まんぷく 94話 感想あらすじ視聴率(1/23)ラーメン教の福音

おはようございます。

なんて清々しい目覚めでしょう。
もちろんそのお供には、朝の連続テレビ小説。
光に満ちた天使のような福子と子供たちの笑顔。
神々しいまでに凛々しく、献身的な、まるで聖人のような風格を持つ萬平。
慈母のような鈴。
そんな姿に癒され、エネルギーをもらい、ほっこりきゅんきゅん出来たのです。

空飛ぶスパゲッティモンスター教 日本支部』も「Ramen」と祈りを捧げております。

私も祈りましょう。

アーメン、ラーメン、マンペイサーン♪

ラーメン発明という奇跡

ナゼ、ラーメンの発明をひらめいたのか?
それは萬平様の信仰心のおかげです。

本作におけるラーメンとは、聖体です。いわば、神の思し召し。

口さがない邪教徒レビュアーは、
「台湾ルーツはどうなった?」
「GHQの小麦粉政策はどうした?」
と、くどくど文句ばかりを繰り返しますが、萬平様ほどのカリスマ性と信仰心があれば、天意を読み取れないはずがないのです!

店主の告白

ナゼ、屋台のラーメン店主は味の秘密まで自ら告白するのか?

これも、天の思し召しに違いありません。
屋台に突然聖人が現れたら、たかが人の子如きがその神秘性に打たれて告白しないはずがない。

煮干しも、シイタケも、深い意味があります。
『月刊ムー』を読んでスピリチュアルなセンスを磨きましょう。

「なんかそんな材料って言われても、ピンと来ないなあ」
と思うあなたは、信仰心が欠けておりますぞ!

福子様が、食べた瞬間に喋り出したり、麺をだらりと垂らしている姿が見るに堪えないなんて、指摘する者が愚かなのです。

十二年掛けたものを「すぐに作ってみせる」とラーメン店主に言うのは、失礼なのでは?
いいえ。失礼なわけがないでしょう。

萬平様は神の子です。愚かな人の子如きが何年かけても到達できない境地に、すぐさま達成できてこそ神の子なんです。

さあ、あなたも福子様を見習いなさい。
笑顔で、
「萬平さんを信じています!」
と、言うのです。

また信仰心の足りない鈴、克子、忠彦らには理解できておりませんが、彼らとて神秘のラーメンを食べた瞬間帰依することでしょう。

ラーメン屋台を讃えよ

ラーメン屋への差別を描かないのか、ですって?

確かにこの時代、ラーメン屋は日本人以外のルーツを持つ人、借金のある人が屋台を引くことが多いものでした。
そういう人への蔑視もあったものです。

しかし、そんな邪悪な差別を朝から見たいと思いますか?
お茶の間にそんなものを届けたいと考える者は、邪悪極まりない者だけなんです。

本作が届けるのは、あくまでほっこりきゅんきゅん。
笑顔と幸せ。
昭和がいかに美しい時代であったか。
天国の景色なのです。

そんな深慮遠謀ゆえの台湾ルーツ削除、福子様モデルの背景カット、その他もろもろの処理なのに、邪教徒はそんなことすら見えない。
悲しいことです。

服装や家がさほど貧しく見えないなんて、そんな邪悪な指摘はおやめなさい。
誰がそんなものを見たいのですか。心清い人々が見たいのは、笑顔あふれる萬平様と福子様の生活です。

ほっこりきゅんきゅん!
この言葉を、あと百回唱えなさい。されば救われます。

『白薔薇』にも神はいた!

邪教徒アンチは、世良がまたカレーを食べながら喋っていると、鬼の首を取ったように言うに決まっています。

そんなはずはないでしょう。
深い意味があるのです。行間を読み取れない、信仰心の薄い邪教徒は何もわかっていないのです。

あのオーナーの、航海とロマンをかけたセリフも、美しくて心震えました。
朝にテレビで、リドリー・スコット映画並の迫力ある場面が見られるなんて、これぞ奇跡です!

『白薔薇』の給金如きで家族を養えるのか? と邪教徒は突っ込むことでしょう。

福子様ほどの天使が降臨するのです。
それはもう『白薔薇』の者たちはたっぷりと給金を支払っているに決まっております。使徒・真一から受け取った退職金もございます。

邪教徒に屈してはならない

萬平がブツブツと口にするだけで、本を調べようとすらしないし、世良の指摘するマーケティングもしていないですと?
そんなことが気になるのは、邪教徒のふざけきった陰謀のせいです。

慌てないで心に静寂の光を当ててみましょう。

邪教徒は『半分、青い。』のような異端を崇め、本作のような聖典を踏みつけます。
なんと無知なことでしょう。

萬平様には神が見えます。
ならば、俗世の書物に頼ることなどありません。
彼ほどの人物ならば「ラーメン、ラーメン」とブツブツ唱えれば、神のお告げがあるに決まっているのです。

緑色のルイージカーディガンを着回している?
これは、福子様の溢れんばかりの生命力を讃える色なのです。当然です。手抜きと思うあなたが邪悪なだけです。

子役の演技がわざとらしいとは……開いた口が塞がらないとはこのことですね。
厳しいオーディションを勝ち抜いてきた天使のような子供のふるまいにケチをつけて、恥ずかしくならないのですか?

