スカーレット17話 感想あらすじ視聴率(10/18)大久保! 大久保! とやあ〜!

顔が明るくなると、心も明るくなる

合間に、さだに頼まれて久々の荒木商事に向かう喜美子です。

そこではメイクレッスンをしておりました。
はぁ〜、NHK大阪さん、お疲れ様です。

メイクって実は結構難しい。流行がありますからね。

※1:00あたりが喜美子少女時代からの変遷

ですので、ドラマでは当時の流行をあまり再現しない。

時代劇ですら、当時のメイク流行にあわせると。
80年代の時代劇あたりを見直すと、戦国武将の妻でもあの時代のメイクをしていて、びっくりさせられますよ。

それでもここ数年のNHK大阪朝ドラのヘアメイクや衣装は、あまりに現代的で、もうちょっと真面目にやってほしいと散々愚痴ってきてはいた。

手間かかるんですよ。
わざわざその時代のものを調べるから。

本作はどうするのかな?

銀行から帰ってきたさだは、ヘアメイクリハーサルだと言います。そこにお弁当を届けるのが喜美子というわけ。

この落差――。
すっぴんで髪をおさげにして、ボサっとした服装の喜美子と。
ヘアメイクがバッチリ決まった荒木商事のみなさん。

シンデレラってこういうことかも。
舞踏会を目指している姉たちの横で、ヒロインが働いている。そういう図式に見えなくもない。

招かれている先生は、道頓堀のキャバレーから来ているそうです。先生はホステスやと謙遜しております。
お化粧は抜群にうまいってさ。売り子さんはモデルも兼任です。

道頓堀やー!

阪神ファンが飛び込んだり、カーネル・サンダース像が投げ込まれたり、蟹やくいだおれ人形があったり。
今は大阪庶民の街というイメージがあるあのあたりですが。
繁華街やからね。そらキャバレーもあるわな。

NHK大阪なのに、道頓堀が出てこないのは、正直どうかと思っていた。つらいです。道頓堀が好きだから。それが、やっと出てくれたか!

売り子さんもモデルをやるそうです。

このメイクアップ講座では、こんなやりとりも。
「京子さん、ちょっと! 眉毛が海苔はりついたみたいになっとるで!」

「海苔はひどいわぁ。あ、ほんまや」

関西らしいねえ。

ここで最後の仕上げに大事なのは、口紅だと説明されます。
元気のない時も口紅を塗るだけで、顔がパーっと明るくなる。顔が明るくなると心も元気になるのです。

これやで。
メイクの真理や。

モテメイクって概念はある。男受け、合コンでどう思われるかとか。そういう話がある。
コンビニで雑誌コーナーを見れば、見出しだけでもたっぷりとある。

「やっぱりあんまり派手なメイクだと、男としては引いちゃうよね(24歳、美容師)」

「かわいらしくて守りたくなるような、そういうメイクが好き(21歳、大学生)」

みたいな、アホらしコメントつきのやつや。

それでええんか?
メイクの原点って、人の目だのモテ以前に、自分がイケイケであがる、そういうことちゃいます?

元気のない時にメイクして、気分が盛り上がること。
そうセリフで言い切る本作には、パワーを感じます。

心の底から女を応援する。
そういう気合いを感じるのです。

給料はなんぼや?

ここでさだは、喜美子を呼び出します。

「こんなとこであれやけど、お給料日。今日はおそなるから、ここに渡しとく」

下着ショーも、取材のちや子と見に来るようにと言われるのです。

喜美子はワクワクしています。念願のお給料や!

ここで、きっちりと物価の説明があります。
大卒初任給が6千円の時代です。

うん、わかりやすいね。
ジョーが丸熊なら1万円かも、と期待した理由もわかります。

さて、いくらかな?

給料袋の中身は千円札一枚でした……。

唖然とする喜美子です。
ここでさだは気づきます。

「きみちゃん! 忘れとった!」

「忘れてました? まさかとは……」

そうそう、お札足りんもんね。

否。ちゃんとした給料は、大久保がいなくなってから。説明不足だったと。
大久保がいる限り、きみちゃんは見習い。一人前じゃない。

すべて任されてから、全額喜美子のものになる。

そんなことあっていいんか!

喜美子の怒りはますます炸裂します。それを枕柔道にぶつけるしかない。

「大久保! 大久保! 大久保! 大久保! とやあ〜! とやあ〜ハァハァ……よっしゃ!」

もう、気張れなんて言えへん。
しんどすぎるやろ。

女の敵と戦う本作

ストッキングか……。

生足は失礼でストッキングを履けとされるのは、もう時代遅れです。

破れ易くて非合理的で、仕事の生産性に無関係。
ハイヒール強制と同じく、身嗜みということで押し付ける構図。あんなもんは、もう要らんという時代です。

むしろ夏は蒸し暑く、冬は寒いという、生産性を下げかねないバカバカしさもある。
おまけに変なフェチズムまで生み出していて、地獄みしかないやんか。

履きたい人が履くのはいいとして、ビジネスマナーだの、強制だの、そういうんはおかしいやろ。
そもそも、パンツスタイルならいりまへん。

ストッキング修繕を通して、そのへんの不合理を改めて見せるのだとすれば、NHK大阪には抜群の策士がいますね。

興味深い。
毎日毎日、どこかしら驚異的で抜群の聡明さを感じる何かがある!

#KuToo 提唱者の石川さんが「100人の女性」に選ばれる2019年下半期。
そこにぴったりの、時代と並んで疾走するドラマをNHK大阪が生み出している。

すごいことだと思います。

◆‪「100人の女性」に#KuToo運動始めた女優ら日本人2人 – 毎日新聞

男のネクタイ。
女のハイヒールやストッキング。

どちらもいらんやろ。
スティーブ・ジョブスのように好きでいつも同じ格好でも、いいものを売ればそれでええ。そういう時代にしていきたいものです。

本作のテーマは、陶芸のはず。
それなのに、大阪でお手伝いをする意義は何でしょう?

大阪のコテコテした生活を描く、それもあるはず。けど、それだけかな?

どうしてさだは、ファッション関係者なのでしょう?
何か深い意義があると思う。

誰かを喜ばせるためでなくて、女が自由に装うところへ踏み込むのかもしれない。

そして大久保と喜美子が直面する、シャドウワーク問題。
見ているだけでゾッとするほどしんどいのに、給料は安い。それは喜美子が見習いというだけでもない。

シャドウワークそのものが、誰にでもできる簡単な仕事として、賃金や地位を抑圧されてきた構造もあるのです。

このへんを真面目に切り込むと、重たくなってしまう。
枕柔道でおもしろがらせつつ、深く切り込んでいく――女の敵に挑む構図を感じるのです。

考えに考え抜かれた、大阪らしい戦い方がそこにはある。
毎朝三度は驚かされる。

100作目以降、朝ドラを変えていくという強い意志を、東西からしっかりと感じます。

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
スカーレット/公式サイト

 

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