なつぞら16話 感想あらすじ視聴率(4/18)プライドなき服従を是とするなかれ

【第16話の視聴率は22.2%でした】

 

なつぞら感想視聴率

今日はなつの授業からスタート。
教師は、お笑い芸人・千鳥のノブさんですね。

この講義内容がなかなか面白い。
板書もシッカリしていて、普通科では習わない酪農についての知識です。
さすが帯広畜産大学も考証についてるなぁと納得感があります。

先生も、きっちり理解しながら話しているとわかりますし、脚本側もそう。
渡された資料をそのまんま朗読する――そんな手抜き感はありません。

なつの友人であるよっちゃんこと居村良子は居眠りをしておりました。
腕をつついて起こすと、寝ぼけてしまうよっちゃんです。

「おかあちゃん!」
「おめえの母ちゃんでねえ」

先生も苦笑い。教室がドッと湧きます。

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女子が後継者になる時代へ

ナレーションで当時の教育事情が説明されます。

十勝農業高校は、酪農家の後継者が進学するもの。そのため、女子は少ない。
このクラスもたった二人で、他の場面でもほぼ男子校状態です。

この分野で女子の比率が低いのは、やる気がないからだ――。
そんな偏見に、きっちりとカウンターを入れる構図です。

◆東国原英夫が発信した「呪い」の言葉「世の中には頑張らない人がいる」

やる気を見せて、なつが進学したこと。
それは昨日の夕見子の言葉にもあらわれています。

泰樹からなつへの【女子による継承】が隠されたテーマだと私は感じています。

最終シーズンがスタートした『ゲーム・オブ・スローンズ』でも、【女子による継承】とその困難が大きなテーマであると思うのです。
そこまで『なつぞら』は踏み込んでいるのでは?

そうそう。
『真田丸』のスタッフは、屋敷P以下『ゲーム・オブ・スローンズ』を意識していたんですよね。

わかる解説!ゲームオブスローンズシーズン8第1話 感想あらすじ

そんな教室で、異色の生徒は女子だけではありません。

菓子店の息子なのに、ナゼかここに進学した小畑雪次郎がいます。
公式サイトの登場人物紹介ではキリッとしていますが、動くとお調子者くささがすごいなっ!

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雪次郎は明るさとその社交性で人助け

なつは雪次郎に農協問題を相談します。
まぁ、相談したところでこいつには「まるで解決できない感」が漂っていていいですよね。

そうそう、コメント欄でご指摘いただいた髪型ですが。

分け目が七三なのは、当時の流行じゃないかと思います。
ただ、ご指摘の通り、きっちり追えていない北海道民ぽさがありますね。

天陽:そもそもあんまり気にしていない

照男:帽子を被るので無駄なこだわりを捨てているけれども、刈り込まないオシャレさは残している

雪次郎:チャラ男まっしぐら

泰樹と照男は、作業のために帽子をかぶりながらも、オシャレもしたい。そんなこだわりも感じます。
どうでもよいと考えているのが、戸村父子ですね。

はい、そんなチャラ男の雪次郎が、なつの相談に乗るのも、そりゃそうです。
数少ない女子だー!

夕見子への初恋は、まぁ、あきらめたか、ふられたか。
夕見子の性格なら一蹴でしょうね……。

雪次郎本人には、問題解決はできないかもしれません。
しかし、社交的で明るい彼には、人脈を広げる力があり「倉田先生に相談してみたらどうか」と勧めて来ます。

国語担当かつ、演劇科の顧問でした。

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仁愛の知将・倉田先生登場

実は、十勝農業高校は演劇部が強いのです。
北海道のコンクールを制覇したこともあるとか。その秘密は、全て倉田先生にあるそうで。おっ、なんか強そうなのが来たぞ。

これが運命の出会いになる――。
ホンッットに本作って、高次元でコントロールしていますよね。週の前半で問題を出してきて、後半で新たなステップへとみちびく。

キーパーソンが、倉田先生なのでしょう。

なつの悩みを一通り聞く倉田。
仁愛の知将っぷりが明らかになります。

なつはどう思っているのか?
答えを提示せず、そこを重視するのです。

農協が正しいのかと聞かれても、答えが深い……!

「農協は正しい行いをすれば正しい。正しくない行いをすれば、正しくない」

いいから結論言ってくれよぉ〜、ってなるかもしれません。

コメント欄でもご指摘ありました通り、最近の農業はどうなのかという問題もありましてね。

農協がするから正しいのか?
それとも正しいことをするから正しいのか?

