わろてんか86話あらすじ感想(1/15)アラフォーで未婚のケンカップル

時代は大正から昭和へ。
技術革新もめざましく、巷では活動写真やラジオが人気を博しております。

商業都市・大阪では、お笑い興行元「北村笑店」が相変わらずの人気ぶり。

大勢の芸人、たくさんの寄席を抱え、東京にまで進出し、まさに向かうところ敵なしであります。

 

長屋暮らしが好き過ぎる

今日はラジオ体操を始める長屋の様子からスタート。
ラジオ体操開始が昭和3年(1928年)なので、それ以降ということでしょう。

それにしても、芸人さんはもちろん、北村夫妻も結構な収入でしょうに、いつまで長屋に住むつもりでしょうか。
長屋の様子が変わらなさすぎて、時代の変化がイマイチ感じられません。

変わったと感じられるのは、北村家が洋風にリフォームされて、ガスや水道が引かれた点でしょうか。

万城目夫妻は東京へ。
キースやアサリも東京に呼ばれる程度にはウケているようです。

ここでちょっとツッコミ。
先週も書きましたが、当時は東西の笑いのツボがかなり異なりました。

ですので、東西で芸人が行き来していたとはあまり思えません。

史実の吉本は、せいの弟・弘高が経営を任されています。
兄・正之助(風太のモデル)と性格の違うタイプで、そこが東京と性が合っていたようです。しかし弘高に相当する人物は、登場しないものと思われます。

 

亀井は120歳になっても出続けてくれなきゃ困る

隼也も多感な中学生に。藤吉も似合わない髭をたくわえました。
髪型といい、髭といい、松坂桃李さんに何故こんな罰ゲームを……とツッコミたくなる珍妙さです(´・ω・`)

んで、てんは未だに赤い着物…………こっちも罰ゲームのようだ。

風太は、番組から落語を外すようになりました。落語の人気は下火であるという判断からです。
今は何でも文化の時代、と言い出す風太。藤吉とてんは落語を大事にしましょうとたしなめます。

とかなんとか言うわりに、団吾も文鳥も、姿がとんと見えない。もっと出して欲しいなぁ。
ファッションや風俗、セットにも1920年代らしさが欲しいとも書いて来ましたが、無理そうなのでもう諦めることとしました。

ここで唯一気を吐くのが、亀井を演じる内場勝則さんのチャールストンダンス。

 

流石の芸達者です。
やはり本物の芸人さんが演じると、ひょうきんなシーンは何をやってもカタチになりやすいということでしょう。
藤井隆さんもしかり。

ただし、亀井は設定的に、もう当時は働いているのは不自然なくらい高齢という気もします。
劇中設定で120才くらいになろうとも出続けることを切実に願います。
そうでないとあまりにキツい。

 

やっぱり隼也はゴリゴリの「構ってちゃん」設定でした

隼也は中学生、15才になりました。

ここでまた学校から、彼の行動について連絡が入ります。
前も突っ込みましたけど、昭和初期の学校がこんなことでいちいち家まで電話入れへんやろ(わろてんか75話あらすじ感想(12/27))。

隼也は、テストで白紙答案を出したそうです。家を継ぐと決まっていることが不満で、こういう行動をして親の気を引きたいらしい。
どうでもええ……ほんま、どうでもええわ(遠い目)。

隼也はナリだけデカくなり、何か気に入らないと友達を殴ったり、テストを白紙提出したりして気を引く、いわゆる「構ってちゃんタイプ」のようです。
成田凌さんになってまで、そういう行動をやりそうな気がしてきました。

これは何も彼だけではなく、基本的に本作は、気を引きたくてわがままな行動を取るお子様ばかりの世界ですしね。

一方、風太とトキは今週もケンカップルです。

今週で15才になった隼也が生まれた当時から、いや、その前からずーーーーーーっとそんな感じですけど。
トキと風太の年齢はいくつなのでしょう。隼也誕生時が20才前後としたら、この二人ってもうアラフォーですよね。

アラフォーになってもツンケンしたケンカップルに脱力orz

 

“Marry me!”とプロポーズ

トキと風太については、見かねたキースとアサリが、「はよ結婚せい」とせっつきます。

風太は、
「……好きや、好きや、好きや、好きや、好きや、好きや、好きや、好きや、好きや、好きや、好きや、好きや、好きや、好きや、好きや、好きや、好きや、好きや、好きや、好きや、好きや、好きや!!」
と連呼。
見ているコチラは、トキメキ気分に感化されるどころか、なんか牛丼でも食べたなってきたわ。

ここでキースが花束とドーナッツを渡して“Marry me!”とプロポーズしろと言います。
これ、絶対英語通じなくてズコーッ、ってなる寒いやつ。
誰が見てもわかりやすいオチを空前絶後の予感です。

ここでりんがまた登場となりました。
どうやら隼也は藤岡屋の支店に来ているそうで。

それこそ、電話連絡でも良いのでは?
しかし、家出してもせいぜい母親の実家支店に行くあたり、隼也の「かまってちゃん」っぷりにも程がありますなぁ。逆に恥ずいやろ。

 

