わろてんか120話あらすじ感想(2/23)ぱるぷんて

25周年記念として、「北村笑店」でマーチン・ショウを興行させたい隼也。
その過程で知り合った加納つばきに、淡い恋心を抱きます。

しかし、つばきは婚約者がいる身なのでした。

その彼女が夜、北村家を訪れています。

 

隼也を説教している場合じゃないって

北村家を訪れた風太。
つばきの父が中之島銀行頭取だと知って驚きます。北村笑店の取引銀行だったのです。

風太は隼也を連れだし、お説教タイムにするのですが……。
うーん、おかしい。
中之島銀行の娘だとわかって、ここで風太が取るべき自然な行動はこんな感じではないでしょうか?

【加納家に連絡して謝罪、車を手配するなり、誰かを付き添わせて、無事に帰宅させる。あるいは距離や時間帯の問題があるならば、外部のきちんとした旅館なりに宿泊させて、翌朝、無事に帰らせる手段を講じる】

肝心のご令嬢を放り出して、まずは隼也に説教っておかしい。
それは後回しでしょう。

風太はそんな私の戸惑いはお構いなしに、隼也相手に怒鳴り散らします。

トキとの漫才的会話も何度か挟まれるんですけどね。
濱田岳さんと徳永えりさんの持つ面白味で、ちょっと頬が緩みました。

ただ、饅頭を取る取らないでのヤリトリがちょっと強引なんですよね。
おトキちゃんも風太も、怒鳴りキャラの印象が強すぎて、ほんわかと温かいスットボケた会話ができないのがもったいない(´・ω・`)

内場勝則さんとか、絶妙にほんわかしているじゃないですか。
あの感じがドラマ全体的に足りないんですよね。

万丈目夫妻も怒鳴ってばかりですし……なんか強いツッコミがお笑いなんでしょ?と言われているような気すらしてきます。

 

つばきが「好きや!」って呑気か

ともかく嫁入り前のお嬢様、しかも取引銀行の娘さんなわけです。
いち早く対応することが何より肝要な場面でしょう。

しかし、ここでおかしいのが、
「お前、あのお嬢さんをどう思ってんねん?」
と聞いてしまうところ。

「お前、まさかあのお嬢さんに手を出してはおらんやろな?」
くらい聞いてもおかしくないとは思います。

そこで隼也が血相を変えて、
「ぼくはつばきさんと結婚したいと思うてる! 中途半端な気持ちやない! せやから結婚前にそないなことせえへん!」
とか啖呵を切れば、まだマシだったんじゃないですかね。

恋愛感覚がどうにも平成高校生という印象ががが……。

案の定、隼也はつばきが「好きや!」と言います。

それに対し諦めろと迫る風太。
やっぱり臨場感が足りん><;

これが、母親が待つ自宅の隣ではなくて、駆け落ち先の旅館あたりでのやりとりならば、もっと緊迫感あったでしょうに。

 

「気持ちを伝えられたよかった」と言わせちゃった

一方で、てんは、つばきにこう言います。
「隼也のこと、思うてくれてありがとうな……」

おい。おいおいおい。おてんちゃんも、脳天気過ぎますって。意味がよくわからん。

つばきがてんと境遇が重なる、政略結婚について長々と語っていましたので、それを受け、
「家の都合で結婚せんとあかん、あんたの気持ちもようわかる。せやけどな……」
と来るかと思いました。

なぜ、おてんちゃんは、つばきが切々と語った政略結婚の切なさを無視しちゃうのでしょうか。
自分が駆け落ちしたから言えない?
いや、そうですけど、なんというか人物設定的に「てんが別れさせた」という展開にしたくないのかな?とすら感じてしまうのです。

結局、つばきが先にあきらめて、
「最後に気持ちを伝えられたよかった」
と言わせてしまいました。

取引先の娘だからと隼也をしかり飛ばすのは、風太の役目。
あきらめますと言い出すのは、つばきの役目。
おてんちゃんは地蔵。

寄席を仕切る女社長として、言ってほしいのです、酷い一言を。
自分の境遇とも重ね、それでも若い二人には諦めさせる、その辛さ、理不尽さを背負ってこそのポジションではないでしょうか?

脚本家さんは
【みんなの愛されおてんちゃんには、ネガティブな言動をさせたくない】
とかばい続けているのかもしれません。

結果、感情の起伏を感じられない、よって見てる方も感情移入のできない、のっぺらぼう的地蔵になってますがな。

 

門限はどないしたん!

つばきから、一通り事情を聞いたてん。
次の展開が斜め上を行っておりました。

「おなかすかへん? なんだか緊張したらおなかすいたわ! すぐ晩ご飯用意するかあらな」

ズコーヽ(・ω・)/
ズコズコズンドコーヽ(・ω・)/

政略結婚のつらさ、隼也への思いを訴えた相手に肩透かしはあまりに不憫。
そもそもマトモな母親なら、結納直前のお嬢さんにこんなことしませんよね。

「あかん、話し込んでいたらこんな時間や! 引き留めてかんにんな、今、車を手配するさかいな」
でしょう。
そもそも彼女の門限TIMEを大幅に超えてません?