沢庵の場面も、時間稼ぎのはずがありません。
あの説明のあと、子供の口に押し入れる福子様は慈悲深い御方。福子様の食べ方が不衛生だと思うのは、信仰心不足です。
福子様がなめ回した箸なんて、聖遺物認定されてもおかしくありません。

あの箸さえあれば、出世も、恋愛も、ダイエットも思いのまま!
お金のお風呂に浸かって、雑誌広告に載ることも夢ではありません。

福子様の尊さ……手をかざして、ラーメンが見えるかどうか語りかけるお導き。
一夜漬けとラーメンを並べるお告げが、そこにはあります。

そして咲様への信仰心も、ゆめゆめ忘れることなかれ。
尊い咲様なれば毎晩出てくるわけではありませんが、だからこそありがたみを感じます。

伝わってくる萬平様の素晴らしさ

伝わって来ますね?
今朝、学べた萬平様ラーメン教の素晴らしさ。
朝から活力をもらえました。前作の邪悪さに疲れ切った私の心を癒すかのようです。

ほっこりきゅんきゅん――これぞ朝ドラの王道です。
毎朝涙が頰を流れます。
本物の朝ドラを見てしまったゆえの感動なのです。

こんな素晴らしい15分間が毎朝のようにあるなんて素晴らしいことです。日曜の朝が寂しくてなりません。
ああ、この美しい時間があと数ヶ月しかないなんて悲しい。絶対にソフトを買わねばなりません。

テレビって素敵ですね!

あっ、目の前に神の姿が見えてきました。これが……空飛ぶ萬平様ラーメン教の奇跡か!

……………………ハッ!?
なんだったんだ、今までの時間は!

【94話の視聴率は22.5%でした】

目覚めよ うん、目覚めたよ

はい、昨日のレビューをご覧になられた方は薄っすらとお気づきだったかもしれません。

まんぷく 93話 感想あらすじ視聴率(1/22)月刊『ムー』で咲姉ちゃん特集を!

誠に勝手ながら、青少年たちの想像力を鍛えに鍛える『月刊ムー』さんとのコラボを展開させていただきました。
異端扱いした『半分、青い。』は大好きですからね、はい。

しかし、これは思った以上に闇が深かったかもしれません。

最初はお笑いのつもりで書いていたんですが、案外洒落になっていない気もしてきました。
だって、萬平のラーメン関連があまりにオカルトなんだもん。

いきなり屋台の店主が、ペラペラ味の秘密をバラすなんておかしい。
それを言うなら、まともに働く人が誰もいない『白薔薇』もおかしい、

沢庵のハウツーは、露骨なまでに高年齢主婦層のサービスと時間稼ぎだし。
ルイージカーディガン着回しは、衣装の手抜きもありそうだけれども、まとめて撮影という裏事情が透けちゃっているし。
子役の顔には、戸惑いがチラチラと見える気がするし。
時間稼ぎばかりでリサーチの様子が見えないのは、現場崩壊の可能性を示唆しているし。
畑でのブツブツ萬平は怖いし。

次から次へと湧いてくる疑問は、オカルト処理でないともう消化しきれません。
誰かやってみませんかね? 空飛ぶ萬平様ラーメン教でも。

マントラは、
【ほっこりきゅんきゅん
まんぺぇいさぁ〜〜ん!
ラーメン】
です。

※スマホで『いだてん』や『八重の桜』
U-NEXTならスグ見れる!

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

立花福子のモデル・安藤仁子の生涯

※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください

まんぷくモデルである安藤百福の記事、ならびにラーメンの歴史もリンク先からどうぞ!

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8 Comments

Susuka

最後のナレーション
「その夜、福ちゃんの夢に咲姉ちゃんは出てきてくれませんでした」
出てくること前提かい!