これは重要です。
偉い人が言うかことだから正しい。すごい人が言うことだからすごい。単なる思考停止です。

お前はどう思っているのか。自分の問題として、考えろ。
その答えを見つけなければ、何も言えん――。

深い!
教師という立場だから、こういうこともできたでしょう。

「農協は偉い。正しいんだ」
「大人のことに口を挟むな」
「女の子なんだから、余計なことを考えなくていい」

そうじゃないんだ。
あなたの思考と良心で考えなければ、ものごとは何も解決しない。そう問いかける。仁愛と知性が、そこにある。

奥原なつよ、自分の知恵と心で考えろ!

あー、やっぱりこれは、大谷吉継系の知将ですわ。
相手を煽ることとか、勝つことばかりに知恵を使うんじゃない。泰樹(真田昌幸)や夕見子(直江兼続)とはちょっと系統が違いますね! いや、あの二人だって優しいんですけどね。

あーちなみに、直江兼続の前立て【愛】は、仁愛じゃないですからね。
軍神の愛宕権現か愛染明王だから。

もう愛なんて信じない! 直江兼続の【兜】に秘められた恐ろしい神様

発情……そうか、発情か

なつは、天陽に相談に行きます。
ここで彼はこう言うのです。

「自分が主ならどうするのか。そこを考えて答えを見つけれ」

なつは天陽に感激します。
いつも悩みにすぱっと答えを出す。それでいて、押し付けがましくもありませんし、なつを見下したりもしない。

しかも謙遜する。当たり前のことを言っているだけ、って。

これを無意識のうちに、ズバッとやってしまう。
天陽は、不思議な青年です。

泰樹と気があうというセリフはあったものの、まだ語り合うような場面はありません。

ただ、相性はよいでしょうし、似たところもあるのでしょう。
大自然の中で生きてきて、自然から吸い込んだような知恵を身につけてしまう。そんな賢者の弟子っぽさが天陽にはあるような。

あー、そういえば出演者の中で一番妖精さんみたいな見た目ですしね。

ここで、山田家の牛の様子がおかしくなるのです。
なつは駆け寄って、発情していると見抜きます。このまま翌朝午前中にでも、種牛のところへ連れて行けば子が生まれると、なつはテキパキと言い切るのでした。

この発情問答で、なつに一切の羞恥心がないところが、本作のチャレンジだと思います。

人間も発情するんじゃああ!

視聴者はちょっと戸惑っているかもしれません。
そんな戸惑いのあと、柴田牧場へ。

なつはそろそろ牛の世話があると戻ってきているのでした。
おみやげは、途中でとった蕨です。

仔牛の面倒を見ると約束しただろう、と泰樹はちょっとご機嫌斜め。なつが天陽の牛の発情について語り出すと、ジジイが爆発します。

「人間も発情するだろう! 世間からふしだらと思われたらどうするんだ!」

これにはなつもびっくり、富士子も戸惑います。
そんな噂だなんて、と否定されるとこう来ました。

「そうでないほうが男として見くびられてる!」

まぁ、入植当時のジジイはこれだからね。いろいろあったんだろうね……。

◆あまりにもハンサム! 草刈正雄、約50年前の“レアショット”が10代とは思えない色男 – ねとらぼ

ジジイの脳内はこんな感じでしょ。

・なんだかんだで天陽は二枚目。かつ、このわしに似ている

・その天陽にかまけて、仔牛の世話とわしとの約束を忘れおった

・しかも、牛が発情だとぉぉぉぉ!

まぁ、爆発するよね。心配だもんね。

それでも、頑固ジジイとして距離感の取り方がキレているところとか。
発情をフックにするところとか。考えています。

「なつはめんこいから気をつけろ」

みたいなセリフは、巧みに避けていますね。
ジジイが、なつ相手に女としてのジャッジをしていないんです。

この年代ならば仕方ないところに、現代的価値観アップデートをきっちりと組み込んだ、本作の巧妙さを感じます。

クソジジイを受け流さない!

