あさが来た 72話 うちは商いが好きなんだす

正吉の葬儀には加野屋に多くの人が集まりました。

女性は白い喪服、男性は黒紋付。
東アジア圏では喪服は白が伝統的な色でしたが、明治維新以降、西欧化によって黒になりました。

劇中では過渡期です。
現在の黒い和装喪服は一見伝統的に見えますが、実のところ和洋折衷スタイルなのですね。

九州の炭坑では、うめの手紙で正吉の死を知った雁助が手を合わせていました。

ジャーンジャーンジャーン

それから数日後、五代が弔問に訪れました。
彼の黒紋付姿は貴重です。

五代は遅れたことを詫び、正吉の死を悼みます。よののことを心配しますが、お伊勢参りに出かけると新次郎が語ります。思い出の地をめぐる旅ですね。

「他の皆さんは?」
五代がそう聞くとあのジャーンジャーンジャーンが流れ出します。

新次郎は「他の皆さん=あさ」だと見抜き、あさは炭坑に行く予定だと教えます。五代のライバル宣言を受けて立つ、みたいな演出です。

そのあさですが、炭坑に千代を同行したいと新次郎とよのに打ち明け、大反対されます。
行くなら千代は置いて行けと珍しく強い口調で言うよのでした。

あらためて正吉に感謝するあさ

うめはあさのことを諭し、千代を育てることが大事だと言います。

あさは鉱山の前の持ち主であった櫛田そえの言葉を思い出し、さらに闘志を燃やします。

「うちは商いが好きなんだす!」
働くことが、商売がとにかく好きで、女の商売への進出を促したいのだと語ります。

改めて正吉に感謝します。

そうそう。あさが商売をしているのは、新次郎がやる気がなかったからだけではないのです。正吉の理解があったからこそ、活躍できているのです。

よのはいけずなお姑なのではないか、と店の招き猫を正吉に見立てて話しています。
はたから見るとちょっと怖いのですが、よのの天然ならではでしょうか。

雁助からの手紙に浮かれるうめ

そこへまた例の不審者が出現です。
正体はまだわかりません。八五郎(八っちゃん)は妻子持ちで夫婦仲も良好、不審者の正体ではないようです。

八っちゃんの出番はここで終わりでしょうか。
なかなかいい味出していましたが。恋のライバルが減った亀助は一安心?

ここで亀助、雁助からうめあてに手紙があったと言います。
少女のような表情で雁助からの手紙を読むうめ、なんとも可愛らしいです。

炭坑との二重生活を送るあさ。

新次郎は五代に呼び出されたようです。
あさがあわてて寄合所に行くと、五代はあさを東京に連れて行きたいとか。

来週は豪華ゲスト登場、日本史上に残る暗殺事件と盛りだくさんの模様です。

総評

今週のサブタイトルは「正吉の一言」から「大阪一のおとうさま」に変更されていました。
本作のサブタイトルは「ふたつの花びら」など味がありますが、今週のこれは見た瞬間にうるっと来ました。

近藤さんともうお別れなんて辛い!
折り返し地点とはいえ、もっと見たかった!

サトシ=松造であることは、彼の初登場時から多くの視聴者が予想できたと思います。
だからこそ、何週も引っ張ることが不思議でした。正吉の死の直前に解決するためこの構成だったわけですね。

そしてこの最後の見せ場において、近藤さんは120パーセントのクオリティを見せました。

饅頭を食べさせ味覚で思い出を蘇らせるという提案、流石です。

さらにすごいのは、玉木さんの語り口が近藤さんに似て来ているということです。
劇中親子という設定もありますが、それ以上に近藤さんが強い魅力で共演者を惹きつけ、そして玉木さんが近藤さんから学んでいるということでしょう。

ベテランの底力、見せていただきました。
朝から眼福です。

近藤さん、ありがとうございました!

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文:武者震之助
絵:小久ヒロ

※レビューの過去記事は『あさが来た感想』からお選びください

あさが来たモデル広岡浅子と、五代友厚についてもリンク先に伝記がございます

【参考】
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