ときは1990年(平成2年)。
舞台はバブルが終わりかけていたころの東京です。
岐阜県から上京した楡野鈴愛は、漫画家の卵として秋風羽織のもとで修行中の身。
数日前に母がやってきて、再会を喜んでいました。
しかし、母が帰る最終日と、朝井正人とのデートの約束が重なってしまい……。
【56話の視聴率は19.0%でした】
もくじ
デート優先の嘘をつく
鈴愛、嘘をつきました。
デート優先です。まあそれも仕方ない、かな。
そして翌日の朝。
晴は味噌汁でも作ろうか、と言います。
青いカーテンがきれい、海の中にいるみたいと喜ぶ鈴愛。やっぱり意味があるのかな、このカーテンは。
こうして母娘水入らずの朝食が終わります。
鈴愛は、羽織や菱元たちに別れの挨拶をしなくてよいのかと尋ねる母に、今日は修羅場だからと断ります。
でも、それは嘘。
オフィスティンカーベルは休みです。
ボクテとユーコからのプレゼントランチに晴は、一人で行くことにしました。
せっかくの映画デートで、浮かない顔で
鈴愛は正人とデートへ。
川沿いの開けた場所にいます。
ここは隅田川、正しくは築地の裏側にある隅田川テラスですね。
少し向こう側には、こち亀などでおなじみの【勝どき橋】が映っていました。
グーグルマップにナイスな360°写真が!
こんなこと指摘するのは野暮にもほどがあるんですが、橋の左側に見える勝どきビュータワーや東京TOWERSなどのタワマン群、1990年当時はなかったはずです。
遠景だったので、あまり目立ってはおりませんでしたが、一応……。いや、ほんと、小姑みたいでごめんなさい><;
夜は橋がライトアップされて素敵な場所ですからデート予定の方はどうぞ。
※ただし船着き場にはフナムシいたりで苦手な方は注意です
正人はどの映画にするのかと聞きます。
有楽町辺りに観に行くのかなぁ。
『ゴーストバスターズ2』
『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』
『ダイ・ハード2』は、もうちょっと先
鈴愛は『2』はつまらないと言うし、アイスクリームを食べないし、どこか元気がありません。
忙しい二人だから
理由は明白ですね。
そわそわしている鈴愛は、腕時計を見て、突如「ごめんなさい!」と頭を下げます。
母が心配なのです。
晴がちゃんとご飯を食べていられるか。高級なイタリアンでソワソワしてないか。
そりゃ気になりますよね。
日にちずらしてもよかったのに、とここで正人が言うのですが、二人ともなかなか忙しい。
正人は引っ越し、鈴愛は締め切りがあるわけですから。
それでも、何よりも、正人くんに会いたかったから今日にした、と言う鈴愛。
それなら、晴がいる青山のイタリアンレストランに行こうと誘う正人です。
いい人だね。
晴は一人じゃなかった
意外にも晴は、きちんとランチを堪能しておりました。
目の前にいるのは律です。
晴が食べているのはティラミス。
今は定番となりつつありますが、当時は新鮮味のあるスイーツとして爆発的なブームでした。
あまりの美味しさに『これを食堂で出せないかな?』と思わず口に出す晴。
それはちょっと、と戸惑う律。
しかし、ナゼ律が?
律は、晴がカーテンのことを気にして、電話してくれたのです。それで事情を説明したところ、心配してお供したというわけ。
やっぱり律もいい奴じゃ〜ん!
というか、この店に鈴愛と正人がこれから来てよいのかな?
ドキドキ……。
青天井で最高のサービスで頼む
にしてもサービスがいいお店だなぁ。
と思っていたら、実はこのお店、あの秋風先生のお眼鏡にかなっておりまして。
しかも羽織は、店に電話して何でも青天井で、最高のサービスで頼む、つけにしておいてくれ、と頼んでおりました。
ナレーション廉子さんは、そんなことはどうでもいいと言います。
が、羽織はここでそれに反論して、どうでもよくない、私はいい人なんだからと主張。
はいはい、とってもいい人ですよね!
ナレーションの遊び方がやっぱりセンスあって面白いですね。
晴は、鈴愛のコイバナについて律から聞こうとし、「鈴愛のことを頼みます」と言います。
うーん、晴さん。やっぱりハートブレイカーになりそうだなぁ。
そうやって話しているところに鈴愛、そして正人が来てしまった!
大丈夫なの?
律も一緒にゴハンを食べないか
鈴愛のデート相手をみて、驚く晴です。
鈴愛は嘘をあやまりますが、晴はそういうときもあるよ、本当に好きなんやね、と優しい言葉を掛けます。
晴さんに悪意はまったくないのでしょうけど。このモヤッと感!
