スカーレット71話あらすじ感想(12/20)喜美子のコーヒーカップにも……

3月30日、川原家にジョーがふらふら〜っと帰ってきます。

「あ〜もう、疲れた。もう眠い。もう寝る。いててて……ほら青森の土産や」

仕事なのにおみやげまた買うてくる――そう言う喜美子に、お前でなくて百合子やと強がります。

ジョーを気遣う家族。
百合子は「ありがとう」とお礼を言う。

マツが「布団敷こか」と声をかけると、百合子がその前にご飯を食べさせないと倒れるといい、お茶をいれるとマツが返す。

「もう、こんなとこで寝んといて起きてえや!」

喜美子は倒れ込んだジョーを起こし、引っ張ってゆきます。

「いたいたいたいたっ、なにすんねん! 四日ぶりに帰ってきた親に対する態度か!」

ジョーはそう言います。
ここで喜美子はこう報告します。

【朗報】ジョー、増築を成功させる

「お父ちゃん、増築したところが完成しました。ふた部屋。畳もちゃんと入ってます」

「おおそうか」

「うちと十代田さんの部屋作ってくれてありがとうございました」

「誰がお前らの部屋言うた」

「ほんまに申し訳ない。八郎さんもありがとうございます言うてました」

「結婚するかどうか決まってへん」

ジョーは吐き捨てるわけです。

不器用なお父ちゃんに泣いた! とは言わんけど。
いや、こっちもうれしい。
絶対失敗する、あかんことになると言い切ってすまんかったな。ジョー、信じとったで! ここは熱い掌返しせんと。

でも、疲労困憊は心配です。

この先、倒れても、
「大酒飲みのせいやろなぁ」
と言わないようにせんと。ジョーが感動させるとかありえへんわ。

丸熊陶業は上り調子です

丸熊陶業では、絵付け火鉢の生産がさらに縮小しました。

メインは建築資材用タイルにシフトして、こちらに力を入れています。

耐久性、防水性に問題はない。色の調整もできる。
商品開発室では、三人がそう説明しています。

昭和の建築資材に、タイルは多かったものです。
お風呂場等、今にはない味がありました。本作のうまいところは、レトロなようでいて、当時持っていた最先端技術らしさを感じさせるところでしょう。

そんな中、喜美子は絵付け火鉢を運びつつ、待っています。

そこへ、八郎が何かを背後に持ってやってきました。

「わかったん? 発表の知らせやろ。待てやその顔は……裏の裏をかいてる?」

「作った」

「えっ」

「ご飯茶碗や。湯呑みは喜美子作ったのあるやろ。これで毎日一緒にご飯食べよな。これからずっと」

抱きしめるわけじゃない。子どもみたい。そんな無邪気な八郎の魅力炸裂です。
沼の民よ、おめでとう!

そこへ、照子が乱入してきます。

「おめでとう!」

八郎の口から言わせる前に入選おめでとう――というのも、まぁ、ええけど、おんぶ紐がキツキツだと喜美子が指摘します。

「ついにうちも、丸熊から陶芸家誕生や! 陶芸家ぁー!」

絶叫する照子。
うん、敏春だけでなくて、亡き兄も喜ぶでしょうね。

丸熊はこれからも順調や。
資材が不振になっても、信楽焼ブランドを育てていけばええ。そう思えるのですが、そうなると独立はどうするかということではありますね。

丸熊専属陶芸家になるのかな?
仮に独立したとしても、上手に提携すれば、双方にメリットのある関係でやっていけそうでもありますね。夢が膨らみます。

自慢のお婿さんや

川原家に電話がかかってきます。
ジョーが痛いとこぼしつつ、電話に出る。マツがそっと背後から夫を支えております。

よっこらせ。そう言いつつ受話器の先にいたのは、喜美子――ではなくて陽子でした。

赤い受話器がかわいらしい、「カフェサニー」から。

なんでもお客様として、窯業研究所・柴田寛治所長を迎えているそうです。
ほうほう、これはええんちゃうか。

それでハチさんの作品が新人賞を取ったとわかるわけです。

「えらいなあ、自慢のお婿さんになるやん!」

ほんまに、婿さんの湯呑み一個五万円、夢の生活に近づいたで。

忠信はここで、その八郎のコーヒー茶碗を出すわけです。

このコーヒー茶碗のことがモヤモヤしないのは、宣伝効果もあるということですね。これぞwin-winや!

