スカーレット123話あらすじ感想(2/26)照子と敏春は“ズレ”の修復システム

照子、喫茶「サニー」に降臨す――。

「照子……」

驚愕の表情で固まる敏春。

「て、照子さん、いらっしゃい」

「照子、とりあえず座ろうか」

すかさず百合子と信作がフォローを入れようとすると、迎えられた照子の反応は?

「カレーライスお願いしますぅ〜。おいしい美味しいカレーライス願いしますうぅ〜❤︎」

因縁あるカレーを注文する照子でした。

「カレーをどないすんのや?」

信作に、そう問われると、こう返します。

「うちが食べるんや!」

お、おう、せやな! なんや嫌な予感がするのは気のせいやで、多分。

猛将・照子がカレーを食す

信楽焼のカレー皿に盛られたカレーを食べる照子。

本作のうまいところは、信楽焼の汎用性と魅力がわかるところでして。欲しなるなぁ。カレーなんて普通のなんてことない皿に盛り付けておりましたけれども、こういうのを見ると欲しくなってしまうものです。

さて、そのカレーを食べる照子に対し、敏春は?

「照子、ごめん。照子?」

それを見て信作と百合子は焦りを感じ、見守っています。

「あかん、さっきから、『照子ごめん』しか言うてへん」

「うちらのせいや」

「いや、単純に照子が恐ろしすぎるねん……」

武力が高いぞ、照子ぉ! ゴボウが凶器に見えたもんな。

敏春がここで謝ってきます。

「なんかすんません」

そんな敏春に謝らなくていいと返す一日マスター夫妻。全部僕のせいやから。そう謝り、そのうち機嫌が直ると言うあたりに、悲哀を感じます。

そうか……昨日の照子ダメ出しは精一杯の強がりだったんやな。

「ふう。ごちそうさまでした」

はい、照子様がカレーを食しました。

「ここはひとつ、俺に任せてください!」

そう信作が言い出す。あかん。百合子が先んじます。

「そんなん言うたらあかん!」

「まだ何も言うてへん。俺が一肌脱ぎます!」

信作のやらかしの数々を見てきている百合子は、口を開く前に止める。

さすがや。あかん言動あってこその、あの怒濤の襲撃被害や。あれを信作のモテモテエピソードとするのであれば、やたらと襲撃される石田三成かてモテモテちゅうこっちゃ。なんやその紹介には違和感あるで。

※滋賀県の誇りや!

信作はここで、親父とお袋が有馬温泉にいって一日マスターだと照子に説明します。

照子はそんなカスマスター(酷い!……すまんな)は放っておいて、ゆりちゃんのカレーは流石に美味しいと褒めております。

ほんまに本作は盤石や。女同士で褒め合う。

女が、若さや容姿、さらには胸のサイズで張り合うと思っている方がおられるならば、現実に戻って来いとしか、言いようがないで。人間の心理ちゅうかな……。フィクションの設定談義なり、感想交換は怖いもんやで。

なんで「女同士は胸の大きさで張り合って、小さいとコンプレックスにしとるんやね!」という発想になるか?

それは、男同士で、なんや、こう……比べっこしてることの反映やろ。修学旅行の風呂場でこう……まあええわ。

ともかく私は何度も言うとる。誰かと大河と朝ドラの話題だけは、ようせんのよ。危険すぎる。ガードゆるゆるの状態で、偏見、価値観、知識、それに観察眼の程度がバレるからな。

ここで信作は、隠し味を当てろクイズを出す。当てたらカレーが一生無料! と、すかさずコーヒー!と正解を出す照子。百合子に教えてもらったってよ。

当たり前やけどな。大河と朝ドラの圧倒的な会話の差を感じるで。これが斎藤利政(道三)や織田信秀(信長のパパ)だと、まず照子と百合子の関係を配慮して、こう思い切りよいことは言わん。信作は慎重なようで、どこか抜けとるからなぁ。

信作も、百合子と照子の関係を思い出し、かつ連想したのでしょう。コーヒー豆にお湯をかけてもコーヒーはできひんと言い出します。

照子はなんやろなぁ。お茶ばかりでコーヒーはわからんとか? ここまで来ると、純粋に料理に興味がない可能性を感じます。

漫画やアニメでも定番の【メシマズ】。第一に経験の有無を問われるところですが、センスもありまして。

『なつぞら』のイッキュウさんは、包丁で指を切りまくるほど不器用なのに、美味しい料理を作りました。八郎もそうですよね。彼らは創意工夫して、遊びつつ実験感覚で作り出すような、そういうセンスがあるのでしょう。

しかし、内情をバラされた照子はこうだ。

「そんなことまで言うたん、信じられへん!」

照子、激昂げきこうす――。

照子もあかんけれども、信作が事態を悪化させているあたり、たまらないものがあります。お前は一日でマスターやめとけ、な?

