わろてんか8話あらすじ感想(10/10)燃えちまった!

明治43年(1910年)京都。
日本一の「ゲラ(笑い上戸)」娘ことヒロインの藤岡てん。
すっかりお年頃のお嬢様に成長していました。

そんなてんの元に持ち込まれたのが、伊能製薬の二男・栞との見合い話。

 

イケメン・高学歴・高収入の三拍子!

イケメン!(高橋一生さんですから)
帝大卒!
貿易会社を任されている!

三拍子揃った栞に、りんも女中のトキも、母しずまでうっとり。

そんなボンボンは遊び惚けて身上潰すだけや、働き者の手代を婿に取るのがええ、と冷たいのは嫉妬気味の風太。
ハツも、西洋かぶれの蝶ネクタイが気に入らないとちょっと距離を置いています。

儀兵衛は見合い話を勧める気まんまんで、ピンク色の美しいドレスを着せて、てんの見合い写真を撮影することにします。
こちらも西洋かぶれですね。

ドレスを身につけ、帽子と扇子を持ち、ポーズを取るてん。
りんとトキはうっとりし、風太も憎まれ口を言いながらもみとれています。

風太はもうこれを機に泥棒芸人(藤吉のこと)からの手紙はもう取り次がない、「あないなゴミクズ」は捨てるとてんに言い出すのでした。

てんは怒り、ゴミクズではない、この手紙にどれだけ救われてきたかと言い返します。
「あんたにうちの気持ちはわからへん!」
「何が恋や!」

てんと風太は手紙を奪い合い、はずみで破けてしまいます。怒り、「あんたの顔なんてみたない!」と風太を部屋から追い出すてんなのでした。

 

新一にはお見通し お兄ちゃんだもの

新一は、てんの縁談について気にしているようです。てんは破けた手紙を糊で貼り付け修復します。

それにしても藤吉の手紙、結構字が綺麗です。てんは手紙を修復するうちに胸がキュンとしてきます。
もしここで風太が言う通り、きっぱり燃やしたら別でしょうが……こんなに大事にするということは、りんとトキが指摘するように恋、そしてロマンスなのでしょう。

冷戦状態のてんは、風太につんけんした態度を取ります。
出かけるてんに「おはようおかえりやす~」と声を掛ける店の使用人たちが、京都って感じでいいですね。

その様子を見ていた新一は、ちょっと途中まで一緒に行こうと付いていきます。

新一は見合いの話を持ち出し、自分が研究に打ち込むから伊能製薬との縁談を無理に引き受けず、好きに生きてええ、と理解を示すのでした。

「手紙のことで、風太と喧嘩したんやろ?」

新一に言われて驚くてん。新一にはお見通しです。
新一は儀兵衛の目を何年も盗んでいた風太を労ります。それを聞いて、てんも何か思うところがあるようで。

 

朝ドラ名物 ヒロインに片思いする便利な男・風太

橋の上にたたずんでぼーっとしている風太。
そこへてんがやってきて、「わっ!」と脅かします。

風太は口減らしとして僅か七歳で丁稚にされ、寂しい思いをしてきました。
ひねくれて反抗的だった風太。たんこぶを作るほど儀兵衛に叱られたこともありました。

そんなとき、てんは大笑いしてたんこぶを饅頭にたとえたそうです。
そして饅頭を半分風太によこし、こう言ったのです。

「たんこぶ半分こや」

てんは風太は自分の弟や、この家の家族やと言って回りました。
風太は三歳年上ですが。そんなてんの優しさに救われていたのでしょう、風太は涙ぐみます。

「かんにんな、怒ったりして。うちにとっては、風太も大切な宝物や」
そう言うと半分に割った饅頭を差しだすてん。

朝ドラ名物ヒロインに片思いする便利な男ポジションは風太ですね。
前作『ひよっこ』ではヒデがそこから昇格して結婚相手になりましたが、風太はそうはならないわけです。

 

藤岡屋の薬品倉庫が全焼してしまう!?

そのころ、大阪では北村藤吉が「てんてんてんごのおてんちゃん」で始まる手紙を書いていました。しかも岡山にいるのに、北海道にいるとホラまで入れて。

キースから次の巡業先は秋の京都の「くすり祭り」と知って、藤吉は喜ぶどころか動揺します。
北海道にいると嘘をついていますから。それどころか「南北亭」でトリをつとめているだの書いていますしねえ。

てんちゃんってあのチョコレートくれた子やな、と盛り上がるキース。

それをリリコはじっと黙って聞いています。リリコは二人に座頭が呼んでいるで、と教えると二人が去るのを見届けます。
そしておもむろに、書きかけの手紙を丸めて火鉢にポイと入れて燃やすのでした。

「女の嫉妬が燃えている」とちょっと怖いナレーションではありますが。リリコは大河ドラマ『おんな城主直虎』の龍雲党みたいなカラフルな格好をしていて、美しく、そしてなかなか可愛らしいのです。

北海道と書いたからにはあの手紙はどのみち没になる可能性が高いわけで、それを燃やすのだから害はさほどありません。
憎いようで可愛い女性ではないでしょうか。

さて、そのころ。
藤岡屋に大事件が起こります。
なんと神戸港で大火災があり、藤岡屋の薬品倉庫が全焼してしまいました。在庫が全部燃え尽きた藤岡屋。さあどうする?

そんな家の危機はいざしらず、てんは自分の恋心をじっと考えているのでした。これはロマンスの始まり?

 

今回のマトメ

今回は幼なじみの風太にクローズアップ回ですかね。

昔は家族の絆が強かった、とは言われますが。その一方で、子だくさんの家ですと風太のように我が子を口減らしに働きに出していたわけです。
儀兵衛もそんな生い立ちかもしれません。能天気なようで、彼なりに思うところはあったわけです。

せっせと手紙を運んでいた、健気な風太。どこかで報われるとよいのですが。

風太といいコンビになりつつあるのが、女中のトキです。
まだ若く、全面的にてんを応援する明るいトキ。家のことより主人の気持ちが一番大事で、ロマンにあこがれる彼女と妹のりんが、今後も恋のキューピッド役を果たしそうですね。

今日はてんのドレス姿も鮮やかでした。
ドレスや小物、カメラマンを連れて着た儀兵衛の気合いもたいしたもの。
明治のお嬢様らしい華やかな装いも、みどころのひとつとなるでしょう。

なんだかんだで今日もまだ伊能栞はおあずけ。
さぞや気合いの入った格好いい発登場をすることでしょう。その答えは、明日か、あるいは明後日か。

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

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【参考】
NHK公式サイト

 

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