わろてんか14話あらすじ感想(10/17)藤吉は米問屋のボン!?

明治43年(1910年)、京都。
日本一の「ゲラ(笑い上戸)」娘ことヒロインの藤岡てん(モデルは吉本興業の吉本せいさん)。

すっかりお年頃のお嬢様に成長したてんは、そろそろ立派な入り婿を持ち、家を継がなければなりません。
そんなてんの目の前に現れたのは、幼い日に出会った芸人の藤吉。

しかし藤吉が旅をしていたちうのも、芸人というのは真っ赤な嘘、とリリコから明かされてしまい、すっかり意気消沈してしまいます。

そこへ、家族は“婿もらえプレッシャー”をかけてみます。

 

無骨な儀兵衛が最初は嫌だったが今では愛情たっぷり

ハツはともかく添うてみよ、と言い出します。
しずも初めのうちこそ無骨で堅物の儀兵衛が嫌だったけれども、今では愛情たっぷりだと惚気て見せます。

実際のところ、添うてみて駄目な場合もあるわけで。

この時代は離婚は絶対できないように外堀を埋める形で結果オーライにしていた部分もあります。
てんのモデルである吉本せいさんも、あまり幸せな家庭生活を送ることはできませんでした。

ただし最近の朝ドラでは、そういう夫婦はあまり出てこないようにしています。
朝からあまりにヘビーな内容はさわやかな気分になれない、ということなのでしょう。そういう傾向の作品は、どうしても視聴率で苦戦しがちですし。

てんの場合は妹のりんもいるわけで、りんの縁談をスムーズに進めるためにも、藤岡家としては早く婿を見つけて欲しいわけです。

てんはリリコの言葉は本当なのか気になっていまして。
真意を確かめるべく、祭りへと足を運びます。

 

「理由なんかあらへん。なんもかんも嘘なんやから」

藤吉は笠を持って大道芸の稽古をしていますが、まるでセンスがありません。

連日下がり続ける藤吉の株……。
それでも「おてんちゃんを笑わせるんや」と闘志を燃やします。

そこにてんがやって来ました。
てんは話しかけるキースに目もくれず、手紙は嘘だったのかと詰め寄ります。

藤吉は嘘の一部を認めますが、皆を笑わせたい気持ちは本当だと言います。
嘘は、芸人としてのキャリアの方でして。頑張っていろいろ試してみるものの、どれもものにならず、泣かず飛ばすだったのです。

それなのに見栄を張り、旅をしているふりをして手紙を書き続けていたのです。

なぜそんなことを、と尋ねるてん。

そこへ恋のお邪魔虫リリコが入ってきます。
「理由なんかあらへん。なんもかんも嘘なんやから」

 

本当は大阪米問屋のボン!? リリコと一緒に旅へ出た?

またも衝撃の事実。

藤吉の本当にお名前は「藤吉郎」。
しかも大阪の米問屋のボン=長男でした。

長男だから家を継がなければならないのに、芸人をめざしてフラフラしているわけです。
どこまで下がるんだ、藤吉株!

リリコがそこへ割り込んできて「うちと一緒に野垂れ死ぬ覚悟で飛び出してきたんやもん、なぁ~」と言い出します。

てんは目を泳がせ「ようわかりました。これ以上話すことはありまへん!」と去ってゆくのでした。

てんはりんとトキに藤吉の件を話します。
当時は家を継ぐ長男と、てんのような兄弟がいない長女の結婚は御法度でした。伊能栞は二男でしたね。

これで藤吉ルートは消滅だとてんは自分に言い聞かせます。

 

「一間の大イタチ」という見世物小屋を始めた

元気付けるため、キースが何か考えています。
キースは「一間の大イタチ」を見せるという見世物小屋を始めました。

これは実は「一間の大きな板」に「血」を塗っただけのものです。
こういうのは洒落ですので、騙された方も「うまいことやられたわあ」と苦笑いして去る、というのがお約束です。

てんはトキを連れて神社へ。
藤吉とは出くわしたくないはずですが、藤吉が見つけて弁解するために走って来ます。
弁解の余地はあまりない気もしますが。

するとそこへ何者かに追いかけられたキースが走って来ます。

大イタチで騙されたというよりも、無許可場所代払わずに金儲けしたのがトラブルのもとのようで。
いきなり追いかける相手もよくありませんが、これはキースも多分悪いと思います。

 

藤岡屋の蔵へ藤吉&キースが逃げ込んできた!

そんなこんなで追いかけられるキース。
一味と間違われてこれまたガラの悪い男に襲われる藤吉。

トキはてんの手を引っ張って逃そうとしますが、乱闘騒ぎになってしまいます。
崩れてきた箱からてんをかばった藤吉は、頭部に酷い怪我を負ってしまいました。

藤岡家では、儀兵衛がしずに「本当は結婚当初嫌だったのか?」とおずおずと尋ねています。
気にしていたんですね。
しずが儀兵衛にベタ惚れなのは見ていてよくわかるので、儀兵衛さんは気にすることないですよ。

てん達は、藤岡屋の蔵の中に逃げ込んで来ました。
トキはあくまで人助けをしただけ、治ったら出て行くようにと、藤吉とキースに釘を刺します。キースは今出ていったら大変だと泣きつくのでした。

てんは藤吉の介抱をします。
するとそこへ、風太がやって来ました。

 

今回のマトメ

今日はちょっと見ていて引っかかるというか、どうかと思う部分がありまして。

キースの行動ですね。

追いかける男の柄が悪くて暴力的なのは確かです。
しかし、そもそもキースが芸人として、ルールを守らないで勝手に見世物小屋で金儲けしたこと。
そして弁解せずにいきなり逃げたことでトラブルに巻き込まれているように見えました。

そうして皆に迷惑かけているにも関わらず、かばって治療してくれたてんやトキに御礼を言うどころか「治ったら出て行けとは冷たい」みたいなことを言うのは、ちょっとよくないぞ!

キースの行動をきっかけにてんと藤吉が接近する、だからこそ強引にこういう展開にしたとは思うのです。
それにしても、ちょっとキースに頭下げさせるとか、丁寧な対応をさせるとか、それだけでも随分と印象は違ったのではないかと思います。

芸の世界は笑顔や綺麗事だけではなく、金儲けも絡んでシビアです。
こういう柄の悪い男が、今回のように「誰に断って金儲けしとんのや!」と言い出すこともよくありまして。

てんのモデルとなった吉本せいは、こうしたトラブルを回避するために、裏稼業あがりや警察あがりの者を雇っていたそうです。
そのへんの事情を朝ドラでやるとはまず思えませんが、柄の悪い男でチラリと臭わせたところは健闘していると言えるのかも、とも思いました。

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

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吉本せい 吉本興業の歴史

【参考】
NHK公式サイト

 

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