スカーレット129話あらすじ感想(3/4)夏の雪は儚く消える?

自宅でたこ焼きパーティー

武志の部屋で、乾杯をしております。ボクサーのポスターがこの時代らしい。

未成年の竜也はジュースで。そこはきちんとせんとあかん。

川原武志。

永山大輔。

宝田学。

熊谷竜也。この四人です。竜也くん、お友達できてよかったね!

しかも、ガスコンロたこ焼きパーティー。なんという関西。なんで買ったか思い出せない、台所の隅にある。そんなたこ焼き器。そこは活用せんとあかん! IHヒーター登場はまだまだ先のことやで。

※たこ焼きパーティーや!

ここで夏の思い出が語られる。

ビキニの美女とデート? うっはー! って、そういうんはもうええ。武志は、こう言います。

「夏の思い出は雪の結晶です! すごいやろ、寒いやろ!」

しかし、そこは昭和の青春です。参加者のみなさんは、むしろ石井真奈さんとのことを語って欲しいわけで。

それを武志は理解できてへん。大輔はイラッ。竜也でもうっすら気づいとるのにな。

そうワチャワチャ盛り上がっていると、武志は台所でうずくまってしまいます。

「あの体勢から鳩出すで!」

「愛の告白ちゃうか? 真奈さんのこと、ほんまに俺も思ってますねーん!」

そう盛り上がっていると、竜也が止めます。

「ちょっと! 大丈夫ですか?」

「ああ、ごめんな。大丈夫、大丈夫」

なんという啓発ドラマ。

アルコールが入っている。経験が少ない、かつ油断しがちな若者たちが盛り上がっている。こういう要素がそろうと、危険なこともあります。

急性アルコール中毒。
薬物混入。

大学生でこういう事件が起こりがちであるのは、アホやからでもなく、複数の条件が揃ってしまうから。朝ドラでそこへ突っ込んできました。この場合はそうではありませんが、条件としては揃っています。

何かあったとき、この竜也みたいに行動せんと!

※気をつけよう!

夏の雪、言葉、思い出を焼き付けること

ここで異変が起きる。

武志が鼻血を出すのです。

「止めぇ! 鼻血、止めぇ!」

これもアホみたいな話ですが、昭和といえば【鼻血=スケベな妄想】の結果とされておりまして。エッチなコーフンして鼻血ブー! そういう誘導です。

ありえへんとは言い切れなくとも、それよりも問題がある可能性はあるわけで、ふざけている場合じゃないぞ!

このあと、大輔と学は帰りました。二人きりになって、武志はこう言います。

「ごめんなそれ。せっかく持ってきてくれたのに」

ファミコンや。
インベーダーゲームから、ファミコンの時代へ。

※テテッテテッテ〜♪

1983年(昭和58年)7月15日発売。それを持っている竜也は、おぼっちゃまではあります。

誰もが欲しがるファミコン。

ところが、なんと武志の部屋にはつなげるテレビすらない。竜也はからかうわけではなくて、よっぽど一生懸命、帰ったら寝るだけの毎日だと感銘すら受けております。ほんまは素直なええ子なんやね。

そして思い出す。野球をやってたときはそうだった。肘痛めた。もともとそんなん無理やん思てたん。

そう語る相手に、武志は言い切る。

「夢は無理やから見るんやで。手ェ届かへんから人は夢見るんちゃう」

「たけたけは、どんな夢見ているんですか?」

竜也は、たけたけと呼ぶくらい心を開いた。それでも敬語。敬意と愛がしっかりとあります。

亜鉛結晶のデザイン化。器に雪を降らせること――。

それは終わったのではないかと聞く竜也ですが、武志はどうしようと軽く笑います。

「夢見てくださいよ」

「お前もな。悪ぃ、寝るわ」

「調子悪いんですか?」

「いや、飲み過ぎてん」

「どっか痛むとか?」

「ちょっと寝たら治る。おやすみ」

武志は疲れているのか、そう断って眠るのです。

母の気遣い、子の強がり

このあと「かわはら工房」に照子が来ます。

竜也が照子に鼻血のことを伝えておりました。照子はジョーの体調不良を知り、そしてその子である竜也は武志の異変を知るのです。

照子と竜也が臆病と言いますか。慎重なところが重要です。野菜を届けつつ、ドーンと構えるがゆえに図太い喜美子に告げると。

川原武志の体調は?

 

・鼻血が出た

・一月前にも、酷い風邪をひいた

・疲れたまってんちゃう?

案の定、そういうことを知らない喜美子。さすがに異変を察知し、武志のバイト先「ヤングのグ」へ向かいます。

昭和関西のおばちゃんらしい店長は、きっつい色付きレンズメガネと髪型をしております。ヘアメイク衣装さんもええ仕事してはる。

店長は、体調悪い、だるいと言うて休みがちだと告げるのです。

すかさず喜美子が「いやーすいません、ご迷惑おかけして」と頭を下げていると……その武志が現れました。

喜美子が体調が悪いのか?と尋ねても、武志はかったるそうにしている。息子あるあるですね。

「ほんま大丈夫やから。お母ちゃんこそ痩せたんちゃう」

そう強がる我が子を見ている喜美子です。

けれども、彼女は見守るしかないとは思わない。そういう喜美子は、この異変にどう立ち向かうのでしょう?