この一連の流れがモヤモヤで終わらず、スッキリとなるのは、その後のなつの態度が影響しているからでしょう。

「くそじじい!」
と認識して、パラパラ漫画を作っているのです。

女側の拒否をきっちりと見せるところが、本作のよいところです。

戸村悠吉のセクハラまがいの言葉に、嫌そうな顔をしていたなつ(子役)。

異性からの容姿ジャッジを、クールに受け止める富士子と夕見子(子役)。

久々に再会した剛男を、「気持ち悪いおじさん」だと思って嫌がっていた明美(子役)。

ああいう積み重ねが、すごく大事だと思います。
明美の場合なんか、エエ話にしたいならば、長年離れていようが父親だとベタベタに描いてもよいはずです。

でも、そうしなかった。

セクハラは笑って受け流してこそ。それでこそ、わかっていて賢い女。そうすれば、モテる。
そんな風潮が、まだまだ根強いものです。

◆私たちは誰も、壇蜜のようにセクハラを優しく受け流す術を覚えなくてもいい。

しかし『なつぞら』の女はハッキリと顔にも態度にも言葉にも出します。

****はもうダメだと序盤であきらめました。
容姿をバカにされたヒロインが、ヘラヘラ笑って受け流していた場面でそう悟ったものです。

セクハラや侮辱を受け流すことは、知性でも教養でもありません。
ただのプライドのない服従を、そう言い換えているだけ。

それによって得をするのは誰か?
加害者です。
連中を甘やかす考え方は、2019年では化石になりつつあります。

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クソジジイのパラパラマンガを、よっちゃんに見つかるなつ。
声をあげられ、先生にバレます。
ちょうどこの授業でも、発情について教えているところでした。

4 Comments

ガブレンツ奮戦

「お前はどう思うのか、自分の頭で考えろ」

もし、『なつぞら』が、現実の日本の農業・農政問題を意識において制作されているのなら、視聴者に対しても問題提起をしようとしているのかもしれません。

酪農関係で言うなら、
「指定生乳生産者団体」の件を筆頭に、規制改革会議が何か言い出せば、各メディアはほとんど無批判にそれを丸呑みして煽るばかり。
さも、「諸悪の根源はJAグループ。JAグループがいなくなれば万事善し」と言わんばかり。

そりゃ、当時の制度に問題が出ていたのは間違いないし、JA等が無謬である筈もない。でも、単にそれを直結させて、「こいつらを叩けば全て解決するんだぞ」という程単純なものではない。そんな単純な話なら、とうの昔に解決していよう。

比較的冷静さを残していたのは一部の地方紙。明確に反対していたのは農業新聞。
でも前者に対しては「JAに遠慮してるんだろ」、後者に対しては「どうせJA寄りのことしか書かないんだろ」という視線が向けられた。

生産者の経営の長期安定と、消費者の利益とは、重なるところもあるけれど、利害相反する面も多い難しい問題。
『なつぞら』は、現在につながる生乳取引制度の形成期に焦点をあて、「皆さんはどう考えますか」と、自ら考えることを求めているのかもしれません。

904bis型

共同出荷のメリットにしても、先程の投稿も私が考えてみただけで、「どれだけ量を取りまとめられれば、どれだけの価格水準が見込める」といった農協の考え等は、今のところ具体的には全く出ていないですしね。

904型

前回・今回と視聴して、どうも話がしっくり頭に入ってこないというか、論点が見えないと感じられてならないのは…

泰樹が、農協の共同出荷に加わりたくない意向なのは明らかですが。
では泰樹と農協は何を巡って意見が合わないのかが、今一つ見えない。

そんな中で漠然と、「農協は正しいのか正しくないのか」と言われても、では農協が提示した条件はどうなのか、共同出荷のメリットは具体的に何なのか(量を確保して交渉することで、高値取引あるいは長期的な安定取引が見込める)が全く出ていないので、少なくとも視聴者は、正しいとも間違っているとも言いようがない。

泰樹がこだわる「他の出荷者と混ざる」にしても、単なるプライドなのか、現状は高品質ゆえに高単価で買い取られているのに混ぜられると価格が下がり損をすると思っているからなのかも、見えない。

それとも、泰樹も組合長も、互いに避けていてきちんと話していないから、そういう肝腎要の核心の話が、そもそもできていないのか。

あ、もしそうだとすると、話の落ち着き先としては、
「ちゃんと話をしてみたら、泰樹も組合長も、そんなに違ったことを目指していたわけではなかった。『生産者全体に有利になるように』に違いはなかった」
「根は実は、僅かな行き違い、個人的なライバル心だった」
ということなのかも知れないですね。

匿名

泰樹のそれは現代的価値観なんでしょうか。
ただ孫のような存在が自分との約束を忘れたことに嫉妬しているということでしょう。
【なつ相手に女としてのジャッジ】なんて当然ないと思うんですが。

【女子による継承】はあれば素敵なことだと思いますが、後にアニメーター目指すということなのでその辺り上手くドラマとして見せてくれますかねぇ。
でもそうすると実の孫である照男が可哀相です。やる気もありそうなのに空気と化している・・・

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