りんは雰囲気と衣装がいいなぁ

りんは、隼也に気持ちがわかると言い出します。
姉が無責任駆け落ちして、突如家を継げとなったわけですがら、そりゃあ思うところもあるでしょう。

隼也にもチクリと嫌味を言われていましたが、藤吉もてんも、家業を継ぎたくなくて逃げたカップル。
それなのに、嗚呼、それなのに……息子の気持ちをまるで理解できず、外野からたしなめられてる始末です。

にしても、りんは雰囲気と衣装がいいですね。
てんも、華やぎと既婚者らしい落ち着きを兼ね備えた、こういう衣装を着ればいいのに。いつも店の法被ばかり着ていますが、たまには羽織を着てもいいと思うんです。
ごりょんさんらしさがいつまで経っても伝わてこないのは、衣装の問題もありますね。

風太は、オーパーツとしか思えない花束をトキに差しだしながらプロポーズ。
この花束、そのへんの花屋で買ってきたものそのままですが、何とかならなかったのでしょうか?
脚本の仕上がりが遅れて現場が押しているのか、スタッフのやる気が尽きたのか。いずれにせよ、深刻な問題があるのではないかと不安になってきます。

そしてこの寒いネタ。
「まりーみー!」
って、通じるワケないやん。

トキはドーナツをありがたがる。
キースは手のひらを返したように、英語が通じるわけないやろ、とか言い出します。なんやそれ!

しかし、これみよがしに軽妙なBGMが流れ、
「さあ皆さん、笑って下され、さぁさぁ、オモロイでっしゃろ?」
と急かされているようで、なんとも……。笑いの強要ほど、寒いものはござーせんよ(´・ω・`)

 

鈴を鳴らしてないでシッカリ手足をさすってあげなはれや~

藤吉は、勉強もせんで本を読んでばかりだと、隼人の部屋を片付け、文句を言います。
そして、倒れる。
朝から疲れる、頭が痛いと言っていたのは、このためでしたか。

「藤吉はん! 藤吉はん! 藤吉はん! 藤吉はん! 藤吉はん!」

やっぱり本作は、連呼が好きですね。
過去にはホーホケキョ連呼(わろてんか35話あらすじ感想(11/10))なんてのもあり、今日は今日で風太の「好きや」連呼、そしててんの「藤吉はん」連呼。ともかく叫ぶが勝ち!

てんは病室に駆けつけて、医者から「脳卒中、要は中風のことだ」と説明を受けます。
麻痺が残るかもしれないと。

「ちゅーふー……」
「まひ……」
能面のような顔のまま、医者の言葉をオウム返しにするだけのてん。
もう、ちょっと気の利いたセリフはなかったんですかね。

てんは、藤吉をさすりながら、二人の思い出アイテム(というわりには忘れられていた)の鈴をチリチリと鳴らします(わろてんか6話あらすじ感想(10/7))。

二人の思い出で泣かせようという意図はわかるんですが、医者に「手足をさすれ」と言われたんですから、そんなことをしていないで「もっと真剣にさすれ!」と思ってしまうのですが。

 

今日のマトメ「藤吉の死を控えて……」

史実では、藤吉のモデルである吉本吉兵衛は大正とともに世を去っています。
つまり、昭和になった今週からは命の延長戦ということですね。

吉本せいの伝記では、せいが吉本の経営にがっつりと食い込むのは、夫の死後。
本作はどうしてもカップルものにしたいため、史実での時系列を並び替えて、本来夫の死後となる出来事を前倒しして入れています。

そのため、時空が歪んでいるのは指摘してきました。

それでも、どうやら「命の延長戦」をやるようです。
ならば、あんな時空を歪ませなくてもよかったんでは?

それにしたって、今週は藤吉が生死の境をさまよう重要な週でしょうに。
サブプロットで何故、風太とトキの結婚までやるのでしょうか。
かまってちゃんの隼也は、父が危篤となった姿を見てコロッと改心するのでしょうから、まだよいとして。

社長が死にかけているのに、大番頭は結婚できるかソワソワ~とやるつもりなんでしょうか。
ラジオの件も、やるみたいだし。

メインの人物が死にかける週にも、しょうもないケンカップルのツンデレ恋模様を入れねば気が済まない本作。
そんなもん先週に終わらせとけばいいのに。なぜ脇役母子(栞と志乃)の再会に、まるごと一週間も使ったのでしょう。

なんだか恐ろしいものを見ている気がしてなりません。

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

【関連記事】
吉本せい 吉本興業の歴史

【参考】
NHK公式サイト

 

1 Comment

こえり

こんばんは、もう挫折しそうです…(┯_┯)風太とトキの流れはもうウンザリです。何であんなに引っ張るのでしょうか?皆がヤキモキするのを狙っているのでしょうか?ヤキモキでは無くイライラしかありません。寺ギンと袂を分かった辺りでくっつけておけば良かったんですよ。「朝が来た」の梅さんと雁助みたいな大人の秘めた恋愛なら応援したくなります。風太達のは「まだやってんの?」しかありません。しかもくっついたところで
てん「風太、おとき、ほんまよかったなぁ」
以上!
で終わりでしょ?なんの余韻もなく「続きまして~」と雑に他の話が展開されるんでしょ?
と私は言いたい。

一緒に見ていた小学生の子が風太の花束を見て「お姉ちゃんのピアノの発表会でもらった花束に似てるね!」と言ってました…ホンマやね。イオンの花屋で注文したのかしら。

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