柴田所長も感心して見ている。
頼んだら作ってくれたと忠信は言う。

席に居た敏春も気のええ奴やと付け加えます。

ここで、橘ひろ絵という女性研究員がいます。
これもそうか?とコーヒーカップを見ながら尋ねるわけですが、すかさず陽子が「これは奥さんになる人が作った」と言うわけです。

おっ?
喜美子も宣伝できとるで。

絵付けと陶芸どちらもできて、センスもある。喜美子もきっとこれから伸びるもんね。

受賞と結婚を祝うで!

そしてお祝いやで!
受賞と結婚の祝いが川原家で始まります。こういうときはしゃぐジョーですが、流石に今日はむっつりとしております。

黒岩が鯛を持ってくるあたりが、実にこの時代らしいもんがあります。めでたい!

そしてここで信作が「あかまつ」から差し入れをするのです。
受賞と結婚祝いで二本あるってよ。

それにしても、こんなにも酒瓶が映る朝ドラ、最近なかった気がする。

ジョーは受賞だけでもええとむっつり。
百合子はこう返します。

「あかんあかん、両方する!」

そして信にいが一回ここでまとめるんやと仕切る。

ふと思ったんですけれども、信作と百合子って雰囲気がええと言いますか。

信作が素直に自分を出せて、カッコつけてない。そういう相手って百合子の気がするんですよね。
現時点で手出しするのは到底許されないし、そういう目で見たらジョーの鉄拳制裁でええとは思います。

でも、なんだかんだで結婚逃し続けた三十路の信作と、大きくなった百合子ならばええんちゃうか。七年後くらいに。どや?

はい、未来でなくて今の結婚です。

「お祝いやお祝いや! みんなでお祝いしよ! ほなハチおめでとう! おめでとう! 喜美子もおめでとう! それではみなさん、受賞と結婚合わせまして! おめでとう!」

かくして祝いの席は続くのです。
見ているだけで幸せになれる場面でした。

主役の喜美子が台所に立ちっぱなしである点は、『なつぞら』の夕見子ならばドヤ顔ダメ出ししそうですけどね。

ジョーに二度泣かされるてそんなん……

マツが寝ても、ジョーは一人縁側におります。
そこへ八郎が酒を手にして来ます。

「まだ一緒に飲んだことなかったんで……」

八郎の酒の強さはちょっと気になります。信作とは飲み友達でしたっけ。

ジョーはしんみりと語ります。

「娘がな……娘が三人おって。男は俺一人で。息子が欲しかったんや。喜美子を頼むな。頼みます」

「はい!」

八郎は素直にそう言い切ります。
ジョーは膝をぱしっと叩いて、酒を飲ませる。グラスを当てて音をあげ、くいくいと飲むのです

うーん、ジョー。
上の二人の兄を戦死させてしまい、娘は三人。

周囲からはきっと、
「また女か。次やな、次こそ男やで!」
と、セクハラまがいのことを交えつつ言われたんでしょうね。

昭和にデリカシーを期待したらあかん。
でも、経済的にそれは無理やし、悶々とするところはあったんでしょう。

誰がこんな貧乏な家の婿になる?――そういう鬱々と恥ずかしい気持ちはあった。

だから、婿入りをすんなり認めた八郎には感謝してもよいはず。
それがこじらせちゃったからな。

素直になりたいのに、なれない。カスとはなんでこんなに哀しいのか。
カスの悲哀という意味では、本作は圧巻だと思う。

カスがカスである理由。
カスでも憎めない。
カスの哀しみ。

それにジョーは心配になってくるんです。

増築策が成功したとはいえ、体はボロボロでしょう。
精神面でも、ホッとしていそう。なんだか元気なところがちょっと薄れてきて、心配なのです。

『なつぞら』終盤の泰樹もつらかったけれども。
彼よりはるかにガタガタと下降線を辿っていて、つらい。
年齢的にも泰樹は大往生だけれども、ジョーの場合はな……。

節制と無縁の人生だったから、仕方ないとは思いますけれども。
※続きは次ページへ

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