スカーレット40話あらすじ感想(11/14)信作ちゃうて痛作や

丸熊陶業の朝――。
フカ先生はめっちゃ集中しているらしい。

喜美子は、そーっとやかん交換に行きます。

喜美子が怒られないか心配しになる照子。

「気ぃつけぇ、先生怒らせんよう気ぃをつけぇ」

そう言われつつ工房の中へ。
喜美子がやかんを持って入ってゆきます。

鳥の声がする朝の工房。フカ先生はじっと火鉢に向き合っています。

そろり……そろり……。
やかん交換は終わったものの、喜美子は集中しているフカ先生が気になって仕方がない。

くしゃみして、うなり声をあげつつ、火鉢に向き合うフカ先生。
赤と白の花が描かれてゆく。

好奇心を抑えきれず、思わずそーっと背後から近寄り、そして横から覗き込み、驚いてしまうのです。

喜美子はいったい何を見たのだ!?

親心子知らず

大野商店では、陽子がちゃちゃっと接客を終え、マツに住所や電話番号の一覧を見せています。

一瞬だけ接客シーンがありますが、お客さん役も含めて滋賀ことばが柔らかくてええですね。

本作は大阪、滋賀、京都それぞれの言葉指導がついております。
関西弁の細かい違いを反映させる、素晴らしいことだと思います。

さて、その一覧とは?

絵付け火鉢を扱う工房でした。

なんでも永山工房さんがよいとか。
ちょっと通いけれど、代替わりして、息子が社長になってから絵付けに力を入れており、職人さんも多いそうです。

そうなれば、絵付けを教えてくれる職人さんもいるかも!
女の子は厳しいかもしれんけど。そんな条件はありますが。

マツは喜びます。

「行って聞いてみる! ありがとう!」

陽子はここで、いっぺん電話してから行くように促します。
それでもマツが「いやいやいや……」と固辞するとこうだ。

「もうわかった、かけたげるわ」

しみじみ大野夫妻って、ぐうの音も出ないほどの聖人ですね。
ちょっと凸凹した川原夫妻をよく支えております。

そしてここで、卒業式帰りの信作が帰宅。背後には今日子という女子生徒がいます。

「おばさん来てたんや……」

ろくに挨拶もせず、マツが卒業祝いにおはぎを持って来たと聞き、やっとこうです。

「わざわざすんません。あとでいただきます」

そして当然のように今日子を連れて、家に上がっていく。

この間、陽子の顔がすごい。

「なにかいてたで……」

マツがそう声を掛けます。

「三日前に連れてきおった。ギター覚えてな。二人でよう弾いとるわ……」

「同級生?」

「つきあってるんちゃうん?」

信作、弾けていた模様。これには親もイラっときます。なんでも、話を聞いても詳しいことは一切言わないそうです。

陽子はここで、信楽町の永山陶業に電話。
そして愚痴るのです。

男の子はつまらん、話してくれないってさ。

伊賀の甘やましぃだったおばあちゃんが亡くなってから、しゃべるようになったとはいえ、それも外だけ。

「親には『あっ』、『うっ』、『やっ』しか言わへん」

陽子は電話を続けます。

信作の激痛青春ライフは、見たいようで見たくない。ですので、ここまでとしまして。

マツは陽子から聞いた結果を、川原家で話します。

永山陶業なら、週一で大勢いる職人が交代で教えてくれるそうです。
女の子でもまあええんちゃう、って!

週一で半年終えたら、簡単な作業だったらやさせてもらえる。絵付け火鉢は売れているから、それでいいそうです。

うっとりとしたマツに、直子はこうだ。

「半年通ったらお金になるん?」

「本人の頑張り次第……」

「喜美子姉ちゃんならできる!」

マツがいなし、百合子は母に同調する。直子は、百合子は黙れという。短い会話で親子の関係が見えてきます。
脚本家の水橋氏は、人の会話や体験談をじっくりと聞いてきたんでしょうね。会話に優しいぬくもりがあります。

直子はムキになる。
お父ちゃんは週一でもお金にならんことやらせない。そう言うわけです。

マツはそれを受けてこうだ。

「お母ちゃんがやる!」

「言えるわけない」

「ないけど、気持ちよく酔わせたところでうんといわせる! お母ちゃんにまかしとき!」

マツ、頑張る宣言!

