スカーレット62話あらすじ感想(12/10)ミッコー&ハッチーやで!

「お父ちゃんおはよう。昨夜寝てしもたやろ」

「ちょお飲みすぎた」

かったるそうな父に、もっかいちゃんと話したいと迫る喜美子です。
十代田さんも頭下げてる。どうか会うてください。

そう言うものの、ジョーは顔をざぶざぶと洗うばかりです。

「ええけど」

「ほな、会うてくれるん?」

「ああ、構へんよ。今日でも明日でも」

「ほんま? ほな、今日早速ええですか?」

「おう、わかった。せやけど結婚はあかんで。あいつはあかん」

ズコーッ! SEも入ります。

これを受け、商品開発室では作戦会議です。

「なんであかんのやろ?」

喜美子は悩む。そんなん悩むだけ無駄や。無意味な感情論やん。
それでも八郎は前向きです。

「けど、会うてくれるんやろ。会うてくれるだけでもありがたい。百回でも、二百回でも会いに行く。許してもらえるまで何回でも行く! 大丈夫。そんな顔しな。いっしょに乗り越えよな? さっ今日も始めるで!」

これを出社したばかりの津山がドアの向こう側で聞いています。あっ……!

「一緒に乗り越えよな?」

場面は喜美子の絵付け火鉢工房へ。
焼く前は淡い色で、こんなに色変わるんですね。

おもしろい!
陶芸って面白いですね。

ミッコー&ハッチーを推す社長夫妻

その絵付け火鉢工房に、社長夫妻が入ってきます。
そしてこう切り出します。

商品開発室で、朝から十代田と二人でどういうことなのか?
陶芸だけなのか?

照子が切り出します。
仕事のことは、全部敏春さんに任せているけれども、社員の揉め事や悩み相談はしている。そういうことが内助の功、力になるためのことだと。

照子も大人になりましたね。
そうそう、昭和の内助の功とはこういうことです。

昨年の放送事故ヒロインも、史実ではそういう方だったんですけどね。それがドラマでは、オカルトお告げと顔芸を繰り返し、公私混同しまくる謎の存在でした。あれは何だったのやら。

ちなみに、あの顔芸ヒロインの絶叫と、八郎の絶叫は違います。
後者は彼の特性をふまえたものですが、前者は何かの……ま、事故やろな。

照子は、社長夫人としての顔を見せてから、こう来ます。

「なんで言うてくれへんかったん! いつのまにそんなことになってたんもう!」

おう、関西のおばちゃん仕草やん!
大島優子さんの演技力が引き出されとる!

喜美子は信作から聞いたのかと確認します。
案の定そうでした。それだけでなく、社員でも噂になっているそうです。社員食堂でも、八重子と緑がはしゃいでいることでしょう。

それだけでなく、なんと、敏春は八郎本人からもキチンとと話をされているそうです。誠実やなぁ。

「ええ男やのう! ええのんつかまえたのう!」

「なんちゅう言い方や」

この照子の関西おばちゃんっぷりが完成度高い。たしなめる敏春も素晴らしい。生々しい。
なんちゅう台本と演技指導、そして演技や。敏春の本田大輔さんもええわ!

敏春としては、他の社員の手前もあるし、早く所帯を持って欲しいってよ。外堀埋め尽くしましたやん! やった!

喜美子はここで、こう言います。

「まだ許しをもらえてないんで」

ここで社長夫妻は意外そうな顔をします。照子は将来有望やで、と言う。
センス抜群の夫を信頼しているわけです。敏春さんが見つけたんやから、ええと。

敏春はその理由を告げます。
陶芸家として名を馳せてもおかしくない。釉薬をうまいこと使う。センスと将来性を高く買っている。
この前の工芸展でも惜しいところまでいった。賞も取れるかも。入選したら宣伝にもなる。

主力商品とは、人でもある――敏春の目敏さがクローズアップされますね。

慶乃川は、芸術性の高い陶芸を引退後にやるだけでしたが、前向きにそういう芸術魂を商品にするのが敏春なのでしょう。これはできる!

そんな陶芸家になったら、もうこれはマスコットボーイハッチー。そう盛り上がる照子。

ミッコーとハッチー。
確かにこれは宣伝材料バッチリや!

「ほんまええのん、捕まえたのう!」

「そやからなんちゅう言い方や。ほら冷えるで、ちゃんと掛けとき」

妻をやんわりと嗜めつつ、妊娠中だからと気遣う敏春。
紳士やん。この夫妻もええね。

本作の夫妻は、基本的に皆、仲の良い雰囲気が出ていてええと思う。ジョーカスですら、マツとの間に愛があると思えるし。

ジョーがヘマをしない限り結婚できる!

せや、問題はジョーカス攻略やで……。

そのころ、このジョーはちゃぶ台前で愚痴っておりました。脳裏に浮かぶ、喜美子の言葉です。

十代田さんには、陶芸家になる夢がある――。

「はあ、何が夢じゃもう、ふわふわしたこと言いやがってほんまにもう!」

おもろい。北村一輝さんは、海賊になると言うふわふわしてるのかよくわからん夢あって、俳優になったんですよね。

ドラマの作り手は、こういうジョーみたいな敵と戦って生きてきた。

「何がドラマじゃ。何が脚本家や。アホか!」

そういう敵を乗り越えてきた作り手が、渾身の反論をする。
クリエイターになるのは、女にモテたいからやない!

作りたいもんがあったんやろ? せやな?