信作の感覚がおかしいのはいつものこと

まさに泥沼の信作。照子に強気に出ることで事態の収束をはかろうとします。

「お前かてな、ボロカス言うてたやん、この間、この間、この間!」

「言うてへん!」

「いいや、俺は覚えとるで!」

はい、”この間“とは?

それは「あかまつ」にて、照子、信作、喜美子で飲んでいたとき。

照子は、あんな男と結婚するくらいなら琵琶湖に沈めたると息巻いておりました。二人は火鉢をくくりつけろと笑っておりました。

「ゴキブリ百万匹のほうがマシやで!」

そうそう、あのとき照子は言うてはったなぁ。

いつの話や?
と言わんばかりに百合子が数える。うちが13歳の時やから……照子(と視聴者)は突っ込む。

どこが”この間“や!
信作はしたり顔で、地球の長い歴史からすれば”この間“だとほざく。

照子はますます怒る。謝れと信作に迫る。信作は何年前かと問い詰められ、「記憶にございません!」とシラを切る。この野郎……。

朝ドラって本当にええね。これはもう、大河なら人数人死んでるね!

でもここで、敏春はきっぱり言い切るんですわ。

「25年前です」

結婚25年目――もうすぐ銀婚式❤︎

おめでとうございます。ばんざーい、ばんざーい! そう信作と百合子が万歳し、それに敏春が小さく応じて万歳すると。

しかし照子は……。

「ごまかされへん!」

まだ怒っとるよ。

それでも銀婚式を覚えていてもらって嬉しかったんやろ、と言う信作。まぁそのなんだ、結婚の年数を忘れて百合子をムッとさせたカスが言うと説得力あるわ!

信作と百合子は、息の合った25年の振り返りをします。

「琵琶湖大橋できた!」

「うちは渡ってへんけど」

(そもそも信楽と琵琶湖は結構距離があるしな。滋賀県民かて、全員が毎日琵琶湖を見とるわけやないんやで)

「東京オリンピック!」

「うちはテレビないから見てへん」

(この世代が全員オリンピックや万博にええ思い出があるわけやないで。今かて全国民がオリンピック推しとるわけやない)

「月面着陸!」

「うち行ってへんけど!」

「誰も行ってへん!」

(おう、せやな)

そう誤魔化されそうになると。

アホなようで超絶技巧で、三谷昌登さんは緊張感と実力の限りを尽くしたと思いたいところです。

こんな放映中にいきなりスピンオフみたいなことをするってさ。どういうことかわかりません。けれども、引き継ぎをしているので整合性矛盾はあまり感じない。のみならず、時代背景解説も深くしている気がします。

いきなりねじこまれたのか? 当初の企画通りか? 確かにそこはわからへん。けれども頑張っていることはわかるなぁ。

照子はここで、それとこれとは別やと主張します。信作と百合子は、うちらの喧嘩をごまかそうとして敏春さんが頑張った結果だと言う。

照子と敏春、深い夫婦愛を確認

敏春はこうです。

「照子、ごめん」

「それやそれ。なんでうちにはごめんしか言うてくれへんの?」

「いや、みんな、僕が悪いから……」

「うちや! うちや!」

照子は謝る夫相手にこう言い張る。

おっ? なんだか怒濤の夫婦愛に突っ込んどらんか?

ここからは照子、怒濤の反省タイムです。

25年経つのに、料理上手にならへん。

日焼けして色気ない。

いびきうるさい。

そのうえで、25年も一緒にいるのに、うちには言うたことないと照子は言う。あんなんいっぺんも言われたことない。

敏春さんはどんな時でも優しい。なんでも言うてくれる。なんでも聞いてくれる。

そう照子は言います。

なんやこの、怒濤の深い愛情は! 野村克也さんと沙知代さんのトーク番組か! ご冥福をお祈り致します。

ここで、新婚時代の照子の姿が回想されます。

おスイカ、おブドウ。それを持ち込んできたあの照子のこと。あんな短い袖の服、二の腕タルタルでもう着られへんなぁ。いや、そこでなくてやな。

ゴキブリだったのに、好きになって。優しくて、物知りで。日本一を目指してくれる。そんな敏春さんに夢中で。

でも、見ていてしみじみと思った。

二人はあれから25年経った。それでもまだまだ愛情があって、素敵な夫婦なのだと。

女三人では足りん、後継まで男児を産めと言い張っているのか。そんな敏春は外道やと嫌いになりかけたこともあった。うん、それもまぁ、愛のなんらかの裏返しかな?

ジョーにせよ、敏春にせよ、信作にせよ。根底には愛があるんやなぁ。それでも許されんことはあるけどな。

照子は、敏春の何が不満かと問われると、照子は嫌なことは嫌や言うて欲しいと言うのです。言うてくれへんとわからん。

言われると怒るし、言い返すし、家出する。それでも言って欲しい。照子はそう訴えます。すると百合子が……。
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