半分、青い。27話あらすじ感想(5/2)愛ゆえに宿敵ゴアは迷走する

ゆったりとした時が流れる岐阜県東美濃。

1989年、楡野鈴愛は高校最後の年を迎えています。
なんとか祖父のコネで農協への内定をもらったものの、大きな転換点が!

鈴愛にとって憧れの漫画家である秋風羽織から、才能ある若者を集めてアシスタントとして鍛える「秋風塾」に入って弟子にならないか、と誘われたのです。

しかし、鈴愛の両親はそんなことは許さないと大反対。
父・宇太郎は、羽織のマネージャー・菱本若菜を電話越しに激怒させてしまい、話は決裂してしまいます。

鈴愛の夢は、進路は、どうなってしまうのでしょうか?

 

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「いや待て、五平餅、早まるな」

諦めきれない鈴愛は、十分おきで秋風羽織に電話をかけ続けます。

家の電話だとかけられないから、「ともしび」のピンク電話で。携帯電話が一人一台の今となっては遠い光景です。

何度もかけ直し、やっと出た!と思ったら、羽織本人は声色を変えてごまかそうとします。

「私は秋風羽織の留守番の者です。明日、お掛け直しください」

そして、秒でバレる。
「秋風先生ですよね? 楡野鈴愛です!」
「誰?」
「五平餅です!」

羽織の中では、五平餅の子になっているようです。
五平餅を落書きしている羽織でした。

「10分おきに電話してきたのはきみか。出なかったらどうするつもりだ、ずっとかけるつもりだったのか?」
「はい、12時まで!」
「早めに出てよかった」
「先生、漫画が描きたいんです、見捨てないでください!」

生まれて初めて、見捨てないでくださいなんてみっともない言葉を口にしてしまう。そんな鈴愛です。
夢のためなら、そのくらいします。

「明日そちらに伺います! 謝ります!」
「いや待て、五平餅、早まるな。私に任せなさい」

羽織に秘策アリ、なのでしょうか?

名古屋を経由して新幹線で向かわねばならない岐阜と、東京は、決して近くはありません。
それでも行くというあたりに、鈴愛の本気を感じますね。

 

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楡野家はドタバタ いったい誰がくる?

翌日、鈴愛は、家の中で雑巾がけをしています。

「日曜だから遊びにいけば?」
そう草太に促す鈴愛ですが、草太は家に残りたいと言います。

花瓶に花を飾り、五平餅は焼くだけにスタンバイされているということは?
晴が割烹着でムスッとしているということは?

「おじゃましまーす」
なんと! 東京から菱本と小杉がやってきました。

小杉が出した「散英社」という名前に驚く草太。
「すげえ! 『少年ドラゴン』の!」
これは明らかに『少年ジャンプ』ですね。80年代から90年代といえば黄金時代です。

「お父ちゃんは手塚治虫とか、梶原一騎とか、正統派っていうかね」
「いや、手塚先生の『ビッグX』はうちですよ」

これで、宇太郎も陥落です。はい、二人目。

ここで鈴愛は、律に戦況を報告します。
「いい感じかも!」
そう興奮する鈴愛です。

ここで菱本が涼しい顔で、
「秋風は原作映画公開を控え、5本の締め切りを抱えておりまして」

そう説明しますが、本人はそのころ『テトリス』で遊んでおりました。

 

今では定番の落ちものゲーの『テトリス』。
当時は発売直後、爆発的な人気だったものです。

もう少し時代が進むと『ぷよぷよ』なんかも出てきますね。

 

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菱本の愁い顔にソワソワの宇太郎

中学から全寮制に進学した菱本は、親の気持ちに疎かったと謝罪します。
ちょっと悩ましげな彼女の顔を見て、宇太郎はポーッ。

中国の美女・西施は胸の痛みに眉を顰める表情が、たまらない美しさだったとか。

いますよね、そういう愁い顔美人。
井川遥さん演じる菱本もそのタイプですので、そりゃ宇太郎も見惚れるでしょうよ。

その様子を見ていた晴は、宇太郎のお尻をつねります。

「ムードとして六割! 今こそ宿敵ゴアを倒すべきだ!」
興奮気味でそう律に語りかける鈴愛。

「頑張る前に、律の声が聞きたかった!」
「なんだよ告白か?」
「違う。勉強の邪魔して悪かった」

結構ドキッとする言葉、告白をスルーして電話を切ってしまう鈴愛。
ここもうまいんですよね。

鈴愛はここぞというときに律の応援が欲しい。それは告白じゃん! 律も、頼られてうれしいのです。じれったいなあ、もう。

菱本らは、「秋風塾」の方針を説明します。

秋風羽織が育て、しかもデビューする出版社を探すというのですから、破格の好条件です。
給与面でも安定感があります。

長い長い不景気の昨今。勉強になるし、ためになるから薄給無給でもよいでしょ、なんて【やりがい搾取】なんて言葉もありますけれども、秋風羽織はそういうことはしないようです。
これがむしろ普通ですよね。

