あさが来た 42話 感想あらすじ 新次郎のトラウマとは?

自称京都の横綱・あさ。
いくらなんでも相手が荒くれものの坑夫では不利でしょう。

治郎作も「バカタレが!」と坑夫をたしなめます。

ちなみにモデルの広岡浅子は、のちに「大正評判女番付」で東の横綱を獲得しています。

妥協として治郎作が指名した相手は、何故か支配人の宮部です。
この宮部さん、顔芸がおもしろいですね。

演じる梶原善さんは、番頭さんコンビの山内圭哉さん、三宅弘城さんらと同じく舞台でも活躍している方で、よい味を出しています。

嬉し泣きするほど興奮 その姿がグッとくる

さて注目の一番。
これがなかなか熱気溢れる場面でした。

あさは宮部に土俵際まで追い詰められますが、よく粘ります。

観客も大興奮。
何故か治郎作もあさに肩入れしているのか、宮部をおなご相手に本気出すなと罵り、その妻・カズもあさを応援するため声を張り上げます。
特にカズは、心の叫びのように聞こえます。

ついにあさ、下手投げで見事勝ちます。

この場面、台詞のないエキストラさんまで興奮しているのが伝わってきて実によい!
カズはじめ女たちがわっと寄ってきて嬉し泣きするほど興奮しており、それがまたグッときます。

この結果に感銘を受けた治郎作は今までの非礼を詫び、今までの分も一生懸命働くと言います。

ピストルで脅されても嫌々やるだけですが、あさの熱意が伝わり、坑夫らは積極的に頑張ることになったわけです。まさに体を張って誠意を伝えたあさでした。

こんな山の中には三日もいられない

これを見届けた新次郎は、こんな山の中には三日もいられないと帰ることにします。

あさは新次郎に加野屋を一緒に運営しようと持ちかけるのですが、新次郎は乗り気ではありません。
そこで新次郎の口と、大阪では雁助の口から【二十年前のトラウマ事件】が語られます。

加野屋の大番頭だったある男の息子と、新次郎は幼なじみでした。

大番頭は独立して商売を始めますが、魔が差して博打に手を出してしまいます。正吉は商売人としての筋を通すため借金を断りました。

すると、その男は妻子を残し蒸発。
残された母子は周囲から冷遇された挙げ句、やはり姿を消したそうです。

それ以来、金を持つこと、関わることが怖くなってしまったと語る新次郎。
なんかそんな映画あったような……。

まさか、あの大番頭の姿を消した息子、では

新次郎はあさのおかげで大嫌いな金に関わらずに生きていけると感謝の気持ちをあらわします。

こうして新次郎は帰りますが、駕籠のランクが明らかに往路の時より落ちていて笑えました。

その新次郎をなんとも言えぬ表情を浮かべ見守るのは坑夫のサトシ。
公式サイトの人物紹介でも名前が掲載されており、来週、活躍するそうです。

まさか彼があの大番頭の姿を消した息子、ではありませんよね……。

このあと大阪に戻った新次郎が、ふゆの淹れたお茶を褒める場面があります。
今後の伏線でしょうか。ふゆは今後も出続けるとしたら、年齢的に役者後退がありそうですね。

その頃、あさの実家・京都の今井家では祖父・忠政が倒れてしまいました。来週はおじいちゃんさようなら公演のようです。

七週の総評

対比が持ち味の本作。
今週は屈強な治郎作ら坑夫、ピストルを渡した五代友厚、再登場の惣兵衛、そして柔軟な新次郎と、男たちの対比の週でした。

先週があさの女らしさを見つめ直したとしたら、今週は新次郎の男らしさを再発見する週ですね。

世間一般の考える女らしさ、男らしさからは遠い二人。
しかし本作では「その人らしさ」が一番大事ではないか、とメッセージを送っているようです。

あさの炭坑での奮闘は、ピストル持参の度胸が語られることが多いのですが、ドラマではアレンジしてさらに深みを持たせておりました。

また今週は、あさの職業への意識や目線も描かれました。

見下すことなく、相手を尊重するからこそ、あさは治郎作も認めた。
それだけではなく、男たちの下でじっと息を潜めていたカズら炭坑の女たちが、あさの目の覚めるような度胸によって勇気づけられてもいます。

主人公の言動で周囲が励まされることはよくある展開ですが、本作はそれを嫌味なく描いています。

大河の美和や楫取が、群馬の人々や女工に対しどんな態度を取っているか?
それを比較すると、よりわかりやすい。

あさの素晴らしさを再認識するために『花燃ゆ』を見るのもアリかもしれません……(それが制作側の意図かどうかはさておき)。

美和さん、体を張らない誠意は伝わりませんよ。
楫取さん、見下す態度はそれとなく相手にも伝わるんです。

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文:武者震之助
絵:小久ヒロ

※レビューの過去記事は『あさが来た感想』からお選びください

あさが来たモデル広岡浅子と、五代友厚についてもリンク先に伝記がございます

【参考】
連続テレビ小説 あさが来た 完全版 ブルーレイBOX1 [Blu-ray]→amazon link

 

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