正人は、鈴愛と晴を東京駅まで送るといいだします。
ここで律は用事があるからと離脱。やっぱり正人、いい奴なんだけれども、うぅううう。
律は自宅でフランソワに餌付け中です。
てっきり清とデートかと思いましたが用事なんてなく、強がってその場を去ったんですね。寂しいのう。
そこへ、鈴愛から電話がかかってきました。
晴は無事に帰ったそうです。
一人でイタリアン食べさせなくて良かった、ありがとうと御礼を言う鈴愛。
これから正人とご飯を食べるけど律も来ないか、と言います。
うーん、鈴愛ってばもう。無意識のうちにジワリジワリと律を傷つけてしまってることに全く気づいておりません。まぁ、仕方ないですが。
律はやっぱり、お誘いを断りました。
「律も来ればよかったのにね」「意地悪だね」
二人は中華料理を食べたようです。
とてもおいしかったそうで。正人は暢気にこう言います。
「律も来ればよかったのにね」
「意地悪だね」
ちょっとすねる鈴愛。
「え?」
「なんでもない」
二人はベンチに座ります。
正人は右側。ここで鈴愛は、いつも右側に来てくれて気を遣ってくれていたんだね、と喜びます。
律も優しいのですが、つきあってくれた正人もやさしい。
二人とも鈴愛だけではなくその母である晴にもやさしかったのです。
ここで
「家まで送るよ、今日はもう遅いから」
と言いだす正人。
その袖をつかむ鈴愛。
「この手が勝手に……離れたくないって。正人くん、好きです」
お、お、おお、告白タイム! 今週かっ飛ばすなぁ!
今日のマトメ「ハートブレイカー晴さん無双」
今日は意図せぬハートブレイカー晴さん無双といいましょうか。
今週は失恋が連続しそうです。
きっかけは両方晴です。
カーテンのことで電話して、危険な清のハートに点火したことがひとつ。
そして今回、ランチチケットからの、意図せずデート破壊。
晴が悪いわけではないのですが、失恋トリガーを引いております。
こういう流れは「サンバランドファイル交換で律の受験失敗」でもあった気がします。
運命の力と偶然です。
ボクテとユーコがランチチケットを送らなければ。
仕出しの注文が入らなければ。
失恋せずにここから先は鈴愛と正人、律と清が成立していたかもしれないわけであり。
そんな晴さんが買って、選んで、つけたカーテンは青です。
カーテン越しに青い綺麗な日射しが鈴愛の部屋にさしこみます。
律への思いも、彼女の心の部屋にさしこむのでしょう。
【TOP画像】隅田川テラス photo by Hisatomo Tatsuki
※なお、隅田川テラス(築地裏)の場所に詳しかったのは、たまたま編集さんがこの近所に縁があったためです
著:武者震之助
絵:小久ヒロ
【参考】
NHK公式サイト
隅田川のシチュエーション、素敵です。三月のライオンも此処だったのですね。大好きな作品です。匿名さん、情報ありがとうございます。
こばやんの時と同じで、恋に恋する鈴愛は真っ直ぐで危なっかしいけど、可愛いですね。公園で前回失敗したキスを期待していたのでしょうか、朝ドラらしからぬセリフで正人を引き止めました。正人の微妙な表情が彼の誠実さを表現しています。
同世代の私達はかなり盛り上がっている作品なのてすが、高齢の方にはきついとの情報もありました。まあ、そうかもしれませんね。
晴さんの味噌汁、赤だし(豆味噌)じゃなかった。きっとみんなの冷蔵庫には、白味噌しかストックなかったろうから、仕方ないかねぇ。
今日は律くんと正人くん、どっちがいいかしら?と、真面目に考えてしまいました。二人とも立派なマダムキラーですね。前作で藤吉や隼也にときめくことなんてありませんでしたから、新鮮ですね。朝からすごい!
自分も隅田川周辺には「おっと、ここは見覚えが…?」となりました。
仕事場が近くで、よく休憩で散歩した界隈なのです。隅田川は川幅も広いし、開けていて橋も目立つしで分かりやすいですね。映画3月のライオンでも、この辺りの風景が流れていたような。
なのでここから青山に行くという展開に、「結構時間かかるぞー!大丈夫か!?もう一時だしランチ終わっちゃう!晴さんピンチ!」と思ったら、律がフォローしてくれててホッ。
ハートブレイカー晴さんに爆笑。確かにどちらも晴さんきっかけですね。気になる人が、異性の友達のお母さんと必要以上に仲良いのって、本人同士の仲の良さを見せつけられるよりキツイものがあります。
清はもろに妬いてるし、正人も律を伺うような様子を見せて…いやー、モヤモヤっ!でも鈴愛のことで何かあっても、律と正人は友達でいて欲しい。清よりよっぽど運命に再会ですし!