そんなジョーの前に、ミッコー&ハッチーが頭を下げてやってきます。
マツと百合子はそっと迎えますが、援軍として使えるかどうかはわかりません。百合子は微妙、マツは期待しない。

さぁどうなる?
水曜日、鬱陶しい咳払いをするカスを倒せるのか?

カスは理詰めで攻めてもあかんからな。
暴力はもっとあかん!

【鳴かぬなら 鳴かせてみよう 不如帰】

ここが大勝負や!

あなたは八郎とつきあえるか?

八郎の言葉にキュンキュンする反応は、わかる。けれども冷静に考えたいところはある。

こいつはめんどくさいで。

・語り出す、話長い

→八郎の陶芸釉薬蘊蓄うんちく語り。ノート片手に、蘊蓄語り。

ここで「すごい! 賢い! さすがぁ!」ってなります?
いや、ならんやろ。ならないとは言い切れないけど、ちゃうやろ。

松下洸平さんも、演技指導さんも八郎の個性を踏まえておりますから、相手の理解度を確認しないまま、だーっとグイグイ話している。

こんなん昆虫標本だの、集めたプラモデル自慢始めたガキみたいな喋り方やん!

『なつぞら』ではイッキュウさん本人にもありましたが、その父がなつ相手に考古学トークを延々としていましたよね。
相手の相槌や理解度すら確認しなかった。その横で、妻は悟り切った笑みを浮かべていたものです。

これも八郎の個性なんだなぁ、うん。

「なんかキモっ!」と、そうならずに、自分の色を出したいメカニズムを語る彼に対して「ええなぁ」と言えるからこそ、喜美子なんですよ。

自宅でマーブルマシンを作ってるめんどくさい『半分、青い。』の律とか。

職場の階段でアニメ理論問答をしてくる『なつぞら』のイッキュウさんとか。

こういう独特の、相手の変なところを乗り越える。そういうヒロインです。

・絶叫&ローリング
→はい、この八郎絶叫。おわかりいただけたでしょうか。

胸がときめいて、特にいけないことがらみになると、感情がオーバーヒート起こして奇声を発するのです。

あれだ。『ゴールデンカムイ』の鯉登少尉。興奮すると叫んでゴロゴロ転がったり、早口でダーッと話すのは薩摩隼人の個性ではなく、彼の性格やから……。

薩摩隼人が怖すぎ!漫画ドリフターズやゴールデンカムイなどで強烈な彼らを検証

※叫ばなければ、普通にナイスな男なんやけどな……

喜美子は「アホやな」で済まされておりますが、この時点で乗り切れるかどうか?
そこなんよ!

ムードが高まったときに抱き寄せてくるわけでなく、壁ドンするわけでもなく、叫ぶ。転がる。
こういう相手でもええんか?
そうNHK大阪は突き付けているんです。

・ご飯作るで!

→これもな……ええやん? って、そう思いますか。

喜美子は家事をしてきたし、大久保さん直伝の料理スキルがある。百合子も大好きです。
それが使えんのかもしれんのよ。八郎の方がうまいかもしれんよ? 謎のレシピノートあるかもしれんよ?

そういう女子力アピールできないことを、あなたは乗り越えられるのか?

「むしろええんちゃう!」と言えるのかどうか。ここや、ここなんや!

イッキュウさんもご飯をウキウキしながら作っておりました。
人間は、世代の影響も受ける。八郎もイッキュウさんも、世代的には「男子厨房に入らず」です。

でも、人間には時代の前に個性がある。
彼らの個性では、台所仕事への偏見がないのです。

「イッキュウさんみたいな男はありえない! この世代の男はそうじゃない、年下である私の夫もそうだった!」

うーん、せやな。荒木荘の圭介なんかせやったな。それは普通の男だったからやろなぁ。
人間には意識や規範でできんこと、ありえんこと。それとも物理的にありえんこと、二種類ある。

◆意識や偏見のせいで【ありえない(と、みなされる)こと】:イッキュウさんの家事と育児、10歳上の女性とつきあう『半分、青い。』のまーくん

◆あかん、物理的にありえんこと:史実では収監中に自宅で発明してしまった、昨年の放送事故モデル

ここが大事なんです!

「怪我しとる! ご飯作れへんな、作ってアピールしたろ!」

喜美子が、圭介のおはぎと同じ作戦を取ろうと思っていたら?
それができん。

それに、夫婦はよくても世間はどう思うか? という問題もある。

『なつぞら』では、なつが叩かれていました。
『半分、青い。』でも、鈴愛がそうでした。

その理由は?
イッキュウさんや律が特に嫌がっていない、むしろ楽しんでいるのに、こういう見方しかできん人がいる。

「なつや鈴愛は生意気! 男にやらせてだらしない!」

「申し訳ないと思わないの?」

「母として、妻として、女として、失格! 最低!」

「こんなに協力的な男なんているわけない! うちの父は、夫は……」

しかも、演じた女優や、脚本家まで叩かれまくってましたからね。

あれが世間の声やで。
それでも一緒に乗り越えられる?

ああいう世間の声に負けて、彼女らが自分たちのねじ曲げたら、どうなるのでしょうか?

そういう彼女らを苦しめている、普通に押し込もうとする残酷さ、滑稽さ、惨めさ。
変われない愚かしさを感じておりますか?

わかっとる?
わからんといかんでしょ?

そう豪速球を全力で投げてくる。期待しとるで!

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
スカーレット/公式サイト

 

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