半分、青い。33話あらすじ感想(5/9)東京最初の「やってまった!」

ときは平成も2年目を迎えまして、1990年。

岐阜県東美濃市の高校3年生・楡野鈴愛は高校を卒業しました。

仲間とも別れ、上京して念願の漫画家を目指す――鈴愛は家族に見送られ、未知の場所・東京へ向かうことになるのでした。

 

小さくなった母の背

「怖い夢を見た」
そう言いながら晴の布団に潜り込んできた鈴愛。

でも、どんな夢かは忘れてしまったそうです。母親に甘えたかったんでしょう。

年齢よりも幼い甘えをうまく演じられているのは、永野芽郁さんの演技力と、ここまでのストーリー展開によるものなんでしょう。
こういう甘えをしてもセーフといえる朝ドラヒロインも、そう多くはないと思います。

鈴愛と晴は、母娘だけの世界観で会話しています。

布団から出ると水になっていて、ワニに食べられちゃう、泣いたらワニが来る……というのは、幼い頃に鈴愛が作っていた設定です。

いわゆる見立て系の空想ですね。
横断歩道を歩いているとき、白い部分を踏まないと崖から落ちると想像して遊んでいたりしませんでしたか。

鈴愛は、小さくなったように思える母の背中に驚いています。

廉子さんは、母が小さくなったのではなくて、鈴愛が大きくなったんだよ、と語りかけます。
身長は同じくらい、体重は追い越したかな……って、体重のことは余計だったかな。

宇太郎も母娘の会話をじっと寝たふりをして、聞いています。

 

「梟会」四人組の写真を飾ってもいいかい

萩尾家では、律が引っ越し準備をしながら手を止めて、卒業アルバムをめくっています。
あと一週間あるためか、まだ余裕があるようです。

その様子を見ている和子と弥一。

「昔は卒業アルバムがお見合い写真なんて言われてたものだよ」
そう懐かしむ弥一。今は芸能人の昔の姿比較なんかに使われがちですね。

弥一は「梟会」四人組で撮った体育祭の写真を、ショウウインドーで飾ってもいいいかな、と尋ねます。

「いいよ。あの四人がずっと梟商店街にいるみたいな気がしてうれしい」
クールなようで、なかなか感傷的になっている律でした。

東美濃バスターミナルに楡野家がやってきます。と、バスは既に出発! おいおい、大丈夫か?

「おーい! 今のは大阪行きや」
そう手を振って説明してくれたのは、お見送りのナオちゃんです。
律は東京で再会できるし、ブッチャーは京都・舞鶴への引っ越しで忙しいのでしょう。

地方バスセンターのあるある、いろんなバスが出ているから紛らわしい状況ですね。

今のバスセンターみたいに電光掲示板も整備されていない場合もありましたし、ともあれ、ホッとしました。
東京行きまであと10分ほどだそうです。

ちなみにこの場面の自動販売機が、「YONTORY」というベタなパロディでちょっと笑いました。

 

ナオちゃんは心に潜んでいた嫉妬を克服

「はいっ、これ、餞別。東京はセンスいいから自信ないけど。お母さんと私で選んだんだ」

ナオちゃんが差し出した紙袋。
あのブティックの商品ならば確かに独特のセンスかも。

中身は、カエル柄のワンピースでした。こ、これはすごいセンスだ……。
NHKの倉庫にあったのか、既製品か、スタッフのお手製か。わからないけど、すごいセンスだ!

「鈴愛ちゃん、何かが邪魔して言えんかったけど……秋風羽織に認められるなんてすごい! 泣くな鈴愛、人のこと置いていきやがって、泣くな!」

親友とはいえ、嫉妬のような何かがあって素直に祝福できなかったナオちゃん。

でも、18才の若さで伝えられるってすごいです。それでこそ親友ですね。

家族とナオちゃんに見送られ、鈴愛はバスに乗り込みます。

宇太郎は叫びます。
「ほしたらな! がんばれ!」

仙吉が手を振ります。
「たまには帰ってこいよ!」

草太が励まします。
「がんばれよ!」

晴が声をかけます。
「気をつけるんやで!」

鈴愛は窓を開けて、返します、
「ありがとう!」
そして曇ったガラスに指で書きます。

【大好き】

家族と友人、そして故郷の姿が遠ざかってゆきます。

 

生原稿に珈琲バッシャーン!