隼也が戻ると、てんとつばきの二人が台所に立っています。
ツッコミどころを箇条書きにします。

◆初訪問の来客を台所に立たせている。しかも取引相手のご令嬢
◆すぐ晩ご飯を作るというわりには、調理時間がかかるきんぴらをチョイスする謎のセンス
◆てんとつばきの言動が、姑と嫁のよう
◆そもそも門限ある相手に夕食振る舞っている
◆それをニヤニヤしながら見守る隼也
◆調理過程を見ていたのに「これつばきさんが作ったんやで」と言われて驚く隼也。なんでやねん

なんで誰もハラハラしていないんでしょう。
見ている私の方が門限の時間を気になって気になって。

てんも風太も、相手が結納前の未婚のお嬢さんってことを無視しすぎ。
たぶん、彼らよりも私(あるいは多くの視聴者様)のほうが北村笑店の行く末を心配していると思います。

リリコが空腹のあまり倒れたシロー相手に、おにぎり等ではなく、わざわざお粥を作る場面でも思いました。
もしかして本作は調理時間を考慮していない?

 

【とても優しい、静かな時間が流れていました】

要するにこの料理シーンは、
【おてんちゃんによる理解ある優しいお姑ロールプレイ】
をさせたかったんでしょうね。

もう、何もかもがあざとい。味見をしただけで、
「おいしい!」
と大絶賛とか。

泣く泣く隼也と結ばれることをあきらめた相手に、こんな嫁のような振る舞いをさせるって「嫌味かッ!」と思わず突っ込みましたよ。

嗚呼、おてんちゃんは、どこまで笑顔ブルドーザーなのよ(´・ω・`)
「わろたら元気出る」場面じゃないときもあるでしょうに。

私がつばきの親なら
「電話一本もよこさず何しとんねん! こんな非常識で無礼な北村とは、もう取引したくないわ」
と思います。

しかし、ナレーションもまるで空気が読めないようで。
【とても優しい、静かな時間が流れていました】
と来まして。もう、どうしたものか、とorz

食後、服が乾いたつばきは着替えて隼也とおしゃべりタイム。
プレゼントのネックレスをもらい、喜びます。

へその緒が入ってるようなプレゼントの箱は、今日の「わろ点」ですかね。
戦国時代の『真田丸』ですら、プレゼントには一応当時のラッピングをしていましたよ。

つばきはこれからもがんばれと隼也を励まします。

で、やっぱり疑問。
門限は大丈夫すか?

 

今日のマトメ「大山鳴動して晩御飯一食」

「大山鳴動して鼠一匹」

そんな言葉を思い出す、隼也の恋愛騒動でした。
恋愛推しをしている本作は、その恋愛描写すら妙なシーンばかりで見ている方が辛くなりました。

そもそも、
マーチン・ショウ
隼也とつばきの恋愛
リリコとシローの恋愛
と、詰め込みすぎなんですよね。

大騒ぎして政略結婚だなんだと言いながら、オチは、
【気持ちを伝えるために相手の家にお邪魔して、一緒にご飯作ってめでたし】
って意味がわからない。

昨日、雷鳴だの大雨だの、劇的な演出して中身がこれって……駆け落ち失踪くらいしたらどうです?とすら思うのです。

そもそも結納前ならつばきの家も大騒ぎだろうし、一体何なのか?
本気で説明が欲しいところです。

てんにしたって、最愛の息子の恋愛で、相手は政略結婚で自分と重なる境遇はずなのに、
「おなかすかへん?」
「おなかいっぱい食べて、わろたら、元気出る」
って、やっぱり意味がわかりませんよ。

つばきにも、てんを彷彿とさせる境遇にしたならば、そこで何か思うところがあってもいいじゃないですか。
伏線も、設定も、何もかも――笑顔で粉砕するおてんちゃんが怖い。

『わろてんか』ってタイトルは、笑えばすべてが爆発するような、そんな恐ろしい意味だったんですかね。
それって『ぱるぷんて』では?(´・ω・`)

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

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吉本せい 吉本興業の歴史

【参考】
NHK公式サイト

 

3 Comments

匿名

食事のツッコミやかえって残酷というの同感です!
プレゼントも後で揉める火種になるかもしれないのに宝物にしちゃいましたね。
おてんちゃんは楓さんの時も「てんのせいで、あの時代に住み込みまでしてた女性が実家に帰された」って状況を運よく回避したんですよねぇ。

匿名

この脚本家は料理も出来ないんでしょうか。歴史も苦手、お笑いも分からない、恋愛も稚拙、何なら出来るんでしょう。

朝どら大好きニャンコ

一緒にしてあげることが出来ないと分かっていながら、彼女に手料理を作らせて息子に食べさせるなんて、酷すぎると思いました。
この母親は恋を諦めざるを得ない若い二人にいい想い出を作ってあげるつもりだったのでしょうか。
そんなのかえって未練が募るのではないでしょうか。
それとも息子にも「自分たちのように恋を貫け」と後押ししているわけではないですよね。
てんの意図が理解できません。

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