 

鈴愛は、世の厳しさ、嫌な面を知らん

菱本と小杉が東京へ帰っての楡野家。
晴は、それでも農協で働きなさい、と諭します。

「まあまあ、東京に出て鬼に食われるわけじゃあるまいし」
仙吉がそうなだめても、気持ちは変わりません。

「お母ちゃんは素人だから、鈴愛に才能があるかわからん。でも、東京で暮らすのは向いていないと思う。農協の方が向いている」

鈴愛はコネ入社なんていやだ、と言います。
これはわかります。陰でいろいろ言われたりしますからね。

「なんで13社も落ちたかわかってるの? なんでも本当のことを書くから。左耳が聞こえんと書くからや」

晴の言葉を聞いた草太は、深刻な雰囲気を察して立ち去ろうとしますが、晴はとどめます。

「鈴愛は世の中いい人ばかりだと思っている。やさしい人たちも周囲にいる。世の厳しさ、嫌な面を知らん。漫画の競争の世界でやっていけるかわからん」

鈴愛は、母の言葉にそう反論します。
「鈴愛は、私は、知っとった。でも私は、嘘をついて入るのが嫌やった!」

娘を世間の荒波から守りたい母、荒波に飛び込んででも夢を叶えたい娘。

一体この二人はどうなってしまうのでしょう?

 

今日のマトメ「良心的な労働条件で良かった」

今日もよい展開です。
まず安心したのが、秋風羽織アシスタントとしての雇用条件がホワイトであるということ。これで『まれ』の轍を避けました。

駄作朝ドラほど、雇用条件が曖昧だったり、劣悪だったりするものです。
ある意味伝説となった2012年『純と愛』は、「24時間コンシェルジュ」という、客に呼ばれたら真夜中だろうと駆けつける、非人間的な労働を美談として出しました。

2015年『まれ』では、憧れのパティシェの見習いができるなら、無給でもいいとヒロインがアピール。
2017年『わろてんか』では、劣悪な労働条件に反論した芸人が、根性論しばき上げにあうという……何が悲しくて、朝から労働者の権利を踏んづける様子を見せられるのか、とげんなりしたものです。

今回は、極めて良心的でよいではないですか!

※編集談「漫画のアシスタントって、時間的には厳しい労働環境ですが、給料は割とシッカリしております。出版社へのツテもデキて、編集者に作品を見せ、アドバイスを貰うことも可能です。ただし、アシスタント業がそこそこお金になるだけに慣れきってしまい、自分の作品を描かず、複数の作家を渡り歩くジプシーみたいになってしまう方も……」

そして次は、晴の悲しい親心です。

晴が、愛ゆえに誤った行動をとることは、第2週の段階で示されていました。
劇中チラリと出てきた、効果がないのにそこそこ高い健康食品を買うところから、それが示されていました。

あのときと同じで、今回の晴の行動も愛ゆえに間違っています。

愛ゆえに宿敵ゴアだなんて呼ばれてしまう、損な役回りの晴。
この設定は胸に来る視聴者さんもいそうです。

「ああ、自分も都会に出たくて、母親が止めたのが鬱陶しかったなあ。悪者にしちゃったなあ」

歳を重ね、子供の気持ちだけではなく、親の気持ちもわかるようになった。
鈴愛と同世代の視聴者をピンポイントで倒しにくる。
そんな効果があります。

あのときは重たくて鬱陶しかった母の愛が、今ならわかる……そんなふうに思わせる、そんな展開の本日でした。

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

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【参考】
NHK公式サイト

 

2 Comments

ヒグタツ

「どちらの気持ちもわかる。」
年取ってみてよかったとおもえる事は、
少ないけど、
良いドラマに出会うと、そういう感慨にふけれます。

しおしお改め、七歳上

ピンポイントで倒されましたよ。
同じ時期、親を振り切って上京しましたから。
でもね、子を持つ親になっても、
今日は鈴愛の味方です。
かなえたい夢は、かなえたいんです。自分の人生ですから。

★今日も素敵なレビューでした。

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