そして舞台は大都会・東京へ。
バブル崩壊前夜とはいえ、まだまだギラついています。シャンパングラスで乾杯する男女の姿もちらりと映ります。

18年間、岐阜県東美濃市梟商店街で過ごした鈴愛にとっては、THE・大都会です。

秋風羽織の仕事場である「オフィスティンカーベル」はさすがに立派。高級感にあふれています。

「来ました、五平餅」
「ネギがカモを背負って来たか」

菱本の言葉にほくそ笑む羽織。
それを言うならカモがネギを背負ってです、と冷静に突っ込む菱本です。

「今日は菱本に案内してもらって、あとは休みなさい。明日は10時から」
そう説明する羽織。

鈴愛の目は、机に置かれた原稿に釘付けです。
「生原稿、見ていいですか」
「ああいいよ」
鈴愛が身を乗り出すと、たくさんぶら下げた荷物にぶつかって、コップがひっくり返ります。

「あああーっ!」

響く絶叫、原稿が台無しに!

「やってまった……」

上京後、初めての【やってまった】でした。

 

今日のマトメ「波乱の予感が漂います」

落差が激しい回です。
前半は、家族や友情があたたかい場面です。ベタといえばベタな場面が続きますが、だからこそ故郷を思い出してホロリとさせられた人も多いのではないでしょうか。

一転、後半はバブル崩壊前夜の東京です。
道行く人の顔があまり見えず、鈴愛の行動テンポは周囲から遅れていることがわかります。

仕事場に行けば、羽織と菱本以外にも大勢の人がいるのも関わらず、誰も顔すらあげません。

『ひよっこ』の職場は、もっとぬくもりがありました。
本作のオフィスはトレンディーでバブリーな雰囲気なんですけど、人工的でぬくもりも何もないんだなあという印象です。

かといって、秋風が菱本が異常に冷酷というわけでもなく、これが仕事場のテンポなのでしょう。

あきらかに鈴愛のテンポと噛み合っていない、夢の場所。
波乱の予感が、いたします。

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
NHK公式サイト

 

4 Comments

管理人

>myria様
いつもご来訪ありがとうございます。
西郷どんで先行してお送りしている「あらすじ・ネタバレ」につきましては
勝手ながら14話で終了させていただきました。

大変申し訳ありませんが、
ネタバレ系のサイトにつきましては他をあたっていただけましたらm(_ _)m

更に、本サイトではこれまで「朝ドラ&大河」としてきましたが
今後は「朝ドラ一本」にしたいと思います。
集中力が分散してしまい、かえってご迷惑をかけてしまいそうで。

以上、今後もご愛顧よろしくおねがいしますm(_ _)m

myria

こんばんは
いつも拝見しております
私も ひよっこ と 半分、青い。 は好きで、わろてんか は あれれ? と思っていました
ところで最近 西郷どん の あらすじ感想ページへ行くと、14話以降が見当たらないのですが
別窓 が あるのでしょうか?

匿名

旧車を巧みに登場させる本作ですが、今回はちょっとばかり「やってまった」

主人公が上京で乗車する高速バス。車自体は1990年頃にもまだあった車なのでおかしくはないのですが、ワンマン運行でなく、女性車掌が乗っていた!
アカン! この時代の昼行高速バスに「車掌乗務」はダメです!!

いくら何でも平成に入ったこの時代、狭隘路線でもなければ、バスのワンマン化は地方でもほぼ完了しており、まして「東京行きの高速バス」という幹線路線であれば、まず「車掌乗務」などあり得ません。
夜行高速バスなら、交代で運転するために「運転士が二人乗務する」のは普通にありましたが、主人公が乗ったのは朝に出発する昼行便なので、これにも当たらない。また、女性のバス運転士が登場するのはもう少し後のことです。

惜しいなぁ。車自体は「地方のバス会社の東京便」の雰囲気を良く出していたんですけどね。

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