おはようございます。
いじめに遭う我が子に思いやりも何も見せない――そんなシーンがさもエエ場面と言いたげに流され、もうゲンナリしてしまいます。
『まんぷく』スタッフさんは、ご自身のお子さんに同じことが起きても
「ニコニコ耐えなさい」
という対応をされるんですか?
このドラマでは、いじめ問題すら萬平さぁんのサクセスストーリーへのスパイスに過ぎない。そうとしか思えません。
史実を大胆に再構成するとそうなるんですね、ホへ~。
【97話の視聴率は21.8%でした】
大事な鶏ガラ どう思いつく?
萬平は、偉そうにラーメンのスープについて講釈を垂れております。
本当に演出が最悪のドラマです。
夜になってからしみじみとちゃぶ台を挟んで語り合うならばともかく。昼間から立ち上がったまま、背中を福子に向けたまま、偉そうにブツブツ言うのです。
ダシは何から取るのか。
これは「チキン」ラーメンですし、かなり重要です。
この鶏ガラを思いつくエピソードも、かなり重要かつモデルには公式の逸話があるのですが(その真偽はさておき)。
ある日、安藤家では鶏をしめて食べることにしました。
このとき、仮死状態だった鶏が暴れて血が飛び散り、子供たちはその様子がトラウマになって、鶏肉を食べなくなってしまったのです。しかし、鶏肉でだしを取ったスープだけは、美味しいと飲み干します。
それがヒントになったのです。「よし、味は鶏肉にしよう!」
まあ、確かに動物愛護を叫ばれる現在です。
鶏を殺す場面を再現するのは賛否両論あるでしょうよ。
でも、そんなもん、何の言い訳にもなりませんからね。
鶏を殺す場面を省いても、成立しなくもない話です。
それにこの逸話からは、我が子のために鶏をしめる――そんな父としての姿を見せることだってできたハズです。
ところが劇中では、なんとなーくたどり着いてしまってる。
一体どこまで間抜けなドラマなんですか?
なんでもタダ!タダが最高!クレクレ!
しかもこの後は、お得意のクレクレです。
「鶏肉の骨なんで、タダみたいなもんやな」
ほんとコレばっかり!!
・ガマガエルなら、そのあたりから捕まえられるからタダ!
→有毒です。史実ではちゃんと養殖ウシガエルでした
・牛骨なんてタダみたいなもんやろ
→ラーメン店から強奪
・ワカメならそのへんから取ってくればエエ
→漁業権はどうなっている? 晩ごはんに獲っていた魚もね
・土産にもらったスモモなら買って来なくてエエ
→通年収穫できないのに、どう製品化に間に合わせる?
それ意外にも「くいだおれ」のパクリだの、盗難&剽窃だの、とにかくゲスい行為がだ〜い好き!
改めて振り返ってみると、あまりの事例の多さに驚嘆です。
なんなんだコレ……しかも、鶏のスープで試行錯誤なんて馬鹿馬鹿しくて見ちゃいられません。
こんなもの、台湾で台所に立っていた安藤百福氏の経歴を出せば瞬時に終わります。
福子と萬平のろくでもない試行錯誤なんて、見たくもありません。
しかも肝心の材料はクレクレですよ……ハァ。
あさって過ぎるアイデアにため息しかでない
「えんりょしときまっすぅー」
という福子の口調も、無精髭のままいちいち偉そうな萬平にもウンザリ。
麺のことで試行錯誤するのはいいのですが、スパゲッティをヒントにするあたり、もう見ていられない。
着想があさってすぎてアホなんじゃないのか?
としか言いようがありません。
てか、もう食べるシーンは止めませんか?
といかく毎度毎度、飲べかたが汚い……麺だと特に目立ちます。ズルズルすって、クチャクチャしながら会話を続ける。
ラーメンがテーマなのに、食べている場面を見ることが辛くて仕方ない。
スパゲッティ試食タイムなんていりません。
こんな史実にかすりもしない、見ていて絶対にダメだというアイデアを繰り返されましても。
案の定、源と幸だってこれはラーメンやないと返すわけです。
そう言う我が子に、
「一生懸命考えたのよぅ!」
と返す福子とは一体なんなのでしょうか。
これが本作のテーマですよね。
ダネイホン試食会でも、マズイと言う社員を追い出せと世良が言っていたものです。
本作は、反対意見を封殺することが美談だと思っているのかもしれません。
我が子にふくれ面をする萬平の幼稚さにも驚くばかりです。
この人、もう、50才手前ですよ。
萬平だけでなく福子も信じがたいほどに幼稚です。
モデルの安藤仁子は我が子に粗末な食事しか与えられないことを嘆き、ため息をついていたと言います。
それが本作では、ニタニタして萬平さぁんを信じてまぁすを繰り返すばかり。
萬平教の教祖と信者は今日も全開だわ。
あの働きぶりで生活費をまかなえるのか?