マツは頼りない。
喜美子に依存しすぎてジョーに反抗しないから、「毒親」なんて意見もあるようですが。

うーん、それはこの年代が置かれた状況、マツの生育環境を無視したように思えるのです。

選挙権もない。物事の契約もできない。
女は無能で何もできないと法律が定めている。ずーっとそう頭を押さえつけられてきて、それに順応してしまった。

『あさが来た』のような環境じゃないんですよ。

喜美子に頼りすぎなのは、川原家だけの異常な状況でもありません。

当時は、とにかく女性は義務教育後に金を稼いでこいと言われてしまう。
マツが際立ってひどい親ではないんです。これは恐ろしいことに、ジョーもそうです。

マツは病弱だし、実家の支援もないし、できる範囲で頑張っている。
等身大のお母ちゃんだと思う。

そして見ている側にも、こういうマツのような母や祖母はいてもおかしくないのです。

そこをちょっと想像して、調べて欲しい。
現代の基準でダメな親だと言わないで、ちょっと想像してみていただきたい。

それこそが朝ドラの使命でもあるはずです。

あかん、お見合い話撃沈

そしてここでジョーが帰ってくるのです。
しかも、何か連れて来ました。

登場の瞬間から「あかん」としか言いようがない、今朝も安定感があるジョーのカッスパフォーマンスに期待が高まります。

「入ってください、入って! 喜美子ぉ挨拶しなさい! 米屋のお宝さんの三郎さん。この前言うたやろ」

聞いてへん!
あんなん話のうちに入らん!

そう突っ込みつつ、毎朝ジョーを殴りたくなる人も多いのでは。

ジョーはご機嫌です。
なかなか話がまとまらなかったらしい。それがようやく念願叶ったために上機嫌なようで、嫌そうな相手を強引に家まであげます。

「喜美子ぉ!」

「なんでうちが」

「結婚するのはお前やろ!」

「そんないきなり!」

「そうなるかもしれんから、黙って上がれって」

喜美子はもちろんのこと、マツも困惑しております。
こんなん、マツが止められるわけないやん。レトロコミカルなBGMが流れますが、笑ってええんかこれ?

直子は邪魔者扱いされて、座布団を出したと思ったら追い出されます。

「酒、酒! 酒持って来んかもう!」

連れてきた相手・三郎もさすがに困り顔。真面目そうなサラリーマンですし、どう考えてもこれは迷惑しております。

「僕はもう……喜美子さん! 僕ははよ結婚したい思ってます」

「いきなりやんもう!」

「ちょっと待ってください!」

「喜美子さん以外の人です。心に決めた人がいるんです。喜美子さんには申し訳ない。今日来たんは、ハッキリお断りさせていただくためです。喜美子さんのお気持ちにはお応えできません。許してください。堪忍してください。すんません、すんません、すんません、すんません!」

「あの! 三郎さん! あの!」

「すんません、失礼します!」

【速報】三郎、初登場数分後には退場。再出場、なし!(確定)

三郎を演じるのは「NONSTYLE」の石田明さん。
本作はやはり、極めて有能です。関西のお笑い芸人さんが一瞬出て、話題をさらう。

「ええなぁ……俺もそろそろ『スカーレット』出な(アカン)」
と思われる、そういう作品になっとる。

マツと百合子が、凍りついた目でジョーを見ています。
ジョーは適当にごまかそうとする。

しかし、喜美子には通じない。

「お父ちゃん……」

「なんやおかしいなもう、なんやおかしいやっちゃなもう!」

「うち結婚する気なんてないで!」

「まだええけどな」

一、二年のうち云々言うジョー。

それでも結婚しない。やりたいことあんねん。喜美子はそう切り出します。そんな姉を見守る直子。

いつ結婚するのか?
そういうものじゃない。喜美子はそう反論しますが、ジョーには通じない。

結婚できへんと脅されても、喜美子はこうです。
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