福子

はじめて読みました。
まんぷくをとても楽しく見ているので驚きました。
怖くなりました。

匿名

気持ち悪さって、昇華されても気持ち悪いんですね。
サクラちゃんの姿勢が最近ひどくなってる気がするので体調を心配しているのですが、
お店でちょくちょく座るのは、女性がお相手するお店だからだと思ってました。
ほかにもいろいろ誤解があったようですが、テレビ観るやつはバカだと思われてるんだから仕方ないんだろうなと悲しくなりました。

暇人

昔からある程度は実在モデルの話を取り上げてきた朝ドラですが、最近はさすがに多すぎのような気がします。
直近5年10作だと、なんと七割です。花子とアン、マッサン、あさが来た、とと姉ちゃん、べっぴんさん、わろてんか、まんぷく。
非該当は、まれ、ひよっこ、半分、青い。
双方に良作、駄作があるので、どちらがいいとも言えませんが、ちょっと企画段階から安易な道に走っていない?と思います。

kiki

今日のレビューは読みながら何度も声を上げて笑わせて頂きました。まさに本作は絶賛ファンにとっては判断も理性も及ばない宗教となっていますね。「ほっこりきゅんきゅん」のマントラを唱えればこの世は天国、「まんぺーさんを信じます」のお経が繰り返されて、わけのわからないものが作られては消えて行く。異端の象徴「半分、青い」は魔女狩りのように執念深くいたぶられております。

沢庵の製作は高齢主婦層へのサービスとおっしゃいましたが、どうも本作はその層を朝ドラ視聴者のメインと捉えてサービスしているつもりになっているようです。私も高齢主婦層に入りつつある年齢ですが、こんな脚本、演出、配役すべてグダグダのドラマを見たいとは少しも思いません。

「高齢者が病院の待ち合い室で見たり、老人ホームで見たりするから、これが朝ドラの王道なのよー」というコメントをどこかで見てぞっとしました。高齢者ってそこまでバカにされる必要があるでしょうか。私は老人ホームでテレビだけが楽しみになったら、いくらなんでももっと面白いドラマを見たいのですが。

Susuka

大坂選手の件、日清が謝罪コメントを出してますね。
火種が火種であることを素早く認識、火消しするのは、素晴らしいことだと思います。
これで日清も「人のことを言えない」状況ではなくなりましたが、
これで朝ドラの台湾の件について、踏み込んでコメントできるか…というと、心もとないところです。
何しろ、モデル本人が台湾社会と仲違いして、公式でも距離を置いているという現実があります。

複数のルーツを持つ人物をドラマで取り上げる場合、考証やキャスティング、ロケ地選定など、制作の規模はより大きくなります。それだけ、制作側には覚悟が求められます。以上が、デメリットの点。
対してメリットの点は、これらの諸点をクリアした場合、作品自体が「国際友好」のアイコンになりうることです。ただしこれが順調に機能するのも、モデル本人がルーツ全てについて肯定的であった場合の話です(大坂選手の場合は、3つのルーツに誇りを持っていると本人が断言しているので、モデルとしては最高でしょう)。
この点で、安藤百福の場合は、単純に「日台友好」の象徴として扱えないという更なる難点があります。在日台湾人コミュニティの内部対立を取り上げるのは、関係国・関係者などの「痛み」を伴いかねません。よって、より重大な「覚悟」が求められることになります。
そのような案件を、朝ドラ大阪班が取り上げた。現状のチームの体力で、書き上げられると思ったのでしょうか…(結果は、御存じの通りです)。

元飲食業店員

いやあ、素晴らしい表現でした(笑)。
まあ言い出すとキリがありませんが案外人が気にしない部分で許せなかった箇所をひとつだけ書かせていただきます。
今日、福ちゃんは世良さんと会話する際に勤務時間中なのに客席に座りました。
飲食業で働いた方なら例え友達が来ている時でも働いている時間は客席に座ってはいけない事を常識として教わります。
席はお金を払って下さるお客様のためのものなのです。
マクドナルドのようなファストフード店の店員でさえわきまえている事を一流ホテルで働いていた福ちゃんが知らないわけはありません。
これは飲食店でバイト経験のある人間しか気にしない事だから脚本家も演技をしている俳優さんも演出している現場の方も何とも思わなかったかもしれませんが、個人的にどうしても許せない部分だったので書かせていただきました。

迷える子豚

私がこのドラマに疑問を抱いたり、腹が立ったり、うんざりしたりするのは、信仰心が足りなかったからなのですね。
「発明家」というものはドクター中松のように、常に生活の中にあるものを、使いやすくしよう、効率よくしようと、考えずにはいられない人のことを言うのだと思っていましたが、数十年に数回ちょちょっと何かを作る程度でも「素晴らしい!萬平様は稀代の天才発明家!」と讃えるべきでした。
たとえ今までに一度も料理を作ったことがなくても、インスタントラーメンくらいチョチョイのチョイと作れますよね。
萬平教の最高階級幹部である福子様の品のなさも、我々下々の者たちが気負うことなく親しみを持てるようにとのご配慮であったことを理解しました。
ありがたやありがたや

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