あさが来た 32話 感想あらすじ 炭鉱ビジネスに未来は……ある!

久々に登場の忠興。
東京移転の前に挨拶ということのようです。

時代のビッグウェーブに乗ったナンバーワン商人……なんと言ってもモデルはあの三井家ですね。

本作でちょっと不思議なのが、今井家にせよ白岡家にせよ、モデルとなった家は長州と関わりが深いのに出てこないところです。

むしろ大久保利通、五代友厚といった薩摩勢と親しい設定っぽいですね。
創作範囲内とは思いますが、結果的に大河は『花燃ゆ』長州、朝ドラは薩摩とくっきり別れております。

「アホ娘が!」とおいど叩き

ここであさは、忠興に九州まで炭鉱を見に行こうと思っているとウッカリ口を滑らせ、「アホ娘が!」とおいど叩きの折檻を受けることになります。

「あさちゃん、おいどはご無事だすか?」

ここで新次郎、初対面の時と同じ台詞。
そうそう、あの女の子が成長したのだなとちょっと微笑ましくなります。

縁側で忠興は、正吉にあんな娘で申し訳ないと謝りますが、正吉はあさが嫁に来てよかったと大絶賛。

これをそっと聞いているのが新次郎です。

正吉が長い台詞を喋る一方で、新次郎は顔だけの演技でして。
この無言の演技が面白いドラマなんですよね。

恥ずかしいばかりに大絶賛されるあさですが、普段から行動も伴っているし、忠興がダメ出しをするのでそこまで大げさには感じられません。

「お父ちゃん」と呼んで欲しい

『あさは良い家に嫁いだな……』
そんな風に忠興がしみじみと思う一方、姉・はつは農業に励んでいます。

妊娠したはつは栄達に気遣われ、それなりに幸せそう。栄達は、はつとふゆに「お父ちゃん」と呼んで欲しいと言います。
栄達もなかなかこの生活が合っているようですね。

ここで視聴者が気にしていたふゆが再登場っ!
ここまで落ちぶれた奉公先を辞めないということは、彼女も訳ありなのでしょうか。

その様子をあさ、忠興、うめは遠くからじっと見つめます。

その三人に栄達が気づき、互いに一礼します。この時の忠興と栄達の顔、万感の思いが詰まっています。
栄達も新次郎に会った時は面目なさから逃げ出しましたが、今回はそんなことはありません。

この場面、BGMがはつが船に乗って嫁いだ時と同じなのですが、嫁いだ時と現在の差を思い出すとまたなかなかぐっと来ます。

あさは帰り道、菊に言われたいけずを思い出しつつ、姉妹で道が分かれたけれど何が幸せかわからないと言います。
これは視聴者にとってもそうです。

はつは本当に苦労続きです。
綺麗な着物を着てお姫様みたいな暮らしをしていたの頃と比べたら、今は畑仕事をするほど落ちぶれています。

しかし微笑む顔は穏やかです。
菊のように昔の暮らしを忘れられないとか、少し前の栄達のように落魄を恥じるとか、そういう気持ちだと辛いのかもしれません。

はつはいろいろと吹っ切れたのでしょう。

本心では「こいつ鋭い」と感じていたか

ここで忠興、炭鉱の将来性をぽつりとあさに言います。

炭鉱について言い出したあさをアホ娘呼ばわりしていましたが、本心では「こいつ鋭い」と感じていたのでしょうか。
正吉が見抜いたあさの商才を、忠興もわかっているのでしょう。

とはいえ、炭鉱は荒くれ男だらけです。
しっかりした男でなければ、炭鉱の棟梁にはなれないと忠興は言います。

『花子とアン』の炭鉱王・嘉納伝助を思い出してください。
あれが炭鉱を束ねる男の典型例です。

そして最後には「それでもできると思うなら勝手に頑張れ」と、あさに背中を向けたまま突き放します。

おっ、これぞ頑固親父系極上ツンデレ!
NHK大阪はツンデレを理解していますめ。

資金のためには、嫁入り道具も売却や!

ここで「東京」と出て、ヒヒーンと馬の嘶きのSEと鮮やかな錦絵のアニメーションが入ります。
これは面白い。予算をかけずに、うまく明治らしさが出ています。本作は予算圧縮を頑張っているようです。

『あさが来た』大河級と呼び声高い“セットの秘策” 実は過去作の物を使い回し – ZAKZAK

今日の五代パートですね。
本日はあまり重要ではなく、昨日の場面だけで十分な気がしますが、ますます高まる五代人気を考慮すればよいことでしょう。

「五代さま」ディーン・フジオカ、双子の父だった

明治三年(1870年)。
あさは炭鉱に行こうと頭を悩ませています。

資金のために、嫁入り道具を売ろうと決意。やっぱり、お嬢様、ものすごい量です。
流石にうめは叱りますが、あさは気にしません。

あさは一瞬、琴に触れ、姉妹での合奏を思い出します。
ここでの気持ちはわかりませんが、考えてみればはつは嫁入り道具なんてもう全部手放したのでしょう。あれほど得意だった琴も弾けないでしょう。

あさは姉を思い出し、しみじみするどころかかえって吹っ切れて、父母に謝りながら売却価格を計算し出します。
その一部始終を、新次郎は突っ立って見ています。

そんな新次郎は、夜になると色っぽい師匠、美和の家で月を眺めつつ一人酒。
寂しそうな新次郎にスススと近寄るのが美和です。

美和は親しげに新次郎に語りかけると、酒はこれくらいにしてと新次郎の手に自分の手を重ねます。

じっと美和の顔を見つめる新次郎。
朝ドラで表現してよい色気の限界ではないでしょうか。

ええーっ、ここで終わるなんて堪忍してや〜という悲鳴が聞こえそうなタイミングで、今日は終わります。

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文:武者震之助
絵:小久ヒロ

※レビューの過去記事は『あさが来た感想』からお選びください

あさが来たモデル広岡浅子と、五代友厚についてもリンク先に伝記がございます

【参考】
連続テレビ小説 あさが来た 完全版 ブルーレイBOX1 [Blu-ray]

 

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