福子は、とろろ昆布に湯をかけ始めました。
それを見て、萬平がひらめきます。
「これだ! これなんだよ!」
乾いていた昆布が食べられるようになる。
麺に味を付けておいて、戻せば食べられるようにする。
それがアイデアである、と。
はいはい。一夜漬けの次はとろろ昆布ですか。
チキンラーメンは日本由来でよかったですね。
そういえば萬平はラーメン食べ歩きを繰り返しておりましたが、やはり、結構な出費だったそうで。
それが福子のバイトで賄われていたというのですから呆れてしまいます。
客席に平然と座るような、舐め腐った態度の働き方で十分な資金を得られるとは。
内職もしない。こんな雑なパート勤務だけで、小学生二人を抱えた家族でも余裕なんですぅ〜、って無茶苦茶過ぎます。
家計が苦しいのであれば、池田からそれなりの距離がある克子の家にちょくちょく行くもんではないでしょ?
まぁ、ナレーション処理ですから、なんとでも言えますよね。
続きは次ページへ
→立花萬平のモデル・安藤百福の生涯
→立花福子のモデル・安藤仁子の生涯
某食品会社と某大阪制作陣の癒着とその闇を扱った本格ドキュポリミステリーを観てみたい。もちろん公共放送制作で。
視聴者の騙され様がもうシャレを超えています。マジであかんレベルに達してしまってると思います。
わかりました!本作は爽やか朝ドラ風「仁義なき戦い」や「レディコミ」「昼ドラ」「東京カレンダー」なんですね。
だからマウンティングとかゲス要素がバンバン出て来てもオッケーなんですよ。
「ワタクシ達は港区の高層マンションの最上階で優雅にセレブライフを満喫し、妻は有閑マダム相手のサロンを開き、日々マウンティング勝者であることを実感するのが夢!夫は毎晩ゴージャスでラグジュアリーなパーティーを満喫し、若くて綺麗な女達を侍らせ、気ままにお持ち帰りするのが夢!!
ジャマする奴や悪口雑言を言う輩は容赦しねぇ!!!テーブルの下はキックの嵐!」的な世界なんですよ。
…って、そんな朝ドラがあってたまるか。
今回の『べっぴんさん』(第97話)
1.「女の一生」をテーマにした、大急百貨店でのキアリス企画がようやく完成し、スタート
朝ドラの重要なテーマ自体も「女の一生」であった筈。しかし、今のところ、NHK大阪が朝ドラでまともに「女の一生」を描ききったのは、この『べっぴんさん』が最後。
低評価の人も少なくないけれど、この『べっぴんさん』は、女性の人生を描いた作品としてはまだしもまともな作品。
次作以降の大阪制作朝ドラは、悪ふざけと時間稼ぎばかり。何を描きたいのか全く伝わらない。
2.栄輔「日本一の洋服屋」
大急百貨店に出店を果たした栄輔が、大急の大島社長から「君は何になりたいのか」と問われ、こう答える。
大島社長は、「ならば、しっかり根を張っていかなければいけないね」と応じる。
しかし実際にはその後栄輔は、健闘するものの地に足のついた展開ができず…(ネタバレになるけど…)
朝ドラ作品群(東京制作も大阪制作も)の中には、安易に「にほんいちの…」「せかいいちの…」などと中身のない筋書きをしようとして大コケするもの(『ま○』とか『わ○て○か』も)がちょくちょく出てきたけれど、痛烈な皮肉にも聞こえる。
いずれも、当時としては特別なシーン、台詞ではなく、普通の自然な展開の中での台詞だった筈。
それが、今となっては「とても良くできたシーン」のように感じられてしまい、メッセージ的なものすら感じてしまう。
いかにドラマのレベルが下がってしまったかを痛感する。