スカーレット73話あらすじ感想(12/23)ジョーカス問題で打線組んだわ

時は流れて昭和40年(1965年)、夏。

結婚した喜美子と八郎は、それぞれの作品を作っております。

ただ……食器大量生産をして稼いでいるのは、喜美子なのでした。

座って朝食取れへん

川原家、夏の朝。
武志は、おねしょをこう言い張ります。

「雨が降ったんや!」

負けず嫌いなのかな?

武志は八郎と会話し、マツにじゃれつく。
八郎は家事と育児を手掛ける良い父のように思えます。武志は、百合子から看病されているジョーにもじゃれついているのです。

平穏なようで、ちょっと不穏な朝。喜美子は?

そのころ喜美子は、工房で納品の準備をしておりました。
合間に、武志の作った「まるまるさん」という作品を見て、微笑む。

まるまる子さん、まるまる太郎、まるまる次郎。作品名は「夢見るまるまる」。
やってきた夫の八郎に、そう説明しています。

ここで個展開いてんねん。喜美子はそう棚をさすわけですが。
八郎は、こんなものを見かけたといい出します。

「きみのこさくひん」という張り紙のある場所です。
そう八郎の言葉を聞いて、喜美子は前からあったと言い、ぼそりと呟きます。

「……興味ないねんな」

作品が一個もない。きみこのさくひんと貼ってある場所。あれだけ働いていても、自分の納得のいくものは作れていないということです。

八郎はこう返します。

「今なんて言うた? 興味ないことないで、喜美子に興味津々や」

「うそつけえ!」

喜美子は笑い飛ばし、八郎に朝食をどうするか尋ねられてこう返します。

「時間ない、先食べてて」

喜美子は納品が迫っているから、そんな時間もないのです。八郎は、今日もジョーが不調だと心配そうにいいます。

ちゃんと診てもらったほうがええ。無理矢理でも連れて行く。
そう語られるほどで、顔色が悪いし、弱々しくなりました。

大量の素麺を茹でるのは結構大変やで

このあと、昼食です。
五年で照子は三人姉妹の母になっておりました。

川原家でごちそうになると言うわけですが、ジョーはそうめん程度で何がごちそうや、とブツクサ言っております。

夏場に麺類を茹でるだけで結構しんどいことすら気づけない。これぞ昭和のカスや。

照子は、三姉妹が武志と遊びたいからいきなりおしかけたと断りますが……。

いじめたる!
そう叫ぶ子どもは誰に似たのか?と、母である喜美子と照子は言い合う。

しかしここに、八郎がおりません。
釉薬をやるために作業場にいるようです。

喜美子は八郎がそうめんで遊んでいると、そんな食べ方はやめなさいと叱ります。

八郎はほんまあかん。
あの口ぶりからすると、喜美子は朝食は一人でささっと食べたと思えます。ならば昼くらいは皆で食卓を囲んでもよいでしょうに。

確かに照子は、喜美子の友人ではある。
けれども、八郎の元職場である丸熊社長夫人です。

喜美子と八郎の性別が逆だとどうでしょうね。
それで許されるのかと思いませんか?

息子への態度も、喜美子はしつけを考えていると思わせるし、子どもの作品を観察してもいる。一方の八郎は、かわいがっていることは伝わってきますが、責任感をあまり感じさせないのです。

ここで照子は、四人目が妊娠中だとわかります。
もうすぐ八ヶ月――男の子が生まれるまでがんばると言われる。

今朝も地獄かッッッ!

妊娠と出産は母体に負担がかかります。
骨粗しょう症のような病気が女性に多いとされるのは、妊娠出産でそれだけ消耗しやすいということでもある。

「何いうとんねん、前田利家の嫁さんなんて子どもあんなにおるで」みたいなことも言われますが、あれは生存者バイアスのど真ん中でして。

産褥死はむしろ当然なので、いちいち驚かない。
一方で十人産んでも達者だった女性は、記録に残る。それだけの話やで。

照子は安産体質ではあるのでしょう。
けれども、そのうえで敏春は照子を殺す気なのか?と突っ込みたくはある。

そういうことを照子と婿養子の敏春が言い合っているというのも、地獄みが半端ない。

照子はやっぱり婿取りをさせられた、そういう人生に何か思うところがあるのか?
いや、それ以上に敏春は何か不満でもあるんか?

息子が欲しいけれども、三姉妹でよしとした。
そんなジョーが相対的にマシに見えてきたのは何なのかな?

出てきた途端にカスしかいない。そういう昨年の放送事故には何も期待がなかった。缶詰泥棒あたりに何を期待すんねん。
けれども、八郎も敏春も最初はよかったからこそ、こっちは毎日殴られているような気持ちになってくる。

これはあれやな。

『激闘!リーグ優勝目前号』が出版されたほど好調だったのに、急激に失速しV逸する野球チームや。
そういう地獄じみたことは勘弁してください……。

八郎にそれを伝える照子ぉ……

照子は、作業場で八郎に打ち明けます。

血圧が少し高いから、県立病院で診察を受けたときのこと。そこでジョーの姿を見た。県立病院であった。泣いてはった。
どういうこと?

性格的に素通りできない照子。
こんなところで、一人でなにしてんねん! そう聞いたところ、堰を切ったように語り出したのです。

もうあかんねん……。
そう言い出した。

ジョーは一人で診察を受け、一人で医者の話を聞いて、自分一人で病気のことを背負っている。もう長うないと言うてた。

嘘や!
そう否定する八郎に、照子は言います。

「なんでこんなうそつける!」

照子が半月前に聞いたというと、八郎はこう言い出します。

「なんでそん時すぐ言わん!」

腕を掴まれ、未だに残る青痣になるほどつかまれ、ジョーは念押ししたのです。

「喜美子に言うな、言うてくれるな、絶対に言うな!」って。

でた。
ここ数年朝ドラで一番凶暴凶悪な、ヒロイン父退場ルートやろ、コレ。

昨年の放送事故は、劇中時系列前にずらした挙句、故人を侮辱していた。かわりに姉を殺したうえに、幽霊召喚しまくったのでもう考えたくない。
一昨年も酷かった。

『なつぞら』の場合、実父ではなく祖父でしたが、泰樹は天寿を全うしました。
老化描写が見ていて切ないものがあったものの、死をあえて描きたくない。そういう願いがあったわけですが。

じっくり描くうえに、
「これでええんか? いかんでしょ」
とぶつけてくる感があってキツい。

この手遅れ感――隠蔽することで精神面で打撃を与える無駄な強がり。
照子にとってもこれはきつい。
八郎の受け止め方には不安も感じる。

隠された喜美子にとっては、地獄まっしぐらよ。

感動する一方で、ジョーはなんでこういうカスを貫くのかとモヤモヤする。

狙いに狙ったこの地獄、ほんま勘弁してください!

父は温泉に行くってよ

喜美子は、マツからこう聞かされます。

「温泉?」

マツとジョーで行く。二人で話しあったこと。
昔、喜美子が生まれる前に加賀温泉へ行ったそうです。

喜美子は冬でもええと言うわけですが、寒くなる前、今、行きたいとジョーは言います。
まだ残暑の中、思い出の土地へ……こんなんあかんやろ。

ジョーは、子どもが遊ぶところを見て笑ってます。
喜美子はお茶を背後のちゃぶ台に置きます。

「やかましわ、聞こえてるわもう」

お礼を言うわけでもない。振り返らない。カスの安定感が最終週まであるジョー。

喜美子はそんな父にこう言います。
お茶でなく酒持ってこいかと思った。最近、酒持ってこいと言わなくなったってよ。
※続きは次ページへ

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