうこれが「タマラン!」と。追っかけのような若者を中心とした「どうする連」と呼ばれる観客もいて、「どうする」と声を掛けるのでした。

劇中でリリコが簪を落としていましたが、これはわざとです。
この簪を拾おうとファンは熱狂します。現在もライブ会場でタオルなんか歌い手が投げ入れると熱狂するのと同じですね。

あまりに熱狂的な「どうする連」は、古典的な義太夫ファンからは「女目当てのにわか」と嫌われました。

また「軟弱な若者が増える」、「風紀を乱す」とマスコミから叩かれたこともありました。
今も昔も人間ってこういうものなんですね。

それにしてもこういうのをちゃんとやるのは好印象。
脚本的に変なところがあったとしても、芸能史をたどって映像化するのであれば、本作はそれだけでも価値があると思います。

 

「他に好き人がおるやろ、それが運命の人や」

一方、リリコの紹介した八卦見に恋愛運を占ってもらった藤吉は、大凶でこのままだと命に関わると言われます。

これはどう考えても怪しいですね。実はリリコは八卦見を買収して、結果を捏造していたのでした。

騙されやすい藤吉が落ち込んでいると、トキに連れられててんとりんがやって来ます。
そして髪型が面白い占い師に、てんの縁談相手の写真を持ってくるのでした。
なぜか伊能栞のものがありませんけれども。

占い師は「これはあかん」と全員に駄目出し。占い師は「他に好き人がおるやろ、それが運命の人や」と告げるのでした。
藤吉もその結果を聞いてドキリとするのでした。

リリコ、策略が結果的に逆効果になってるぞ。

占いの帰り道、てんは人力車で悠々と移動するリリコを見かけます。

リリコは熱心なファンに追いかけられているのでした。そのリリコがてんを見つけて近づいて来ます。見えない火花をバチバチと散らすリリコ。

「藤吉はあんたを売れっ子芸人と騙しているけど、旅なんかまったくしとらん、実はうちのファンやで」

と、てんに言うリリコ。藤吉は真っ赤な嘘をついていたのだと。動揺するてん。
一体どうするのでしょうか。

 

今回のマトメ

今朝一番目立っていたのはリリコですね。
娘義太夫の場面は非常に興味深いですし、リリコファンの熱狂ぶりもいい。

リリコは、策謀の限りを尽くして恋路を妨害してもどこか愛嬌がある。リリコの計略のせいでかえっててんと藤吉は接近するきっかけも出来てしまったわけで、そういう策士策に溺れるところも、間が抜けいていて面白い。
リリコと風太という、恋のお邪魔虫がいい味を出しています。

本作は結構ベタというか古典的でして。
出会った男女が恋煩いって、本当に古い、それこそ江戸時代あたりのパターンです。
今週はこの古典的なパターンで恋路を描くのでしょうか。

合間にはさまる芸能や占いの場面も楽しんで見られます。明るく楽しくが本作の目指すところなのでしょう。

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

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吉本せい 吉本興業の歴史

【参考】
NHK公式サイト

 

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