強くて知的でパワフルな女性像
はい、ここで海外ドラマのトレンドでも見てみましょうか。
別に作者は女の意地に注目しているわけではないと思います。
男だろうと、女だろうと、悪い奴もいればいい奴もいる。
あっさり殺される奴もいれば、狡猾に生き延びる奴がいる。
そういう乱世を淡々と残酷に容赦なく描いた結果、ああなったというところ。これはG・R・R・マーティンの作風とも言えますし、海外ではむしろ当たり前です。
G・R・R・マーティンはSF作家でもあります。
彼はじめ、海外のSFですと、軍人や政治家も男女比がほぼ一対一です。
ワルい女も当然おります。
良妻賢母じゃないヒロインが当然のことですので、画期的ではあるっちゃ、確かにそうかもしれませんが、海外ではそういう流れなのだと思います。
◆【TVドラマ】アメリカ人気女優ランキングTOP10、強い女性が人気!?
女性は、強く知的で、そしてパワフル。
性格が複雑で反抗的、良妻賢母やカワイコちゃんだけじゃないヒロインが増加している、という記事。
何度も言いますが、こういう流れは遅れるだけで日本にもやって来ますからね。
『半分、青い。』のヒロイン叩きの執拗さは、今思い出しても異常でした。
ありゃ断末魔だったんだな、と今納得しております。
海外の映画やドラマでは、鈴愛よりずっとワルいヒロインが出てきますからね。
じゃあ、従順でハイハイ言っていてニコニコ笑顔なヒロインがいいのか?
いやいや、んなもん、すでに時代遅れ。福子への批判も止まらないようです。
今は過渡期ゆえに、前に進んでも、後退しても叩かれる。
ならばどちらに向かうのか、って話で、本作は安易な後退を選んだわけです。
もう、なるべく無残に負けましょう。
本作の存在意義はそのためだけにあります。
タカの描写に現れる化石のような価値観
今日も燃料追加しますと。
◆「ヤレる女子大学生ランキング」批判に戸惑うメディアの人へ(小川たまか) – Y!ニュース
今なお燃えさかっている『SPA!』。
本作は他人事じゃありませんので、再度、注目です。
■未成年や学生を守る意識はあるのか
署名発信者の山本和奈さんは、ビビットの取材に対して「大学生の半分は未成年。未成年って私たちが守らなきゃいけないのに」とも話している。山本さんは21歳だ。21歳の学生が「未成年を守らなきゃ」と言っている。社会人のどれぐらいが、これと同じ意識を持っているだろう。
未成年や若い学生に「自分のことは自分で守れ」と責任だけ押し付け、一方では大人が未成年や学生を性的対象にして当然という価値観を垂れ流すことに、大人がもっと危機感を持つべきなのではないか。
ほんまコレやぞ、『まんぷく』!
タカ関連の描写がまさにそう。
タカ自身にも、周囲にも、彼女を守る意識がゼロでした。
一つ屋根の下に見知らぬ男がいても「かわいそうな人ぉ〜」程度で、大勢のロリメンと一緒に泊まってもへっちゃら。
そんな未成年に男どもがワラワラと物欲しげに群がる。
咎めるどころか、微笑ましい話として朝っぱらから垂れ流す。
未成年を守る意識、ゼロ!
どころか、未成年に性的な関心を持つ成人男性は当然のことであるかのような意識がありました。
もう今は2019年なんです!
いい加減に価値観をアプデしてくれ!
朝ドラというのは時にブームを巻き起こし、本来は時代を引っ張るポテンシャルも有しています。
企業創設者モデルとなれば、こんな影響も。
◆あの“朝ドラ”も後押ししたウイスキー人気 その裏で好況ゆえの試練も 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)
◆サントリー角瓶も原酒不足か 『白洲12年』『響17年』は販売を休止に|ニフティニュース
昨年もありましたよね。
◆朝ドラ「半分、青い。」で大人気の五平餅。愛知・岐阜・長野の美味を食べ比べてみた!(大竹敏之) – Y!ニュース
こういうニュースは喜ばしい。
時代を引っ張るどころか、取り残されて
さすがに日清食品ぐらいは良いことあるのかなあ、と思っておりましたら。
◆日清食品陸上部が大幅縮小、佐藤悠基と村沢明伸以外12選手退部へ…2選手は内定取り消し : スポーツ報知
あらら。
実は日清がらみのバッドニュースって、初めてじゃないんですよね。
ロシアでカップヌードルから遺伝子組み換え食品が発見されているという……。
そして、こんな指摘まで。
日清の大坂なおみ / TIME誌のNaomi Osaka pic.twitter.com/jqF5tTd2Q1
— 堂本かおる (@nybct) 2019年1月12日
◆どこに向かうんだ! 錦織圭&大坂なおみ、日清カップヌードル新CMで『テニスの王子様』コラボを果たし超展開を迎えてしまう – ねとらぼ
このCMですね……さすがに、ちょっと厳しい。
今の感覚ですと、【ホワイトウォッシング】とみられてもおかしくない表現手法です。
どうして彼女の肌の色を、ここまで白くしますか?
「いやあ、肌が黒いと美しくないから」
とは、まさか言いませんよね?
それじゃあ、
「いやあ、主役が台湾ルーツだと親近感が湧かないから」
と言いたげな、どこぞの愚作と同じ過ちになります。
『まんぷく』の台湾ルーツ削除と重ねますと、日清は人種差別に甘いというイメージがつきかねない。
海外展開もしている会社でこれはマズイです。
本気で心配になってきました。
何も好きでこんな赤壁の戦いマラソンをしているわけじゃない。
燃料を投下し続けるんだもん。もう、しょうがないじゃないか。燃えてしまえ!!
時代を引っ張るどころか、取り残される本作。
チキンラーメンとカップヌードルという、時代を引っ張る製品を作ったはずが、この体たらく。
どういうこっちゃ。
※スマホで『いだてん』や『八重の桜』
U-NEXTならスグ見れる!
↓
文:武者震之助
絵:小久ヒロ
※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください
※まんぷくモデルである安藤百福の記事、ならびにラーメンの歴史もリンク先からどうぞ!
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・まんぷくここが好き!
・まんぷくここがアカン!
という意図でご自由に記述してください。
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大人しくて従順な女性を描くのは否定しません。
しかし、そういったヒロインを描くなら「そうなった(ならざるを得なかった)背景」を描くなり「大人しくて従順なのに全然都合がよろしくない・なんか怖い」といった工夫(現実)を凝らさないと、もう最近は受けませんよ。
fateの間桐桜しかり、少女革命ウテナの姫宮アンシーしかり、エヴァンゲリオンの綾波レイしかり…古くは源氏物語の女三宮しかり。
いつも武者さんのレビュー全てに大きくうなずきながら読んでいます。
今日もどの部分にコメントしたらいいのか迷ってしまいますが、、、
あのしらじらしい驚き方と、りんごジュース1杯で追加融資にOKを出した梅田銀行の喜多村に驚きました。
池田信金を窮地に追いやって乗っ取ろうという下心でもあるのかと疑ってしまいます。
もしそうでなければ学芸会以下のドラマですね。
ストーリーも、出ている役者さん全ての演技も、酷すぎます。
安藤サクラさんや長谷川博己さんは演技派の俳優さんのはずなのに、とんでもない大根役者に見えてしまう、恐ろしいまんぷくマジック。
脚本家はもう真面目にドラマに取り組む気もないようです。
役者さんが投げやりになっても仕方がないかも知れません。
スタッフ全員が「早く終われ」と願っているのが画面から伝わって来るようです。