夏の雪は、儚く消える、そんな何かの象徴――。

消える姿ではなく、焼き付けられたものを、考える時間が始まろうとしています。

難病を描くということ

突っ込みたいことはあった。

日本のフィクション、難病で若い女を殺し過ぎ問題!

※架空難病も出てくるわな

これは最近のことでもない。昭和の定番が白血病ではあった。

※『赤い』なんちゃら

こういうことを、フィクションで描くのってどうなのか?

昔からひねくれていて嫌いなので、こういうやりとりをして人間関係がしばしば破壊されました。

「なぁなぁ、この話感動したで! 読んでみぃ!」

「やかましわ、こんなもん医学知識にむしろ有害や! むしろこっちや、『ハンニバル』やで!」

「そういう医者の出てくるフィクションは求めてへんから……」

※レクター博士は精神科医

でも、別に後悔はないといいますか。

最近、弊害をしみじみと感じるようになりました。

やりすぎて、パブロフの犬状態ですよね。誰かが難病にかかったという条件の時点で、

「号泣!」
「涙止まらない!」
「そんなネットの声が!」

と、こうなるわけでして。

ゾッとしたのは、史実において過労死した女性がドラマに出てくる時点で、

「ハンカチ用意しなくちゃ!」

という投稿を見てしまったこと。

人間は、別に泣かせるために、号泣投稿をさせるために、病になるわけではありません。

フィクションで死ぬ。泣く。それでええんか? いかんでしょ。

人間の命って、おもちゃにしてはいけませんよね?

でも、手癖になって、それで「ネットの声が!」という反応があるとわかると、簡単にそのタブーを踏んづけますよね。

一昨年の、仏壇前セーブポイントでアイテム使うと、死んだはずの夫が出てくるシステムとか。

昨年のオーバー80老母の「死んだと思った? 実は生前葬ぉ〜〜〜!」とか。

こういうことは、反省しなければ意味がない。いくらネットでワーワー言ったところで、それでええというわけはないでしょう。

それにこの作品は、医療考証がしっかりしていて安心感がある。ジョーの最期は、圧巻でした。

足を怪我したのに咳き込むみたいなお粗末表現は、もうええから。

人は理由を探します

朝ドラでハンディキャップを出すことは、なかなか難しいことではあると思う。

見る側が気に入らなければ、ハッキリ言って無視される。わかりやすい例が、『半分、青い。』と『なつぞら』でありましたね。

『半分、青い。』では、鈴愛がムンプス難聴で左耳が聞こえないという設定でした。

それでも鈴愛が気に入らないと、こういう意見まであったもの。

「脚本家が自分と同じ障害を出すとか、ウザいしムカつくだけだわ」

「そんなもん知らねえし」

「片耳が聞こえない表現が出てこない!(※指摘するのも疲れましたが、出てきているし、かつプロットにも関与していました)」

『なつぞら』の、ヒロインが戦災孤児設定も、届かない人にはそうなってしまう。

「イージーな人生!」

「苦労知らずのなつ、なんて浅はかで馬鹿な女!」

どうしてそうなる?

人間は、嫌いなものをまず叩いて、そこに理由を後付けするから。

『半分、青い。』は脚本家。

『なつぞら』は主演女優。

そして両者ともに、女性の自立もテーマに組み込んでいる。

このあたりが気に入らないけれども、それをハッキリ言うとあまりにゲスいので、叩けるポイントを一生懸命探すんですね。それでも思いつかないとなると、ネットやニュースを探して見つける。

「お前はどうなんやクソレビュアー!」

わかっとるで、それな。
昨年のアレは、事前段階できっちり予想できてたで!

台湾ルーツ削除の時点でいかんでしょ。自分の脳味噌ひねくり回して出しとったわ。ネットの声なんて漁ってへんで!

どんな過ちでも、複数の人間が語れば、それには説得力が生まれるものです。定着します。鼻血がエッチなコーフンのシンボルになったみたいにね。

そのうえで、自分を飾りたてます。

朝ドラ大好き。ドラマ通。教養あふれるこの私。フォロワーも多いんだから!

右手に理由という剣を持ち、左手にステータスという盾をつけ、いざ出陣じゃ、この私を怒らせおって! エエトウエエトウ!!

こういう仕組みを、もう作り手も把握しつつあるので、考えた方がよいでしょう。

そのうえで、本作はかなり策を練っているとは思いました。

誰かが難病で倒れる。そんな悲劇が盾となって、盤石な守りになるかもしれない。そこであえて、先週に隙を作って相手の出方を見ているのでは? そういう何かを感じたで。

ほんまに司馬仲達が作っとるドラマや……。

※気ぃ抜けん日が続くで

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
スカーレット/公式サイト

 

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